【】【】【】【】【】逮捕文学【】【】【】【】【】

このエントリーをはてなブックマークに追加
205吾輩は名無しである
820 名前:吾輩は名無しである 投稿日:03/04/09 21:40
いまかなり酔っている。怒っている。>>812-818が対象ではない。
酔っていて怒っているときは雑談スレにしか書き込まないようにしているけど、
今晩はちがう。寺山修司の前衛劇など「おままごと」同然だと言いたいのである。

きみは覚えているだろうか。
いつだったかロシアで劇場が革命グループに占拠されたことがあった。
劇団のメンバーも観客も。たしか最後に犯人グループは全員射殺されたように記憶している。
あれを舞台でやりたいのである。初日の観客を対象に。
偽りの舞台にかけるのは何でもいい。「大山デブコの犯罪」がたとえ古かろうが(w
重要なのは広告チラシにこう記載しておくこと。
「この劇を観るものは覚悟しなければならない。
たとえきみの日常が破壊されても責任は持たない。
その証書に契約印が押せるものだけ劇場に来たまえ!」
初日、当日の劇では口だけで日常を破壊する。スーツは囚人服だetc・・・
劇の途中に革命グループが登場する。銃を手に、「全員、動くものは射殺する」と。
自分はこの劇に命を賭けているのだと主張する演出家がまず射殺される(演戯)。
革命者は主張する、おまえたちは偽者だ、実際は日常を愛してやまないくせに、
劇場では非日常を好む賛同する奨励する。ざまあみやがれ今から偽の皮をはいでやる!
(笑う観客がいたりしたらば実際に殴っても良い。契約は既に為されているのである)
革命グループは偽の報道記者に声明文をだす。
「日本にいる10代、20代の若者すべてに遺書を書かせよ。
テーマは、もしあした死ぬとしたら。
それらすべてがこの劇場に届けられたらば人質を解放する」(続く)
206吾輩は名無しである:03/06/08 02:06
821 名前:美香 ◆FE5qBZxQnw 投稿日:03/04/09 21:57
↑はわたし美香です。

劇場で一夜が明ける。
そのあいだに役者、観客同士のあいだに生まれる友情、愛情は偽者だろうか?
もしこの極限下で愛を誓うものがいたとしたらば? 
見知らぬ観客同士が手を取り合ったとすれば?
彼ら被害者たちの連帯感は演技か、それとも事実か?
役者と観客は考えるだろう。いかにして現状を打破するか。
(役者はどのようなパターンにも耐えられるように事前に想像力を用いる)
翌日になるか二日後になるかそれはわからない。偶然性に賭けているからである。
彼らは(役者+観客)は自らの力で解放されるであろう。
それを役者の警察、報道陣が歓迎する。すべてが劇であったと笑いながら。
そのときに生まれるものは何か? わからない。わからないからやってみる価値がある。
その後の公演はすべて中止。この演劇が無意味だと思ったものには返金すると告示。

世間からは叩かれるであろう。警察沙汰になるのは必定。
しかし表現というのはそういうものではないか?
わたしは尊敬している原一男監督からそう教わった。
さて、この劇をわたしに演出させてくれるプロデューサーはいますか(w
207吾輩は名無しである:03/06/08 02:07
905 名前:美香 ◆FE5qBZxQnw 投稿日:03/04/23 11:30
前略    寺山修司様

初めてお便りさしあげます。名もない一人のファンです。
この一ヶ月のあいだ先生の世界にどっぷりと浸かりました。寺山ワールド。
俳句、短歌、詩、競馬予想、映画、童話、小説、演劇・・・
どれもこれも刺激的でした。刺激されましたが、何も起こらなかったのもまた事実です。
いま迷っています。そのため先生にお手紙を差し上げたのですけれども。
教えて下さい、どちらの男性と結婚すべきか。ひとりは寺山先生に外見がそっくりです。
彼はろくに働きもせず、そのうち革命を起こすといってもう何年になるのか。
でも一緒にいると「何か起こる」ような予感がして楽しいのです。
もうひとりは見合い相手です。両親は早く彼と結婚をしろとせかします。
誰に似ているのか、どう言ったら寺山先生にわかってもらえるでしょうか。
あ、寺山先生のご友人、山田太一さんにそっくりです。とても落ち着いた人。
優しい目をしています。彼は中学校で国語教師をしています。
いい人なのですが、彼と結婚したら将来がすべて見えてしまうような気がするのです。
子どもの顔から老後の陽だまりまで・・・。女であるわたしにとって、
顔にできるしわまで想像できてしまうのはあまりにも辛いのです。
208吾輩は名無しである:03/06/08 02:08
906 名前:美香 ◆FE5qBZxQnw 投稿日:03/04/23 11:30
あるとき三人で会いました。楽しく酔っ払って地下鉄に乗ったのです。
何を思ったか競争しようと三人で車両の最後部から歩き始めました。
最前車両にたどりつきそうになったころだったが、車掌さんに注意されたのです。
高校を出たばかりのようなかわいい車掌さん。顔は赤くなり少しどもっていました。
それを見た寺山修司が鼻で笑って無視したのはいつもの通りでしたが、
驚いたのは山田太一がものすごい剣幕で寺山修司を批難したことです。
おまえは現実というものをわかっていない、あの車掌さんだって何も僕たちに
恨みがあるわけではない、仕事だから仕方がないのだ、それが現実ってものだ。
それを聞いた寺山修司の返答は「現実って何よ」。
山田太一は愕然としたようで、そのあとずっと押し黙ってしまいました。
こうして私たちは気まずい雰囲気のまま別れたのです。
さて、わたしはどちらと結婚すべきでしょうか?
「現実は死んだ、幻想ばんざい」とうそぶく彼か、日常を大切に生きる彼か。
「かづこ」さんは寺山先生からの求愛を断って、山田太一さんと結婚したそうですが、
わたくし「美香」はどうしたらいいのか。ご助言、よろしくお願いします。
突然のこのようなお手紙、失礼いたしました。    草々

PS)新潮文学アルバムで寺山先生の若かりし頃の写真を拝見しました。
なかなかの美男子ぶりに胸が熱くなりました。
お忙しいなか、身勝手なお手紙で本当に申し訳ありません。