403 :
美香 ◆FE5qBZxQnw :
「恭しき娼婦」(サルトル/芥川比呂志訳/「新潮世界文学47」)
→戯曲。どういえばいいのかね。ふつうに退屈もしないで読み通せました?
べつに魂を揺り動かされもしないけど、かといって怒り出したいほど退屈でもない。
1時間弱。まあ。時間つぶしくらいいはなったと。テレビを見てるよりは有益だったかと。
テーマはアメリカの黒人差別。分類するなら、問題劇とかいうジャンルに入るのか。
へえ、あの、有名なサルトルさんの作品ですか、ありがたやありがたや……。
「蝿」」(サルトル/加藤道夫・白井浩司訳/「新潮世界文学47」)
→戯曲。恒例のギリシア神話(悲劇)変奏もの。オレステス神話。
ラシーヌもコルネイユもコクトーもアヌイもオニールもやったあれ。
成功してるかって聞かれたら答えに窮しちゃうところがある。
だってわかんないんだもん、オレステスの言っていること。
これ致命的じゃないかな。読んでわからないものを、はたして聞いてわかるか。
観客はみなサルトルの哲学? 思想? に通じていなければならないとでも?
いまだにわたし実存がどうのってわかんないし、それでいいと思っているから。
「出口なし」(サルトル/伊吹武彦訳/「新潮世界文学47」)
→戯曲。これはよろしい。
現代の日本人にもっとも受けるサルトル劇はこの「出口なし」では?
テレビドラマ「世にも奇妙な物語」を100倍、おもしろくした感じだから。
舞台は死後の世界。さてさて、ここは天国か地獄か。
男女計三人。だれもが生きていたころの行為(責任)について考えさせられる。
サルトルは哲学者というイメージが強いから、
作者名を知らさずにこの芝居を見せたら、あとで観客は驚くこと請け合い。