読了報告スレッド

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625美香 ◆FE5qBZxQnw
「楡の木陰の欲望」(オニール/井上宗次訳/岩波文庫)品切れ
→1924年初演のアメリカ演劇の古典的作品。
オニールは「アメリカ演劇の父」とも呼ばれる。これを読んでわかる、
あー、確かにストリンドベリからテネシー・ウィリアムズへの橋渡しをしていると。
傑作。ひさびさに血が沸騰するような戯曲。物語の下敷きにしているのは、
ギリシア悲劇「ヒッポリュトス」。ギリシア悲劇的かつ近親相姦的な暗さがある。
中上健次の小説に非常によく似た雰囲気をもつ。中上はオニールなど読んでいないはずだけど。
じめーっとした女の子宮のなかで終始する残忍な欲望の劇です。
しかし読了後にその子宮から言葉にできない何かが生まれるのは確か。
この現象をカタルシスというのでしょうか。
カタルシスのない不条理劇よりこちらのほうが好きですわたしは。
(「35歳主婦」がこれを買ったらしいのでネタバレ一切なしの読了報告♪)

ところで最近、読みやすい読了報告が多い気がする。よきかな。
626美香 ◆FE5qBZxQnw :04/03/10 09:01
いま気づいた。
ギリシア悲劇の「ヒッポリュトス」に「メディア」を混ぜたのが「楡の木陰の欲望」か。
このスレは私的備忘録的な意味合いもあるので、つけたして書いておきます。

ストリンドベリ「死の舞踏」を超えるかもしれない大傑作です。
比較的入手しやすい&薄い&登場人物が少ない=読みやすいので機会があればぜひどーぞ。