【文学と】尾崎豊【Rock】

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女子大生のわたしは妊娠してしまった。父は怒ってわたしの頭を坊主にした。
実家に居辛くなっていたとき、一人暮らしをしている大学の友達が夏休みに帰省するので、その間部屋を借りられることになった。
小田急線、経堂駅前のアパートで暮らしだすと、若い男が頻繁に部屋を訪れた。
友達が別れた前の彼氏なのだが、しつこくアパートにやってくるのだ。
わたしが追い返そうとすると彼が泣き出したので、近所で飯を食ってなだめた。
わたしは予備校に通っていた頃、講師のサイトウさんという四十過ぎの男性と付き合っていた。
サイトウさんは奥さんと離婚したばかりで、わたしたちはいい関係になりそうだったが、
サイトウさんの方から距離を置かれた。その後、やけになったわたしは色々な男性と毎日SEXしまくって
妊娠してしまったのだ。だから未だにあのときの子供の父親が誰だったのかわからない。
そのことを誰も信じてくれない。高校のときの同級生だったキクちゃんに誘われてキャンプに行った。
キクちゃんのお兄さんと仲良くなり、その後も彼のアパートに遊びに行ったりデートを繰り返す。
彼は役所に勤めている。キクちゃんの家には母親がいない。お兄さんは母が死んだと言う。しかしキクちゃんからそれは嘘だと告げられる。
わたしが風邪を引いて寝込んだとき、キクちゃんとお兄さんが看病にやってくる。
キクちゃんの弟はバンドをやっていて、わたしが彼の歌を褒めるとバイト先の漫画喫茶によく来るようになる。
夏休みが終わりわたしは実家に戻った。父は共働きで余り構ってやれなかったことを反省した。(了)