「物語」「批評」「うめき」「はじらい」

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321317@大江スレ
>>320
感想ありがとうございます。

まず特に何も下敷きにはしておりません。
あるいはこれまでのすべての読書や人生の経験が下敷きになってるともいえます。

「多重的構造」のなかで具体的に書いたのは
@大江は自分の作品の中に過去の自作品を盛り込んでいます。
A自分の小説作品についてエッセイで批評もしております。
B他の小説家についても小説作品内で言及が多いと思われます。
C現実というものを作品内に取り込みもしております。
という4点を挙げたわけですが、
このなかの@とBにおいて特に物語と批評の合体があると考えます。

もう少し具体的に書いてみますと
『懐かしい年の手紙』では過去の自分の作品の名が登場したり、
過去の作品のキャラクターが登場したりもしているわけですが、
ひとことでこれを「間テクスト性」と呼べばいいのでしょうか、
そうした批評的な入れ子構造によって物語は動いているわけです。