泉鏡花part2

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31吾輩は名無しである
「舊作の囘顧」と云う、鏡花の随筆の中にこんな文章があります。
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 始めの間は大凝に凝つて書きました。それに私の癖として、印刷
にならぬ前に、自分が讀んで人に聞いて貰はねば氣が濟まぬので、
小栗君や柳川君などは、随分私の爲に聞かせられたものです。
 自分自身は聞いて貰ふ事が嬉しいので、先きでも必ず喜んでるだ
らうと思つてると大違ひ、皆苦い顔をしてゐました。併しそれでも
頼んでは聞いて貰つたものです。
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ルビについては紀田さんの下記の文章が参考になります。
「行間の魔術師」
http://www.honco.net/japanese/04/page1-j.html