大岡昇平スレが停滞しているのはザンネンなので、たててみました。
世界最大級の戦後文学を書き、ベストセラーを残しつつも、多くの戦後知識人達(例・埴谷、大江、小林秀雄・大西・吉本…)と同等以上に語り合える「知」としては貴重な存在でしょう。
もっと評価されてもいいのでは?
2 :
吾輩は名無しである:03/09/04 23:31
2
わざわざ重複してまで立てるスレかいな
4 :
吾輩は名無しである:03/09/04 23:32
オオオカ(・∀・)イイ!!
「たんなる戦争文学」ではないわな。
ヽ(`Д´)ノ
作家論は馬鹿。
7 :
吾輩は名無しである:03/09/04 23:52
良スレ…?
8 :
吾輩は名無しである:03/09/06 12:58
『野火』、呼んだ奴、意見・感想書け!
漏れに教えて栗。
10 :
吾輩は名無しである:03/09/07 16:41
ホシュ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!!!!!
12 :
吾輩は名無しである:03/09/07 16:53
13 :
吾輩は名無しである:03/09/08 16:50
あげ
意味なくあげたら、「のび太」の方もあげてやるから、そう思え。
15 :
吾輩は名無しである:03/09/10 16:17
映画みた?
このスレも停滞しました。
誰かまた新しいスレを建ててください。
17 :
吾輩は名無しである:03/09/13 22:27
『俘虜記』について。
柄谷は『野火』より『俘虜記』を評価しているようだし、島田雅彦も同様らしい。
そんな中、簡単な感想で申し訳ないが、この文体にはこの身近さが丁度いい、と思った。
18 :
林彪 ◆ZJMS.Joo8Q :03/09/16 19:48
停滞しちゃ・・・・・だめだ だめだ 止まっちゃ・・・いけない 僕達は、進むんだ
僕はのびたじゃない、草薙圭だ!
野火は読むと必ず寝る。読破したことがない。多分相性が合わないんだと思う
吉本も俘虜記を挙げている
20 :
吾輩は名無しである:03/09/17 03:30
((((((;゚Д゚))))))ガクガクブルブル
23 :
林彪 ◆ZJMS.Joo8Q :03/09/17 21:54
この画像なに?
25 :
吾輩は名無しである:03/09/18 02:03
柄谷行人が『倫理21』で「野火」と「俘虜記」をカントの枠組みで論じていましたね。
大意は、「俘虜記」は倫理B(世界市民的倫理)を考えているが、後者は倫理A(共同体倫理)でしかないと。
それは野火の表象のされ方で、そこにフィリピンへのまなざしがなかったと。
大筋同意しつつ、しかしキリスト教的価値観が侵食したことと絡めたらどう論じられるんだろう?
>>20より、検索すればもっとまともな評論にぶつかります。
ネットはすごいな。隠れたところに、すごい文章がある。
ヒィー(((゚Д゚)))ガタガタ
27 :
◆CRaxoB3keg :03/09/21 14:01
別スレの124に書いたことの補足
「ちくま9月号」所収の大江健三郎と菅野昭正の対談は
筑摩の大岡全集完結を記念してのもので
テーマは大岡の「明晰さ」についてのものだった。
二人とも彼の「明晰さ」に称賛を送りながらも
多少視点の角度というか届き方が違っていた。
菅野は大岡の作品は明晰さに貫かれているというのに対し
大江は大岡の作品のある面には破綻もあるという。
ただしその破綻も大岡の徹底した明晰さによって
浮き彫りにされるものだと語っている。
明晰さが崩れてゆく極限状態においても
その明晰さを保とうとする強靭な精神力が大岡にはあると思う。
28 :
推定少女ファン:03/09/21 19:05
す・・・すげぇや!
/\
/ \ ホシくない!!
___/ \__
\ ・A・ /
\ /
/ \
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/ \ ホシくない!!
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\ ・A・ /
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/ \ ホシくない!!
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/ \ ホシくない!!
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\ ・A・ /
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/\ ホシくない!!
___/ \__
\ ・A・ /
\ /
/ \
ところで「武蔵野夫人(新潮文庫版)」の巻頭の地図が
「八王寺」になっているのだが、現在は修正されているのだろうか?
恥
yoiyoi
test
qfgf
40 :
吾輩は名無しである:04/01/10 03:43
『事件』『野火』
読み終わったので大掃除の際、一緒に捨てました。
42 :
推定少女ファン:04/02/06 03:36
よ〜しこちゃんよー!
43 :
吾輩は名無しである:04/02/06 03:37
武蔵野夫人、いいですね!
ただ、個人的には、あの従姉弟同士のカップル、駆け落ちでもしてほしかったが。
44 :
吾輩は名無しである:04/02/06 18:42
大岡ってうざい
レイテ千期はいいけど野火とかうざい
自分だけええかっこしてんじゃねえよ、このたこ。
45 :
吾輩は名無しである:04/03/11 17:10
確かJ・G・バラードが大岡の「野火」をすごく評価していたって
記憶があるのだが。
46 :
吾輩は名無しである:04/03/11 18:38
それ、「クラッシュ」の松岡正剛との巻末対談だっけ?
>>46残虐行為展覧会だったような気がしますが・・・
ただ、なにか他のムック本で、バラードの住宅まで行って
取材しているやつだったような気もするし、昔出てた
トーキングヘッズ叢書のJ・G・バラード号だったのか・・・
資料が手元にないのでよくわかりません。
野火・・・暇つぶしに、古本屋の100円コーナーから適当に漁って買い、そして一気に読まされた。
何にひきこまれたのか自分でもわからないんだけど・・・一人でいるときも、誰かと行動しているときも心の奥底が醒めてるというか、そんなところが自分にマッチしたのかな。
誰にでもすすめられるわけじゃないけど、とりあえず自分の中で5本の指に入る作品です。
49 :
吾輩は名無しである:04/05/04 21:26
共同幻想論でも言及されてたな
50 :
吾輩は名無しである:04/05/26 14:21
野火、読むと暗い気持ちになる。
51 :
吾輩は名無しである:04/05/26 23:24
死体の群れを迂回して…
野火は一回しか読んでないけれど、心に残ってる。
52 :
吾輩は名無しである:04/05/27 20:49
「ほんとうのせんそうのはなし」
53 :
吾輩は名無しである:04/05/31 02:43
我深き淵より汝を呼べり
54 :
吾輩は名無しである:04/05/31 18:22
武蔵野夫人とスタンダールの作品って関係深いんでしょうか?
56 :
吾輩は名無しである:04/08/04 18:49
大岡昇平って、ナベツネに似てませんか?!
57 :
吾輩は名無しである:04/08/04 19:07
8月8日(日)
19;45〜 NHK教育TV「あの人に会いたい」 大岡昇平
58 :
吾輩は名無しである:04/08/04 19:12
文学版って読むの初めてだけど。
一番上に大岡昇平のスレッドあるなんて。いま俘虜記を読んでいる。
捕虜収容所で通訳やってて、日本へ帰ってくると
道聞かれても英語は分からないふり、というのが面白いね。
59 :
吾輩は名無しである:04/08/04 19:15
60 :
吾輩は名無しである:04/08/04 19:15
フィリピン人なんて「比島人」だもんね。
久しぶりに日本の女性を見たが比島人のように黒かった。
61 :
吾輩は名無しである:04/08/04 19:16
62 :
吾輩は名無しである:04/08/04 19:16
63 :
吾輩は名無しである:04/08/04 19:18
64 :
吾輩は名無しである:04/08/04 19:19
サラリーマンが「俸給生活者」ってのもおもろい
65 :
吾輩は名無しである:04/08/05 15:29
おほおかしようへい
66 :
吾輩は名無しである:04/08/05 15:29
違った
おほをかしようへい
67 :
吾輩は名無しである:04/08/16 21:34
NHKで生前のインタビューやってた
68 :
吾輩は名無しである:04/08/27 14:35
桜花賞?へえ。
69 :
吾輩は名無しである:04/09/19 00:41:45
大岡、戦争文学「野火」「レイテ戦記」(氏の執念に圧倒)やスタンダール影響を受けた「武蔵野夫人」
やら「事件」やら凄く好きなんだけどさ、
知的左翼ってことで右翼攻撃したり「英雄伝」を毛嫌いするあたりやっぱり人間味があるよなぁ。
70 :
吾輩は名無しである:04/09/24 21:44:03
「武蔵野夫人」とか「花影」っていいのかい?
なんかメロドラマじゃないかという読後感だったよ。
>>70 フランス心理小説を日本語で、というその意気は買うんだけど、
メロドラマっぽくなってしまうのは何故なのかな…
受け取る側にも問題があるからだろ
そもそも「メロドラマ」自体がフランス心理小説の一種を指している。
日本ではすっかり蔑称としてのみ定着したが。
74 :
吾輩は名無しである:04/11/03 21:45:13
大岡裁き
75 :
吾輩は名無しである:04/12/11 18:04:15
不慮記は素晴らしい。
彼が書いた中原中也に関する文も興味深いやつがあったな。
中原中也の文句を言ってるのが、大岡昇平の人柄を出してて面白かった。
「少年」も楽しかった。初めてのオナニーについて語ってるやつ。
76 :
吾輩は名無しである:04/12/11 20:54:28
ここでは話題に上ってないようですが、
最近古本屋で大岡氏の「ハムレット日記」を購入しました。
まだ読んでないので、読み終えたらまた何か書き込みます。
俘虜記は、戦争が作り出した、大岡の含羞が感じられて胸を打たれる。
大江をこの立場に立たせたら、どんな作品を書くんだろうか
78 :
吾輩は名無しである:04/12/15 15:27:28
蒼き狼論争はどうよ?
なんか突っかかる姿は嫉妬心に見えたんだけど。
でもやっぱり、自分のイメージを壊した井上靖に本気でキレたのか。
>>78 井上靖の歴史小説からの視点で論じられたものしか
読んでいないのだけれど、井上にとってはためになった
と思う。げすのかんぐりだけど、馬があわんものは
しょうがないよな。2chがあったら、最近のののしりあい
スレみたいになったかも。
俘虜になる、というのがどんな影響を与えるのかは
経験ができないので定かではないけれど、特にプライドを
持っている人間にとっては非常に大きなストレスだろう。
作家としてはそれを題材とすることは覚悟のいること
だったとも思われる。
私小説って一種の懺悔っぽい。いや、そのものかも。
80 :
吾輩は名無しである:05/01/20 02:15:51
>>78 あの論争に勝敗があるかどうかは分からないけど
あれはやっぱり井上がひどい、と思うんだけどね
で、とりあえずage
あの論争は「歴史小説論」に収録されてて、蓮實が解説を書いてたけど、
蓮實や柄谷が尊敬するのも分かるなって思った。
でも、日本で受けるのはやっぱり司馬やら井上やら松本だと思う。
晩年筒井康隆を評価していたような記憶があるが、彼の断筆宣言とか
見たら、やっぱり批判したのかな。
>>81 蓮実関連で言えば、あの年代の人が何はともあれドゥルーズ読んだり
とにかく蓮実を評価した、ってのがすごいなと思うよね
筒井については微妙だよな、大岡のエッセイ系読んでると
案外「文学主義」的なところもあるから(と言うより使い分けがうまいな、と思う)
四方田犬彦が、どこかで浅田彰について語り合ったとか書いてたけど、
浅田とはあったことあるの?
この人が文化勲章を辞退したときの理由が、頓知が効いてて面白かった。
「自分は捕虜になった人間だから、恥ずかしくて陛下の前に出られない」
とかなんとか。これ聞いて爆笑したな。
大江の辞退理由を聞いて、直球過ぎて駄目じゃんと思った。
>>83 そんなんあったっけ?
>>84 大岡の発言って冗談と本気という対立を見事に切断してる(褒めすぎ?)
「捕虜になった人間だから」→「陛下の前には出られない」って
どんな直接的な言葉よりも強度がある天皇制批判だよね。
>>85 エッセイの解説だったかな。
二人で映画について語り、マルクスについて語り、ドゥルーズについて語り
みたいな感じに続いて、最後に浅田彰について語ったとかあったような気がする。
>>86 全集の?
ちと本棚から引っ張り出してみるよ
ジャン・ルノワールについては、どう評価してたんですかね。
以前教育テレビでルノワールの特集をしていたときに
ルノワールの言葉として
「映画なんて大したこと無い。本当にすばらしいのは、自然だ。
映画はせいぜい2時間で見終わるけど、この世界は1生かかっても歩き尽くせないほど
広いんだ。自分に優れた点があるとしたら、その一部を切り取る能力があったって事だ」
って感じの言葉が出て、「歴史小説論」を思い出した。
89 :
吾輩は名無しである:05/01/24 23:42:20
大岡は人間としても魅力がある数少ない作家のひとりだ。
リゾーム読んだ後、
なんか木が嫌になったりと、かわいい晩年を過ごす!
ゴミカス整形プロ野球界の汚物 身障剛志とそのオタは死ね
92 :
吾輩は名無しである:05/03/14 02:58:30
93 :
吾輩は名無しである:05/03/14 03:01:06
>>85 >「捕虜になった人間だから」→「陛下の前には出られない」って
>どんな直接的な言葉よりも強度がある天皇制批判だよね。
どういう意味なんでしょうか?
ただ受賞すると何かと面倒くさいから適当に理由をつけて断ったようにしか思えないのですが・・。
94 :
吾輩は名無しである:05/03/14 06:15:25
95 :
吾輩は名無しである:05/03/14 19:34:31
>>94 俘虜記でも「天皇の存在は有害だ」と書いていたが、その考えを老人になっても持ち続けていたということ?
晩年の昭和天皇病気の際は「おいたわしい」とか言っていたのに。
もしウィットの効いた言葉なのだとしても、自分が天皇に比肩する人物だと思っているっていうことで何だかなぁ・・
>>93 まあ受賞するのは面倒ってのはあったかも知れんが
無色透明・空虚な天皇っていう戦後民主主義に対する皮肉になってない?
97 :
吾輩は名無しである:05/03/20 00:28:15
未読の人に薦めるなら、『レイテ戦記』、『俘虜記』、『野火』、それともその他の著作、どれ?
98 :
吾輩は名無しである:05/03/20 00:40:59
>>95 だからさ
建前 「自分は捕虜になった不名誉な人間だから陛下に会わせる顔がない」
本音 「捕虜になったのは俺を戦争に行かせたお前のせいだよ。
良く俺に会わせる顔があるな」
これでわからなかったらもうしらん
99 :
吾輩は名無しである:05/03/20 05:17:33
>>95 ウイットじゃなくてシニックね、この場合。
100 :
100:05/03/20 17:00:22
文体において評価が真っ二つに分かれる人だね。
俺はあの乾いた明晰さはめちゃくちゃカコイイ、とおもうんだが、
批評文調で色気が無いっていう人も多いね。
辞退したのは文化勲章じゃなくて、日本芸術院会員。死の直前の「おいたわしい」
発言は、裕仁天皇個人への同情の表現で、例えば江藤淳や阿川弘之みたいな王党派
の文学者たちの感性とは全く異なるところからでたもの。中野重治の「五勺の酒」
と似たものを感じさせる。
やび?のび?
103 :
吾輩は名無しである:05/03/20 23:47:32
のびのびた
104 :
吾輩は名無しである:05/03/20 23:57:07
武蔵野夫人を読んでつまらんと思ってそのままストップしていたが、たまさかこのスレをのぞいて読む気になった。2ちゃんの良きところ。感謝
>>100 むしろ、あの明晰さこそ他の「戦後文学」と呼ばれた輩とは異質な
色気を感じるかな、個人的には。中村光夫が評価したのも肯ける。
>>101 「あわせる顔がない」発言と共に考えた場合、大岡は戦後の天皇=人間
という概念をどのように考えていたか、興味アリ。
>>104 僕は『武蔵野夫人』、好きだなー。漱石の『それから』なんかを鑑みつつ
読むのもアリかと。
106 :
吾輩は名無しである:05/03/21 02:54:46
いや、この人の文体はセクシーでしょう。
それも、例えばハセキョーとかがセクシーとかいうんじゃなくて
安達裕美の水着画像みたいな、罪悪感を誘うような赤裸々で生々しい色気だね。
107 :
吾輩は名無しである:05/03/21 03:19:12
大岡の文体は確かにロリ好みだと思う。文章を女に例えるならば
真性ロリータ→大岡
ロリを装った変態→川端
ロリを装った美人局→谷崎
化粧のうまい美人→三島
高級バーのマダム→荷風
AV女優→村上龍
>>107 性欲丸出しの高校生か?(藁
意味ねーアナロジーなんかやめておけ
マスでもかいてさっさと寝ろ!
アナロジーなんて難しい言葉つかっちゃって、この子ったら。
「アナロジー」が難しい109に乾杯!
まぁ、アナロジーなんて言葉を振り回すのはたしかに恥ずかしいわな。
113 :
吾輩は名無しである:2005/03/21(月) 19:17:49
106のいう「安達裕美の水着画像」っていう比喩はよくわかんないけど(笑
「赤裸々で生々しい色気」ってのは同意だな。
114 :
吾輩は名無しである:2005/03/22(火) 00:12:32
「野火」買ってきました。
この人の本読んだことないんで楽しみです。
116 :
吾輩は名無しである:2005/03/25(金) 01:02:21
>>98 え、でもさ、俘虜記には「資本家と軍部が・・」とか書いてあったから、天皇にそういう感情を持っていたとは考えにくいんだよね、
と思ったけど、昭和の時代は確かに今よりは無意味に天皇家を崇める人は少なかった記憶があるから(特に都市部では)、
それもありえるかも知れませんね。
117 :
吾輩は名無しである:2005/03/25(金) 01:05:00
この人、「少年」で小さい頃市電の中で女性を眺めていて嫌がられたと書いていたな。
「要するに私は視姦者であった。」とか描いてあって笑ってしまった。
118 :
吾輩は名無しである:2005/03/25(金) 12:05:31
>>116 大岡の戦友は天皇バンザイ!を叫んで死んでったんだよ?
いくらその取り巻きが悪かったとはいえ、天皇に対し何の思いも抱かないはずがない。
それに後半の文意がいまいち理解出来ないんだが、
今時「天皇家を無意味に崇める人」なんているか?
今時の若い人はこんなふうに考えるのかね…。
119 :
吾輩は名無しである:2005/03/25(金) 13:16:21
天皇のためにという大義で多くの日本人が戦争で死んだ
軍部に利用されただけで天皇は悪くないというのは少数派だろう
120 :
吾輩は名無しである:2005/03/26(土) 03:17:23
天皇という人、というよりは天皇という「何か」であったということに
着目すべし。
戦後、天皇が「何か」ではなく、人になった時点でその人は天皇では
なくなってるんだよね。この辺の人にとっては。
澤地久枝って何者?ことあるごとに大岡の話をして戦争反対だの反省しろだのと
自分の言いたいことに利用しようとしてる感じを受けるが、あれじゃ大岡が誤解されかねないだろ。
ミンダナオ島生存?旧日本兵のニュースで「俘虜記」や「野火」が再評価されるかもしれないな
123 :
吾輩は名無しである:2005/05/27(金) 22:22:25
その名もずばり『ミンダナオ島ふたたび』ってのもある。
124 :
吾輩は名無しである:2005/05/27(金) 22:33:41
しかし戦後60年もたって生存してるってのはすごいな
125 :
吾輩は名無しである:2005/06/22(水) 11:38:15
9
126 :
吾輩は名無しである:2005/07/04(月) 23:54:56
大岡昇平を評価するなんてただのスノッブだよ。
しかし大岡のスノビズムを評価するという意味で大岡を評価するのだとしたらそれはそれで正しい。
とは思わないか。
127 :
吾輩は名無しである:2005/07/05(火) 16:13:55
思わん、というか意味不明
128 :
吾輩は名無しである:2005/07/08(金) 16:19:23
では君はどう思うのだね
129 :
吾輩は名無しである:2005/07/21(木) 18:12:37
戦争ものは海外でも評価は高いけど、武蔵野夫人とかってのはどうなのか。
130 :
吾輩は名無しである:2005/07/21(木) 18:43:36
真珠婦人みたいなもんだ
文体がすばらしすぎる
この夏、『花影』を読みました。
この人といえば戦争ものの印象が強かったので、「どんなもんかな」
と読み始めたけれど、まず文章も丁寧だし、人間観察も鋭い。
大岡昇平は「戦争文学者」ではなく、「文学者」であると
認識し直した。乙。
133 :
吾輩は名無しである:2005/09/01(木) 05:50:04
猿の肉をつまみに酒でも飲むか・・・
134 :
吾輩は名無しである:2005/09/02(金) 02:37:14
135 :
吾輩は名無しである:2005/09/02(金) 04:55:40
永松ばらして食ったくせに、都合よく記憶喪失になっちゃうのな
136 :
吾輩は名無しである:2005/09/02(金) 13:18:14
こいつが井上靖に喧嘩売ったのが許せん。
たいして作品も書いていないのに。
137 :
吾輩は名無しである:2005/09/03(土) 12:37:52
oo岡は何様ですか
勘定奉行
139 :
吾輩は名無しである:2005/09/27(火) 18:50:36
140 :
吾輩は名無しである:2005/10/02(日) 20:39:28
ひまつぶしに俘虜記を読んだ。昔のインテリらしい翻訳調の悪文と自分に何の関係もない
内容がひまつぶしの読書に適していた。書き出しはシリアスな感じだったのがだんだん崩れ
てきて終わりの方にはおかまが出てきたり貴様帝国軍人を愚弄するのか!?って感じで
生ぬるい収容所生活はシベリアで辛酸を舐めた人々の憤激を買いそうだし、発表当時は
相当の議論を呼んだのではないか。収容所を題材に日本社会を風刺する、みたいな今日的
意義付けはちょっときついな。よほどヒマな人以外は読まなくていいねいまだに版を重ねてる
のは不可解。
>>140 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・絶句
144 :
140:2005/10/04(火) 04:33:59
文句があるならきちんと批判してみろ低能ども。文章を形成する能力が足りないのか?
>>144 >書き出しはシリアスな感じだったのがだんだん崩れ てきて
>終わりの方にはおかまが出てきたり貴様帝国軍人を愚弄するのか!?って感じで
>生ぬるい収容所生活はシベリアで辛酸を舐めた人々の憤激を買いそうだし、
>発表当時は相当の議論を呼んだのではないか。
だからこそ評価されてるんじゃないか?
当初は俘虜になることを恐れていたが、実際は戦時中にあって
天国(とは言い過ぎかもしれんが)のような場所だった。
本土にいる国民が飢えているのに、自分たちは太るほど栄養を摂取していた。
厳しい俘虜生活が待っているかと思いきや、意外と緩い部分もあった。
シベリアで辛酸を舐めた日本兵がいる一方、自分たちのような日本兵もいた。
などなど、そういった部分を克明に描いている部分に意味があるわけで。
捕まる前、そして捕まってから日本に帰国するまでの生活が
すべて死と隣り合わせだった、という方が君の好みには合うのかもしれんが、
実際がそうではなかったんだから、それは仕方なかろうて。
まあ当時の出版順にまとめてあるだけだから、
文庫として読んだ際に繰り返し語られる箇所も多く、
冗長に思えてしまう部分があることも確かに否めないけどな。
>>143 むしろ、日頃ゆとり教育を叩いてるニュース系板の
2ch脳住人じゃねーのか?
嫌韓流とか買ってそうなヤツ
あまりにも豪快なOBだからなー
軍板で大岡昇平叩いてた奴いたけど、すぐに論破されて消えたな
148 :
イラストに騙された名無しさん:2005/10/24(月) 11:54:22
海に投げ込まれるようなものだ
>145の圧勝に見えるが。
150 :
吾輩は名無しである:2005/10/24(月) 12:53:40
収容所のオカマの話とかはいくらでもあるので、
別段どうとも思わないんだけどな。
小林なんとかの本で喜んでいるようなヤツは現実を直視できないのかな?
「どうしてわかりましたか!?その通りでありました」
152 :
吾輩は名無しである:2005/12/15(木) 08:24:45
age
153 :
吾輩は名無しである:2005/12/15(木) 11:39:44
『事件』とか一連の推理小説ものあるよね。あれらはどうなんだろう?
当方大岡の戦争小説、歴史小説は呼んだ若造。成城だよりも面白かった。
>>153 事件は推理小説じゃない 法廷ドラマというべきだろうね
155 :
まり ◆d8n7WoOMQ. :2005/12/15(木) 13:12:58
この人がスタンダリアンな理由を教えてください。
大岡先生の作品のどこにスタンダールの影響があるの?文体かしら?
スタンダールというよりはむしろフロベールだとおもうんですけど。
おかしいかしら?
スタンダールなんてどーでもいい。
大岡昇平さんと結婚したい(*゜∀゜*)
157 :
吾輩は名無しである:2005/12/20(火) 01:10:27
age
158 :
通りすがりの966:2005/12/20(火) 02:18:36
>>155 スタンダリアンなところ。
・野心家であること
・計算高いこと。
これは一種のダンディズムでもあろう。
文体は、もちろん無意識的な影響もあるだろうけど、意識的に
模倣した。
フローベールっていうのは聞かないなあ。なんか根拠でも?
>>158 う〜ん、なんていったらいいのかなあ・・・
スタンダールには、美男美女、恋、戦争、冒険・・・みたいな
いわゆるロマネスクな世界への欲望をかなり感じるんですが。。
大岡さんの代表作っていわれてる戦争ものなんかを読んでも、
そういう資質をあまり感じないんですよねえ。
むしろ、さえない田舎の姦通事件なんかにお題をとりつつ、
メスを握ったお医者のような手つきで冷徹な描写を重ねるフロベールの、
描写そのものへの欲望みたいなものに近さを感じます。
160 :
通りすがりの966:2005/12/21(水) 01:16:56
>>159 ロマネスクの世界の方は、「武蔵野婦人」、「花影」という系列の
作品があるじゃないですか。
でもフローベールとの親近性については納得。
スタンダールに惹かれるのは自分にない資質の持ち主だからじゃない
かな。スタンダールの小説の主人公には「実行家」と「策略家」の
性質に加えて「感情の純一性」、「無垢」という特徴があると思う。
大岡さんはちょいと「ひねくれた」ところがある、「ハスに構えた」ところ
がある。読者にはそのへんが凄い魅力なんだけど、大岡さん自身は、
頭の切れる行動人にとどまらずそういった「無垢」的な資質に
憧れがあったんでは?
161 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/03(火) 08:44:52
あけおめー!!!!
大岡昇平を批判するなんて。でも、「野火」のええかっこしーとか、
「俘虜記」の翻訳調の批判は、納得するところがありますね。
「野火」は、重々しいので、3~4回しか読み返していません。
「俘虜記」は、米兵に恋してしまって、殺せなくなるという話でしたね。
筒井康隆は「七瀬ふたたび」でしょう。
162 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/03(火) 12:22:24
少佐、もう焼肉定食の話はやめましょう。
163 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/07(土) 02:14:36
評論や随筆などのノンフィクションでは何がいいですか?
164 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/07(土) 02:23:46
知りません。
筒井なら、「狂気の沙汰も、金次第」
165 :
通りすがりの966:2006/01/10(火) 00:04:28
>>163 評論は「中原中也伝ーーー揺籃」が必読。
もし、昇平さんがこの文章のレベルを維持したまま中也伝を完結していたら
近代日本随一の伝記文学となっていたであろうと思われる。
随筆というか、やや軽い読み物としては、前の方で挙げられていたけど、
「成城だより」(講談社文芸文庫)が面白い。知的刺激に満ちた一冊。
作者の退屈が作品の退屈を生み、作品の退屈が読者の退屈を生む。そしてその連関が主題としての退屈を形づくる。
文学的停滞・低回を極度に押し進めたこの作品は、その過度性によって異常なほど静かな感動・思想を読むものに印象づける。これはどんなに魅力的な思想や政治よりも華々しい強度をもっているんじゃね?
野火のあらすじ教えて下さい
聞いてどうすんの?
170 :
名無し物書き@推敲中?:2006/04/02(日) 16:17:04
気にすんな
171 :
吾輩は名無しである:2006/04/12(水) 13:14:07
『武蔵野夫人』はひどすぎて読めなかった……。
あんなんならスタンダールを5回読んだ方が価値があるよ。
センスの悪い人ってのはどうしようもない
173 :
吾輩は名無しである:2006/04/12(水) 16:30:37
あ、大岡のことね。
174 :
吾輩は名無しである:2006/04/14(金) 09:10:14
ほんとは大岡も「肉」喰ったんだよなァ?
そうだろ? 大岡。
175 :
吾輩は名無しである:2006/04/14(金) 11:20:00
>>174 大岡はあっさり米軍に投降して
呑気な収容所暮らしを満喫していたので
肉を喰う機会などなかったと思います。
176 :
吾輩は名無しである:2006/04/14(金) 12:16:51
俘虜になるまえに喰わなかったのかな。
惜しいことをしたな。
喰っていれば開高健とグルメ対談できたのに。
177 :
去勢ライダー ◆70GMkrgv2I :2006/04/14(金) 13:28:36
他に食うものがないときに人肉食ってもいいと思うぞ。
人肉よりうまい肉が他にあるか?
もうすぐ罪人の肉がレストランに出回る日も近いが
人肉のうまさを知ってる奴には嬉しい限りだろ。
豚肉を初めて食ったときと同様に、人肉もはじめはいやがるものの
段々慣れたら、ウマーになるだろ。そりゃそうだろ、罪人には
人権のない近未来の話だから、当然人肉で儲ける業者もでるしな。
去勢ラーダーは自分のちんぽを喰らったのかい
179 :
吾輩は名無しである:2006/04/15(土) 09:40:16
焼肉焼いても家焼くな♪
180 :
吾輩は名無しである:2006/04/15(土) 09:43:30
ヒトは死後二週間の腐りかけが一番うまいよ
181 :
吾輩は名無しである:2006/04/15(土) 10:42:11
フィリピンで二週間ももたんだろ。
182 :
吾輩は名無しである:2006/04/15(土) 11:31:29
差別だ!
183 :
吾輩は名無しである:2006/04/15(土) 18:59:31
おい、おまえら、「花形」が講談社文芸文庫にはいるぞ。
184 :
吾輩は名無しである:2006/04/15(土) 22:00:00
そんなどーでもいいもんを!
後藤明生をもっと増やせよ。
185 :
吾輩は名無しである:2006/04/15(土) 22:24:37
後藤明生のどこがいいんだ?
186 :
吾輩は名無しである:2006/04/15(土) 23:59:02
もしくは、近松秋江とかさ。
187 :
吾輩は名無しである:2006/04/16(日) 02:02:40
後藤明生なんかいらないよ。古い古い。
188 :
p234.net219126026.tnc.ne.jp:2006/04/16(日) 06:58:21
焼肉食いたい。
189 :
吾輩は名無しである:2006/04/20(木) 10:49:00
わが家は焼肉屋さっん♪
190 :
吾輩は名無しである:2006/04/20(木) 20:50:20
そういうネタならむしろ大岡じゃなくて武田なんだが。
それはともかく、スタンダールの大岡訳はけっこうよかった。
191 :
たなか:2006/04/20(木) 20:54:40
大岡昇平スレが停滞しているのはザンネンなので、たててみました。
世界最大級の戦後文学を書き、ベストセラーを残しつつも、多くの戦後知識人達(例・埴谷、大江、小林秀雄・大西・吉本…)と同等以上に語り合える「知」としては貴重な存在でしょう。
もっと評価されてもいいのでは?
192 :
吾輩は名無しである:2006/04/20(木) 21:59:06
そんなにたいそうなもんじゃねえよ。w
193 :
吾輩は名無しである:2006/04/20(木) 23:29:47
それを「知」と呼ぶかどうかはさておき、対談者に合わせて自らを語る能力はたいしたもんだと思う。
吉本や埴谷との対談と、柄谷、あるいは蓮実との対談は、同一人物とは思えないくらい意見が180度違う。
ある意味では、結局何を考えていたのか、他の戦後文学作家と異なり判断しかねる小説家じゃないか?
194 :
吾輩は名無しである:2006/04/21(金) 08:50:20
その対談は何に収録されてるの?
195 :
吾輩は名無しである:2006/04/28(金) 02:21:14
同じく読みたいです。
バカ高の全集にはあるだろさ
197 :
吾輩は名無しである :2006/06/18(日) 12:43:18
美しい
198 :
吾輩は名無しである:2006/06/18(日) 13:06:51
わが家は焼肉屋さっん♪
199 :
吾輩は名無しである:2006/07/18(火) 17:11:00
すみません、「あの人に会いたい」で言っていた
美学者の言葉をどなたか覚えてないでしょうか?
とても良い言葉だったのですが、録画してなかったもので。
あと、その美学者ってどなただったのか、ご存知の方いますか?
こんな質問ばかりですみません。どうかお願いします。
アゲてすみません。。
200 :
吾輩は名無しである:2006/07/18(火) 17:25:01
201 :
吾輩は名無しである:2006/07/18(火) 17:34:35
、
202 :
199:2006/07/19(水) 10:29:38
>>200 おお! ありがとうございます!
探してみます。本当にありがとうございます!!!!!
203 :
吾輩は名無しである:2006/08/09(水) 22:43:30
>>202 いいけど、それだけ?
ありがとうございますだけで済まされるなら初めから教えてなかったけど。
204 :
吾輩は名無しである:2006/08/10(木) 14:21:47
須藤元気みたいなクソ野郎に読書家ヅラされるとムカつかないか。
そこら中の雑誌で「内観」とか、「相対性理論」について語ってるぜ。
「調子いい月は30冊以上読みますね」ってウソだろ。
絶対頭にはいってねえよ、この馬鹿。
おまけにCDまで出しやがって。
205 :
吾輩は名無しである:2006/09/15(金) 04:08:23
地理オタクのおじいちゃん
三島のねちっこい文のなにがいいのかわからない俺は
明晰な文章を大岡じいちゃんの小説が好きだ
206 :
吾輩は名無しである:2006/09/17(日) 02:51:52
大岡昇平の野火を、ある中国共産党のジャーナリストが
日本の戦争責任を追求するための資料として使っているのが不快極まりない
207 :
吾輩は名無しである:2006/09/23(土) 14:35:16
『野火』は名作だけれど、『武蔵野夫人』は迷作。
208 :
吾輩は名無しである:2006/09/23(土) 17:00:12
わが家は焼肉屋さっん♪
209 :
吾輩は名無しである:2006/10/14(土) 18:18:25
野火の
たといわれ死のかげの谷を歩むとも
ダビデ
がカッコいい。
野火を2周目読み終わって、ここへきた。
低学歴の俺には、このスレは巻末の解説より役にたつ。
age
212 :
吾輩は名無しである:2007/01/05(金) 05:12:48
野火読みヅラス
213 :
吾輩は名無しである:2007/01/11(木) 09:01:56
大岡の全作品を文庫でそろえる組み合わせは?
普段、たいして読書をしていない自分がなぜか野火を読んでしまった。
圧倒された。
215 :
吾輩は名無しである:2007/02/01(木) 21:51:30
武蔵野夫人の秋山みたいな奴っていかにも現代にいそうなタイプだな
216 :
吾輩は名無しである:2007/02/02(金) 10:41:33
わが家は焼肉屋さっん♪
217 :
吾輩は名無しである:2007/02/28(水) 10:45:49
あの本を読んだ後しばらくの間、食事はパン・ご飯・野菜・果実
のみになりました。いいダイエットになりました。
ありがとう、大岡さん!
野火は序章がついている奴を最初に読むと、取っつき易くなると思う
文庫版だと序章が割愛されちゃっているのが、ちょっと残念
逆に取っつきに成功したら、文庫版のほうが好きになるのが、困りものではある
219 :
吾輩は名無しである:2007/03/10(土) 06:53:11
田村一等兵はなぜ同じ一等兵に対して敬語使っているんだろう
軍においては、それこそタブーなんじゃないか
逆に、発狂しているとはいえ将校に対して、タメ口なのもわからない
これこそ、田村が「戦う意思がない」証拠とみるべき部分なのだろうか
>>218 序章?初出導入部のことか?
もしそうだったら、それは文庫版云々ではなく、改稿前か後かの違いだと思うが…
それとも「出発」がカットされた文庫が出たりしてるのかな?
>>220 そう、そのこと
やっぱり改稿入ったんだね
でも全集には入っているから、俺にはバージョン違いに思われた
「野火」で読むべき伏線は、何度も語られる「繰り返し」ということなんだと思う
序盤に「この道は私が生まれて初めて通る道であるにも拘らず、私は二度とこの道を通らないだろう」
という情景が出てくるが、実はこれが根底にあって、野火が生きた作品になっている
このあと、何度も田村は二度と通らない道を通ったり、「繰り返した」りしているが、
そのなかで気になるのが、20章の「銃」で「二度と通るまいと思っていた」道を、
「逆に通る」ところ
これがこの作品の重要なポイントなのではないか
人生観を「繰り返し」だと結論付けた田村が、「二度と通るまい」はずの道を戻ったことによって、
田村の運命自体が変わってしまったのではないか
そんな気がする
223 :
吾輩は名無しである:2007/03/19(月) 14:50:13
224 :
吾輩は名無しである:2007/03/25(日) 12:24:45
追悼ということで「野火」DVD化キヴォンニュ
225 :
吾輩は名無しである:2007/03/25(日) 22:30:42
お蔭で、というと語弊があるが、野火があちらこちらで紹介されているね
これを機会にDVDにしてもらいたいな
226 :
吾輩は名無しである:2007/03/27(火) 21:35:58
すごい作家さんだと思います。
野火は無駄死に地獄だな
228 :
吾輩は名無しである:2007/03/30(金) 14:23:51
武蔵野夫人の富子エロス
229 :
吾輩は名無しである:2007/03/30(金) 16:38:23
人間の肉っておいしいのかな?
230 :
吾輩は名無しである:2007/03/30(金) 16:43:33
ところで大岡が褒めた作家誰だっけW
231 :
吾輩は名無しである:2007/03/30(金) 19:34:11
>>229 年寄りの肉は臭いらしいが、若い奴の肉は旨いそうだ
232 :
吾輩は名無しである:2007/03/30(金) 23:56:25
233 :
吾輩は名無しである:2007/03/31(土) 01:05:44
人肉食に興味があるなら、調べればいいじゃないか。
1950年代までニューギニアの奥地には食人種が存在した。
彼らのもとへ通い受け入れられ、
貴重な写真や資料を発表した北欧の学者もいる。
自分が首を狩ったしゃれこうべを並べて得意げな裸族の男の顔は
全く暗さや陰湿さのカケラもなく、
まるで釣り上げた魚を自慢する釣り人のそれと同じだ。
234 :
吾輩は名無しである:2007/03/31(土) 01:09:20
文明人が人肉を食った事例は、
有名な
アンデス山中に飛行機が墜落し雪中で生き残った乗客たちが
先に死んだ者の肉を日干しして食いながら生き延び、
何ヶ月も後に奇蹟の生還をはたした遭難事故。そんな遠い過去ではない。
235 :
吾輩は名無しである:2007/03/31(土) 01:12:44
脳はマヨネーズの味がするそうだ
236 :
吾輩は名無しである:2007/03/31(土) 01:15:42
ベトナム戦争では、
南ベトナム軍兵士達が、ベトコンを射殺した直後、
その胸を切り開いて
まだ湯気の立っている肝臓をとりだし
ナイフでスライスして生のまま分け合って食うのを
戦場カメラマン石川文洋が目撃。
胸に穴を開けられた死体を撮影した。(後の版でその写真は削除されてしまった)
237 :
吾輩は名無しである:2007/03/31(土) 01:19:19
本当に興味のあることなら、
真剣に調べればいい。
それができる環境にあることに気付け。
238 :
吾輩は名無しである:2007/03/31(土) 01:22:35
>>235 本当に味わいたければ、書を捨てて旅に出ろ。
遊牧民を訪ねて、もし受け入れてもらうことができれば
羊の脳味噌で歓待してもらえる。
ただしくだらん人間は、世界中どこへ行っても駄目だ。
239 :
吾輩は名無しである:2007/03/31(土) 01:28:16
240 :
吾輩は名無しである:2007/03/31(土) 02:32:24
と、いうか、
>>231に対しては
「へえ、よく知ってるな、おめえ、食ったことでもあるのか」
と返すのがお洒落
241 :
吾輩は名無しである:2007/04/01(日) 22:09:04
>>340 前に中国の古文書から読んだんだ・・・嘘だと思うんなら、勝手にしろ。誰も頼みゃしねえ
242 :
吾輩は名無しである:2007/04/01(日) 23:24:15
243 :
吾輩は名無しである:2007/04/01(日) 23:33:41
244 :
吾輩は名無しである:2007/04/02(月) 17:45:30
245 :
吾輩は名無しである:2007/04/04(水) 07:16:34
野火はテーマがよくわからんね
人肉食なんて戦場じゃあたりまえで
白人黒人を白豚黒豚と言って平気で食ってたんだし
戦場経験もそこでの飢餓も経験している大岡がいくらカマトトでも
それをテーマに書くとも思えんし
猿の肉と言われて人肉食って吐いたって
そんな事ありうるはずもない
よくわかりませんな実際
俘虜記読めよ。
247 :
吾輩は名無しである:2007/04/04(水) 11:27:22
248 :
吾輩は名無しである:2007/04/04(水) 21:49:29
何がおかしいのか
春厨か?
レス番に突っ込むくらいで笑いとろうとしたら、VIPとか狼とかじゃとてもやっていけないぞ
249 :
吾輩は名無しである:2007/04/04(水) 22:05:14
250 :
吾輩は名無しである:2007/04/04(水) 23:12:06
ものども静まれ
三島との対談で、主人公の考えにはまったく共感しないし、食うために殺さなかった
というのは欺瞞だって言ってたな。
どっちがだ
大岡が。三島は小林秀雄との対談か大岡との対談か忘れたけど、仮面の告白の
主人公について同じようなことを言ってたな。こっちは間違いなくポーズだと思うけど
>>233-238 まじなレスもたまにはあるんだな…
ベトナム戦争の写真ての見たい…
知らないことが多杉る自分。
食人なんてヒトの来歴や進化に関わる深い問題を
興味本位で語るべきじゃないな…
255 :
吾輩は名無しである:2007/04/13(金) 21:43:47
俘虜記の撃つか撃たないか迷う場面。
あれはそもそも迷う必要があるんだろうか?
大岡はあの時マラリアに罹って足手まといだからと軍に捨てられたんだよな。
つまりあの時の大岡は軍人ではなかったわけだ。
法的にはどうか知らんが、心情的には軍との関係は切れている。
敵を見たら撃たなきゃならないのはそれが軍人の義務だからであって、
軍人でなければそんな義務はない。
だから大岡にはそもそも撃つ義務がないから、迷う必要もない。
俺にはあの場面での大岡が、会社にリストラされたのに
それに気づかず一人で勝手に板ばさみになっている滑稽な人に
見えてしまうんだけど、みんなはどう思う?
256 :
吾輩は名無しである:2007/04/14(土) 12:46:50
あげ
257 :
吾輩は名無しである:2007/04/14(土) 12:55:52
>>255 >>会社にリストラされたのに
>>それに気づかず一人で勝手に板ばさみになっている滑稽な人に
例えがおかしい
258 :
吾輩は名無しである:2007/04/27(金) 17:44:37
>>255 君はその前に描かれている、米軍の進撃路にいたから、抵抗するしないにかかわらず殺されていた、
という場面は読まなかったのかね
撃つか撃たないか迷う場面でも、そのとき不意に顔を出せば、殺されていたかもしれないんだぞ
(事実、降伏しようとして殺された日本人は多くいる)
それが戦争というもの
それと、大岡は俘虜になるということに抵抗を感じてもいた
だから相手が立ち去ったあと、日本軍に不利になるような行動をとったことについて反省しているし、
捕まった後では、米兵に「殺せ」と叫んでいる
作品を通してちゃんと読んだ?
259 :
吾輩は名無しである:2007/05/05(土) 23:40:29
260 :
吾輩は名無しである:2007/05/06(日) 00:38:40
『野火』は確か高校の教科書に出てたよな?あれでわたしは文学に本格的に目覚めたんだが。
大学の研究室の飲みで『教科書で大岡昇平の「野火」を読んですっごく感動して…』って話をしたら、
『はぁ?野火なんか教科書に乗るはずねーだろ!』
『記憶違いでしょ?』とか言われたんだけど、わたし間違ってないよね?「野火」教科書にあったよね?
261 :
吾輩は名無しである:2007/05/06(日) 03:59:18
>>260 あったよ
途中端折りながら10pくらいで、撃つ、撃たないの決断の場面に重きをおいて載っていた
俺も大岡にのめりこむきっかけがその教科書だったよ
262 :
吾輩は名無しである:2007/05/06(日) 06:55:51
>>261 撃つ、撃たないは野火じゃないだろ
武蔵野夫人だろ
263 :
吾輩は名無しである:2007/05/06(日) 21:40:54
>>262 ごめん、誤読した
教科書に載っていたのは「事件」だったか
264 :
吾輩は名無しである:2007/05/06(日) 21:54:20
事件と野火を混同してるなら作者そのものも混同しているんじゃまいかしら
大岡は、同時代で、月給取りだった経験が唯一ある作家だって卑下してたらしいが、その経験もある人だから逆に
価値観が独特で好きだぜ
266 :
吾輩は名無しである:2007/05/07(月) 22:21:29
>>265 河上徹太郎は生涯働かざりし手がここにあると、じっと自分の手見て卑下してたらしいぞ
大岡や小林は徹太郎の弾くショパンが好きでせがんだらしいな・・・
当の徹太郎はたいした技術とも思ってなかったらしいが。
徹太郎の裕福さが、ちょっと哀しいのは卑下していたからなのか、
すばらしくピアノが弾けたらしいのに
>>260 『野火』は、漏れも高校の教科書で読んだよ。
抜粋というか、冒頭部だけだったけど。
その後で、全編を読んで愕然とした。
269 :
吾輩は名無しである:2007/05/23(水) 19:42:41
「俘虜記」のロングアイランドの香具師ってどういう意味なの?
あと地下室の住人って何ですか…ググったけどなかった
270 :
吾輩は名無しである:2007/05/24(木) 12:36:57
「武蔵野夫人」は、作者の地の文による状況説明が多すぎでちょっとうざい。
272 :
吾輩は名無しである:2007/05/29(火) 23:14:49
武蔵野夫人は、前半はかったるいが、後半から動きが出て
面白くなるよ。
273 :
吾輩は名無しである:2007/05/30(水) 01:09:23
275 :
吾輩は名無しである:2007/05/30(水) 23:46:55
>>272 道子と勉の不倫が終盤のクライマックスになるのかと思ったら
実は最後に突然、富子と秋山が主眼になってしまうところが
ミソ
276 :
吾輩は名無しである:2007/07/22(日) 18:08:33
猿の肉うめぇwwwwwww
野火の読み方はのびでいいですか?
278 :
吾輩は名無しである:2007/08/12(日) 20:06:26
「やか」と読んでましたが、なにか
279 :
吾輩は名無しである:2007/08/21(火) 19:45:35
武蔵野夫人、正直エロかった。
280 :
吾輩は名無しである:2007/08/21(火) 22:20:37
『俘虜記』って俺の持ってる講談社版の日本現代文学全集に載ってるヴァージョンはすごく短いんだが、
文庫版はかなり長いよね?
これどういうこと?
281 :
吾輩は名無しである:2007/08/22(水) 00:37:41
大岡昇平の『戦争』
これいいな。
こういう文庫をもっと出してぇ〜な。
282 :
吾輩は名無しである:2007/08/22(水) 07:37:05
>>280 文庫版は書き足しに次ぐ書き足しをまとめたものだから
だからしょっちゅう「イマモロ」についての説明が繰り返されたりしている
283 :
吾輩は名無しである:2007/08/30(木) 17:19:34
「酸素」って何で書きあがらなかったんだろう
作家として一番最初に構想を持ったのが、「酸素」だよね
どうして途中で投げ出してしまったんだろう
オレのじいちゃんにそっくりなんだよ。
「女性を描けるようになるためには女性にもてなくてはいけない」
そんな格好良い人が醜男のスタンダールを尊敬してたなんて面白すぎる...
286 :
吾輩は名無しである:2007/09/16(日) 23:52:15
「野火」に出てくるキリスト教ってあいまいだと思わないすか??
私はキリスト教っていう特定の宗教の神である必要がない気がする
あれは田村が極限状態のなかで自分で生み出した都合のいい神様なんじゃないかと
田村が幼少のころキリスト教にご執心だったっていう過去だからキリストにした?
っていう印象なんだが・・
みなさんどう思いましたかのう???
287 :
吾輩は名無しである:2007/09/17(月) 05:00:00
288 :
吾輩は名無しである:2007/09/17(月) 09:18:16
>>286 「メシヤ・コンプレックスとしては、僕の神の観念は甚だ不完全ですね」
と田村自身が言っているんだから、その読み方で間違いないと思うけれど・・・
289 :
吾輩は名無しである:2007/09/17(月) 11:15:12
. ∧,∧
≡(ΦェΦ)≡ ニャアー
290 :
286:2007/09/17(月) 22:19:54
>>288 レスありがとうございます(´∀`)
こんなに早くレスがあるとは予想外デース
しかし、そのセリフが見当たらない・・・(^ω^;)
もしや作中のセリフじゃなくて大岡氏本人の言葉ですか??
だとしたらどこの本に載ってたか、よかったら教えてほしいです
291 :
吾輩は名無しである:2007/09/17(月) 23:42:04
>>290 や、作中の「再び野火に」の章にあるよ
精神科医との討論の中で出てくる言葉
292 :
吾輩は名無しである:2007/09/18(火) 20:33:16
>>291 うわああほんとだ^^;;;
なんで本文の中にあるのに気付かなかったのか・・低知能><
いやはや親切にどうもありがとうございますm(_ _)m
そうすると田村はご都合主義、という感じが否めない・・
でもそれが戦争の後遺症なんだと考えると生々しいなあ
本当に戦争を体験した者にしかわからない苦悩というか歪みというか
むーん・・・
293 :
吾輩は名無しである:2007/10/02(火) 20:52:55
あんまり書き込みないなぁー
サミシス
294 :
吾輩は名無しである:2007/10/04(木) 16:58:53
レイテ戦記と野火とを読み比べると、さすがに史実に即していない場面が多くて面白いな
2,3挙げると
1・南方からブラウエンを攻撃する部隊なのだから、26師団か102師団ではなければならないが、
これらがレイテに到着したのは「11月下旬」ではなく、10月下旬から11月上旬の間
2・「同胞」の章で現れる伍長一行によると「パラシュート部隊と共同で攻め込むはずだったが、
・・・おかげでこっちもやられちゃったのさ」とあるが、パラシュート部隊と協力したならば16師団の兵である。
レイテ戦記だと、彼らは3日間はブラウエンを支配している
3・同じ章で「レイテ島上の兵士はことごとくパロンポンに集合すべしと命令が出ている」とあるが、
この時点(おそらく12月下旬頃か)では、そんな命令など出ていないし、16師団には転進命令自体出ていない
史実に即していないのは、書いた時期が早すぎただけでしょうがないが、それを後で総てにおいて補完した
レイテ戦記を書き上げたのは、偉業としか言いようがないと思う
295 :
吾輩は名無しである:2007/10/26(金) 02:51:46
『武蔵野夫人』での「道子」という名前は、「道ならぬ恋」をしている
登場人物の状況への皮肉でしょうかね?そうだとしたら、大岡さんらしいw
>>292 そういうようなことは、多分三島とのだと思うけど作者自身がはっきりいってる。
テレが混じってるのかもしれないけど、田村のキリスト教は欺瞞だと。
食うために殺さなかったからいいなんてこと、あるわきゃねえって。
> 三島との
三島との対談
298 :
吾輩は名無しである:2007/10/31(水) 18:41:24
野火で田村が初めっから「坐せる者等」の仲間に入るつもりになったのはなぜなんだろう
糧秣は病院では一日握り飯一個であるところ、芋6本に玉蜀黍まであったわけだろ
中隊の命令ではあと2日、病院で過ごせばいいのだから、入院は許可されたはず
そこがよく理解できない
299 :
吾輩は名無しである:2007/12/17(月) 00:35:50
というかそもそも野火は何を象徴しているのか分からない…
くりかえし出てきたってことはなにかある一定の条件を満たしているんだろ?
教えてくだしあ
300 :
吾輩は名無しである:2007/12/17(月) 17:36:50
>>299 「しかし銃を持った堕天使であった前の世の私は、人間共を懲らすつもりで、実は彼等を食べたかったのかも知れなかった。
野火を見れば、必ずそこに人間を探しに行った私の秘密の願望は、そこにあったかも知れなかった。」
(作中原文まま引用)
ここを読んでもわからないなら、文学を読むのに向いていないのかも知れないよ
301 :
吾輩は名無しである:2007/12/17(月) 20:45:23
俺は『野火』しか読んでないけど、
>>300の文章のように、大岡昇平の偉大さはよく分かるよ。
一部分だけ切り出して理解できるほど安直では無いけどな
アンビバレントな感情を抱えながらも、頭おかしくなってるから本人が矛盾に苦しんでないし
303 :
吾輩は名無しである:2007/12/19(水) 22:22:17
>>302 いや、
>>299は「野火」という作品全体について質問しているわけじゃないでしょ
もしそうならスレを
>>1から読めってことだし、もっといえば書評を漁れってことになる
掲示板でぽつんと聞くような話題じゃないでしょ
結局、「小説の中に出てくる野火」とはなにか、が
>>299の質問でしょ
じゃなきゃおかしい
304 :
吾輩は名無しである:2007/12/19(水) 23:53:35
小説内の野火とはなにか? とゆーよりも、野火とはなにかを説明するために
一本の小説を書いたと考えるべきなんだよ。あれ実際見たんだろーし。
それをこんなところで説明できるわけがないとおもう。
305 :
吾輩は名無しである:2008/02/02(土) 17:02:52
大岡昌平の文章の緻密さと美しさは異常。
あれほどガチガチに論理的な文体でよくここまで抒情や甘美さをだせるもんだといつも感心する。
気のきいたフレーズをひりだすことばかりに執心する流行作家は大岡昌平を百回読み返せばいい。
現代作家では帚木蓬生の文章が素晴らしいと思ってたら、彼は『俘虜記』を愛読してたと知ってなんか納得。
306 :
吾輩は名無しである:2008/02/02(土) 17:12:43
野火読みました。課題で無理矢理読んだのですが-…これの結末ってどゆこと(?_?)田村さんって死んだの??
大学の課題か?
国会図書館か日本文学の研究室で『文体』(体は旧字)の復刻版を借りて、
「野火」の初出版を見てみ。そこに田村鶴吉がどうなったか、ネタバレが書いてある。
復刻版あればそれが良いけど、大学生の図書館レベルで全集は置いてあるだろ。
最新の全集だったら、初出の冒頭部は載ってたはず。そこで生死は明記されているよ。
ただ、個人的には単行本版の方が好きだけど。病院での独白が最後にドーンと続いて
生死がはっきりしないまま終わるのが、狂気が後まで残る印象がある。
丸谷才一の「文章読本」で、大岡昇平を知りました。
ただただ舌を巻くしかない。
307です。
なんかそういう気分なんで、『野火』が最初に雑誌に掲載されたときの冒頭部をコピペしてみる。
田村は最後どうなったのか? を豪快に暴露してます。かなり長いので、二箇所だけ。
既に内容知ってる人は笑ってスルーしてくれるとうれしい。
ブツは『文體』第三号、昭和二十三年十二月に掲載された野火の連載第一回。
日本近代文学館から昭和五十八年に出た複刻版使ってます。表記は、仮名遣いのみ旧仮名。
・・・なぜだろう、書き込めない。
>>
私が昭和二十年の三月をすごしたレイテ島の俘虜病院に一人の変な患者がゐた。年配は私と同じ
三十二三の一見普通の男であつたが、食餌について妙な偏執を持つてゐた。つまり肉を一切食べないの
である。これは缶詰の肉類を主とする米軍の給与を受ける我々にとつて、かなり不便な偏執であつたが、
彼はどんなごつた煮的料理からも、丁寧に肉を選り分けて、腹を空らしてゐる隣人にやつてしまつた。
といつて彼の口が脂肪を嫌ふわけではないらしい。魚は喜んで食べた。
彼の名は田村鶴吉といつて、前年十一月の末、レイテの戦闘が終りに近づいてゐた頃、西海岸へ
上陸した混成旅団の兵士であるが、日本軍の崩壊後大分経つた翌年一月の末、中部山中で多分ゲリラに
捕へられた。「多分」といふのは、やはり多分捕へられた時後頭部に受けた打撃のため、その前後の
状況を完全に忘失してゐるからである。頭蓋骨折は比較的軽い手術で癒つたが、山中に彷徨中に昂じた
肺浸潤のため、かうしていつまでも病院で療養を続けてゐるのである。
私が彼と口をきく様になつた因縁はかうである。私は少し前から英文の新訳聖書を持つてゐた。私は
クリスチャンではないが、米軍の衛生兵から貰ふ探偵小説や雑誌が切れた時、いつでも間に合ふ無限の
宝庫(字数が沢山あるといふ意味である)として、大事に枕の下へ入れてゐた。或る日私はそれを出して
読んでゐた。気がつくとベッドの足許にぢつと立つてゐる男がゐる。彼の視線は私の顔にはなく、その
聖書にあつた。(26頁)
<<
書き手の「私」はこのあと田村と別れて復員している。そして昭和二十二年の秋、
「「心の旅路」といふ記憶を喪失した男を扱つたアメリカ映画」を上演中の劇場で
彼と再会する。その後の記述から、もう一箇所。
>>
記憶喪失、聖書、肉類拒否――三題噺の様にひつかゝりがある様でない様な、このテーマを荷つた
俘虜の同僚を私は暫く眺めてゐた。ふと私のジャーナリストの欲望が目覚めた。前に書くのを忘れたが、
帰還後私は友人の薦めで、その頃簇出したけちな文藝雑誌の編集を手伝つてゐたのである。この男の
記録は案外私の馳け出しの編集者の経歴に光輝を与へるものになるかも知れない。
「もし口でいふのがむづかしかつたら、小説にでも書いて見ないか。僕の現職はこの名刺の通りだ。
書けばはつきりするだらうし、気が楽になるんぢやないかな。万一文名蹟々といふことにでもなれば、一石
二鳥だ」
半年後私が受け取つた部厚な原稿の内容はしかしかなり私を驚かせたものであつた。彼が惨憺たる
詭弁をもつて説明しようとしてゐる彼の個人的感覚が、果して一般の興味と共感を喚び得るかどうか、
私には決定する勇気がない。で以下それを一言隻句を変へずに転載することにする。単独で載せ
なかつたのは、それがやはり記録としての欠陥のあるもので、かういふ前置きがなくてはわからない節が
あるからである。
作者に対し重大なる無礼たるべきかういふ処置を取つたのも、実は田村鶴吉が今はこの世の人では
ないからである。この原稿を書いてまもなく彼の偏執は狂燥的症状を呈し、千葉の方の或る精神病院に
入れられた。彼は肉ばかりではなく、魚も、遂には穀類野菜も食べなくなつた。生あるものを食べるのは
罪悪だ、自分の肉体の組織はそれを受けつけない、と彼は主張した。彼は妻が彼の病ひを慰めるために
携へた花束を、植物の自然な生殖作用を妨げると怒り投げつけた。彼は永らく医者が催眠剤を与へた後
注射する栄養剤で生きてゐたが、結局結核が全身的に昂じて、ふた月ばかり前に死んだ。彼は彼独特の
不思議な神を讃へてゐた。
私は彼にこの記録を書かせたことが、彼の狂気を進めたのではなかつたかと気が咎めてならない。
注意深い読者は必ずや記録の進行と共に次第に著しくなつて行く狂気の徴候を認められるであらう。
では以下「私」といふのは田村鶴吉である。
私はいきなり頬を打たれた。それから分隊長は早口に大体次の様なことをいつた。
「馬鹿やろ。帰れといはれて黙つて帰つて来る奴があるか。帰るところがありませんつてがんばるんだよ。
さうすりや包帯所だつてなんとかしてくれるんだ[……]」。(29−30頁)
<<
と、いうわけで、「ちょwwwwそれやり過ぎwwww」というくらいの大岡のネタバレでした。
あとはいま文庫で読める『野火』とほぼ一緒です。なぜ単行本でこの箇所を削ったかについて、
俺はよく知らないけれど(樋口覚が確か初期大岡の文体論をやってたと思う)、
「では以下「私」といふのは田村鶴吉である」という一文で書き手を田村に転換させる技法が
うまく機能していない印象を受けた。
前後どちらもが大岡流にきちんとコントロールされた文章で、別人って感じがしない。
そのへんが原因かもしれないな、と思った。そういう意味では
>>308の読みに個人的に一票。
316 :
吾輩は名無しである:2008/02/26(火) 22:48:07
三島>>>>(越えられない壁)>大岡
後に批判した、「こころ」みたいな手法だな。
だから削ったんじゃないか。
確かに「こころ」っぽいな。
それにしても、冒頭から説明しすぎw
「注意深い読者は〜」なんて書かれたら、注意深くなくても気がつくわw
保守
保守
321 :
吾輩は名無しである:2008/05/29(木) 01:42:33
322 :
吾輩は名無しである:2008/06/07(土) 23:32:03
「歩哨の目について」の冒頭と最後に詩がありますが その詩は何を表現しているんでしょう?
323 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 19:51:33
岩波現代文庫の「戦争」ゲッツした香具師いる?
>>321 都合のいいとこだけつまみ食いって感じだな。
しかし軍板の大岡スレが大変なことになっている・・・。
325 :
吾輩は名無しである:2008/08/16(土) 11:25:13
俘虜記読みました。
326 :
吾輩は名無しである:2008/08/28(木) 14:45:32
昔教科書で野火の一部を読んで以来、やっと今この作品を手に入れて読み終えた。
まさかこんな話しだったとはね('A`)orz
いや、凄く引き込まれて面白かったけど衝撃的だった。
327 :
吾輩は名無しである:2008/09/05(金) 02:40:03
あげよう
328 :
吾輩は名無しである:2008/09/14(日) 00:31:17
猿美味そう( ´∀`)
野火はあんまりいい作品とは思えん。
主人公が狂っちゃったらダメだろう。
狂っちゃったら人殺そうが食っちまおうが責任問われないんだから。
野火はテーマ自体がおかしいんだよな
人肉なんて日本兵の戦死の半分が餓死の
あの戦場ではあたりまえに食っていたんだし
それを食ったの食わないのまで問題にしてるんだから
大岡の戦争ものは俘虜記みたいにうだうだわけのわからん事を
書いてる物のほうがまだましだな。
331 :
吾輩は名無しである:2008/09/30(火) 02:55:18
>>330 そんなもん食っていいに決まってんだろって話だよな。
人肉食わざるを得ないような作戦立てた軍の上層部が圧倒的に悪いわけで、
現場の兵隊さんが何でそこまで責任かぶらにゃならんのだって話でね。
俘虜記でも撃つか撃たないかで迷うけど、
撃つ理由がないんだから撃たないの一択だろうと思うんだけどね。
敵を見たら撃たなきゃならんのはそれが兵隊の義務であるからで、
あの時大岡は病気で足手まといになるからと軍に見捨てられていて、
すでに兵隊ではなくなっていたわけだから当然撃つ義務も消滅しているわけで。
「野火」は人肉食うのが良いか悪いかって話じゃないと思う。
薯六本→餓え→塩→餓え→人肉とか、
正気→病気→正気→周りの狂気→狂気
みたいなリズムで主人公を揺さぶることで
食ったor食わなかった(見方による)に至る過程を描くのがメインじゃないのかな
うまくいえないけど、結果の善悪を問うているのじゃないと思う。
333 :
吾輩は名無しである:2008/11/29(土) 00:02:45
age
334 :
吾輩は名無しである:2008/11/29(土) 03:08:22
神に栄えあれ。
そう感じる瞬間は確かにある。
335 :
神:2008/11/29(土) 03:15:25
>334
吾輩は充分に栄えておる
おまいらごときに言祝いでもらう必要はない
ちゃんちゃら可笑しいわい
336 :
吾輩は名無しである:2008/12/10(水) 21:29:19
大岡昇平にはキリスト教信仰へのコンプレックスがあると思う。
それは、昭和天皇を現人神と扱った日本人としての西欧コンプレックスの現れなんだろうな。
あのマッカーサーと天皇ヒロヒトの並んだ写真を彼は見ているはずなんだ。
age
中森明菜のファンだったらしい。
339 :
名無し募集中。。。:2009/01/20(火) 16:29:50
蓮實重彦が反=日本語論で大岡の『萌野』を評していて感銘を受けました
それと『野火』すごいっす!
340 :
吾輩は名無しである:2009/01/25(日) 17:06:17
野火のせいで「大岡昇平?ああ人肉食いのヒトね」と言う無知な友人の言葉に傷つく
まず俘虜記から読んでくれよ〜そのあとでレイテね
341 :
吾輩は名無しである:2009/01/25(日) 18:33:47
俘虜記も後半、捕まってからがいいんだよな。
342 :
川俣軍司 ◆kapwcKvnKE :2009/01/25(日) 18:45:08
捉まってからもいいけど、捉まるまでのほうがもっと素晴らしい気がする。
343 :
吾輩は名無しである:2009/01/25(日) 19:47:09
「捉まるまで」と後の連作とは、まるで違う作品だわね
俘虜記だねえ
大岡の観察者としての本領がよく出てるよ
遠めで眺める分には面白い爺さんだが
絶対、近くには置きたくないな(笑
345 :
吾輩は名無しである:2009/01/25(日) 21:05:28
「俘虜記」のリアリティが、太平洋戦争を巡る言説が全てプロパガンダにすぎないってことに気付かせてくれた。
日本人に限らず、世界の人に読まれてほしい作品。
俘虜記って文体が途中で大分変化してるよね。
捉まるまでのほうが俺は好き
347 :
吾輩は名無しである:2009/01/26(月) 11:37:00
やっぱ「捉まるまで」のほうが人気あるのかー
評論も断然多いしなー
348 :
吾輩は名無しである:2009/01/31(土) 23:22:51
今日図書館で中央公論の生誕100年の作家特集読んできた
はにやゆたかはともかく、中島敦や太宰、清張なんかとも同い年だったんだね
349 :
吾輩は名無しである:2009/02/10(火) 21:57:32
そういえばテレ朝の大木アナが先週の朝日新聞の記事の中で
大学時代に好きだった本を何冊か挙げてて、その内の一つが野火だった。
結構意外だなぁ。
「俘虜記」で何回も、
収容所では二千七百カロリーの十分な食事が与えられた、というような記述が出てきますが、
二千七百キロカロリーの間違いでしょうか?
くだらないことですが、引っかかってしまって。
351 :
吾輩は名無しである:2009/02/20(金) 04:32:40
この人の対談とかって下劣な品性丸出しで幻滅した。
いっぱしの文士気取ってみても所詮は一兵卒上がり。
裸の大将がきたよ
353 :
吾輩は名無しである:2009/02/21(土) 01:16:27
一寸法師後日譚なんか見てみろ。
全然気取った人なんかじゃないぞ。
関川夏央が大岡昇平について書いた文章を探していますが、
誰か知りませんか?
昨年末頃にでた月刊誌だと思うのですが。
東京人だと思って調べてみたのですが違うようですし、
知ってる方がいましたら教えてください。
355 :
吾輩は名無しである:2009/02/28(土) 17:53:13
知りません
関川なつおって誰ですか
356 :
吾輩は名無しである:2009/02/28(土) 21:22:25
>>351 太平洋戦争では召集を受けて一兵卒として出征することになったけど、学歴は京大卒なんだが。
>>351 小林秀雄周辺にいた連中なんて品性下劣なのばっかりだよ
花影のモデルになった女性めぐってだって
あの女とやったとかなんとか周囲に吹聴してまわってるし
つか、その時代の日本の(小金に自由ある)オトコがみんな
クソかったってだけでわw
河上徹太郎(だったか)が芸妓に足でワルイいたずらをしている様を
見ていられなくって、思わず怒鳴りつけてしまい、喧嘩に…みたいなこと
書いてたじゃないキーン。
ってかそういや俺にも、俺のしらないイトコとかいるらしいしねwww
359 :
吾輩は名無しである:2009/03/05(木) 19:50:14
明日誕生日だね
360 :
吾輩は名無しである:2009/03/06(金) 00:39:19
生誕百年だ
万歳
361 :
吾輩は名無しである:2009/03/07(土) 14:11:09
百歳か
「わが美的洗脳」はどうなん?
362 :
ぜっとん:2009/03/13(金) 01:18:25
幼年は失敗作や
主観を渋谷界隈の土地に溶け込ませたのは
諸刃の剣やったな
363 :
吾輩は名無しである:2009/05/05(火) 04:48:22
GW中に何か読もうかなと思ってましたが、ブックオフで見つからなかったのでやめました。
また次の機会に。
『レイテ戦記』こそ
兵士達の苦闘をネタに実録風小説書いて印税ガッポガッポ
その金で飲んだ酒はさぞ美味かっただろうね、大岡さん。
366 :
吾輩は名無しである:2009/05/24(日) 08:17:12
こらこら
少なくとも、戦記もの書いておった頃は自転車操業だぞ
何とか食えるようになったのは『武蔵野夫人』が当たってからだっちゅうに。
367 :
ぜっとんT世:2009/05/24(日) 21:30:58
サラリーマンもしてたしな
368 :
吾輩は名無しである:2009/05/27(水) 04:38:19
この人のエッセイ、やんわりとユーモアが効いてて面白かった
369 :
ぜっとんT世:2009/05/28(木) 21:56:48
『幼年』『少年』はちょっと期待はずれやったけど、
期待を持ちすぎたせいかもしれんw
エッセイも批評も結構すきやなー
『酸素』は結局完成させようとは思ってなかったんかいな。
370 :
ぜっとんT世:2009/05/29(金) 00:36:40
せやけどもし完成させたとしても『酸素』は完全な凡作やったろうな
371 :
吾輩は名無しである:2009/05/29(金) 18:42:18
『酸素』が凡作て、なんでや?
いかにも戦後の「知識人」に好かれるタイプの文学者。
こいつや丸山眞男、城山三郎の番組が教育テレビで制作、
放映されるのは、本当に予想通りだ。
373 :
吾輩は名無しである:2009/06/02(火) 04:06:10
対談なんかでは、「酸素」完成させたい気持ちぷんぷんだった気がしたけどなあ
374 :
ぜっとんT世:2009/06/03(水) 22:31:08
『酸素』は普通に読んで、ほとんど何も残らんかったな。
あれを読んでもし面白かったっちゅー意見があったら聞きたいで。
375 :
吾輩は名無しである:2009/08/18(火) 00:14:36
毎年、この時期に、大岡を数ページ読む。今年も読んだ。
てst
私は奥さんに興味があるなあ。
本当に若い頃の写真を見てびっくりの凄い美人だし
性格も控えめで上品で、聡明で・・・
「富士日記」に度々登場する奥さんは口数は少ないのに人柄が伝わってくる。
こういう人が夫の仕事にどう関わっていたかが知りたい。
レイテ戦記は毎年一回は読み直すなぁ
379 :
吾輩は名無しである:2009/10/18(日) 18:24:15
小谷野がアマゾンレビューで
「現代小説作法」絶賛してる
意想外の名著, 2009/7/30
By 小谷野敦 (東京都杉並区) - レビューをすべて見る
いや驚いた。これほどの名著とは思わなかった。1956年のものだが、大岡はむしろその後
、民衆史観に毒されていくつもおかしな文学論争を展開したし、最晩年の『小説家夏目漱石
』が不出来だったから期待していなかったのだ。
だがこれは、ですます調で、英国、フランスの文学史にも通じ、スタンダールやドストエフ
スキーが小説技術において劣っていることさえ見据えた、いわゆる80年代の文学理論ブ
ーム以前のこととて、それにも毒されておらず、実に見晴らしのいい本である。
380 :
吾輩は名無しである:2009/10/26(月) 19:59:24
あげ
381 :
吾輩は名無しである:2009/10/27(火) 01:55:28
野火の本読んで映画も見たけど、平成の世を平和に生きる自分には、カニバリズムも戦場の狂気もどこまで考えてもちっとも辿り着けない…
どこまでいっても紙の中の話にしか感じられないな。
これが平和ボケと言うやつか
382 :
吾輩は名無しである:2009/10/27(火) 08:19:50
小林秀雄の代作をしてたことを小林の存命中にばらして、やはり相当な
圧迫を小林サイドから受けたろうね。
当然、代作した当時は秘密にするという約束があった訳で、そういうと
ころに甘さが出てる人なんだよな。その割に機に乗るという狡さもある。
愛人関係しかり、鴎外の「堺事件」批判しかり。
だが、機に乗って、約束を反古にするという狡さ、甘さは戦後文学につ
いて離れなかった性質な訳でw 一言で言えば小賢しいとw
それを言い立てる俺も小賢しいがw
作家平野啓一郎さん(蒲郡市出身)は、大岡昇平氏の「野火」(新潮社)を取り上げた。「戦争という野蛮な行為がどういうものなのかを知る上で、これ以上ない作品。
中学生になるくらいの頃には、一度読んでみてほしい」と記している。また、「読書を通じて人はどんな世界も生きることができる」とその魅力を語っている。
384 :
吾輩は名無しである:2009/10/28(水) 23:49:04
ttp://www.47news.jp/CN/200910/CN2009102801000963.html 大岡昇平氏の翻訳原稿発見 仏映画「美女と野獣」
東京国立近代美術館フィルムセンターは28日、「野火」「レイテ戦記」などで知られる作家大岡昇平氏(1909〜88年)が、
日本で48年に公開されたフランス映画「美女と野獣」(ジャン・コクトー監督)のせりふを
日本語に翻訳した字幕用の原稿が、同センター所蔵資料から見つかったと発表した。
岡田秀則主任研究員は「せりふが忠実に翻訳されていて、
原作を尊重しようという意気込みが感じられる貴重な資料」としている。
当時、実際に字幕として使用されたかは分からないという。
原稿は33枚の薄い紙をとじたもので、計58ページ。
せりふはタイプライターで印字され、冒頭に「ダイアローグ 美女と野獣 大岡昇平譯」と明記されていた。
翻訳されたのは、大岡氏が映画輸入会社「フランス映画輸出組合日本事務所」に勤めていた48年ごろ。
大岡氏はフランス語に堪能で、フランス映画の字幕翻訳や宣伝資料を作成していた。
原稿は、同社の業務を引き継いだ映画会社から寄贈された資料に含まれていた。
大岡氏は同年、文芸誌に「俘虜記」を発表しており、作家デビューを果たした時期に当たる。
原稿は、同センターで来年1〜3月に開催される
展覧会「戦後フランス映画ポスターの世界」で一般公開される。
2009/10/28 20:37 【共同通信】
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385 :
吾輩は名無しである:2009/10/30(金) 20:56:52
俘虜記>野火
386 :
吾輩は名無しである:2009/10/30(金) 21:21:24
野火はフィクションだもんね
387 :
吾輩は名無しである:2009/10/31(土) 15:07:10
「野火」は小説として失敗している。
あの濃密さを維持出来ず、描ききれずに、精神崩壊に丸投げした感がある。
戦争をテーマとしたものならば、開高健の『輝ける闇』ほうが、より個人を感じさせる点で良くできている。
レイテ戦記はまた別格だが
388 :
吾輩は名無しである:2009/12/03(木) 01:59:54
>>382 >>小林秀雄の代作をしてた
初耳です。どういうことがあったんでしょうか?
>>382 俺も知りたいな。
代作したのは小林のどの作品で、代作の事実を証言したのは大岡のいつの発言?
391 :
吾輩は名無しである:
あげ