カミュやサリンジャーの名作の新訳が話題となるなか、
ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』の新訳も
発刊されました。
訳者は山形浩生氏。
「半世紀後に、ガキどもがまともに読めるのは、ぼくの訳した
アリスだけになっているかもしれない」
との発言もあったとのこと。
キャロルやトールキン、その先輩格のマクドナルド、逆に
時代を下ってワイルドやらイェイツなども取り込みながら、
ヴィクトリア期のファンタジーを楽しんでいきましょう。
ということでとりあず、山形訳を明日にでも
入手したいと思います。
手元にあるのは、子ども向けフォア文庫、
中山知子・訳なので。
絵がテニエルじゃないということが、
とりあえず気になる。金子国義が描いたものも
あったけど。
3 :
吾輩は名無しである:03/06/08 22:47
山形の本が出るたびにスレたってるな・・・
質問箱スレより
422 :わからん :03/06/08 14:08
ルイス・キャロルの凄さの解説をお願いします。
英語の勉強をかねて Alice's Adventur in Wonderland:
不思議の国のアリスを読み始めました。でも文学素養の
少ない私では、この小説の内容は荒唐無稽な御伽噺以上の
内容を読み取ることができません。単なるロリコン話でしか
ありません。
でも世界には、この小説の熱狂的な信者もいらっしゃいます。
国際的には多分、川端康成よりもルイス・キャロルのファンの
ほうが多いと思います。なんらかの文学的な価値がなければ、
このように広く読まれるはずがありません。
どなたか、理系の文学に疎い私にも理解できよるように、
ルイス・キャロルの凄さを説明していただけないでしょうか。
よろしく御願いします。
424 :京成 ◆E8n6nCVHEg :03/06/08 14:36
ルイス・キャロル不思議の国のアリスはシュルレアリスト達に高い
評価を受けています。 シュルレアリスムとはダダ運動の延長の
無意識下の意識・思考を重視する運動です。作中でアリスの奇妙な
感覚についての描写が度々行われていますが、この感覚は神経症の
症状に酷似しているそうです。
また、作品の筋の荒唐無稽さは同時に不条理さでもあります。
アリスの年齢も7歳と幼いです。
精神病・不条理・幼児期はシュルレアリスト達が重視するキー
ワードです。
何故なら彼らは既存の思考・良識を否定するところからスタート
しているからです。ダダ運動の「泉」を見ればわかるとおもいます。
これによりこの作品はシュルレアル的作品として名作に数えられて
いるのです。 なおルイス・キャロルは本当にロリコンでした。
6 :
京成 ◆E8n6nCVHEg :03/06/08 22:55
↑本人降臨
ルイス・キャロル氏は晩年多少の頭痛持ちではあったものの、
本人は神経症ではなかったそうです。ここがこの作品の不可解なところ
です。
7 :
吾輩は名無しである:03/06/08 23:46
オレ、山形氏すげー好き。とっつきやすいんだよね、この人の説明。
9 :
吾輩は名無しである:03/06/11 20:19
>>7 ぼくもルイス・キャロルの研究ページの
山形訳の評を読んだけどね。
こういう丁寧な批判を「コキおろ」すなどという粗雑な表現で
まとめてしまっては、評者に対して失礼だと思う。
みなさんも現物に当たってちょ。
10 :
吾輩は名無しである:03/06/11 20:22
キャロルくんしね
11 :
吾輩は名無しである:03/06/11 20:46
東京書籍から出てたマーティン・ガードナー注の詳注版アリスって評判どうなんですかね?
「鏡の国」のチェスの動きの解説とかおもしろかったような気がするんですが。
>>11 あれは、ものすごく有名だし、評価も高いものですよ。
原書では、最近「決定版」が出たので、
翻訳の方も改訂されるのではないでしょうか。
遅ればせ現物やっと入手。翻訳は、上の原文サイトをつらつら眺め
ながら、気になるところを少しずつ比べていくつもりですが…。
(キャロルの研究サイトもすごいコンテンツ!)
かわいい本になっていますねー。
鍵穴とか鍵という本文のところに、小さなイラストが組み込まれていたり
して、挿絵の割付の面白さにばかり目が行く。それが出版社の電子ファ
イルへの挑戦なのかと思ってみたり…。
セピアの文字とピンクのイラスト…こういう状態で「かわいい」「面白い」
と思いながら菓子を食べ食べ読むのと、電子テキスト読むのはだいぶ違う。
物語はやっぱりアナログ&アナクロで読みたい。
巻末の付記が特異で、ヤマガタイズム剥き出しなのですが(w、バロウズ・
スレだったかに書かれていた電子ファイル50年構想へのヒントが…。
紙に字を書いて残す文化って、パピルスなど考えると2000年ぐらい
つづいているのかな?
電子テキストって巷間で言われているようにとんでもなく革命的なこと
なんだろうけれど、絵本とか物語を愛する感性って、本をなくさないと
思う、というか本がなくならないことを、願う。