1 :
吾輩は名無しである:
絶版も多く、ソ連が崩壊した今、あまり省みられる事のない作家ですが、
社会の非人間性を静かに告発するその姿勢は、決してその価値を失ってはいない。
彼の作品とその行動を、ゆっくりと語っていきましょう。
2 :
吾輩は名無しである:04/01/31 00:57
ショスタコビッチも交えようか。
3 :
吾輩は名無しである:04/01/31 00:58
ごめん。知らない。『ツィ』の発音がよくわかんない。
力学数学部出身の数学者でもある。
「ガン病棟」オモロー
『煉獄のなかで』が好きです。
7 :
吾輩は名無しである:04/01/31 19:18
イワン・デニーソヴィチの一日、の新潮文庫の訳はどうですか?
岩波文庫で重版されるのを待つべきでしょうか。
またソルジェニーツィン短編集も今絶版なんでしょうか。
収容所群島も見つかりません。
読みたいのに軒並み絶版になってるのが残念です。
8 :
吾輩は名無しである:04/01/31 19:22
ガン病棟はエロいですね。
9 :
吾輩は名無しである:04/01/31 19:28
10 :
吾輩は名無しである:04/01/31 19:44
>>8 いささかソルジェニーツィンを侮辱するところがあるやうに感じられる・・・・・・
11 :
吾輩は名無しである:04/01/31 23:31
「ガン病棟」は好きだったな。
特に、オレークがヴェラに宛てた手紙。
あんな手紙が欲しいと思った学生時代。
12 :
吾輩は名無しである:04/01/31 23:32
収容所の一日と、大多数の日本のサラリーマンの一日と、どう違うのだろうか、と
読んだあと思った。
ただ単にソ連の体制批判をしただけの作品だったら凡庸な作品にしかならなかった
だろう。シベリア収容所はひどいな・・・と思いつつ、じゃあ自分は囚人よりどれ
だけ「上」の生活をしているのか?囚人より意味のある生き方をしているのか?と、
人間の人生そのものを考えさせるところが名作とされるゆえんだろう。
13 :
吾輩は名無しである:04/01/31 23:53
共産主義が崩壊したから価値が下がったと言う人もいるみたいだけど
ソルジェニーツィンは文学的に充分価値が高いと思うぞ。
>12
収容所の苦しい生活をただ苦しいままに書いていたら
これだけの評価は得られなかっただろうね。ああいう風に
ユーモラスに書けるってことは辛い生活の中でも
自分を客観的に観ることができたってことだね。
14 :
吾輩は名無しである:04/02/01 00:02
主要作品リスト
イワン・デニーソヴィチの一日
煉獄のなかで
ガン病棟
収容所群島
マトリョーナの家
クレチェトフカ駅の出来事
公共のためには
胴巻のザハール
右手
風にゆらぐ燈火
復活祭の行列
鹿とラーゲリの女
一九一四年八月
一九一六年十月
廃墟の中のロシア
赤い車輪
クレムリンへの手紙
仔牛が樫の木に角突いた
チューリヒのレーニン
甦れ、わがロシアよ
現在入手可能→イワン・デニーソヴィチの一日
収容所群島Tだけは手元にあるがそれ以降はどうしても手に入らない。
結構まめに古本やさんを回っているが手に入らない。
みんな全部持っているのだろうか?
今日「マトリョーナの家」というやつを100円で手に入れた。
ちょっと得した気分。
これ読んだ人いる?
17 :
吾輩は名無しである:04/02/01 00:09
amazonより無断転載
元々は高校時代、夏休みの宿題の読書感想文用に購入しました。以来、読み返すこと10回以上、
下手な人生論の書よりもよっぽど私を厳しくかつ温かく励ましてくれています。
落ち込んだ時や何をしても満足感を得られない時など、この小説に立ち返ります。
舞台は旧ソ連時代の強制収容所。収容されたこと自体が理不尽であるのに、主人公はその中で
たくましく前向きに生き抜きます。10年の刑期のうちのたった一日だけが描かれているのですが、
その中に、生きる智恵、人生を楽しむコツ、みたいなのがちりばめてあります。
悲惨な一日なのになぜか心が温まり、最後のページでは「幸せってなんだろう?」と思わずにはいられません。
18 :
吾輩は名無しである:04/02/01 08:55
新潮文庫のあまりにやる気のない表紙に脱帽
政治に利用された作家というイメージが強いと思うが
彼もまた時代のヒトと言えよう。
ロシア人と昔話をすると暗い話しがとても多いのだが
それもまた笑い話にしてしまうあの逞しさと極端さにとても惹かれる。
あれ意外に書きようがなかったと思う今日この頃。
今読んで当時の社会の告発、以外の価値が残っているかは、疑問。
20 :
吾輩は名無しである:04/02/01 09:01
収容所群島の北朝鮮バージョンって怖そう。
木島浩って人の「ソルジェニーツィンの眼」ってどうですか?
>>16 岩波文庫の短編集の存在を君は知っているか?
>>13 ねえ、過去のソルジェニーツィンスレで
同じようなことを書いた覚えがあるんだけど
コピペしてない?
違ってたらごめんね。
24 :
吾輩は名無しである:04/02/01 10:20
20世紀後半になっても、19世紀的なスケール感を時代遅れにならずに小説に実現できた
稀有な作家だね。
本人の才能もあるが、半分はあの政治体制のおかげ。
逆境が芸術にはプラスに働くこともあるという良い例だ。
懐かしいな、昔けっこう読んだな〜…
「群島」も読んだ。面白かった。ただ一つ気になる点がある。
映画「大脱走」とそっくりのエピソードがでてくるんだけど
単なる偶然? それとも実際の出来事がすでに伝説化されて
何かのシンボル的意味合いを持ちながら各地に広まってたのかな。
>>23 ごめん。落ちないように2、3レスだけ転用した。もうやんない。
>>24 うんうん。第二次大戦後に、生真面目なリアリズムがあれだけの成果を上げたのは
驚異的というほかないよね。一連の長編も今読んでも十分いける。
本人は単なる政治告発や、刺激的な暴露ものという位置から逃れるのに苦心していたと
思う。イワン・・・・・はじめのあの淡々とした語りはそこから生まれたんじゃないか。
ロシアも今、急速に反動化しているし、圧倒的な権力の横暴というのは
そしてその中で生きるということは普遍的なテーマでもある。
ソ連崩壊のあとに軒並み絶版というのはあまりに可哀相。
トンネルといやあ脱走の定番や!
>>27 別に責めてるわけじゃないよ。
なんか見覚えがあったから気になってさ。
でも勝手にコピペされて不快になる人もいるかもしれないから
やめたほうがいいかもね。
たしかにトンネルは脱走の定番だけど、見つかった時の状況とか
細部までそっくりだった気がしたので…
本はもう手元にないし、気のせいかな。
31 :
吾輩は名無しである:04/02/01 16:36
イワン・デニーソヴィチしか読んだ事ないけどおもしろかった。
コツコツと進んでいくのが良い。
32 :
美香 ◆FE5qBZxQnw :04/02/01 17:03
>>12 評論家にはぜったい書けない感想。
個人的に2ちゃんねる文学板レス優秀賞を授与します。
そういう読み方があったのか。
あなた、おもしろい。
収容所群島はもうちょっとで復刊だね。
>>32 帰ってください。あなたがくるとスレが腐ります。
あなたに賞を送る資格などない。何様のつもりだ。
ガン病棟は楽しいな。
病院ものは「魔の山」といい何故か楽しいよね。
一種のワンダーランドだからなのかな?
収容所群島が近所の古本屋にセットで1000円で売ってるんですけど、
これって楽しいんですか? 魔の山みたいな、含蓄のある小説なでしょうか。
それともモンテクリスト伯みたいに、収容所を危機また危機で脱出するロマンなんでしょうか。
おもしろそうだったら買おうと思います。どんな感じですか?
全巻揃って1000円というのは破格の安さだな。
いろいろ言ってあげたいが、もう無駄だ。次に行った時には、たぶん誰かが買って無くなっている。
39 :
吾輩は名無しである:04/02/02 20:03
収容所もの以外の作品、1914とかもおもしろいと思う。
ほとんど手に入らないし注目されてないけど
買ってきちゃいました!ちゃんと残ってました(^^)
こどもたちがカードゲームやってるような古本屋なんで誰も見ないんでしょうねー
イワン・デニーソヴィチの一日がおもしろかったんで
これから収容所を読んでみます。
>>40 楽しいってよりか、たしかエピソードの寄せ集めのような
構成の作品だった気がする(違ったかな?)。かといって支離滅裂
ってわけではないけど。まあどっちにしても一般に認識されてる
(されてねーよw)より読みやすいとは思う。しかし、いきなり
「群島」ですか… それはそれで、ちっとも構わないけれども。
42 :
吾輩は名無しである:04/02/04 19:14
このスレ笑った
まだソルジェニーツィンって読まれてるんだ 懐かしいな〜
昔あんなに新潮で出てたのにどうしたんだろうね。
収容所群島なんて「魔の山」とか「戦争と平和」みたいに古典になると
思ってたけどナー。
43 :
吾輩は名無しである:04/02/04 19:45
東浩紀の「ソルジェニーツィン試論」なら読んだことある。
44 :
吾輩は名無しである:04/02/04 22:19
>>42 同意。学生の頃は必ず店頭に並んでたもんだが。
やっぱり収容所群島の頃がピークだったのかのう。
政治的側面が強調されすぎたので、いまその反動がきているのかも。
良い作家なのに惜しいのう。
イワン・デニーソヴィチ読むと学生の時の登山部を思い出す
47 :
吾輩は名無しである:04/02/05 23:08
イワン・デニーソヴィチの一日読むと元気が出るね。
また、Yカメラの仕事に耐えよう、という気が湧いてくる。
イワン・デニーソヴィチ読むと貧乏暮らししたくなる
49 :
吾輩は名無しである:04/02/06 02:59
「イワン・デニーソビッチ」は学生時代の夏休みに読んだけど
あたかも極寒のシベリアにいるような寒気を感じたな。
50 :
吾輩は名無しである:04/02/06 17:52
イワン・デニーソヴィチの一日を読んだ
本多勝一は「反ソプロパガンダ」で片付けたみたいだね
政治的文脈に振り回されすぎて
今はほとんど黙殺されているという
この悲しい事実
彼の作品はソ連という先入観を起こす母体が
崩壊してこそ本当に意味を持つのに
イワンでもガン病棟でもわかるよ
ソルジェニーツィンは単純に伝えたかったんだ
生きるという事がどういうことかを
>>21 >木島浩って人の「ソルジェニーツィンの眼」ってどうですか?
木村浩でそ。
近所の図書館で『日本よ何処へ行く ソルジェニーツィン滞日全記録』(RFラジオ日本編)
という書物を見つけた。彼の日本旅行は隠密行動ではなかった。
記念講演「現代日本の選択」、座談会「東西文明崩壊の危機」(参加者はソルジェニーツィンと、
作家 安岡章太郎、東京外語大教授 志水速雄、ロシア文学者 木村浩、京都大学教授 勝田吉太郎)
「世界と日本、現状と将来」というテレビ討論も収録されています。
参加者は、ソルジェニーツィン、上智大学教授 内村剛介、外交評論家 法眼晋作です。
「(昭和五十七年十月九日放映「NTV座談会」より)」だそうです。
>>51 ソルジェニーツィンこそ何処へ行く・・・今はそんな気分です。
彼はは連邦崩壊後、何か小説は発表してるのですか?
やたら民族主義的なエッセイなら読んだことあるけど。
チェチェン人がひどい奴らだということはよくわかったから、
小説を出して欲しい。
今何してるの?この人。
>>53 プーチン大統領の顧問みたいなこと。以下は毎日新聞の記事
http://www.mainichi.co.jp/edu/school/news/2000/09/26/j-05.html 「ロシアのプーチン大統領がノーベル賞作家のソルジェニーツィンさん(81)と会談した。
大統領自ら、モスクワ郊外(こうがい)のソルジェニーツィンさんの自宅を訪ね、約3時間にわたって話した。
ソルジェニーツィンさんはエリツィン前大統領が進めた民営化や市場経済政策について
「一部の人々を金持ちにするだけで、国民の大多数に貧困(ひんこん)をもたらす」と批判、
プーチン大統領に、国の将来を心配する手紙を送ったという。
大統領は「あなたの手紙を読み、会いたいと思うようになりました」とあいさつ。
ソルジェニーツィンさんも「私もそう願っていました」と応じた。」(以下略)
http://www.eva.hi-ho.ne.jp/y-kanatani/minerva/QCao/QCao/cao7.htm こちらは2000年に発行された中国の雑誌の日本語訳だが、
「これが、今年81歳のソルジェニーツィン氏がプーチンロシア国大統領(47歳)の“尊師”となった経緯であるが、」
と、かなり批判的。しかし「確かに、彼らには共通する点がある。両者ともに汎スラブ主義を主張し、
“大ロシア国”の実現を目指している。」とあるが、ソルジェニーツィンに関しては違うと思う。
彼は旧ソ連時代からウクライナの独立に賛成し、北方領土も日本に返還すべきだと説いていた。
>>51で紹介した『日本よ何処へ行く ソルジェニーツィン滞日全記録』(RFラジオ日本編)
に収録されたテレビ討論における内村剛介のソルジェニーツィンに向けた発言を
118ページから引用します。
「キッシンジャーが回顧録『White House Years』の中で、あなたの名を挙げて
「現代文明にはたした彼の役割は巨大である。ネオ・コンザーバチズムといった
アメリカの流れが強化されて、プロ・ソビエト派が後退したが、それはもっぱら
ソルジェニーツィンの力による」といっています。」
全体の内容はそれほど驚くべき事柄ではありませんが、1983年の書物に
「ネオ・コンザーバチズム」(子ブッシュ政権成立以来よく聞く「ネオコン」の事)
なんて言葉を発見してちょっとびっくり。
「ネオコン」という言葉は、最近よく耳にするようになりましたが、存在自体は古いんですね。
もともとは反スターリン主義の社会主義者が、「反ソ」という一点で米保守政権と共闘、
その後徐々に保守化していったのがその由来で、源流を辿ると第二次大戦前の
アメリカ社会主義労働者党にまで遡り、50〜60年の歴史があるそーです。
57 :
吾輩は名無しである:04/02/10 23:22
>>56 そうすると「ネオコン」とは、元々は「反米・反スタ」みたいなものだったのですか。
(年がバレる…)
ネオコンの伸張にソルジェニーツィンの著作が影響を与えていたのが事実なら、
現代のイラク戦争にも影響を与えてるってことか…。
「ソルジェニーツィンの目」を図書館で借りてきた。
これから読もう。
59 :
心身症休職中:04/02/11 08:41
ソルジェニーツィンってまだ生きてるんでしょうか?
以前、テレビで見たときにヨボヨボで、ああ、もうじき死にそうだな、と思ったんですが。
>>57 >そうすると「ネオコン」とは、元々は「反米・反スタ」みたいなものだったのですか。
そう。日本でいうと、清水幾太郎率いる「現代思想研究会」のメンバーが政府中枢に
入り込んでいるようなもので、単なる保守派とは出自が違うんですね。
主張は真逆になりましたが、「アメリカ民主主義を世界に広める」といった使命感や、
イデオロジカルな理想主義に、左翼のシッポが残っていますね。
そういったネオコンと、素朴な民族主義的パトリオティズムを説くソルジェニーツィンが、
本当に相容れるかどうかは疑問です。
彼はアメリカでは、左翼とは違うもうひとつのイデオロギーに、利用されたっぽいですな。
木村浩とソルジェニーツィンってデキてるの??
なんか一緒に一ヶ月旅行したらしいじゃん。文通もしてるし。
「ソルジェニーツィンの眼」を読んだけどお互いに「ヒロシ」とか名前で
呼び合ってるらしいよ。マッ・・・・・・
62 :
吾輩は名無しである:04/02/13 01:34
>>61 木村浩はロシア人相手に「セリョージャ」と名乗っていて、
当初ソルジェニーツィンもそう呼んでいたけれど、
日本名が「ヒロシ」と知ってからは
「ヒロシ」と呼ぶようになった。
ソル氏が日本文化を尊重した結果かと。
木村浩はユーラと。
64 :
吾輩は名無しである:04/02/13 02:08
東浩紀の書いた「試論」ってどうよ?
オタクとか萌えでソルジェニーツィンを分析してる
やめてほしいね。
67 :
吾輩は名無しである:04/02/13 18:43
何言ってるんだ?
あれは東唯一のまともな評論。
粘着そうだからスルーで
ところで「赤い車輪」ってまとめて読めないんですか?
70 :
吾輩は名無しである:04/02/13 21:02
72 :
吾輩は名無しである:04/02/14 02:16
剃るで兄チャン
73 :
吾輩は名無しである:04/02/14 20:11
>>69 英訳がある。英訳でまとめて読むのをすすめる。
74 :
吾輩は名無しである:04/02/15 00:58
『イワン・デニーソヴィチの一日』読んだ。
最高に良かったぞ。『悪霊』以来のエキサイティングな読書だった。
「群島」とかにも興味出てきたんですが、ズバリ楽しめそうですか?
イワン萌え?・
76 :
吾輩は名無しである:04/02/15 11:19
群島はたぶん悪霊とか、戦争と平和レベルの雄大な感動を覚えるだろう
『イワン・デニーソヴィチの一日』が淡い水彩画なら、
『収容所群島』は大作の壁画彫刻、というのは確か木村浩の評だった。
____
/.,,, . ~ヽ
(,´._ヾ、゛ 丶 コストグロートフさん…
L_ ," ゞ,丿
. ;,/`フ ~l."
シュボッ ,() / / ̄ヽ
|E| `´
____
/.,,, . ~ヽ
(,´._ヾ、゛ 丶
L_ , ゞ,丿 おまいガンなめ杉
__`フ ~l."
/ / / ̄ヽ
`´ ~~/ミ)━・~~~
One day in the life of Iwan denisovich
『ガン病棟』で「プラス思考でガン自然消失!」「サルノコシカケがガンの特効薬!」
が出てきて驚いた。エセ科学や民間療法って、ちいとも進歩しないというのは
本当なんだなあ。
81 :
吾輩は名無しである:04/02/28 18:55
栗本慎一郎
82 :
吾輩は名無しである:04/03/01 20:09
収容所群島再版しねーかなー!!
83 :
吾輩は名無しである:04/04/02 07:17
彼の本は反民族主義で反国家主義な
自分が読んでも楽しいです。
85 :
吾輩は名無しである:04/04/15 09:58
下がりすぎだ。1じゃないがageとく。
1とは別のスレでも話したことがあるような気がするので…
ところで、ソルジェニーツィンって最も影響を受けた作家にドストエフスキーを
挙げているけど、他の人と影響の受け方が違うよね。
だいたいドストの影響を受けた作家って、もっと晦渋な表現で観念的な小説を
書く傾向があると思うんだけど。
これはソルジェニーツィンの個性による違いなのか。それとも外国人のドスト解釈
が観念的すぎるだけで、ロシア本国ではドストはリアリズムの作家と見られているのか。
ソビエト文学といえば、ほとんどソルジェニーツィンぐらいしか知らないから
判断つかねえ。
教えて、露文のエロイ人!
>>85 ドストは「ロシアの大地」の伝統に忠実だとみなされていまっせ
87 :
吾輩は名無しである:04/05/02 07:36
昔、読んだ『チューリヒのレーニン』が面白かった。生き生きとしたレーニン伝としては、トロツキーのものと並び秀作。
88 :
VON・トーマス・マン:04/05/08 21:48
>>85 ソルジェニーツィンはある意味では20世紀のドストエフスキーとも
言われてきたね。収容所生活を描いた作品は、ドストエフスキーにも
「死の家の記録」とかあるし、御互いに収容所生活を経験した作家。
また外国生活の長さなど、共通項目がかなり多く見える2人だよな。
ソルジェニーツィンも結構な長編が多いからまだ4つしか読んでいな
いけど、それはそれで仕方がないことかもしれないと思う。
ソルジェニーツィンって確か第二次世界大戦の時の戦車部隊将校だった
けど、何かの失態で失脚した経験を持っていたと思った。
89 :
吾輩は名無しである:04/05/28 17:17
懐かしいな・・・・
91 :
吾輩は名無しである:04/05/29 21:39
>>88 ソルは赤軍の元砲兵大尉。
赤軍兵士の東部ドイツ人に対する暴虐を批判する手紙が
検閲に引っかかってシベリア送りになった。
物理、数学が得意だったため肉体労働をさせられずに済み
それで辛うじて生還したらしい
あの人は砲兵だったのか
>>91 新潮文庫の解説だとスターリン批判の手紙が検閲にひっかかったっていうけど
「煉獄の中で」が好きだな。
TVドラマ化もされていたし。
95 :
吾輩は名無しである:04/05/31 13:08
息子はピアニスト。シューベルトの18番ソナタを聴いたことが
あるが、リヒテル以上にテンポを微動だにさせず、輝かしい
音色で、それでいてフォルテになるとすさまじいパワーを発揮する
という、まさに音の大伽藍という感じの演奏だった。鈍感と紙一重
という感じもしたけれど、あの曲であれ以上の演奏を聴いたことが
ない。まったく茫然として聴き終えたのをよく覚えている。
その後まったく名前を聞かないのが悲しい。
戦後も60年近くになると
生き証人も減ってくるよな
97 :
吾輩は名無しである:04/07/10 13:30
長そう
>>95 初耳。ぜひ聴いてみたいと思ふ。情報ありがとふ。
99 :
吾輩は名無しである:04/07/16 09:34
無頼漢(なんつー訳語だ)の描き方についてはどう思う?
ソルジェニーツィンが我々囚人と言うときに彼らは除外されてしまってるわけだけど。
100 :
吾輩は名無しである:04/07/16 11:07
100イワン
101 :
吾輩は名無しである:04/07/18 08:52
収容所群島は面白いよ。
文章が反語的で皮肉たっぷりで思わずニヤリとなる。
森林伐採のインチキのくだりなんて何度読んでも笑えるよ。
最高のブラックユーモアだ。
暗そうなイメージで敬遠している人はぜひ読んで欲しい。
本当に面白いから。
>>99 あの方たちにはあの方たちの人生があるんではないかと。
ソルジェニーツィンが何と言おうと偉い方たちだと思ってしまいます。
護送列車の中で朝になると全員髭をきれいに剃っている、という
何の役に立つのか判らないプラクティカルジョークがいい。
あと、収容所が反乱を起こすと、いきなり差し入れに来る
チェチェン人ってのもよござんした。
103 :
吾輩は名無しである:04/07/22 03:03
>>102 時代とか体制とは無関係にたくましく生き延びていく人々だよね。
いってみればカラマーゾフの長男みたいなものなんだけど、
その部分を切り捨てて我がロシアとかロシアの大地とか言われても説得力ないんじゃないの?って思っちゃうんだよね。
どうもソルジェニーツィンの彼らの描き方には私怨がこもっているような気がするんだよね。
104 :
吾輩は名無しである:04/08/22 03:22
ソルジェニーツィンの目かりてきた!!!!!!!!!1
105 :
吾輩は名無しである:04/08/27 11:38
ロシアの旅客機墜落事故はチェチェン過激派によるテロの疑いが濃厚。
ソルジェニーツィンは何を思うか。
b
107 :
吾輩は名無しである:04/10/20 12:49:30
収容所群島の復刊交渉中
108 :
吾輩は名無しである:04/11/17 01:18:41
で、どうだった?
109 :
吾輩は名無しである:04/11/17 05:42:21
110 :
吾輩は名無しである:04/11/24 01:03:24
きのう実家近くのブコフで超美本の『ソルジェニーツィン短編集』見つけたんだけど、
絶版と知らなくて、他に買いたいのがたくさんあったから、次の機会でいいやと思って買わなかった。
結構貴重な本だったのね…。次に行く時は無くなってるんだろうなorz
そうか?
最近書店で普通に買ったけどな。
112 :
吾輩は名無しである:04/11/24 03:41:07
岩波文庫はある程度定期的に重版してるから
待てばそのうちまた刷るよ
113 :
吾輩は名無しである:05/01/09 10:56:33
「ガン病棟」と収容所群島読むならどっちがオススメ?
114 :
吾輩は名無しである:05/01/21 23:54:29
収容所群島を読み始めたが面白い。ぜひ読破したい
115 :
吾輩は名無しである:05/01/22 17:29:49
最近マローズ厳しいな!
116 :
吾輩は名無しである:05/01/25 20:44:23
>>113 ま、普通には収容所群島ではないかな。ガン病棟も面白いけど。
そういえばガン病棟に「日本人の看護婦」が出てくるんだけど、
あれがいまだによくわからない。シベリア流刑された旧日本軍の従軍看護婦が
中央ロシアに飛ばされたという設定なのか?
最近の北朝鮮バッシッンクや嫌中感情増加で
この本も注目されると思ったんだけどなぁ…。
勿論、時代は違うけど普遍的な面もあると思うんで。
もしかして、彼らは単に叩いてるだけで、
そこに住む人々のことなんてどうでも良いと
思ってるんじゃなかろうかと、少し不安なり、寂しくなる。
保
お守りage
120 :
吾輩は名無しである:2005/04/26(火) 17:21:23
「煉獄の中で」良かったとです
121 :
吾輩は名無しである:2005/05/08(日) 14:27:31
以前、「収容所群島」1〜3巻を古書店で買ったけど
これは失敗だった。
全巻揃いをみつけるまで待つべきだった……。
4〜6巻だけ売ってるところなんてないもんなぁ。
煉獄の中でって図書館にあったな。
123 :
吾輩は名無しである:2005/07/08(金) 00:29:46
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/yanazawa/tokusatsu/dainippon.html 愛国戦隊大日本の第二十話が「敵か、味方か?収容所帰りの凄い奴 ソルジェニーツィン仮面」
笑った。ほんと、右翼も左翼も「敵か、味方か?」って感じだもん。
「煉獄の中で」って邦題は失敗だと思う。原題の直訳は「第一の輪の中で」。
この「第一の輪」とはダンテの神曲・地獄編の始めの方に出てくる「第一圏」のことで、
ここでは異教徒だけれども才能のある学者たちが名目上の地獄で「名誉ある」罰を
受けている。現代人の目から見ると、カトリックの教義の矛盾、というより可笑しさが
目につく箇所で、それをソルジェニーツィンは囚人科学者の特権的収容所を意味するために
使ってるわけで。さらにドストエフスキーなどの、共産主義思想とカトリック思想とを
ある程度同一視するロシア文学の伝統にも従っている。そういう「皮肉で知的な笑い」
を誘う題名なのに。これを「煉獄の中で」とやってしまうと「収容所のなかで精神的
甦りを求めて苦行に呻吟する囚人たち」の話みたいに聞こえてしまう。
せめて「辺獄にて」にしてほしかった。
124 :
吾輩は名無しである:2005/07/08(金) 10:46:50
キリスト教世界の人間以外はすべて煉獄行き、というのが、そもそも排他的。
125 :
吾輩は名無しである:2005/07/12(火) 03:30:57
「収容所群島」だって、原題を直訳すれば
「収容所管理所の多島海(楽園)」
なわけで。
126 :
吾輩は名無しである:2005/07/16(土) 01:27:50
>>125 そうそう!「多島海」とはエーゲ海に代表される、
西欧古典時代の楽園をイメージさせる言葉なんだそうです。
ドストエフスキーの『未成年』にモロに楽園としての多島海の幻想が出てきます。
ロシア文学だからって、何でも重苦しく訳すのはやめてほしいですよ。
ゴーゴリの『死せる魂』だって『死んだ農奴』という意味で、というのは
スレ違いですね。
127 :
吾輩は名無しである:2005/07/26(火) 23:46:18
128 :
吾輩は名無しである:2005/07/26(火) 23:48:11
129 :
吾輩は名無しである:2005/09/26(月) 18:47:36
>103
私の感想はチョト違うなあ。。。
シャラーモフの「コルイマ物語」にでてくるプラトノイの残虐さは本当に恐ろしかった。シネイデル船長の人格崩壊の所なんかスプラッタより怖い。。。
130 :
吾輩は名無しである:2005/11/14(月) 00:46:11
保守
131 :
吾輩は名無しである:2005/11/17(木) 00:17:24
まだイワン・デニーソヴィチの一日だけしか読んでないけど言わせて。
この人はすごい!
適当な言い方ですまないけど、シューホフほど見事な主人公ってドストにも
トルストイにもいなかったかもって感じたほど。
ロシア文学って収容所や苦境の人間の生活を描いた小説は多いけど
これはじめじめした環境に飲み込まれず、あくまでも生き生きと人間自体を描いてる。
生々としたリアリズムと温かいユーモア、何よりシューホフのあの生き方、考え方は
当時のソ連の読者には今の読者に与える以上に、力強くて効果的なメッセージだったんだろうなあ。
何か、作家の「小説はかくあるべき」って意思をひしひしと感じました。
というわけで他のも読みたいけどお勧めは何でしょう?
>>131 「ガン病棟」いちおし。
イワン〜もだけど、人間が魅力的だあ
133 :
吾輩は名無しである:2005/11/19(土) 12:35:31
>>131 おー!
「イワン〜の一日」最高に良いよね!
私も一年前くらいに読んで興奮した! 良すぎて。
一日の風景の中に、倦怠とか仕事への情熱とか欲望とか諦めとか緊張とか、
シューホフのいろんな心の動きが盛り込まれてるし、
多彩な傍役たちも効果的に配されてる。
そんな長大じゃない一冊なのに、読後の満足感もすごくて、
一作品としてこんなに完成度の高い小説は久しぶりに読んだなと思いました。
134 :
吾輩は名無しである:2005/11/19(土) 19:52:11
終わりの一行がスパッとしててまたいいですよね。
今の自分の生活とはかけはなれたシベリアの、しかも
収容所の、たった1日の出来事を書いているのに、
読んでるとなーんか自分の生活にビシビシくるんですよね…
チェーホフの読後感に近かった。
どっちも大好きですが。
イワン〜は全部のバランスが絶妙だよね。
だからみんなが言うような読後の満足感みたいのが得られるんだろうな。
138 :
吾輩は名無しである:2005/12/03(土) 19:17:06
収容所群島が350円で売ってたんだけど買い?
これって絶版?
ちなみに文庫ではない。上下とも割ときれいで各350円。
買いだと思う。
そのうち、岩波文庫で定期復刊されるだろうけど、
いつのことかわかんないしね。
141 :
吾輩は名無しである:2005/12/15(木) 08:39:29
age
142 :
吾輩は名無しである:2005/12/15(木) 23:47:49
いやー最近マローズ厳しいわー
収容所群島が上下って? 全六巻じゃなかったっけ。合本が
あったのか?