前スレの終わりの方で、「白痴」のムイシュキンを
二股掛けたバカ男としか評価できなかった人。(スレがないので番号が分からないが)
多分、女性だと思うが、今のままでは貴方はドストを読み解くとこは一生できない。
貴方は、ありきたりのドラマのような恋愛関係メインでしか物語を読み取れていない。
おそらく、ムイシュキンはもちろんの事、ナスターシャの病的で歪んた欲望も読み取れ
ないだろうし、アグラーヤの世間知らずゆえに強固なプライドも理解できないだろう。
そんな2人の女性に愛されてしまったムイシュキンはある意味、犠牲者なんだよ。
まさに神に捧げられた小羊であり、その彼を殺したのは現代(=19世紀)のロシアだ。
また「聖なる白痴」は、ドスト作品には欠かす事の出来ない存在だ。
罪罰のリザヴェータしかり、悪霊のマリアしかり、カラマのリザヴェータしかり…
白痴ではムイシュキンがまさにそれに当たる。
彼らはみな、その魂の純粋さゆえに笑い者にされるが、同時に一部からは畏怖され、
または慕われもする。
そして最期に非業の死を迎える点も一致しているが、なんらかの形で主人公に打撃を
与える点でも一致している。(ムイシュキンは主人公なので、この場合は自滅した)
ドストエフスキーの作品は、ただ、好きな登場人物をひいきして楽しむような、単純な
読み方では、その奥底に秘められた作者の考えを読みとく事は出来ないだろう。
今でも研究され続けているのはその深さ故だと知って欲しい。
ちなみに、ドストエーフスキイの会には女性会員も多く要るが、ムイシュキンが好きだ
という女性もきちんと存在している。(女性には絶対好かれないと書いていた人がいたが)
ムイシュキンとスタヴローギンが同じぐらい好きだというツワモノ(女性)もいる。
「白痴」という作品の評価も高いし、評論・研究の対象としてよく取り上げられもする。