☆☆☆佐藤亜紀 4 ☆☆☆

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773吾輩は名無しである
その話はくだらない。たとえば豊崎はこう書いているし、

>これを読んですぐ連想したのは、平野啓一郎の『日蝕』。
平野啓一郎が影響を受けたであろうユルスナールの『黒の過程』、
ユイスマンスの『彼方』、バンヴィルの『コペルニクス博士』、日本
では佐藤亜紀の『鏡の影』といった異端探究物と呼ばれるジャンル、
これを踏襲している。このジャンルのテーマの特徴が、
知識への情熱と殉死なんです。

何よりも佐藤亜紀自身が元ネタがあるといってるんだから。

>カルヴァンに火炙りにされたミゲル・セルベートとか(『鏡の影』のメインストーリーは
ここから取ったんですが)。それこそファンタジーにもしばしば見られる類型ですが、
典型的な作例はマルグリット・ユルスナールの『黒の過程』ということになるでしょう。

>お読みになっている方にはおわかりでしょうが、『鏡の影』のボーレンメントは『黒の過程』
のミュンスターのコミックヴァージョンです。現存する作家のあまり知られていない作品
である『コペルニクス博士』に似せないためには非常な克己心が必要でした。

>『鏡の影』も「異端な探求もの」ともいうべきジャンルを踏まえて書かれております。
正規ルートでは入手できない知識を探求するうちにどんどんドロップアウトして最後
は火炙り、という、これまた何回書かれたか判らないジャンルですね。