アラブ文学・中東文学のスレッド

このエントリーをはてなブックマークに追加
156148
君や66のいう「チンパンジーにバイオテクノロジー」「アラブ人てのは
もともとそうなんだよ」は、本当にそうなのかもしれない。しかし…。

かつて、ある人が似たようなことを書いていて、意外に思ったものだ。
カナファーニ「太陽の男たち/ハイファに戻って」は、パレスチナ解放
闘争に共感を抱く人々や、いわゆるポスコロ系の論客に高く評価されている。
ところが、邦訳者のひとり奴田原睦明教授は、90年代初期には「抑圧は外にある
のではなく、あなた方の内に、血の中にあり…」とアラブ人に愛想尽かしの
言葉を語るまでになった。(「アブドル・ラフマーン・ムニーフと抑圧の問題」)

その反面、また意外な人物が、「自由は本当に万人が望むものだ」として
そんな考えに断固NOという。かつてソ連共産主義体制に対する反体制闘士、
今日イスラエルの右派政治家にしてネオコンの精神的支柱となっている
ナタン・シャランスキー氏だ。(「なぜ民主主義を世界に広げるのか」)

イラク戦争の、アラブ・イスラム世界の救いようのない現実は、ネオコン的
「お節介」など役立たずだ、とシニカルな気分を蔓延させるが、それは何も
生み出さない。わずか60年余り前に、反西洋思想にとらわれ転落した
日本を救ってくれたのは、原爆投下をはじめとする欧米諸国の徹底した
「お節介」だったことを忘れてはならない。