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224美香 ◆FE5qBZxQnw
「わが町」(ソーントン・ワイルダー/額田やえ子訳/劇書房)
→戯曲。ちょっと待ってよ、そりゃないって! もういいかげんにして!
戯曲を読むのは終わりにして早く「次」に行きたいというのに。
だって戯曲は半端じゃなく高いから……。なのに、なのに、なんでこんなにおもしろいの?
ええ、泣きましたよ。セリフの一言ひとことがなんて重いんだろう。
これを読んだら胸がいっぱいになって、その日は他の本を読む気にならなかった。
アメリカの古典劇。調べてみたらとっても有名らしいけどみなさん知っていました?
わたしは知らなかったけど。世界各地でプロアマ問わずに上演されているらしい。
カントリーの平凡な生活を、なんでここまで感動的に描けるのだろう。
ひとの人生を変えうるチカラを持った書物に久々に出会いました。1800円、高くない!

「ピアノ・レッスン」(オーガスト・ウィルソン/桑原文子訳/而立書房)
→戯曲。黒人もの。中上健次の「路地」じゃないけど、なんかキュークツ息苦しい。
先祖伝来の想い出がしまいこまれたふるいピアノがあります。
弟は売ろうといいます。姉は反対しますが、ピアノ(黒人の歴史)に触れることはありません。
最後に姉が今までさわることのなかったピアノをひきます。
自分の娘にピアノを教えるのです。だからピアノ・レッスン。だからなに? So what?
わたしがネタバレをするのはよほど入手困難な本か、よほどつまらないかのどちらかです。
225美香 ◆FE5qBZxQnw :03/11/09 10:07
「検察官」(ゴーゴリ/舟木裕訳/群像社)
→ご存知、名作戯曲の新訳! 国語便覧には必ず載っています。
名物にうまいもんなし、とは旅行好きの決り文句でありますが、はたして名作は?
へえ、これが名物なんだ、あの有名な、ふーん。一度食べたからもういいや。
名物を名作へ、食べるを読むへ変えれば、この「検察官」の感想になります。

「結婚」(ゴーゴリ/堀江新二訳/群像社)
→なにこれ、おもしろいじゃん。ぜったいつまらないと思っていたのに。
「検察官」の横に夫婦みたいに仲良く並んでいたから引き離すのがかわいそう。
それが買った理由。なのに、こりゃあ笑えるぜってえお客さん!
何より訳がいいんでせえ。登場人物がみーんなかわいらしい。チューしたいぐらい。
お見合いのおはなし。といっても女はひとりで男は五人。さあ、誰を選ぶのか。
あはは。「検察官」の次に読んだからこんなにおもしろく感じたのかもしれません。
また食べ物のはなしで恐縮ですが、まあ、「検察官」と食べ合わせが良かったということ。