264 :
吾輩は名無しである:2009/08/27(木) 19:07:16
わたしが・棄てた・女
が実は隠れた最高傑作です。
異論は認めない。
265 :
吾輩は名無しである:2009/08/27(木) 22:02:13
遠藤周作は芥川賞を受賞したあとも、父親の経済的援助を受けていた。
言ってしまえば、かの作家は貧乏なんて経験したこともないのである。
だのに、遠藤はエッセイで青年期の貧窮をことさら強調する。
通りすがりですが、随分前にエッセイで読んだ話。
人間はどのくらい排便を我慢できるかとういう実験をし、1ヶ月我慢したのち
やむにやまれず排便をすると、便器にビール瓶のようなものが突っ立っていた。
っていう内容の文章、本人だったのかそれとも
他の作家仲間のことだったかどうしても思い出せない。
便秘するたび気になってしょうがない。年に1回ぐらいだけど。
268 :
吾輩は名無しである:2009/09/23(水) 14:00:15
「私が・棄てた・女」の最後のところ、
何度読み返しても繰り返し泣ける。
気持ちが洗われる。でも数時間後には
現実に戻ってしまう。
やたら自意識の高い猫好き男の子?が父親と喧嘩する話のタイトルが思い出せません。
どなたか分かる方いらっしゃいませんでしょうか?
すみません、自己解決しました。別の著者でした。
>>263 大変遅くなりましたがどうもありがとうございました
気味が悪くなったわ
私が棄てた女はほんとに名作だなあ。
最後の殉教者とこれがおもしろかった自分に何かおすすめあったら教えてください。
「私が・棄てた・女」、ここ覗くまですっかり忘れてた
「だから、そのお前に頼むのだ。」だっけ
短編では「役たたず」が印象深い
雲をつかむようなことを言うばかりで、具体的な利益を、救いを、なにひとつ他人に与えられない「私」
その悲しみを、遠藤氏は、彼のイエスにも重ねたんだろうか
>>273 あるかもね。
あの小説家は本当はもっと、少なくとも表面上は、筋の通ったことがいろいろ言えたと思うんだけど
言わないんだよな。あの無抵抗さはしかし読んでてつらいものがあるw
275 :
吾輩は名無しである:2009/11/26(木) 05:19:51
>>272 「女の一生 一部・キクの場合」
読み終ってすぐにまた初めから読み始めた。こちらも最高傑作ではないかな。
276 :
吾輩は名無しである:2009/11/26(木) 06:43:12
コリアンって朝鮮人代表みたいな作風なんですか?w
277 :
吾輩は名無しである:2009/11/27(金) 00:11:17
278 :
吾輩は名無しである:2009/11/27(金) 19:20:00
「十項だけ読んでごらんなさい。十項たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい。」の、『手紙』って単語を『メール』に変えたら、まんま現代でも通じる
遠藤先生、凄すぎます
279 :
吾輩は名無しである:2009/12/03(木) 21:08:39
この人が云うキリスト教は甘えであると良く批判されるけど
同じような視点を持った宗派はないの?
280 :
吾輩は名無しである:2009/12/03(木) 21:13:52
スコセッシの映画についての話題は出た?
海と毒薬はよかったどすなあ。
勝呂がブドウ糖を食べ過ぎたオバハンを張りますところ、せつなかったどすなあ。
この切なさだけで、海と毒薬は後世に残る作品になりましたどすなあ。
勝呂がオバハンを張りましたところのような切なさ、これが遠藤文学を
遠藤文学たらしめている。正味のところ、キリスト教思想というのは遠藤文学
の核心ではない。キリスト教が遠藤の人格形成において重要な役割を果たした
としてもだ。
この切なさは他の作品にも通底するものだが、海と毒薬の上記の場面ほど
心に迫ってくるものはない。これこそ坂口安吾のいう文学のふるさとという
ものなのだろう。
張りますって何…?方言?
張ります=ぶつ
285 :
吾輩は名無しである:2010/03/06(土) 05:59:41
>>282 >キリスト教思想というのは遠藤文学の核心ではない。
いや、核心だよ。全作品にキリスト教の視点を感じる。
286 :
吾輩は名無しである:2010/03/06(土) 08:18:49
コリアンはユーモアのセンスないな。彼のエッセイはひどいもんだ。
ガチクリからすりゃでも、異端でね?
288 :
吾輩は名無しである:2010/03/06(土) 09:04:36
遠藤は自分が偽善者だという事をよく知っていた
落第坊主を売り物にしながら
上智で仮面浪人してまで慶應に潜りこみしかもその事を
生涯ひた隠しにして生きた
つまりこの作家としての破滅を賭けた
二重性こそ遠藤の最大の文学的テーマなのである
つまり学歴社会の転びバテレンでありながら
信仰を貫いた英雄であるかのように振る舞い続け
狐狸庵物や浪人物での落伍者へのシンパシーの正当性を担保した
そして母にお仕着せられたという宗教はこんな自分にも
神は沈黙するのかという第2のテーマなのである。
289 :
吾輩は名無しである:2010/03/30(火) 20:59:21
戦時中の食糧難の補完食として葡萄糖をカロリーメイトのように
齧ってる描写が印象に残ってるな〜
って、そんなとこしか印象に残ってないw
290 :
吾輩は名無しである:2010/04/09(金) 01:27:27
沈黙のwikiに
「弱いものが強いものよりも苦しまなかったと、誰が言えるのか?」
とあるがなんだこれは?
手元に本はないが強いと弱いが逆だろう
291 :
吾輩は名無しである:2010/04/09(金) 16:00:27
侍
松原の遠藤の家に遊びにきてあまりのみすぼらしさに
プロレタリアートねぇと嘆息した女子大生達も
もう70婆さんなんだな
295 :
記憶喪失した男:2010/05/02(日) 08:45:05
「沈黙」 遠藤周作
47位/181作品。日本語小説。
傑作であった。江戸幕府に弾圧される宣教師を描いた歴史小説である。
大名の狡猾な弾圧と摘発により、死を覚悟して布教しようとするサスペンスが、
すごく面白かった。終始、はらはらどきどきしていたし、背後にある神学哲学も、
面白かった。ゆえに、「こころ」や「万延元年のフットボール」より高い評価となった。
遠藤周作は、日本文学を代表する偉大な作家だと思う。
296 :
吾輩は名無しである:2010/05/23(日) 13:02:56
ttp://www.asahi.com/culture/update/0522/SEB201005220015.html 遠藤周作の未発表小説か サディズム通し「悪」描く
2010年5月23日10時4分
作家遠藤周作(1923〜96)の未発表とみられる小説の草稿が、
長崎市東出津町の遠藤周作文学館で確認された。
「われら此處(ここ)より遠きものへ」と題され、
B5判のノート80ページにわたって青い文字が並ぶ。
同館は遠藤の日記をもとに1958年ごろに執筆されたと特定。
開館10周年を記念して、22日からノートと日記の公開を始めた。2012年5月まで。
草稿に解説などを加えて刊行し、今年度中に同館で販売する予定という。
物語は、フランスを訪れた日本人留学生が、
サディズムの語源となったサド侯爵を研究していく話と、
フランスの対独抵抗運動に参加した黒人男性が、
秘密国家警察に拷問される話の二つが交錯して展開する。
同館学芸員の池田静香さん(34)は「サディズムや拷問を通して、
初期の遠藤文学のテーマである人間の『悪』を見つめている」と解説する。
ノートや日記は遠藤の家族が同館に寄託していた。
池田さんが08年ごろ、草稿に気付き、全集や単行本などに掲載されていないと確認した。
他に既出の可能性がないかの調査を続けている。
草稿が完全なものかも不明で、池田さんは「今後、細かく調べていく」と話している。
「海と毒薬」を読んだけど
戸田や看護婦など実験に関わった人間の人生や人となりを紹介するなら
手記の形よりも本人の回想形式の方が良かったと思った
手記ってのが人に読ますこと前提なのなら余計なこと書き過ぎだと思う
特に看護婦の方
「王妃マリー・アントワネット」読んだ。
ネタは良いと思うが、
作者の創作人物の動きが説明的過ぎる気がなきにしも非ず。
この作家はねちっこい独白体のほうが合ってる気がした。
自分の中の、森田ミツのイメージそのものの女の子を見かけた。
中身まではわからないけど…。
「悲しみの歌」は自分にとって最も好きな作品の1つです。
なんで遠藤周作ってもっと有名にならないんですか?
301 :
吾輩は名無しである:2010/07/22(木) 21:22:19
王国への道が好きです
302 :
吾輩は名無しである:2010/07/23(金) 07:07:55
『沈黙』の先行的作品として坂口安吾の『イノチガケ』があるんだろうな。
303 :
吾輩は名無しである:2010/07/29(木) 21:04:19
悲しみの歌、女の一生、彼の生き方、灯のうるむ頃あたりが一番好き。
ほとんど読んで大好きで3年くらい前まで読みふけったけど、今日
久しぶりに買ったけど読んでなかった協奏曲読んだら面白くなかった。
好みが変わったのかな。今まで面白くない遠藤周作はなかったのに。
304 :
吾輩は名無しである:2010/08/04(水) 19:19:12
ぐうたらシリーズが好きです
ぐうたらしてーずら。
306 :
吾輩は名無しである:2010/08/19(木) 15:05:34
ルックスで損してるよね
髪あったら違った評価だったかも
評価は高いと思うのだが
誰かが西のアランドロン、東の遠藤周作と書いていたよなw
最近、海と毒薬を読み返たとき、まず思ったのが、
昔の日本人はかくも心が弱かったんだなあと。
今どきこの程度で、思考停止して実験参加など、ヘタレカスの極みと足蹴にされよう。
太陽が黄色かったからとは、ちと違うもんな。
日本人、それなりに成長してるんじゃないだろうか。狐狸庵はなんと言うかな。
キリスト教的罪の意識が希薄だから平気で人体実験をする
つまり、道徳的主体性がないから付和雷同的に行動する
というのが狐狸庵先生の見解だ。
>>309 おっ、ありがとう〜!
ここでキリスト教という切り口が浮かばないといけなかった訳か。ナルホド。
勉強になりました。次はがんばるわ。
>>310 実際、遊び相手の看護婦を孕ませて
だまし討ち同様の手口で人工堕胎をしたバカ医者が最近いただろ?
狐狸庵先生の視点はまだ有効なんだよ。
海と毒薬に出てくるあの血まみれの胎児というのは
イエス出生におけるヘロデ大王の幼児虐殺みたいなもので
この世の悪を前にして無力な人間の生をあらわしているわけさ。
そこで“信仰”という問題が出てくる。
信仰を通してこの世の“悪”を考えたのが狐狸庵先生の生涯で
モーリアックの問題意識を正しく継承したわけだよ、この極東の島国で。
だから、その葛藤たるや並大抵のものじゃない。
一見軽妙なエッセイも精神のバランスをとるための手立てさ。
またまたありがとっす。
じっさい狐狸庵文学とキリスト教の方程式はオイラにゃ難しいよ。
しかし香油瓶持ってたらマグダラのマリアみたいに、
胎児(子供?)ときたら、嬰児虐殺みたいな鍵があるのかなとか。
次回読む楽しみが広がるやね。
ひとり息子さんは現在
フジテレビのエライさん(常務取締役)です。