読了報告スレッド

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915吾輩は名無しである:04/06/19 18:59
いくらスレ立てても誰も構ってくれないのよ!
        /⌒>    <⌒\
        / /U     U/ /  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       ( (   ∧ ∧  / / <私に構って、お願いだから! 
        \\ ( ゚Д゚ ) / /   \_______
         \      /
            |★ ★|
            |   |
   |⌒\     |   |    /\
   | |\\     |   |   //\\
   | |  \\   |   |  //    \\
   | |    \\_ |   |//       \\
   | |    \  美香  /        \ |
   U      ヽ___人__ノ           U
916吾輩は名無しである:04/06/19 19:04
>>915
おまえの小屋で構ってやるから他スレ荒らすな!

http://bbs.2ch2.net/mika/index2.html
917吾輩は名無しである:04/06/20 14:01
シェイクスピア 福田恆存訳「コリオレイナス」 劇団昴上演台本
大衆政治の衆愚性を物語るフレーズがちりばめられている。
コリオレイナスがローマに向って進撃する時の、民衆のせりふ「俺だって
さうだ、実際の話、大抵の者がさうだった。なのに、ああしたのは、それ
が最上の方法だと思ったからさ、追放に進んで賛成したには違い無いが、
あれは俺達の意思に反した事だった。」
大衆の政治に対する無責任さをよく表している。
しかし如何せんコリオレイナスは大衆と一線を画した貴族では無い。大衆
を蔑視するが、大衆を蔑視するに値する精神的気高さが無い。あるのは個
人的名誉感情だけ。
個人的名誉感情による大衆蔑視は、自らを追放したローマ大衆政治に対し
ての復讐劇を企てても、結局母親に対する思慕という個人的感情に解消さ
れてしまう。母親を介してのローマでの名誉回復、オフィーディアスにコ
リオレイナスを殺害した後に、コリオレイナスを称えるせりふを語らせ武
人としての名誉回復を図らせるのはコリオレイナスが誇り高き勇者ではな
く同情される存在であることを強調させ、如何せん観客にカタルシスを与
えることはできない。

コリオレイナスがリチャード三世のように冷酷無比なマキャベリストであ
れば話しはもっと面白くなるのかもしれないが、もしコリオレイナスがリ
チャード三世だったら大衆をうまく操り独裁政治を展開しただろう。

「コリオレイナス」は如何せん原作自体に欠陥がある。この欠陥を補うた
めには演出の際に大衆の衆愚性をもっと強調し、こっけいで笑いをさそう
ようなものにしなければならない。そしてコリオレイナスの宿敵オーフィー
ディアスをもっと計算高き謀略家であることを強調しなければならない。
そうすれば劇は大衆の衆愚性とそれに嫌悪感を示すコリオレイナスを利用
するオーフィディアスの策略という政治的謀略劇となり面白くなるだろう。

918吾輩は名無しである:04/06/20 22:14
で?
919美香 ◆FE5qBZxQnw :04/06/21 08:51
「青が散る」(宮本輝/文藝春秋)*再読
→まいったなと思った。かなわないなと思った。
もう五度目か六度目の再読だけれども、いっこうに色あせない。
こんな美しい小説を一作でも書いた作家なら、たとえ創価学会信者だろうが、
似合わないヒゲをはやそうが、ゴルフゴルフと遊びまわっていようが、
芥川賞選考でお茶目な選評をだそうが、いまは駄作生産機に成り果てようが、
そんなことはすべて帳消しになると思うのである、ただこの「青が散る」一作で。
こんな美しい小説を書けるひとがいるなんて。
宮本輝は誰がどういおうが天才である。
中上、龍、春樹など宮本輝のまえにでたらなんと軽く見えることか。
文庫には解説がつく。宮本輝の文庫本の解説を見てください。
ひとつとして「まともな」解説がない。どういうことか。
宮本輝の小説は批評できないのである。分析できない、他と比較できない。
ただ美しいと感嘆するほかないのである。
また宮本輝自身もそれ以外は読者に求めていないであろう。
批評ではなく感嘆符を要求する小説、そんな小説を書ける作家は宮本輝のほかにいようか。
920美香 ◆FE5qBZxQnw :04/06/21 09:22
「螢川・泥の河」(宮本輝/新潮文庫)*再読
→山頭火の句を思い出した。「生死の中の雪ふりしきる」。
前書きに「生を明らめ死を明らむるは仏家一大事の因縁なり」という「修証義」
からの引用がある。生とは何か、死とは何か――。
山頭火の歩いたこの道を宮本輝も歩いたのだと思う。
その歩き方、どこへ向かうのか。
今回、宮本輝のデビュー作ふたつを久しぶりに再読してそぼくに感じたのは、
「よくひとが死ぬなぁ」ということ。
短編にもかかわらず二作とも二人の人間が小説内で死ぬ。
「泥の河」にいたっては、いきなり死の描写からはじまるくらいである。
「死」から小説をスタートさせた宮本輝は「性」に行き着く。
「泥の河」では盗み見る性交、「螢川」では螢が踊り狂うなかでの思春期の性。
のちに展開する宮本文学の枠組みがこの「螢川・泥の河」にしっかりと凝縮している。
改めてわたしごときが言うことでもないけれど、そんなことを思ったのです。

>>917
だから「コリオレーナス」はつまらないといった。ほら見たことか。
921美香 ◆FE5qBZxQnw :04/06/21 09:47
「道頓堀川」(宮本輝/新潮文庫)*再読
→これを最初に読んだのはたぶん高校生のとき。
それからもう何度読んだのか。今回で4度目かな。
さて作品は変わることがないが、読み手のわたしのほうは変わりうる。
数年前は宮本輝の小説から生きる希望をもらっていたけど、
いま氏の小説を読むと絶望してしまう、生きていくのがいやになる。
むかしは宮本輝の小説が「ほんとうのようなウソ」に見えた。
よくもこの残酷な現実から美しい造花を作るものよと感嘆、感動した。
でもいまは宮本輝の小説が「真っ赤なウソ」にしか見えない。
少しもほんとうらしく見えない。
もっと言ってしまえば、それは「南無妙法蓮華経」(創価学会)の世界でしょと。
わたしの住むところとは別世界に思えてしまう。
わたしは「南無妙法蓮華経」とはいえない、いえないことに絶望する。
相変わらず宮本輝の小説は読み物として十分おもしろい。
才能に畏怖するのはいまも同じである。
しかし、読後、現実と小説との落差に絶望してしまう。
小説が美しいものであれば、それに反比例して醜くなる「わたしの現実」。
するとひたすら「現世利益」をのぞむ小説内の人物にも距離感を覚えるようになる。
うーん、宮本輝。「南無妙法蓮華経」といえぬわたしはどうしたらいいのか。
922美香 ◆FE5qBZxQnw :04/06/21 10:07
「世界の中心で、愛をさけぶ」(片山恭一/小学館)
→いいないいな片山恭一さん。
漫画化、映画化、テレビ化で、もう一生遊んで暮らせるくらい稼いだんじゃないかなぁ。
たぶん今度はステータスアップをねらって「片山恭一の恋愛入門」とかだしそう。
「リング」で稼いだ鈴木光司さんが「子育てパパ」で論客wにレベルアップしたみたいに。
おっと、話が脱線してしまった。
親愛なる片山恭一さん。あなたはあれだけもうけたのだから、
わたしがこの本を立ち読みで済ませて買わなかったくらいでは怒らないと信じています。
35分で読了したなんていっても。だって金持ち喧嘩しなーい♪
感想? 絵本の感想をいうのはなれていないから今回はパスさせて。
いまの日本はおとなが絵本を読むようになったのねとちょっと驚いた。
でもまあ小学生が殺し合いをする時代だから何が起ころうと、……まあまあ。

>>950くらいで次スレに移行する予定。
次スレは「程よい雑談可」にしようかな(わたしが決めることじゃない? 確かに)。
でも、もったいない。
こんなたくさん書いたのに、dat落ちしたらだれにも読んでもらえなくなるのか。
もちろんわたしは保存しておくけど。なんだかな。
白石昇みたいにHPを作って、そこに読了報告コーナーでも作るかな。
ここで書いたのをコピーして。
でもめんどくさいから、うーん。
923吾輩は名無しである:04/06/21 10:14
>>922
http://bbs.2ch2.net/mika/index2.html
ここに美香のファンがコピーしてくれる・・はず

924白石昇 ◆Kjrx9yfSYM :04/06/21 13:31
06月16日 死者の書         折口信夫 中公文庫

06月18日 刺身チーム        鈴木良太 a book
(題名は直訳、著者名は日本語ペンネームです。)

06月19日 乱菊物語         谷崎潤一郎 角川文庫
925吾輩は名無しである:04/06/21 20:24
くだらいな美香
みか5さいは
読了報告スレhtmlにして
ウェブサイトにupしようか?>美香



927吾輩は名無しである:04/06/21 21:42
>>922
立ち読みですませても、片山は怒らないだろう。
怒るのは手あかにまみれたその本を不幸にも買ってしまった奴だ。
928吾輩は名無しである:04/06/22 18:12
>>926
あからさまな自演でしょう
929美香 ◆FE5qBZxQnw :04/06/23 17:13
>>926
>読了報告スレhtmlにしてウェブサイトにupしようか?
ぜひぜひお願いします。次スレにはってください。ありがとう5さい。

「新潮四月臨時別冊 宮本輝」(新潮社)*絶版
→ずっと探していて、いざ見つけたら安心してしまって長いこと積んでいた本。
アルバム(家族写真まで)や、小説の書評を集めたもの、ご友人のエッセイ、
充実した年譜などなどで、宮本輝の素顔がわかる特集本です。
若い頃の写真を見ると、げっそりとやせ細っていて目がぎらぎらでなんだか怖い。
それはそれとして、やはり宮本輝は批評できない作家なのだと改めて思った。
福田和也をはじめとして多数、宮本輝の小説を論じていたけど、どれも不満。
年譜もふくめ創価学会への言及はなし。
瀬戸内寂聴が「宮本さんは仏教徒で……」と書いていたのが唯一。
こたえたのは「宮本輝の編集するページ」。その中の「オレの嫌いなもの」。
どういう人間が嫌いかということを十四、箇条書きにしている。
たとえば「人の幸運や幸福をねたんで、やっかむ輩」など。
わたしだよわたし……。これだけではなくその十四箇条すべてわたしに当てはまる。
十四箇条に続けて「まだまだあるだろうが、つまるところ、デリカシーがなく、
姑息で勇気がなく、人を許さないくせに自慢や自己弁護ばかりするやつのことである」。
それはわたしのことです、宮本輝さん……。
会ったらいきなり怒鳴りつけられそうだなわたし……。好きなんだけどな輝パパ。
930美香 ◆FE5qBZxQnw :04/06/23 17:36
「大道を歩む 私の人生記録」(池田大作/毎日新聞社)
→わたしが尊敬している現役作家は何をおいても宮本輝です。
いちばん影響を受けているといってもよいくらい。
で、その宮本輝が尊敬しているのが、ご存知、創価学会名誉会長の池田大作さん。
なら一冊くらい読んでみようと昨日あるブックオフに立ち寄った。
その百円コーナーに捨てられていたのがこの本。いや、買うのが恥ずかしかったこと(w
読んでみてわたしの歩むべき道がわかった、となるはずもなく、え、どうして?
なんでどうして宮本輝ともあろうお方がこんな人を尊敬するの?
この本の文体はタレント本の典型的なあれ。あのゆるいやつ。
内容も、なんというのか、外国に行って偉い人と会いましたよという報告と写真。
池田大作は詩人でもあるらしく(初めて知った)、いくつか詩も掲載されていた。
けれどもその詩のどこが良いのかわたしにはさっぱりわからない。
わからない、というより、むしろ気持ちが悪い(ごめんなさい全国数百万の学会員さん)。
なんなんだろう創価学会って。わたしは学会にとりたてて好印象も悪印象もない。
接点がなかった。今まで学会員というものと人生で出会ったことがない。
予備校の夏期講習で日本史の先生が日蓮を説明するときにおびえていた記憶があるだけ(w
わたしなんか不幸だから折伏にきてくれたら一発で落ちるんだけどな。
おそらく仏縁がないのでしょう。

>>927
平積みのいちばん上にある立ち読み用(お試し読み用)のけっこう汚れたやつを
読んだから、そう迷惑はかけていないとは思うんですけどね。
立ち読みしているあいだに二冊売れていた。おじさんが買っていたのには驚いた。
>>929
できましたおっ♪
どうしませうか





932吾輩は名無しである:04/06/23 19:57
>>931



40 名前:この板の主役 ◆OZ/B6fTcn6 [age 重大発表。] 投稿日:04/06/23 00:03
しばらく、この板に来るのを自粛致します。






933美香 ◆FE5qBZxQnw :04/06/23 20:00
>>931
ありがとう。
けど、できたら1000までいったときにしてほしかったんだけど……。
あるいは次スレに移行してから。>>950くらいで。
いや、もう次スレを作ってしまってもいいんだけど、まだ早いよね?
それってかなり面倒な作業なの?
そうじゃなかったらもう少ししてから再度お願いしたいです。
ほんとありがとう。大好き5さい♪

おっと読了報告をせねば(w
漫画でもいいなら。

「火の鳥4鳳凰編」(手塚治虫/朝日ソノマラコミックス)*再読
→今回「仏教つながり」で読んだけど、手塚漫画のなかでこれがいちばん好き。
これほどの恐ろしい物語を作ることのできた手塚治虫の天分を思うと寒気がする。
そして、ここまで到達できた文学作品がどれほどあったろうかとも思う。
何度、読んでも感動する。物語の力に満ち溢れている。

ちょっと脱線。
わたしは物語が好きである。物語のない小説など認めはしない。
けど、物語となったら仏教徒の宮本輝にはかなわない、足元にも及ばない。
おなじくキリスト教徒の遠藤周作にも。
どうやら物語は宗教と密接な関係がある、ここまでわかった。
そこでなぜわたしが戯曲に行ったか。自分でもなぜだかわからなかった。
気づいたら戯曲ばかり読んでいた。
最近、原点の宮本輝に戻って(再読して)気づいたのは、
わたしは「劇的なもの」を求めて戯曲を読んでいたということ。
わたしは「物語」から「劇的」へと歩みを進めたことになる。
じゃあ、「物語」と「劇的」の違いはなんなんだろう。おなじものだろうか。
そんなことを今朝目覚めて二日酔いの頭で考えたという報告、独り言です。
>>933
じゃあまちますおっ♪
れんらくはBARスレにしたいけれどあそこ……w




935吾輩は名無しである:04/06/23 20:46
美香宗教やってたんだ
936吾輩は名無しである:04/06/23 20:50
汚臭は
池田大作全集でも読んでろよ
937吾輩は名無しである:04/06/23 20:59
>>934



40 名前:この板の主役 ◆OZ/B6fTcn6 [age 重大発表。] 投稿日:04/06/23 00:03
しばらく、この板に来るのを自粛致します。




938吾輩は名無しである:04/06/23 22:36
あっ、そ
939吾輩は名無しである:04/06/23 22:42
美香層化に入ったんだ。じゃあ層化板でもこれを晒して上げよう。
940吾輩は名無しである:04/06/23 23:06
あっ、そ
941美香 ◆FE5qBZxQnw :04/06/27 13:20
閑散としたスレになったしまった。
次スレはある程度の雑談は認めたいと思う。
読了報告へのレスはいいが、そこから延々と雑談するのはやめる。
そういうのは作家別スレでやる。
いまわたしが宮本輝スレに同時的コピペをしているように。
簡単なことである。

「優駿(上)(下)」(宮本輝/新潮文庫)*再読
→小説を読むというのはほんとうに楽しいことなのだと改めて実感させられた。
読みやすい文章、時間を忘れさせる物語、魅力的な登場人物――。
この「優駿」は至れり尽せりの感があります。
最初にこの小説を読んだときは圧倒的な感動に押しつぶされたかのようで、
ただ涙にまみれ、「生きよう、生きよう」と随喜の嗚咽をもらすのみだった。
今回の再読では残念ながらそこまでの感動は味わえなかった。
こういう小説を書けるひとは幸せだなぁと観客席のいちばん後ろから舞台の上を見やる気分。
けっして自分が立つことのない舞台を、羨望の思いで、ため息をつきながら。
たしかにすばらしい舞台(小説)ではあったけど、それは舞台の上だけの話だから。
そう出口に近いいちばん後ろの席でわたしは思った。
ひとつ再読して気づいたことがある。これはネタバレになるから注意して。
宮本輝は最後にオラシオンを勝たせていないこと!
初読のときはまったく気づかなかったけど。
オラシオンは実際は負けているのに「運」のおかげて勝利したことになっている。
宮本輝という作家の宿命を見据える視線には恐ろしいものがある。
942吾輩は名無しである:04/06/27 16:18
>>941
競馬したことないでしょ?
審議は結構あることだよ。
943吾輩は名無しである:04/06/30 05:00
>>941
仕切ってんじゃねえよ、お前の感想文より雑談の方がマシ。
944美香 ◆FE5qBZxQnw :04/07/02 09:28
「月光」(井上靖/文春文庫)
→先日のちょっとした小旅行のおり、往復の電車で読んだ本。青春恋愛小説。
といっても「セカチュウ」とは似ても似つかぬ。出版されたのは昭和35年。
「貞淑」だの「家柄」だの、今では聞きなれない言葉がずらりとせいぞろい。
主人公は結婚適齢期の女性。ふたりの男性から求婚されて迷っている。
ひとりは幼馴じみ。「サザエさん」にでてくるノリスケさんみたいな感じ。
もうひとりは会社の同僚。「美味しんぼ」にでてくる山岡士郎タイプ。
三人がそれぞれ自らの誠実を問い、愛に悩み、幸福を指向するその葛藤――。
ほのぼのとした気持ちになった。こんな時代があったのかと。
この小説を自分の恋愛と照らし合わせながらまじめに恋愛をした世代。
今はもうおじさん、おばさんなんだろうな。
電車に揺られながら、窓外に広がるのどかな田園風景にしばし見入った。

>>942
はい、競馬したことないです。だから「優駿」のレースシーンはあんまり……。

>>943
ごめんなさい。反省しています。許してください。
945吾輩は名無しである:04/07/02 09:55
>>944
そのおざなりで適当な謝罪文がムカツク
946吾輩は名無しである:04/07/02 09:56
だから適当にお前の自分語りを邪魔してやるとです


















ヒロシです
947美香 ◆FE5qBZxQnw :04/07/02 10:55
「幻の光」(宮本輝/新潮文庫)*再読
→最愛の夫が原因不明の自殺、そこからどう主人公の女性は立ち直っていくか。
できすぎていると思った。そりゃ、そう書いちゃ、そのとおりだけど、うーん。
ふつうの小説家がスタート地点から小説を書き始めるとすれば、
宮本輝はゴール地点から書いているようなところがある。
宮本輝自身は中上健次との対談では次のような言い方をしているけれども。
「だから人間は、反対のことをやっていると思うのね。心から花が生じるとか、
心から月が生じるとか。僕は、違うと思っている。『花こそ心よ、月こそ心よ』
そういう気持ちですね。おそらく多分、いまの作家たちは、自分の心から
花をつくろうとか、自分の心から月をつくろうとしていると思う。
だから、小説がおもしろくないんです」(「道行く人たちと」)。
948kagi:04/07/02 11:14
>>947

あなた、仕事休みなの。
949美香 ◆FE5qBZxQnw :04/07/02 11:19
「錦繍」(宮本輝/新潮文庫)*再読
→宮本輝の小説でいちばん再読の回数が多いのがこれです。
どれだけ感銘を受けた小説でも5回も6回も読めばおのずと仕掛けが見えてくるもの。
エピソードもストーリー展開もほとんど記憶してしまっている。
実はそうとうにきわどい小説だと思う。信仰告白というのか、なんというのか。
たとえば犯罪被害者というものがいる。
この小説はその人たちに、あなたは自分のせいでそうなったのだと罵倒している
ようにも読めるわけ。それがあなたの業だ、あなたが悪かったからそうなったのだと。
宮本輝はこの小説で「因果」(仏教用語)を展開させている。
悪い「(結)果」(犯罪被害や障害児誕生)が出たということは、
必ず悪い「(原)因」があったに違いない。ふつうはこんなこと言えないでしょ?
不幸な人に向かって、あなたが悪い、自業自得だ、なんて言えますか?
でも宮本輝は言えるんです。なぜなら信仰があるから、創価学会への。
そこが宮本輝を天才たらしめている根本だと思う。
宮本輝は「因」が「果」になるゆえんの「縁」を小説に書くわけです。
そして主張する、現在の重視を。今刻々と流れていると「時」を見よ。
これらも「因」である、だから良い「因」をなせば必ず良い「果」(功徳)が得られる。
わたしが冒頭にこの「錦繍」を「きわどい」と形容した理由がわかっていただけましたか。
おそらく宮本輝の小説の中でこれはもっとも宗教的な小説でしょう。
表層的な「感動」の底をじっと見つめていると恐ろしい「地獄」が見えてくる、
そういう小説です。
亜紀母子が満天の星空を見ていたとき、有馬はネズミを食い殺す猫を見ていた。
この場面に「錦繍」の魅力が象徴されていると言えましょう。

>>948
雑談は文壇バーか、美香板で。
950美香 ◆FE5qBZxQnw :04/07/02 11:47
「創価学会とは何か」(山田直樹/新潮社)
→いやあ創価学会って怖いんですね。おー、こわこわ、ぶるぶる。
学会の力をちょっとでも使えばわたしを特定するのなんかチョロイのか。
悪戯電話とかやめてくださいね、あー、考えただけでも身震いする。
本書はアンチ学会本。政治的な創価学会の力を警戒せよというのがメインの主張。
もう創価学会が日本を動かすようになっている、とのこと。
というのも、自民党だって創価学会の力を借りないと与党を維持できないから。
具体的には、選挙のとき自民党議員も創価学会員の協力がないと当選できない云々。
ふーん、だけどわたし政治はどうでもいいや、関心なし。
選挙だって最初の一回しか行っていない。
でもすごいね創価学会。仏壇の中に次のように書いた紙を入れて勤行するらしい。
「御祈念 打倒仏敵四人組(日顕・山友・竹入・新潮社)」。
ならなんで宮本輝は新潮社から本をだしつづけているのだろう。ふしぎ。
あと、げんなりしたこと。
宮本輝「優駿」の主人公の名前は「博正」というんだけど、
これ池田大作氏の長男の名前なんだね。なんかな、そういうの、やだね。
951吾輩は名無しである:04/07/02 17:21

個人による感想の垂れ流しは日記にでも書いててください。



952吾輩は名無しである:04/07/02 18:37
梅雨はもう終わっちゃったのかな
953吾輩は名無しである:04/07/02 18:44

         ∩___∩
         | ノ    ヽ  
        /  ●  ● |     夏の100冊でも買いに行くクマ
        |   ( _●_) ミ  
       彡、   |∪|  、`    
      /     ヽノ ::::i \   
     /  /      ::::|_/
     \/          ::| _|_ 
        |       ::::|| 中 | 
        i    \ ::::/ .|__| 
        \     |::/
          |\_//
          \_/
954吾輩は名無しである:04/07/03 05:55
>>952
雨、あまり降らないね。
正確には降らないというわけじゃないけど、
極端に集中して降るというか何というか。

このまま一気に夏というのも、なんか寂しいよね。
955吾輩は名無しである:04/07/03 07:08
>>949
> 雑談は文壇バーか、美香板で。

感想の垂れ流しは日記か、自分のHPで。
956吾輩は名無しである:04/07/04 11:44
>美香豚

このスレ使い切ってから新スレ上げろよ
957白石昇 ◆Kjrx9yfSYM :04/07/05 17:27
06月28日 どん底          ゴーリキイ 新潮文庫
「骸骨の舞跳」(秋田雨雀/現代戯曲全集第十四巻/国民図書出版社)
舞台は関東大震災直後、東北地方のM駅に建てられた被災者救護テントである。
夜明け前の時刻、青年(雨雀自身)と家族を震災で無くした老人との会話から
劇は始まる。災害に不安を感じおびえる大衆のなかで、
青年はM駅にくるまでにできる限り調べてきたという、いわば知識に拠った自信から、
朝鮮人の無実を確信している。
劇中における青年の自信は、盲目な大衆に向けられた左翼的自覚を促しているものでもあり、
その姿勢は以降終幕まで続く。ここで対立的立場におかれるのは国粋主義者である。
軍医やブルジョワ階級が入れ替わりで現われる中、
軍国主義に傾いていた当時の空気を反映して、次第に青年は立場を悪くしてしまう。
やがて朝鮮人狩りに現われた自警団員(その姿は甲冑や軍服、陣羽織や学生服をまとい、
それぞれの立場を体現している)に相対し、追い詰められた青年は、大衆を前にして大演説をぶつ。

P.255 青年の台詞
 甲冑や陣羽織は骨董品として価値があるだらう。然し生きた人間に何にならう。
もし諸君の心臓の中に血が流れてゐるならば、諸君は諸君自身の着物が要る筈だ。
その甲冑を脱いで見給え、その陣羽織を脱いで見給え、諸君は命のない繰人形だ!
(原文はすべて旧漢字)


初演、大正十ニ年四月(おそらく十三年の誤り)。
掲載された雑誌「演劇新潮」は直後に発禁処分となり、
十四年に発行された戯曲集では多くを伏字とされる。
上演された土蔵劇場は友人仲間によって興された、文字通り土蔵を利用した舞台であり、
社会派を中心に多くの文人が集まった。しかしながら、十二年の九月に震災で崩壊する。
手元の資料では明らかに整合性にかけているが、おそらく、土蔵の崩壊後もごく短い期間だけ
劇団が存続したのではないか。
「骸骨の舞跳」は表現主義を取り入れた作品としてつとに挙げられる。
心中の嵐を超現実によって表現するこの手法は、以降の新劇に色濃く引き継がれていく。
959美香 ◆FE5qBZxQnw :04/07/08 07:56
ひっそりかんと次スレです↓

「読了報告スレッド♪2冊目」
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/book/1088812445/l50

このスレにおきましては皆様にお世話になりました。
白石様、小山内劇場様、たくさんの吾輩は名無しである様、
ぜひ次スレでもよろしくお願いします。
さらりとお勉強の成果を交換しあい、読書の喜びを共有いたしましょう。
960吾輩は名無しである:04/07/08 09:15
>>959
先にこっちを使い切れよ
961━ロ━┥ ◆m0yPyqc5MQ :04/07/08 13:03
「人生を幸せに導く13の習慣」ベンジャミン・フランクリン 著 ハイブロー武蔵 訳・解説
[速読的に5回目くらいの再読]

 言わずと知れたアメリカ建国の父フランクリンの自伝から訳出した「13[個]の徳の教え」をまとめたもの。
自伝全体の、実務的に必要最低限の部分だけを抜き出したようだ。
 素晴らしい一文があった。
「人間の本質からして、悪い行いは、禁じられているから有害なのではなく、
有害だから禁じられているのだ。それゆえ、来世はもとよりこの世でも幸福になりたいと願う人は、
徳を重ねることに関心を持つべきである。」
また個人的には次の一文が素晴らしいと思った。
「この世の中には、仕事を正直にやってくれるような人間を欲しがっている裕福な商人、
国家、貴族または諸侯などが、いつもいるものである。
しかし世の中には、そんな正直な人間というのはめったにいないことから、
貧しい者が成功しお金持ちになるためには、誠実と高潔とが一番役に立つ徳であることを、若い人たちに、
ぜひとも伝えたかったのである。」

結局のところ大成するにはこのような善的人間性が必要なのだと思う。
巷に溢れる成功法則本・自己啓発書の原点の本質だけを抽出したような内容。
ちっぽけな成功に安住するつもりがない大志を抱いた野心家必須本。
 高度情報化社会のまっただ中で賢く力強く正しく生きるには、このような
『鍵』となるアイテムを選び取る力が一番重要なのではないだろうか。
ノルウェイの森 講談社 村上春樹 超良かった。
The Remains of the day KNOPF.INC 石黒和夫 普通。
963吾輩は名無しである:04/07/12 17:24
いつも読了と打ち込もうとして「どくろ湯」って打ち込んじゃうよ。
964白石昇 ◆T9hpXq3U/6
07月04日 聖刻1092@ 旋風の狩猟機 千葉暁 ソノラマ文庫