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712美香 ◆FE5qBZxQnw
「ウォーク・ドント・ラン」(村上龍 vs 村上春樹/講談社)絶版
→村上龍27歳、村上春樹30歳のときの対談本。
復刊ドットコムで復刊希望が出されるも作者が復刊をこばんだという伝説あり。
これを読んだらその理由がわかる、消したいよねこれは過去の汚点だから。
読書量&人生経験を身長にたとえたら、まわりがみんな背が高い(文壇!)なかで
チビのふたりが必死になって背を高く見せようとしている、そんな対談。
気のきいたことを言おう言おうとどちらも汗がでまくりなのがよくわかる。
僕、文芸誌なんて読んだことないです、僕もですその感性わかります……。
ふたりの話はまったくかみあわない。
どっちかが何かを言う、「それわかります」と引き取り、別の話をはじめるというループ。
この本をぜひ「13歳のハローワーク」「海辺のカフカ」を手にしている中学生やOLに読ませたい。
対談のはじめは「田舎者コンプレックス」の告白(龍も春樹も!)。
読みながら「痛いなぁ」と赤面したり吹き出したりもうたいへんなトンデモ本。
内容を一部紹介。龍、僕小説を書けなくなったら貯めた印税があるから
ハワイで気楽にサーファー屋でもやろうかと思っているんです。
いまはアルマーニを着て美食をあさる龍、僕ククレカレー毎日食べています、
女房が食事を作ってくれないから、でもククレカレーおいしいです、僕中産階級だから。
春樹、僕頭を下げるのって大嫌いなんです、だから作家になったのかもしれません。
春樹、誰とでも寝る女の子が大好きなんです、横にいると癒されるから。
これ以外にも笑えるところは数知れず、読むべき、龍や春樹の実像がよくわかるから。
読了して思ったこと。人間ってふしぎな生き物。
こんなありふれた兄(あん)ちゃん二人も、本が売れてまわりから天才扱いされると、
ちゃんとそれに見合った演技をできるようになるんだなぁ……。
ブックオフ百円本。二冊持っているから誰かにプレゼントしたい。