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吾輩は名無しである:
「サド侯爵夫人」を観てきました。
劇場MOMOは、収容数100人くらいの小劇場だったので、
最前列で観ていたぼくのわずか3m前で役者が演技しているという
たいへん贅沢な観劇でした。最前列で観ていると、セリフをしゃべってる
役者さんとよく目が合ってしまうんですよね。ちょっとドキッとしますね。
それで気付いたんですが、シミアーヌ男爵夫人役の本島加奈子さんは、
目が大きくクリクリしてるきれいな人なのですが、異様に大仰な表情をする
女優さんですね。ちょっと可笑しかった?です。ちょっとだけ。
でも遠くから観るとちょうどいいかも。それから、サン・フォン伯爵夫人役が
男優なので最初はギョッとしてましたがなれると全然違和感なかったです。
三島氏自身が「サド侯」の裏に男性的厳格さが隠されてると言ってますから、
本当にその通り、男性的力強さが出るぶんには違和感がないんです。
逆に、ヘンに女らしさが出てきてはいけない芝居なんだなと今回のルネで
わかりました。観客がルネ役の女優に、華奢、弱々しさ、脆さのイメージを
抱いたら良くないんですね。今回は、観客が描くであろうルネ像を演出する
方向がちょっと違ったような・・・? そういう意味ではアンヌ役の女優は
良かった。勝ち気で。傲慢で。言っときますが、ルネ役の女優は演技は
うまかったんですよ。念のため。でも芝居全体は、良かったです。
ぼくの3m前で演技してたんですから迫力あったです。はい。
もう後の席では芝居を観られないです。ほんとに。迫力が違います。