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中島たい子「漢方小説」200枚 ◆T61/rdmlFM :
みのりは31歳の独身女性。都内で独り暮らしをしながら、売れない脚本家をしている。
元カレが結婚したのを聞いて、パニック障害を起こし、救急車で運ばれてしまう。
何も食べられなくなって痩せていくばかりだったが、子供の頃に喘息で通った漢方医院を思い出し行った。
担当になった漢方医は若くて格好いい男で、みのりは惚れてしまう。
漢方治療の効き目は抜群で、みのりの体調は日増しに回復した。
みのりは青テントと呼ばれる飲み屋に集う、五人の飲み会に参加する。
男二人に女三人の飲み仲間は、仲が悪くなったり、恋愛関係になったり、それが潰れたりしながらも存続する。
みのりは自分で本を買って、漢方医学を勉強する。
西洋医学が体の悪いところを取り除くのに対して、漢方医学は五臓のバランスをとるのを一番と考える。
体調が全快しかけた頃、みのりが手がけていた映画の脚本が没になり、みのりはまたダウンする。
せっかく惚れた漢方医の先生は医院を辞めて、中国に行ってしまった。
みのりは自分の体の変化を受け入れて、漢方医学に頼って生きていこうとポジティブに願った。(了)