J.オースティン Part3

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35吾輩は名無しである
無教育だからといって牧師の娘のオースティンが
汚い言葉を使うことはない。
フィリップ・ロスの小説の作中人物でニュージャージー出身の
ザッカーマンは、イギリスで教育を受けたミス・ベンソンの指導を受ける。
以下引用。

彼女はすでに1年の文学の最初の授業のときに彼に目をつけて、
《length》の g を発音するように教えてくれていた。
そしてクリスマスの休暇が始まるまでには、
彼は《whale》の h をを発音することを教わっていたし、
学年終了前には、《guy》という言葉を語彙から永久に
追放してしまっていた。 いや、彼女が追放したのだった。
それも至極簡単に。
「ザッカーマン、『高慢と偏見』には《guy》という言葉は
いちども出て来ません」
 
「男としての我が人生」、大津栄一郎訳、集英社、1978