再評価スレ
2 :
吾輩は名無しである:03/04/12 05:43
2
1930年(昭和5)大阪市に生まれる。
1950年 最初の小説「印象生活」を「市大文芸」に発表。
1953年 洋書輸入商・北尾書店に入社。エッセイストでもある牧羊子と結婚後、大阪市立大学法学科卒業。
1954年 寿屋(現サントリー)に入社。
1957年 「パニック」を「新日本文学」に発表。
1965年 「ベトナム戦記」を朝日新聞社より刊行。
1971年 「フィッシュ・オン」を朝日新聞社より刊行。
1972年 「夏の闇」を新潮社より刊行。
1978年 「ロマネ・コンティ・1935年」を文芸春秋より刊行。
1979年 「玉、砕ける」で川端康成文学賞を受賞。
1981年 「ベトナム戦記」以来の一連のルポタージュ文学により第二十九回菊池寛賞授賞。
1986年 「破れた繭 耳の物語*」「夜と陽炎 耳の物語**」を新潮社より刊行
1987年 「耳の物語」で日本文学大賞を受賞。
1989年 「珠玉」を脱稿。十二月九日、食道腫瘍に肺炎を併発し死去。
/ ̄ ̄ ̄ ̄\
( 人____)
|ミ/ ー◎-◎-)
(6 (_ _) )
|/ ∴ ノ 3 ノ
\_____ノ
______/| ヽ l ヽ______
(∋ / v \| ヽ ∈)
 ̄ ̄ ̄ ̄| / 。 l 。 人 | ̄ ̄ ̄
/ / ヽ ー - / \\
/ / | | | \ヽ
/ / ヽ | \
// / | \
/ | つ \ \ヽ
/ / /ωヽ \ | |
../ / / \ \ | |
/ / / \ \ .| |
| ( く ) ) | |
| \ \ ./ / | |
| \ \____/ /. | /
| _――-\ \ / /-――___| /
|/ ⊂⌒__) (__⌒つ |/
>>4 このッ…大バカ野郎がッ!!
殺すぞッ!こらッ!!
この、神聖な場所に、なんてことを……(涙)
6 :
吾輩は名無しである:03/04/12 08:13
/~ ̄ ̄ ̄ ̄\ 言っておくけど僕はイケテル男だよ。
( 人_____) 多分、僕と実際に会ったら、君らは僕を
|ミ/ ー◎-◎-) オタクとは思わないだろうね。僕の友人は
(6 (_ _) ) けっこうワル入ってる奴ばっかりだし、
| ∴ ノ 3 ノ 僕もちょっとワルっぽいかもな。僕は
/\_____ノ____∩___ ロン毛だけど、前髪だけ茶色にしてる。
(__) )_____.E .) ̄´ 服は、最近流行のファッションとは一味
. | | どれみ命ヽ 違ってて、独自のスタイルを作ってるぜ!
. | |______) まあ、周りに流されてるだけの馬鹿が
. (___)三三三[□]三) してるファッションではないわけだ。
(,:::::::::::::::::::::::::::::::/ サングラスかけて街歩いてると、
. \:::::::::::::/:::::::/ 友人に、悪党って良く言われるしな。
. \;;;;;/;;;;;;;/ アメリカの不良みたいな感じだ。
(___|__)_|_) ロック系とも言うかな?
なんなんだ、こいつは…
…誰かこいつを何とかしてくれ!!!
/ ̄ ̄ ̄ ̄\
( 人____)
|ミ/ ー◎-◎-)
(6 (_ _) )
|/ ∴ ノ 3 ノ フィッシュ、オン!
\_____ノ
______/| ヽ l ヽ______
(∋ / v \| ヽ ∈)
 ̄ ̄ ̄ ̄| / 。 l 。 人 | ̄ ̄ ̄
/ / ヽ ー - / \\
/ / | | | \ヽ
/ / ヽ | \
// / | \
/ | つ \ \ヽ
/ / /ωヽ \ | |
../ / / \ \ | |
/ / / \ \ .| |
| ( く ) ) | |
| \ \ ./ / | |
| \ \____/ /. | /
| _――-\ \ / /-――___| /
|/ ⊂⌒__) (__⌒つ |/
_./ ̄ ̄ ̄ ̄\
/( 人____)
/ .|ミ/ ー◎-◎-)
,/ (6 (_ _) )\
`、 `,| ∴ ノ 3 ノ‐'`ノ オーパ!!
\ ヽ,._____ノ ノ プ〜ン
豸. ``Y" 拜."..::.::.::.::.::・・'゚。.・'゚。.::。.::・'・'゚。.::。.::・'・'゚。.::。.::・'・'゚。.::。.:
;": :: i. 、 ¥ ノ ・'゚。.:・・'゚。.::。.::・'・'゚。.::。.・:(;´Д`)オエーッ
; .;: :∴:(. ` -‐´;`ー ) ・'゚。.::。.::・'・'゚。.::。.::・・'゚。.::。.::・''・'゚。.::。.::
. ': .;".;": ( 彡 ミ ) モワ〜
: .;"∵;": ::″: ; ゝ '´ ̄"`ヽ
: .;".;":: :.;".;": / ■_,,,,,、 ノ
´ ..‘ :´ ;` :. ~. ;. / /`' ( ノ
:´ `: .``:. ;' ~ヾ ( ノ | (_,,-,,,
: : .~.. :´; ` :` , `: \ `ヽ / __ノ
;`: ,´ ;: ;` : :. .~.. \ \  ̄
; : ..‘:´ ;`:. ~.. ; :,´ : ノ _)
` ;..``:. ; ' ;.~ ;ヾ (.,,_/~
10 :
吾輩は名無しである:03/04/12 08:29
この開高健AA似てるね。
>>10 もともと開高健をモデルに作られたものだからな
4とか6とか8とか9とか開高のファンはこんなのばっか
おっ 早起きしてみるもんだ開高スレが起っているよ
しかも いきなり荒らされてるよ
ありがとう
ある日
__, -‐― ´ ̄ ― 、
/ `ヽ
/ _ ,, ヾ i
/, / / | , .| | i i |
| | / -‐- |/レ┼t-| |.iっ |
И /| ,. ‐、 , ‐ 、 ル|~, i !.|
V| | !(.,) (.,),! レヽ | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|!.{/// 、 ////ノ | | ねえ、開高さん
!, \ (⌒⌒) /i! ,i,l.| .< いつまでこすってればいいの…って
o O 。。 ~^^ `г― i´ ^^~ | やだっ、何これ〜っ!?
。O o 。 -/ \ _/ ヽ―,- _ \________________
ドピュッ /| | \/|o|ヽ/ | | i ~ヽ
|| o/∩| | | | _|_ |_| ヽ
||./二ニヽ|||シュッ | | |6年3組| |
||| ―-、)ヽ||シュッ|o | | 西 村 || |
||| 二ヽ)_ノ|| | |  ̄「 | ̄|| |
シュッゝC| | /⌒⌒⌒ヽ/~ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
./⌒ヽ⌒ヽ___ | ∴ヽ 3 ) < 現役小学生の手コキこそ至福ーっ!
/ _ ゝ___)(9 (` ´) ) \_______________
/ 丿ヽ___,.───|彡ヽ ―◎-◎-| ハァハァ…
) ( Y ̄ ̄ ̄ ̄)
_/ \____/
数日後
ピンポ〜ン♪
(牧羊子)は〜い
(男)大阪府警の者ですが、
実はお宅の開高健さんが・・・・
(牧羊子)ちょっとあなたーっ!
あなたーーーっ!!!
??・・・・・・・・・・!!!!!!!!!!  ̄ ̄ ̄ ̄──────
ll==============ll
/ ̄ ̄ ̄ ̄\:::::::::::||
( 人____) ヤバい!!! あの小学生、誰にも話しちゃダメだよって言ったのに・・・!!!
_|./ ー◎-◎-) :::::||_____
/.. (6 (_ _) )_|| /
/ | .∴ ノ 3 ノ___〕 /‖ ____
/ ゝ ノ ヽ/ / ‖/ /|_
/ /  ̄ ̄ )__/ ‖|三三三|//|
 ̄‖ ̄ ̄ (_ _/ ‖ _|三三三|/
‖ ( ) ‖ |___|/
‖ /( )~⌒) ‖ §〜〜 _ /__/
( / ⊂二⊃ /| .///|
\,___λ____,,,ノ \__/ | ̄ ̄ ̄|/
16 :
吾輩は名無しである:03/04/12 08:59
今日はこんなクソスレをたてる>1について
マジで考えてみることにした
まず、このクソスレを考えるために浪費した時間について。
仮に、引き篭もった>1の頼んでもいないピザが届くまでの30分の間に考えたとしよう。
そのピザのくる30分の間、>1はスタート→アクセサリ→メモ帳と開くのだろう。
そして考える。引き篭もってるあいだに伸びた髪の枝毛を探しながらら、足りない頭をつかって考えたのだろう。「CCさくら」でも「東京ミュウミュウ」でも見ながら考えたのでしょう
そして「これでしょう、ぐふふ」と思いついたのがこのスレなのです。
ですが、たかがこの程度ネタにその価値があるのでしょうか?
今時、吉野家でも、バイトすれば時給750円はかたいでしょう。
つまり、その半分の375円を>1はこのクソスレのためにむだにしたのです。
つまり、>1はイラクにいくべきです。そして反戦を訴えるべきです。
存在意義を見つけるべきなのです。
17 :
吾輩は名無しである:03/04/12 08:59
開高ってベトナムかタイでか子供とセックスしてたんだろ
みんな死にやがれ!
コンチクショウ!
健さん!本当にスンマセン!(涙)
19 :
吾輩は名無しである:03/04/12 09:37
ロリペド開高は氏ね
発起人とか書き込むのやめな。
ますます荒れる罠。
もしかして発起人は本当の開高ふぁんなのでつか?
1930年(昭和5)大阪市に生まれる。
1950年 最初の小説「印象生活」を「市大文芸」に発表。
1953年 洋書輸入商・北尾書店に入社。エッセイストでもある牧羊子と結婚後、大阪市立大学法学科卒業。
1954年 寿屋(現サントリー)に入社。
1957年 「パニック」を「新日本文学」に発表。
1965年 「ベトナム戦記」を朝日新聞社より刊行。
1971年 「フィッシュ・オン」を朝日新聞社より刊行。
1972年 「夏の闇」を新潮社より刊行。
1978年 「ロマネ・コンティ・1935年」を文芸春秋より刊行。
1979年 「玉、砕ける」で川端康成文学賞を受賞。
1981年 「ベトナム戦記」以来の一連のルポタージュ文学により第二十九回菊池寛賞授賞。
1986年 「破れた繭 耳の物語*」「夜と陽炎 耳の物語**」を新潮社より刊行
1987年 「耳の物語」で日本文学大賞を受賞。
1989年 「珠玉」を脱稿。十二月九日、食道腫瘍に肺炎を併発し死去。
23 :
吾輩は名無しである:03/04/12 19:37
あげっ
開高健「決闘」(全集)初出は「文藝」1968.8。ごく短い作品だったが、
面白い。ハブとマングースの殺し合いをオーソドックスなリアリズムで
描いたもの。スラスラ読めるんだが、なにか、もう一つの意味があるのか
と疑りたくなってくるような作品だ。というのは、ここに出てくる二人の
男の素性が、よくつかめないからだ。マングースがハブの頭を噛み砕いて
殺した後の数行が、どうしても分からない。
『二人の男は肩を並べ、黙って空地を出て行った。フジツボの群落のよう
な貧しい屋根、屋根に亜熱帯の鳴動するような落日が射し、一日の完璧な
瞬間が空と道に燃焼していた。年下の男はたちどまってタバコに火をつけ、
午後いっぱい飲みつづけてきたのに一滴の酒精も青い火をたてていないの
を感じ、しゃがれ声の渇望が体内にひろがるのを知った。
「寝技は使わないんだ」
年上の男は大きな、翳りやすい目に剽悍な憂鬱をうかべ、深く微笑しな
がら
「容赦しちゃいけないんだな」
といった。
長い尾をひいて貧しい道を歩いていき、年上の男はうなだれて、もう一度
「容赦しちゃいけないんだな」
と言った。
年下の男は
(…… やっと一歩)
思った。
(島に上陸した)』 (新潮社・全作品・小説H・70頁)
25 :
吾輩は名無しである:03/04/13 20:50
>>24 二人の男であって、それ以上でもそれ以下もないですよ。
最近の作家の書く小説モドキに、無駄が多すぎるだけだと思いまつ。
明るく 楽しく 暮らしたい
そんな 思いが トリスを 買わせる
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
28 :
吾輩は名無しである:03/04/25 22:49
順調な滑り出しだな
あれ?開高って人気ないの?
この人の随筆はかなり好きなんだけどな
30 :
吾輩は名無しである:03/04/28 01:04
いわゆる文学ファンには恵まれなかったように思う。
エッセイのファンが圧倒的に多いと思われ。
文学板の住人には、開高のエッセイは範疇外?だったので、
文学も同じくくりとなって、敬遠されたとか?
闇シリーズとか流亡記とか好きだけど。
「夏の闇」なんかは深刻型の文学青年に受けそうなのに
良くも悪くも宣伝屋な人だからねえ……。
夏の闇、いいんじゃない?
なんといっても文章。
エッセイは眼中に無いなー。
34 :
吾輩は名無しである:03/05/02 18:33
今鯉とりまーしゃん、ntvでやってる。
age
>>35 大岡玲がホストで金時鐘がゲストの回ね。
人間は逃げる時にしか連帯できない、
という開高の冷めた社会観がでている作品なのに、
民衆のシタタカな生き方で括っちゃマズイでしょう。
38 :
吾輩は名無しである:03/05/09 00:45
あのツリ眼は生理的に嫌いやねん。
39 :
吾輩は名無しである:03/05/09 00:52
おとこいっぴき!
にはワロタ > 日本三文オペラ
釣好きなオッサンでは悲しい
42 :
吾輩は名無しである:03/05/09 21:13
情念も何もなく、
才気だけで全集出した人。
早い時期に親父を亡くして妻子まで抱え込んでいるんだ、
情念なんか蓄えているゆとりはない。
44 :
吾輩は名無しである:03/05/09 22:36
この人の釣り番組すきだったな〜・・・
この人ベトナムで従軍したんだよね
ぶよぶよの体に丸めがねの小男が戦場をあたふた走り回ってるのは
想像するとこっけいだけど、その戦記や、「輝ける闇」は読みごたえあるよ
何とか現実の皮膚感覚を伝えようとするんだけど
やはり「悩める知識人」になってしまう自分と戦う感じが痛々しい
輝ける闇以降、文体がガラリ変わる。
そう三浦雅士が書いていたが。
あの文がいいと思って読んでるんだな。
基本的に文が巧いという才気のみだが。
だからそのうち飽きちゃうんだろうな、と、今から懼れている。
小説は文が全てとまでは言わないが、
殆どと言っても良い。
まぁ、情念がどうとか
エッセイで発言している弱みはあるのだが。
そう言えば三島なんかも修飾やロジックだけで空っぽだな。
>>47 「なんかも・・・空っぽ」つうのは困りましたね。
上手い小説を書くっていう以外に何があるのよ
つうと「上手い小説」って何だ?と言う議論になり
ちょっとスレ違い気味だが…
いま豊饒の海のC読み始めたとこだけど
スケール感あるよ。開高健と比べても意味内けど
開高健の守備範囲の狭さがよく分かる。
俺は主に三島由紀夫のレトリックを見るために読んでるけど
本当に興味深い。自分で書くようになって凄さが分かってきたよ。
>上手い小説を書くっていう以外に何があるのよ
ほとんどの上手い小説なんてつまらないし読みたくない。
開高は上手いけどおもしろい稀有の作家。
>開高健と比べても意味内けど
本当に意味ないですね。
52 :
吾輩は名無しである:03/05/11 11:49
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53 :
吾輩は名無しである:03/05/11 12:19
54 :
吾輩は名無しである:03/05/11 12:22
>>53 本当にすばらしいですわ
開高さんは関西が生んだ偉大な作家です
開高さんはクンニ大好きということでも有名ですわね
>>54 開高健は尊敬してるし別に張り合う気はねえけど。
漏れもクンニ好きだかんね!
大大の、大好きだかんね!
負けねえよ!
クンニなら誰にも負けねえよ!
開高健なんて目じゃねーよ!
ケチョンケチョンの、ギッチョンギッチョンだよ!!
57 :
吾輩は名無しである:03/05/21 17:36
ロビンソンの末裔は最高傑作だろうと思うがどうでしょうか?
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
59 :
吾輩は名無しである:03/06/07 02:57
開高ってノーベル賞獲るとかって平気で言ってたけど
英語圏じゃ大して知られてないね。主要長編は訳されてるけど。
後期になるに従い文体で読ませる代わり、小説に動きがなくなってったから
ある意味極めて日本的な小説家といえるのかもしれない。
思うんだけど動的な物語性で読ませるようでないと文学作品って
英語圏じゃ受け入れられにくいのかも。
この人ヨーロッパじゃもうちょい知られてるって聞いたことあるし。
作品はやっぱり『夏の闇』が図抜けてるね。
60 :
オリジナルノイズ ◆KJQVF4h9Ug :03/06/07 07:44
考えてみると純分系って1個図抜けたのがあれば
それで十分ってとこ、なんか演歌歌手みてーだな。
多作でも100年後に残ってなきゃ意味ねーモン名。。
61 :
吾輩は名無しである:03/06/07 10:33
今生きてたらどんな小説書くだろうか、と考えるんだけど
『珠玉』書いて、みごとに「円が閉じた」って感じだから想像できん。
あと、牧羊子と出会わなかったらと考えると面白い。
まあ、コピーライターにはならなかったかもしれないけど、
小説家にはなっただろうな。
62 :
オリジナルノイズ ◆KJQVF4h9Ug :03/06/07 11:20
すげー遅筆だったらシー名。。
南下、ホッとするww
谷沢栄一は牧洋子をこき下ろしてるけど
なんか恨みでもあるのか
64 :
オリジナルノイズ ◆KJQVF4h9Ug :03/06/07 16:42
開港の小説は、残念だが絶滅だろ?
古本屋にもオーパ!溶かし金絵師さ。
ムカーシの人が、懐かしみながら読むんだろ?www
65 :
吾輩は名無しである:03/06/22 17:12
夏の闇アゲ!
66 :
吾輩は名無しである:03/06/22 23:03
漂えど沈まず
67 :
吾輩は名無しである:03/06/23 21:52
対談も面白かった
68 :
吾輩は名無しである:03/07/07 20:56
彼の著作にはある一つの「概念」が必ず背後にある。
それは「肥満の貴族意識」であり、これが現在の文学界における開高批判の一因となっている。
私は開高を愛読する者が必ず口にする「肥満の弁護」が気に入らない。
作家だからとて、原体験だからとてデブが正当化されるワケではない。
現在肥満は迫害を受けるべき、社会的弱者、呪いの刻印を額に焼き付けられた迷える羊達である。
それはいかなる職業の人間も逃れる術は無い、よって私は開高を批判する。
開高はその醜い体脂肪を燃焼させぬ限り、正当に評価されることはないだろう。
69 :
吾輩は名無しである:03/07/07 21:03
ふざけんじゃねぇぞ、あ?
どうなんだょコラ!!
このデブ、やせやがれ!!
誰も開高がデブだという批判に反論できないってことだなワラ
その程度の作家ってことだ、いや、作家じゃなくてデブか
まず、開高ファンは開高がデブであることがれっきとした罪であることを自覚するか、それに対して論理的に反論しなければならない
結局、デブ党か。一生デブ擁護するがいい。
開高って、障害者詩人ひきるなと同じようなもんだろワラ
結論
開高はデブ、さらにそれを駄文で正当化
信者はそれを間に受けてデブの屑を崇める
常識的な感覚を持った人を、開高信者は貶す
よって、開高はただのデブ芸能人、信者はモー娘のおっかけと同レベル
70 :
吾輩は名無しである:03/07/07 21:04
開高は、デブである自分の非を認めず、
詭弁で無知なものを説得させ、作家と名乗り始めた。
我々は、神話化されたきゃつの豚の皮をはがし、
開高がいかに「単なる豚」かを、綿密に立証していかなければならない。
信者は、批判を無視するしか脳がない。
さあ、みんなで開高がデブで駄文書きだということをつきとめよう!
2ちゃんねらーの力を見せてやれ!!
71 :
吾輩は名無しである:03/07/07 21:04
「裸の王様」は、当時の芥川賞選定委員に媚びて受け取ったものだ。
その理由は、「デブなのにこんなに頑張って小説書いた」だ。
こんな奴が、日本を代表する作家という地位にされて、おまえ達は恥ずかしくないのか?
あんなの、学会行けば名前も出されない駄文書きだぞ?
おまえらもうちょっと権威とかに洗脳されないで本を読めよ。
72 :
吾輩は名無しである:03/07/07 21:05
どうやら信者による言論封殺が続いているらしい。
開高は、グルメデブだ、だからどうした。
開高は石塚と同じ、いや、センスないからそれ以下だな藁
はやくかかってこいよデブども。同類だからって同情することないよw
開高はひきこもりデブに大人気
73 :
吾輩は名無しである:03/07/07 21:05
結論:開高はデブの駄文書き
証拠:小説が書けなくなるとエッセイでごまかす
文章に味がない、それを「徐嬢を廃した」でごまかす
太っている分際で偉そう
信者がキモイ
実績が評価にそぐわない
>>71 おい、おい、開高が芥川賞を取ったときも太っていたって?
ちょっとは調べてものを言えよ。
76 :
吾輩は名無しである:03/07/08 13:15
醜いデブだねえ、開口って。
でもこんなナンチャッテ作家をこれ以上貶すと、俺、頭の弱い子をやりこめてるみたいになんない?w
>>69-73 開高はキミくらいの年齢の時に、戦後の食糧難にぶつかって
徹底的に餓えたからなぁ、学校に持っていく弁当もなくて
昼めし時にはさっさと校庭に出て水道の水で腹を満たしていたのは
有名すぎる話。すきっ腹に水ばかり飲むと、
動くたびに腹の中でチャプチャプ音がするんだとさ。その音が、
開高の生涯の基調音。
後にグルメと呼ばれるほどに「食うこと」に徹底したのも
その原点を凝視していたからで、ハンパなおばちゃんのグルメとは
訳が違う。結果デブったり癌になったりしたのも、覚悟の上。
おいしいもの、食べたい・・・。もう3パック100円の納豆には飽きた・・・。
ここ1年くらいで、書店で手に入る程度の文庫はほとんど読んでしまった。
今は空いた時間に『開高健全作品』をちびちび読んでいる。
この人の執拗な、形容詞を重ねていく文体は聖書の影響を受けていると思う。
なんかのエッセイで旧約聖書のファンとか言ってたし。
一路平安。であるか。
悠々として急げ
自殺したくないから
旅に出るんだ
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
84 :
吾輩は名無しである:03/07/21 04:46
好きな作家だが、晩年はいただけない。恐らく本人も、まだ時間が
あると思って遊んでいる間に、予想外に早く病に倒れたのだろう。
関係ないけど、彼のキャッチコピーが未だにテレビで流れているのを
このあいだ発見した。そういう意味では、やはりある種の言語感覚には
優れていたのだな、と思う。
冒険者と書斎って言うのを読んだけど、中々面白かったよ
(⌒V⌒)
│ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
⊂| |つ
(_)(_) 山崎パン
地球が友達
88 :
吾輩は名無しである:03/08/26 11:48
たばことさけとくいもん
89 :
吾輩は名無しである:03/08/26 13:50
空はどこに行っても青いということを知るために、世界をまわって見る必要はない。
『格言と反省』より
90 :
コギャルとカリスマH:03/08/26 13:57
91 :
吾輩は名無しである:03/09/12 03:05
青い月曜日は文庫化されてますか?
はい
保守ってやるよ
94 :
吾輩は名無しである:03/11/22 00:06
さらにもっと悪質な例をもうひとつあげます。今度は日本の例をあげますと、
開高健という作家がいる。好き嫌いはおきます。下品なりにもっとも美しい
文章を書く人といわれています。なぜ悪質かといいますと、開高健という人
も現実経験がなければ書けない人だった。三島由紀夫が生前、非常に開高健
のことを嫌ったんですね。それはなにかといいますと、開高健の場合は書く
ために経験を探すんです。たとえば、彼は芥川賞が欲しくて欲しくてしょう
がなくて、もらうわけです。じつはその後書けなくなってしまう。そこで彼
はなにをしたかというと、大阪の乞食部落での経験を小説に書くわけです。
また書けなくなる。そうすると、彼はベトナムに新聞記者の特派員として行
くわけです。実際彼はそこでひどい経験をするわけです。百数十人中数人し
か生き残れない戦争に巻き込まれるわけです。でもそれは立派なものだとい
ってもいい。そこでベトコンの銃殺もみる。ところが三島由紀夫は怒るわけ
です。戦争経験を小説にしなければならぬのであろうアンドレ・マルロ−は
許すと三島はいってませんが、ところが開高健は小説の題材を探しに戦争へ
行った。つまり、小説に利用するためだけに経験を使っていった、というこ
とです。これは晩年までつづくわけです。たとえば、『夏の闇』などは、わ
ざとタイで放蕩生活をするわけです。その経験を小説にする。彼は現実を利
用することで自分史を書きあげるタイプの作家になっていった。
まあエッセイのが読めるし人気もあるしね
>>94 「乞食部落」じゃなくて「朝鮮部落」な。
あれは朝鮮人が旧日本軍の資産を窃盗する話だよ。
わざとそれをぼかして書いてあるのが解せんが。
97 :
吾輩は名無しである:03/12/02 12:39
芥川賞受賞作の「裸の王様」読んだけど、いろいろ考えさせられた。
どうもこの十年ばかりの文学は一般人離れしていて、それはそれで
意味があることだが、開高健のように文学プロパー以外の一般人に
訴求する文学、そういうものも見直すべきではないかと思った。
>>94 >彼は現実を利用することで自分史を書きあげるタイプの作家になって
>いった。
鋭い分析だし、本筋は当たっているが、
開高は最初から、物語を作る作家ではなく、自身が息をしている空気そのもの
情況そのものと深くコンタクトする質の書き手だった。
書くために現実を利用するというより、
自分の生命の在り方に最も関心が強かったので、生きる軌跡と
書くものとのリンクが、ある意味濃密だったといえる。
それは、戦争末期〜終戦の混乱期に少年時代を過ごし、喰う物がなく
弁当を持っていけず昼は校庭に出て水道の水で腹を満たした…というふうな
ひりつくような肉体的精神的実体験がベースだったからではないか?
自分が、生きること、そのギリギリから眼を逸らすことができなかった…。
結果、作品群が自分史的様相を呈した・・・と。
ガン闘病記を、読みたかったな
99 :
吾輩は名無しである:03/12/02 15:03
開高健は日本文学史の中じゃ特殊な存在かもね。
「私小説じゃない私小説」という矛盾を実現した稀有の存在だな。
100 :
吾輩は名無しである:03/12/02 20:33
それってヘミングウェイのパクリか?
101 :
吾輩は名無しである:03/12/03 17:16
あんまり読んでないが、開高=ヘミングウェイというのは
定番の評価なんじゃないの。
釣り、戦争、そして性への回帰。
「エデンの園」と開高の晩年の作との共通性について
論じた評論を読んだことある。
102 :
吾輩は名無しである:03/12/03 18:50
開高の文体は現実を反映したモノでこそ生きる。
我々は常に現実世界に身を置いているが、その今いる世界を果たして
どこまで忠実に生々しく文字として表現することが出来るであろうか?
開高はまさにその現実を見事なまでに文章として表現することができた。
現実を利用するだけであれほどの作品が書けるであろうか。
そこのところをよく考えてもらいたい。
牧羊子の母校を卒業しましたが、
大学図書館に、牧羊子本人は勿論、開高健、娘の開高道子と、
それぞれの著書の献本が山ほどあって感心した。
マメだなあ。「オーパ!」のでかいのなんて、貰って来たかったよ。
女子大のせいか、借りてる人殆どいなかったし。
104 :
吾輩は名無しである:03/12/05 18:42
>>102 「現実」という言葉は「客体としての現実」と、「主体としての現実」の
二通りに分類できる。前者は、作家が眺める世の中そのもの。
対して後者は、作家が経験した世の中そのもの。
それを三島は「想像力による創作」と「経験に基づく創作」として峻別
していたんだろうね。
>>103 その学校は女学校だった時分に漏れの曾祖母が卒業した学校でもある。
でもって、どうでもいい話だが、漏れはそこの在校生に失恋したことがあるよ(w
しかしその献本の主が三人とも皆もうこの世にいない人だと思うと、感慨深いな。
漂えど沈ます、しかしageることもなく…
なにもたさない
なにもひかない
まだ使ってるのね
107 :
吾輩は名無しである:03/12/11 18:55
風に訊け
108 :
吾輩は名無しである:03/12/12 19:22
短いのでは「一日」が好きだなぁ・・・
女で開高読むって言うとなんか笑われるけど。
卒論も開高やったしー
「人間」らしくやりたいナ
トリスを飲んで
「人間」らしくやりたいナ
「人間」なんだからナ
↑これ大好きだナ。
110 :
吾輩は名無しである:03/12/14 18:20
トリスを飲んでハワイへ行こう!
ハワイへ行ってトリスを飲もう!
ウチの近所のおっさんが
昔開高に会って洋モク貰ったそうです。
「ロビンソンの末裔」か「フィッシュオン」の取材だったかな?
そんでもって先週某国営放送「カニしてガッテン!」でも
開高さん出てましたね。「蟹は海の果汁である」
おおっ 地元の人間でも蟹食いたくなるべさ。
113 :
吾輩は名無しである:03/12/17 00:12
>>112 面白いですね、その話。ただ「ロビンソンの末裔」と「フィッシュオン」だと
内容は全然違うけれど、どうなんだろ。
たぶん「ロビンソンの末裔」の方だと思いますが。
114 :
吾輩は名無しである:04/01/11 00:09
115 :
吾輩は名無しである:04/01/12 01:32
112の追加報告きぼんぬ
116 :
吾輩は名無しである:04/01/17 05:07
開高が好きだっていう人いないの?
もっと盛り上がりたいナ
たしかに孤独好きが多そうではある
違うと思うぞ。
120 :
吾輩は名無しである:04/02/02 20:36
開高さんてロリコンなんですか?
121 :
吾輩は名無しである:04/02/02 20:42
パニックや裸の王様の風刺っぷりが好きです
122 :
吾輩は名無しである:04/02/03 11:35
死んだとき確か泣いた。そんな読んでないけどね。
>>113 すんごい 遅れす 申し訳ない
開高先生は結構北海道きているようで
釧路のササキ画伯との親交は有名でつね
そんでもってロビンソンの末裔のその後と云う事で
旭川付近の戦後開拓地に来たことがありました。
そこは全員離村 ただの牧草地となっておりました。
多分其の頃オホーツクに来たのではないかと思いまつ。
御息女の道子さんは汽車に撥ねられてお亡くなりになり
奥様の牧羊子さんは猫に看取られてお亡くなりになりました。
ご冥福をお祈り致しまつ…(ー_ー人i~
124 :
吾輩は名無しである:04/02/04 20:22
「珠玉」凄く好きな小説だけど、主人公の恋人の
名前「阿佐緒」って、若い女性の名前ではないよな。
>>124 「珠玉」は文庫本の装丁がダサダサなんだよね。
なんだよ、あのナイフは。ミステリーかよっ!
126 :
吾輩は名無しである:04/02/10 03:49
珠玉は宝石の描写が暗癒的で美しい。あんまり覚えてませんが・・・
あぼーん
もう、ゆかりの人は誰もいないのか。
さみしいな。
129 :
吾輩は名無しである:04/02/23 20:14
日本三文オペラage
訴求する文学か。まあ元はコピーライターだしな。
131 :
吾輩は名無しである:04/03/07 13:11
流亡記っておもしろい?
パニックや裸の王様の方が楽しく読めたんだけど、
流亡記はどこが評価されているのかが今ひとつわからない。
132 :
ミステリ板住人 ◆K5MnIloIhA :04/03/08 20:55
サントリーのCM出演も印象深いものがあるが、
この人の「本」は、現代純文学でありながら、とにかく面白い点がいい。
中上健次、丸山健二よりは親しみやすい作風であり、
安部公房よりは読み易い。
本当の意味での「オトナの読物」かと思う。
今の文壇にこういう人はいない。
「流亡記」の面白さがわからないというレスがあるが、
開高作品の一貫したテーマは、よく言われるように「組織と人間」である。
この観点から「流亡記」という作品を読んでみると、
そのテーマは最後の部分に集約されているかに思う。
組織の圧制、具体的には秦の群県制という頚木から脱して、
匈奴の如く生きよ、「生きる」とはこの事に尽きるのである。
文学板住人よ、君たちも私と共に「匈奴の如く」この2ちゃんねるの荒野を
生きてみないか?
嫌ですよ
134 :
ミステリ板住人 ◆K5MnIloIhA :04/03/13 21:32
新潮社の開高健全集(全22巻)には、「夏の闇」が未収録のようなのだが?
この点につき文学板住人に明確な事情説明を要求するものである。
心して書け!
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| 次ボケて |
|_______|
. ∧∧ ||
( ゚д゚)||
/ づΦ
136 :
ミステリ板住人 ◆K5MnIloIhA :04/03/17 20:58
ふと、「花終わる闇」は完結していれば、どのような作品になっていたかと思うことがある。
書かれた部分のみを読むと、「死」に対する暗示を感じるのは、私だけであろうか?
________
| ̄ ̄ ̄|___ |
| つぎで |ボケて!!|
|______|_____|
○_○ || || ○_○
( ・(ェ)・)|| ||(・(ェ)・ )
/ つΦ. Φ⊂ ヽ
書いた? 書けん!
139 :
吾輩は名無しである:04/04/02 19:38
揚げ
140 :
吾輩は名無しである:04/04/03 17:42
開高さんがもし生きていたら、昨年の芥川賞
該当者なしだったろうなあ。
厳しい審査委員長だったよなあ。
141 :
吾輩は名無しである:04/04/05 22:29
開高健が審査委員やってる頃がまだしもぎりぎり
芥川賞の水準が保たれている頃だったかもね。
142 :
吾輩は名無しである:04/04/15 21:33
悠々として急げ
道子さんは自殺?
144 :
吾輩は名無しである:04/04/18 20:29
あ、あげちまった
147 :
吾輩は名無しである:04/04/18 22:01
開高健の装飾過剰、漢字フェチの文体は、
ちょっともう、再評価の機運には当分恵まれそうも無いな、
…と個人的には思う。
このまま忘れ去られるかも。
個人的には大好きですが…。
>>147 たしかにレトリカルな文章を書く人だけど、「装飾過剰」とか「漢字フェチ」
という感じは全然しないけどなぁ。逆に抑えた、クリスプな印象を受ける。
過剰なのは飾りじゃなくリアリズム。難しいのは言葉じゃなく概念。
149 :
吾輩は名無しである:04/05/05 05:22
道子さんは、茅ヶ崎駅近くの
踏み切りで亡くなったんだよね
その頃
隣の、平塚に住んでいて
何回か自宅を見に行った事がありました
(前を通り過ぎるとき、合掌するくらいでしたが)
あの頃は道子さんも、牧さんも健在だったんだなーっと
橋の下を水が流れた という事ですか
>>149 生まれるのは偶然
生きるのは苦痛
死ぬのは厄介
151 :
吾輩は名無しである:04/05/07 20:48
149です
開高さんは、キャッチコピーの天才なのでしょうね
「生きるのは苦痛」か
今、この言葉を読んだ
「生きる」人の胸にズシンと重いものを
落としていく
さらりと読み流さないと
私としては
鬱になるような気がします
>>151 >>150は開高氏自身の言葉ではなく、聖ベルナールという聖職者の
箴言を氏が引用したもの。他にもたとえば、詩人のプラーテンの
美(うる)はしきもの見し人は
はや死の手にぞ渡されつ
世のいそしみにかなはねば
されど死を見てふるふべし
美はしきもの見し人は
この句もどこかで引用されていたと思う。開高氏は還暦を前にして
亡くなったけれど、氏の死生観にこのふたつの言葉は大きな影を
落としている。彼が死に急いだ側面は否めない。彼の一粒種も、また。
まー、漏れは今酔ってるんで、素面のときにまたお話しましょう。
残念ながらここは非常な過疎スレですが、スレが続く限り、開高氏と
氏の文学について、語り合っていきたいものです。
153 :
吾輩は名無しである:04/05/09 05:47
牧羊子さん、お亡くなりになられたのですか、、、
若いころの牧羊子さんって、「阿佐緒」みたいな女性だったんじゃ
ないかしら、と最近彼女の本読んでてそう思ったのでした。
154 :
吾輩は名無しである:04/05/09 06:00
151です
開高氏の死生観は
生への、絶望感から発しているのではないかと
多感な時期に
あっけなく父が死に
戦争が激化し、そして終戦へと
その過程でも
財産を築いた祖父が、ほぼ全てを失い
虫けらのように死んでしまった
日々の食べ物に事欠き
母親とわずかな食物を奪い合うようにして過ごした
何とか大学にもぐりこみ
自分の口に入るものくらいなら
稼げるようになった
ほっとしたのも、つかの間
牧さんが妊娠・・・
あくまで、
裏切られ続けた実体験があり
それらを様々な言葉により証明した
ちなみに
151の言葉が
氏のものでない事は存じております
でも、膨大な書物から
その一文を発掘する才能、嗅覚が
文案屋なのかなト
155 :
吾輩は名無しである:04/05/09 20:23
コピーライターとしての開高健はさほど巨人ではないと思う。
上の下、もしくは中の上くらいのレベルだったんじゃないかな。
広告というものは、あくまで一般大衆を引っ掛けるためのルアーだから、
開高健くらいになるとハイブロウに過ぎるんだよ。逆に開高よりはるかに
劣る人物、才能も識見も二流に過ぎない、或いは文学者として、小説家として、
詩人として、とてもプロフェッショナルにやっていくことのできない凡庸な人間、
そういう普通の人間でも、開高さんよりはるかに優れたコピーを書きうるわけ。
現に開高健を歯牙にもかけない広告のプロは大勢いる。
広告とはそういうものだから、むしろ純文学作家にとっては鬼門。
対蹠的な位置にあると考えていい。ただ、大衆小説の場合は、洋の東西を
問わず文案屋あがりは多くいるし、両者の関係は近しいものがあるね。
まあいずれにせよ、コピーライターとしての開高健は持ち上げられすぎてる。
彼の本領はそこにはないし、また本領がそこにあっては本末転倒じゃないかと思う。
156 :
吾輩は名無しである:04/05/09 20:37
ポストモダンとかいってるなかでなんとなく評価しにくいんだよね
この人のモッサリ感てゆーか、お洒落じゃないというかサ・・
一言でいえばオッサン臭い文学。
>>156 いまだポストモダンなんて言ってる奴いるのか?
あんな腐りやすい流行に飛びついた作家は、
今悲惨なことになってると思うが。
158 :
吾輩は名無しである:04/06/03 19:45
>>156 それはつまり古典になりうるだけの価値があるということでは
パニックは面白かったけど、どこか井上靖の闘牛を思い出した。
どこに接点があるのかいまく言えないけれども。
裸の王様は最後に太郎君の絵を持ち出して圧巻させるところが、いかにもって感じで
少し興ざめしたな。
流亡記は静かに残虐性を描いているところに絶望感を感じる。
ただ、井上靖や大江や梶井や石川淳みたいに絶対薦めたい作家ではないなぁ。
160 :
吾輩は名無しである:04/06/05 17:47
「闘牛」は昔読んだけど、全然印象に残ってないなぁ。
「パニック」はよく覚えている。イメージの洪水が圧倒的だった。
「裸の王様」は名作だと思う。子供に対するインプリンティングを
あれだけうまく寓話の形に仕立てたのはすごい。
「流亡記」は万里の長城の奴でしょ。途中で気が滅入って読むのやめた。
裸の王様は少年と水遊びをする
場面の描写が秀逸だったわけで。
パニックのイメージよりは
日本三文オペラのイメージの方が強烈。
162 :
吾輩は名無しである:04/06/05 19:28
>>161 でもあれ、在日朝鮮人が日本の国家財産をくすねるという話でしょ。
開高の作家としての力量がいかにすぐれていようとも、いまさら
そんなふざけた筋立ての話読みたくねーよ。
>>162 だから、パニックのネズミ→三文の在日
となったわけね。
164 :
吾輩は名無しである:04/06/06 05:03
165 :
吾輩は名無しである:04/06/13 22:29
オーパ!
166 :
吾輩は名無しである:04/06/27 14:32
>>164 何気によめないw
2ちゃんでもインテリぶりたいか このヤロウ
えーえー 俺はどうせ英語も読めない低学歴だよーーーー
167 :
吾輩は名無しである:04/06/27 18:03
>164は高学歴で英語もバリバリで凄いですねえ。
>>164 うpありがとう。面白い。
専門は歴史学? 日本についての著書もあるようだね
『Bushidou』読んでみたいと思う。
先の白い歯の間から洩れる清潔な息を感じながら・・・
って、気色悪いよ
名作というのはおもしろいおもしろくないにかかわらず、
自分を変えてしまうものだなぁ〜って思う。
開高さんも、自分にとってはそんななかの一人。
171 :
吾輩は名無しである:04/07/17 11:08
自分探しの旅の元祖みたいな人だよね。
右翼にもなれず左翼にもなれず、
ベトナム行って輝ける闇書いて「硬い水晶のような物」を手に入れたと思ったら
夏の闇で形を失ってドロドロに溶け果てちゃって。
んでもう一回ベトナム行ったかと思ったら花終る闇でまた元の木阿弥で。
結局自分の立ち位置を生涯見つけることが出来ずに終わっちゃったな。
花終る闇を読み終えた後のなんとも言いようのない寂しさは忘れられないよ。
172 :
吾輩は名無しである:04/07/17 15:06
森は静かだった。
173 :
吾輩は名無しである:04/07/22 18:24
オ−パ!
174 :
吾輩は名無しである:04/07/23 21:56
快楽へ向かおうとする意志とそれを抑圧しようとする意思との
葛藤が一貫するテーマだと思う。
文体にしてもそうで、装飾に淫した快楽主義的な文章、それと
ある種ストイシズムの感じられる漢字への偏愛、それらのせめぎ合い。
…文体にテーマが滲み出ているように思う。
175 :
吾輩は名無しである:04/07/24 01:10
Hamline Univ.って、聞いた事も無い大学だな
176 :
吾輩は名無しである:04/07/24 02:55
開高健ってそんなイイのか?
100円でパニック売ってたから買ってみよう。
177 :
吾輩は名無しである:04/07/24 05:11
「午後の愉しみ」って対談集で丸谷才一と吉行淳之介との対談でそれぞれ出てくる
『マイ・シークレット・ライフ』なる小説について知ってる人いますか?
十九世紀にイギリスで書かれた春本らしいのですが、作者名も出てこないし(無記名なのか?)
ネットで検索しても全くヒットしないのです。情報あればよろしくお願いします。
179 :
吾輩は名無しである:04/07/24 07:46
ウーマン・アローン
マイ・シークレット・ライフ
作者は不明。日本語訳は吉田健一だったか。
出版社は…ごめん、記憶してない。
オレが持ってるのは、新書より少し大きい判で
厚いよ。挿絵入り。
さっき探したんだけど、どこいったのかわからず。
道子さんは当時、自殺じゃないかと言われた。
羊子さんの執拗な性格に、ヒステリーになって衝動的に踏み切りに
飛び込んだのでは、と。
開高も、夫人の嫉妬から逃げて海の近くに家を建て、引っ越したのに、
そこへもいつの間にか居座って、責めたてたらしい。
これを知っていた谷沢永一が、開高死後、
エッセイで「開高は殺された。なぶり殺しにされた」と、
ほのめかしで、しかしシツコク書いていた。
開高の文体は、男を酔わせる文体と言われていたような。
マスコミへの影響も大きかったと思う。
今でも釣りの雑誌には、開高の影響がありありと残ってるよ。
クルマ評論の徳大寺有恒も影響を受けた文章を書いていたなぁ。
文章を書く時の心構えとして
「気も狂わんばかりの精度で単語を選ぶべき」と表現したのは開高だった。
精度って言葉、今は普通に使われるようになったが。
182 :
吾輩は名無しである:04/07/24 20:24
183 :
吾輩は名無しである:04/07/24 20:37
「夏の闇」は難しいは。わしは頭が悪くて分からん。
まずは「輝ける闇」でしょ。
あれの凄さは俺でも分かる。
夏の闇を読むと、気分が沈む
185 :
吾輩は名無しである:04/07/25 07:09
どちらもいいじゃん。
だけど輝ける闇は作家自身が自己規制しているという問題はある。
つまり
ベトナム戦争の惨状をひたすら眺めて愉しんでる自分=道徳的にイクナイ!
という図式が作家開高健の中にあり、そこから脱けだせてない。
186 :
吾輩は名無しである:04/07/25 07:16
>>178 富士見ロマン文庫
「我が秘密の生涯」(上・中・下 3分冊)
翻訳者は田村隆一。
絶版だから古書店で買うしかない。
相場としては1冊1500〜2000円くらいだろう。
河出のは抄訳版。
188 :
吾輩は名無しである:04/07/25 11:01
>>184 俺ははオナニーがしたくなる。
情事のシーンごとに扱いていたな。。
189 :
吾輩は名無しである:04/07/27 01:17
>>180 >>187 情報サンクスでつ
吉田健一が訳してるやつあるなら読みたいなあ
『ファニー・ヒル』と読み比べると面白かろう
恥ずかしながら田村隆一は名前しから知らんのだが
見つけたら手に入れたいですね
>>170 自己レス。
開高健がおもろくないみたいな言い方すな! ハゲ!!
191 :
吾輩は名無しである:04/07/28 07:43
『夏の闇』の価値がわからない。
俺には駄作にしか思えないのだが・・。
>>187 いい加減なことをかいてしまった。
あれじゃ、ヒントにもならない…反省。
ありがと。
オレのは抄訳本だと思うが、
開高が言っていた「ただひたすらスポーツをするようにファック」の程度は
知ることができる。
必見と言えるかも。
これ、、nyで盗撮やら個人撮影やら援交やらのファイルを落としてる
やつにはわかると思う。
不感症にならないか?w
それに似てる。
「チャンスさえあれば、ただひたすらファック」の小説の極北。
男の夢でもあるのだが…。
193 :
吾輩は名無しである:04/07/29 11:40
昔は最初の英書が「我が秘密の生涯」って人が多かったそうな
エロのパワーはいつの世も偉大やね。
194 :
吾輩は名無しである:04/07/30 00:56
>>181 >クルマ評論の徳大寺有恒も影響を受けた文章を書いていたなぁ
然るに、開高と特大痔の文才は、
広大無辺の宇宙と、
ドブ板の下に蠢くボウフラ程の差があるのであった。
>>192>>「チャンスさえあれば、ただひたすらファック」
出会い系でも、主婦とするなんて簡単だったよ。
なんでこんなにあっさり体を開くのだろう、
なんでこんなに次から次へと抱いてしまえるのだろう、と
次第に心が萎えてしまったことがある。
できるのがわかってしまって、もう出会い系なんて
ずっとやってない。食傷。
でも、創作には役立つです。
食傷でも、
「よかったら、やって〜」っていう主婦が多いんだろうな
一度でいいから、と。
197 :
吾輩は名無しである:04/08/10 19:01
この人の「開口閉口」とかのエッセイって、わりと面白いよね。
198 :
吾輩は名無しである:04/08/11 19:45
この人の熱く畳み込めるような文体いいよね。
199 :
吾輩は名無しである:04/08/11 22:23
『輝ける闇』最強伝説age
200 :
吾輩は名無しである:04/08/12 15:19
X:畳み込める
O:畳み込む
201 :
吾輩は名無しである:04/08/13 18:34
全集の『もっと遠く!』『もっと広く!』には写真が載っていないのですが、
もともとそういう本だったのでしょうか?
写真が豊富な大型本でした
オークションなんかで見れます
内容も結構良いですよ
203 :
吾輩は名無しである:04/08/13 22:31
>>202 レスありがとうございます。
やはり元本では写真が散りばめられていたのですね。
全集には文章しか載っていない・・。
204 :
吾輩は名無しである:04/08/15 05:44
『玉、砕ける』のオチが解らん・・。
垢すりと老舎の死、どう関係しているの?
誰か教えれ。
205 :
吾輩は名無しである:04/08/15 22:52
>>204 オマエ、一般書籍板で教えてもらっても意味分からなかったんで、
こっちに来たんだね。
カワイソ。
>>205 早く教えれ。
あれってホントに名作なのか?
207 :
吾輩は名無しである:04/08/16 07:55
>>204 解説する話じゃ無いような・・・
分かんないじゃしょうがないと言うか。
ジョークの説明を行う事ほど興ざめする事は無い、
と言うのと同じ種類の問題だな。
分かるまでたま〜に(時期を置いて)読み返すしかないんじゃない?
(集中して短時間に何度も読むのはあんま意味ねえな。)
>>207 わかりますた。
気分を一新して『花終わる闇』を読んでみまつ。
209 :
吾輩は名無しである :04/08/17 10:01
晩年の開高の小説って、全滅じゃねえ?
俺が思うに開高のウリは、危うい倦怠を前面に出しつつも、
彼一流の緻密な文体で間を持たす、絶妙なバランスでね、そこにあると思うんよ。
そのバランスが晩年になるにつれて、崩れてきている気がする。どうよ?
210 :
吾輩は名無しである:04/08/17 10:40
>そのバランスが晩年になるにつれて、崩れてきている気がする。
創作する者の意欲、それを支える体力、気力の問題、
と言う事でしょう。
晩年に衰えを感じると言う事は、逆に言えば開高は
本物の小説家であったという事だと思う。
211 :
吾輩は名無しである :04/08/17 23:46
最近この人に興味がある。
おすすめの本をいくつか教えてくれ。
出来れば読む順番も。
213 :
吾輩は名無しである:04/08/18 02:37
結局、聖水にいっちゃうんだもんなあ
214 :
吾輩は名無しである:04/08/18 12:46
夏の闇以降は、小説は読まないなあ。
もっぱら釣りだか「風邪に効け」いうエッセイしか読まんから・・・。
夏の闇以降の小説は、正直、衰退が怖くて読めん。
おれも「聖水」がきたというだけで、なんだかな〜と手を出すのやめた
215 :
吾輩は名無しである:04/08/18 18:57
>>205 >>204じゃないが、俺もあの短編はいまいち意味がわからない。
誰か親切な人、解説きぼんぬ。
漂えど沈まず、されどageることもなく・・。
パニック読んだよ。
内容も文章も良かったんだけど、何故に漢字を使わずに「けもの」なのかなぁ。
何か狙ってるの?
218 :
吾輩は名無しである:04/08/22 07:39
219 :
吾輩は名無しである:04/08/22 07:40
字をみてもわかるとおり、彼はかわいらしいものが好きなんだ。
220 :
吾輩は名無しである:04/08/22 07:55
「漂えど、沈まず」って、
テーマが地に足つかず、空中浮遊しちまったな。
あれで開高は終った事を知らしめた。
221 :
吾輩は名無しである:04/08/22 08:03
終わった終わったうぜえな。
おまえの評論家の才能もBBSどまりで、芽が出ないまま終わりだよ
って言ってるようなものだ
222 :
吾輩は名無しである:04/08/22 08:12
>>221 そんなに誉めないでくれ。
照れちゃうじゃねえか。
>>218 >>219 そうか。
考えてみれば、確かにネズミを「獣」と書くのは大袈裟だな。
だから「けもの」
なるほど。
224 :
吾輩は名無しである:04/08/23 19:50
『ロビンソンの末裔』って絶版中みたいだけど、どうなの?
気合入れてまで手に入れる価値あり?
225 :
無名草子さん:04/08/25 12:18
この人の文才にはぶったまげたわ。
鬼才三島が嫉妬するわけだ。
226 :
吾輩は名無しである:04/08/25 13:50
小説家としての開高は賛否両論あると思うがルポライターとしての
才能は他の追随を許さないと思う。
そういう点から「ずばり東京」。
227 :
吾輩は名無しである:04/08/25 13:51
228 :
吾輩は名無しである:04/08/25 15:46
>>225 釣りか?三島が生きている時には、開高は生まれてないんだけど・・。
229 :
吾輩は名無しである:04/08/25 16:25
そうだ、そうだ。
三島が生きている時には、開高は生まれてないぞ。
ところで鬼才三島って誰の事?
三島由紀夫じゃねえよな・・・
230 :
吾輩は名無しである:04/08/25 16:55
>229
>三島が生きている時には、開高は生まれてないぞ。
・・・どこの平行宇宙から来た?
231 :
吾輩は名無しである:04/08/25 17:06
>>229 三島由紀夫の開高批判は良く知られているところ。
当時、この2人は美文家の代名詞だったが、多くの
識者たちが開高を評価していたことに対して、三島は
よく思っていなかった。
>228
おまえもどこの平行宇宙人だ(w
233 :
吾輩は名無しである:04/08/25 21:12
三島は「輝ける闇」に対して、「あれを全て想像で書いたのならたいしたものだが、
実際に戦場に行って体験したことを小説にしたんだから、どうってことない」
みたいな悪態をついたらしいね。
しかし、俺は
>>215だが、「玉、砕ける」のオチの意味、誰か教えてくれよ。
234 :
吾輩は名無しである:04/08/27 07:42
開高入門に最適な本を教えて下さい。
いわゆる開高節というものが炸裂しているものがいいです。
よろしくおねがいします。
235 :
吾輩は名無しである:04/08/27 08:46
エッセイから入るのは邪道かねえ。
オールマイトゥモーローなんか読むと開高ってよく分かるけどね。
236 :
吾輩は名無しである:04/08/27 09:38
闇3部作の第1作って『輝ける闇』ですよね?
時系列でいえば『夏の闇』が先の気がするのですが・・。
それともドイツで愛人と同棲する以前に、ベトナムの戦場に出向いているのですか?
こ教授ください、おねがいします。
237 :
吾輩は名無しである:04/08/27 21:33
>>234 ひとくちに「開高節」と言っても、年代・作品により文体に結構違いがあります。
個人的な印象では、生硬な印象のあった二十代の作品から、三十代は
レトリカルで淡い叙情を含んだ絶妙な美文、四十代からそれに随筆調の
やわらかさとある種の弱さ、諦念が加わり、晩年に至るとかつての緊密さが
失われ、やや大味で締りのない文体に移行したように思う。
入り口としては、小説なら「裸の王様」「パニック」などの初期短編か、
三十代少壮の頃の「輝ける闇」がいいか、と。
でも文体を味わうためだけなら、随筆やルポ、釣り紀行などの方が親しみやすいよ。
個人的には、小説よりもむしろ「フィッシュ・オン」の文体が一番好きです。
レトリックがめちゃくちゃうまいんだよね。
しかし、俺は
>>215だが、「玉、砕ける」のオチの意味、誰か教えてくれよ。
>>237 中条省平が「玉、砕ける」について解説しているぞ。
ちくま文庫で出てるからよんでみれ。
>>234 週刊プレイボーイ連載の人生相談を文庫にしたヤツ。
集英社より。(もはや文学でもなんでもないが……)
240 :
吾輩は名無しである:04/08/29 03:21
三文オペラもエエで
241 :
吾輩は名無しである:04/08/29 04:59
一般書籍板から勝手に転載
『面白半分作家たち』は、雑誌『面白半分』を立ち上げた張本人で編集者の
佐藤嘉尚氏による、縁の作家たちのライブスケッチ。
開高が、1989年食道腫瘍に肺炎を併発して亡くなる。追悼のムック
本を佐藤らが作ることになった。関係者による追悼文を集めて回るのだが、
その中に高恵美子という女性がいた。高は、開高の娘道子のバイオリン教師
をしていた文筆家志望の知的な美人だった。
その高が追悼に寄せた文章には、開高が高に寄せた、恋文ともとれる私信も
含まれていたという。これは、結局、ムック本には掲載されなかったが、
その部分の削除を要求する佐藤と、泣きながら抗議する高との間で、
電話で二時間半ほどのやりとりがあったそうだ。
そして、高は、それから一年後の開高の命日に自死を遂げる。
また、1994年には、一人娘の道子が、茅ヶ崎の踏み切りで電車に巻き込
まれて死んでしまう。当時、自殺か事故死かということで、週刊誌をにぎわ
せた。道子は、両親のテリトリーである出版界で仕事をしようとしていた。
佐藤は、偉大な両親に挟まれた道子の葛藤が良く分かったという。
生前、あれだけ華やかなスポットライトを浴び、縦横無尽のパフォーマンス
を見せた開高だっただけに、死後の特に関係の深かった二人の死は、
ひときわ寂しく悲痛な感じがする。
http://www.sutv.zaq.ne.jp/ckabb202/colum/colum03-4html.htm
242 :
吾輩は名無しである:04/08/29 12:57
この人より文章が綺麗な作家っています?
243 :
吾輩は名無しである:04/08/29 13:18
>>242 山田悠介なんかはどうかな?
現代文学の文体を築いたことで、高い評価を受けているんだけど。
244 :
吾輩は名無しである:04/08/29 23:51
文章家。たしかにそうだけど、もう観賞用オンリーにはなっている。
言ってみれば床の間に置いておくようなものだね。
テーマも文体も、かなり渋い。
だけど、小説家の人が、こういうのを手本にするのは絶対にダメ。
小説家志望の人が、こういうのを手本にするのは絶対にダメ。
246 :
無名草子さん:04/08/29 23:57
小説家志望の人が、こういうのを手本にするのは絶対にダメ。
小説家志望の人が、こういうのを手本にするのは絶対にダメ。
小説家志望の人が、こういうのを手本にするのは絶対にダメ。
247 :
吾輩は名無しである:04/08/30 12:43
全集が全巻そろって50万で売っていたんだけど、買った方がいいかな?
>>247 絶対読まないだろう、50万円分も。
おいしい酒でも買って飲んだほうが良い。
249 :
吾輩は名無しである:04/08/31 20:56
>>247 大衆性のある作家だから、まだ絶版になっていない文庫だけでも相当
集まると思うけれど。盟友の書誌学者谷沢永一が編んだ雑文補遺集
まで角川文庫に入ってるし。
逆に言えば、それだけ全集に価値がないわけで。全集でなきゃ読めない
作品はそう多くはない。そんなに多筆な作家でもないし(むしろ寡作)、
50万円という数字はちょっと驚き。
なにかの間違いじゃない?
5万円とかね。
おれはもう楽しむ為に読むから、サントリーの小冊子とか
「新しい天体」とか釣り紀行くらいしかもう読めないな。
「ベトナム戦記」前後のルポルタージュとかいいと思うし、
文革初期に大江健三郎ら訪中団と一緒に周恩来らと会った頃の
文章なんか思想はどうあれ、真摯で好きだけど・・・。
ハナ・アーレントの「アイヒマン裁判記録」と一緒に彼の傍聴記を
読むと、あの頃の開高健は「真摯」でいいな
いや、文革ははじまってないか。確かアイゼンハワーの訪日中止を北京で知る
描写があったから、60年安保の頃か。
TSエリオットと同じで、コピーライター出身だからこの人の文章は
精緻、華麗、混沌(こんな描写なかったかw)で評しがたいけど、けして
浮ついた文章だけの人でもない。
「風邪に効け」なんて晩年の余技であって、60年代政治ルポルタージュ〜
ベトナムものと走るなかで何かが蒸留され蒸発し、晩年オーパ以降の軽妙に
至るんだよな。
「玉砕ける」の意味が判らんいう人がいて、わしも説明しにくいけど、
開高のビブリオグラフィーの流れの中で、以降の決意表明とも老舎に学んだ
重要な一事の小説化と解すべきじゃないかね?
「革命、反革命、反々革命」の混沌の中で開高は懸命に64年の
体験を蒸留して『輝ける闇』を書いたけど、その動機はどうあれ
開高は「何かに捉われる」ことを思想家として拒否したんだろうね。
例えば本多勝一や川本三郎や三島由紀夫が「ある何か」に所属してしまうことで
限界に達するくらいなら、開高の場合、「いっそ釣りや食い物の馬鹿話」で
すべてを韜晦してしまおうと、(多少小説家として栄達の野心もあり)
選んだのじゃないか。
彼が魯迅を政治評論集より余技の酒色の戯文で評価したり
「豊満の種子」でことさらに政治評論を軽視したり、
ちょっと生臭くて、そういうとこは好きじゃないが、ともかく
「おれは政治や思想や特定に手足を取られる位なら垢すりや食い物の
描写をして人を楽しませる方が上等だ」いうマニフェストのために
『玉砕ける』を書いたのじゃないかね?
あれはたしか72年か73年、もうベトナムにはいかないと思いつめた頃の
小品じゃなかったっけ?
253 :
吾輩は名無しである:04/08/31 22:56
『日本三文オペラ』読んだんだけど、皆が言うほど文章がうまいとは思わんな。
254 :
吾輩は名無しである:04/08/31 23:03
>>249〜252
概ね賛成。
ただ、開高は韜晦の余り余技に溺れ、己を見失ったんじゃ無いかと思うんだが。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ですねえ。
当方は熱狂的信者ゆえ、
>韜晦の余り余技に溺れ、己を見失ったんじゃ無いかと思うんだが
に思い当たることがあって(泣)
正直、「風に聞け」なんて軽すぎて好きじゃないし、
ジュンブンガク方面、「耳の物語」以降は一切手出ししてませぬ。
>>215 玉=作家自身
が砕け散った、と。
ベトコンの処刑で受けた衝撃が
老舎の人民裁判で再確認された、
ということかな。
ただ、心なんてとっくの昔に無くなってるから
自己の分身である垢の塊が砕けているのを確認しただけ、
あの平目のような目でね。
257 :
吾輩は名無しである:04/09/01 12:32
谷沢が親友面してるのが気に喰わんのだが
258 :
吾輩は名無しである :04/09/01 12:47
259 :
吾輩は名無しである:04/09/01 19:42
>>252 >開高は「何かに捉われる」ことを思想家として拒否したんだろうね。
開高は思想家じゃないよ。彼は徹底してリアリスト。思想や観念やスローガンではなく、
事物それ自体からものを考えるタイプの作家だった。
リアルな社会問題から結局は目をそらした、韜晦したというのはあなたのおっしゃる
とおりだけど、それは政治や思想に縛られることを嫌ったからじゃないと思う。
革命だの反革命だのといった観念に「リアリティがなかった」からだよ。
大岡玲が「開高は求心力(自己の内面を見つめる)の作家ではなく、遠心力(外に
ある事物に目を向ける)の作家だった」と述べているけれど、けだし至言。
開高はなにより現実にある事物、現実に起こっている出来事に拘泥し、そこから
自身に返ってくる何かを掴もうとした人だったと思う。
260 :
吾輩は名無しである:04/09/01 20:17
>開高はなにより現実にある事物、現実に起こっている出来事に拘泥し、そこから
>自身に返ってくる何かを掴もうとした人だったと思う。
想像力が乏しいので、小説が書けない。そこで現実のものを利用した。
ただ文が巧いという才気だけで全集を出したひと。
それ以上でも以下でもない。
261 :
吾輩は名無しである:04/09/01 20:37
>>260 それは
>>233に書いたけど、三島の開高批評と同じ論点だね。
たしかに開高は想像力には恵まれていなかった。
でも、想像力で書こうが実体験で書こうが、要は作品なんだよ。
作品の質だけが問題なんじゃない?
漏れはガルシア・マルケスの小説よりジョージ・オーウェルの
ルポの方がすごいと思うけどね、作品の質だけを見れば。
262 :
吾輩は名無しである:04/09/02 01:08
如何に開高といえども、実体験なんて知れたもの。
想像力の飛翔なくしては良い作品は生まれんよ。
>261
開高が逆に三島を皮肉ったの知ってるか?
これは三島宅のパーティに開高が招かれ、三島に面と向かって言ったんだ。
「あんたは1に戯曲家、2に評論家、そして3に小説家だな」と。
三島死後に開高が明かした。
で、自分についても触れ、三島のフォローまでしてる。
「俺は1にルポライター、2にエッセイスト、3に小説家」と。
264 :
吾輩は名無しである:04/09/02 11:29
まあ個人の好き好きだから。
三島の小説は面白いけど、あくまで人工的な箱庭世界だと思うし、
ルポ屋としての開高と比較するのは、あまり意味が無いような。
ただ開高個人もときおり、親友の小松左京さえも「SF書き」と揶揄
するし、<創作小説>自体に懐疑を表明するから、三島や筒井康隆から
攻撃うけるんだろうな。
おれはどっちもどっちだし、両方好きだがね
265 :
吾輩は名無しである:04/09/02 13:12
なんだかんだいっても開高は天才だよ。
>>263 その開高の発言を三島がおおいに喜んだことも、書かんかいや。
三島は自身の本質を最も良く知悉していた、
書き手としては稀に見る存在。
267 :
吾輩は名無しである:04/09/02 23:11
この人、まだ読まれてるのかな。
俺はあの文体は老いた読者の愛玩物だと勝手に思っている。
個人的には、晩年に入る前の精巧な短編は何度読んでも素晴らしい。
貪婪でありながら、その一方で奥ゆかしさを感じさせる。
装飾過多の文体が、時の波に揉まれ、古びて腐りかけてきているのが
またいいんだよ。
食に拘泥して最後は長生きせずに食道がんで逝ったという
のも余韻を残すよい死に方。
そして病をネタに何かを書かなかったのも良かった。
晩年の、漢字が上滑りしている作は痛ましいね。
だけどそれも悪くない。
268 :
吾輩は名無しである:04/09/03 01:01
40歳頃に死んでたら、間違いなく評価はもっと高かっただろうな。
まあ、40歳の頃は既に、夭折の作家と言うイメージとは似合わぬ風貌だったが。
269 :
吾輩は名無しである:04/09/03 01:29
40歳で死んだら、
「フィッシュオン」で芽が出た写真付釣り紀行が
続かん。
「オーパ」のような大ヒット作も生まれず、
これほど世のお父さん方に愛されることもなかろう。
こういっては何だが、どうも2chだと大ベストセラー
『オーパ』の読者がごそっと抜け落ちているような
270 :
吾輩は名無しである:04/09/03 10:58
憐憫は糖衣された毒だ。
271 :
吾輩は名無しである:04/09/03 11:02
最近「夏の闇」読み返してやっとこの作品の凄さが分かったわ。
苦節七年やな。
最初読んだ時は何がいいんだか全然分からんかった。
二度目読んだ時はますます分からんかった。
三度目・・・
私はやっぱり馬鹿なのですか。(頭が良く無いの知ってたけど)
272 :
吾輩は名無しである:04/09/05 13:30
夏の闇は「ピッツァパイ」とかお粥談義とか
泡風呂で飲むウォトカとか新聞紙の上で切り分ける鳥の腿肉とか
シャピニオンとか食い物のところは、よく読んだなあ。
オブローモフというのが何物なのか知らぬが、
「われ熱からず寒からず」という冒頭句に表現されるように
「見すぎて何も行動できなくなった主人公」
というテーマだな。
「ヴェトナム戦争で信ずるべき自己を見失った主人公は・・」
なんて新潮文庫は裏表紙に書いてあるけど。
正直、秋元キャパと「あの激戦を生き残った」なんて1回か2回の戦地取材を
何年も何年も手を変え品を変え口外するのは
(・・・くどい)
思ったけど、作品としては絶品だよ。
「渚から来るもの」でオーウェルを目指したけど、結局、60年代サルトルの
時代に生きるとこういう作品におちつくのかと納得
>>269 『オーパ』読者おりまっせ。
さかのぼって釣り紀行なんか全部読み。
釣りとか戦争とか、ルポ文が秀逸だと思い鱒た。
一緒に組んだ?カメラマンもイイ!
274 :
吾輩は名無しである:04/09/05 15:24
開高の文体が大好きなんだけど、そんな俺にお薦めの作家っているかな?
全集がもうすぐ読み終わるから、新しい作家を開拓しようかな、って思ったわけ。
275 :
吾輩は名無しである:04/09/05 19:11
>273
オーパいいですね〜。
例の大名旅行に同行した谷口シェフの『オーパ旅の特別料理』(集英社文庫)
いう裏本読んでいるのですが、食べ物を美味そうに描写する所は
やはりプロのコックさんより本職の大兄の方が上手でした。
ちなみに神と共に行け??だかモンゴル釣り紀行の本なんか当方は
まだ未入手で読んでないのです。ジンギスカンの墓を探す企画本
あれ、読みたいなぁ
276 :
吾輩は名無しである:04/09/05 19:16
>275
全集・・・いうと分厚い5分冊だったと思いますが、あれからとりこぼれたエッセイが
あちらこちらに散らばっているので。
もっとも文学作品としての開高健は、全集読めばある程度、把握できるでしょう。
流れとしてはやはり井伏鱒二とか本邦釣り文学をすっとばして
ヘミングウェイなどいかがでしょうか?
ヘミングウェイも終始、戦争と釣りをテーマに書いてるし、
開高健もあちこちで引用しています。
>274
漢字にこだわる作家ということでいえば、
三島だよな。
装飾過剰の共通点もあるしね。
いずれにしても、このスタイルは絶滅しているわけだから…
278 :
吾輩は名無しである:04/09/06 13:46
ブンガク性とか何とかすっ飛ばして、開高健のなかで
すごい気に入ってるのが「黄昏の力」(ロマネコンティ1935?収録)
だな。
サントリー宣伝部時代の柳原良平(トリス叔父さんの絵描きだっけ?)や
なんとかいう連中と一緒に「琥珀の中の一滴」とか「ヴァレリーに捧げる
ブランデー」?とか阿呆陀羅を右から左に書き飛ばしながら、
「湯飲みで番茶をすすりつつ」
「それでも黄昏のなれば町に繰り出さずには居られない」
サラリーマンたちのダンディズムが最高に格好いい。
なんちゅうか<男たち>って感じで、どの文学賞にも批評家にも
通過されるけど、大好きな小品だナ
279 :
吾輩は名無しである:04/09/06 15:10
>>277 >いずれにしても、このスタイルは絶滅しているわけだから…
どういう意味?もうこのスタイルは時代遅れなの?
文体で言うのならヘミングウェイじゃなくて
ブレヒトやミラーだ。
同じ漢字圏なら老舎や銭鍾書かな。
281 :
吾輩は名無しである:04/09/06 22:07
>>281 ヘミングウェイやミラーならね。
中国語も魯迅クラスなら原書で読んだ事があるけど
老舎とかは手に入らないから読んでないよ。
いやおれはお勧め本を尋ねているだけで
君らのBBS上の「原書で読みましたが何か?」いう
不毛には用が無い
>>278 ああ、それ読みますた。
会社という組織の中でしかもチームで何かクリエイティブなことしてると
よっくわかる、共感できる。時代をこえて
285 :
吾輩は名無しである:04/09/07 03:40
>会社という組織の中でしかもチームで何かクリエイティブなことしてると
開高並みのことが出来たらいいなw
286 :
吾輩は名無しである:04/09/07 21:51
ランキングベスト5
1.夏の闇
2.輝ける闇
3.オーパ
4.耳の物語
5.珠玉
287 :
吾輩は名無しである:04/09/07 22:36
【ベトナムもの】
「ベトナム戦記」ってルポが一冊あって、そこから
「渚から来るもの」「輝ける闇」「夏の闇」いう長編があり、
「歩く影たち」いう短編集がある。
【初期長編】
「パニック・裸の王様」「ロビンソンの末裔」「日本三文オペラ」
戦後の焼け跡のなかから復興、皮肉とユーモア、官僚主義への批判と
「野山を齧り尽す鼠の大群(パニック)」というエネルギー観察。
【自伝的長編】
「アカデミア・メランコリア」「青い月曜日」やがて「耳の物語」
とつながる自伝。自身の体験を焼け跡派のワンオブゼム(典型)とし
がんがん読ませる。
【食伝】
「美味放浪記」・・・は壇カズオか(誤
「最後の晩餐」とかルポしてくうちに「開高閉口」とか
「地球はグラスのふちを回る」とか雑文こなし、やがて
奇想小説「新しい天体」(大蔵省?の下っ端官僚がひたすら
余った予算でご馳走を食べる)へといたる。
【釣りブンガク】
・・・文春文庫で初期になにかあったな。それから「フィッシュオン」(新潮)
とか「もっと遠くへ」(文春)「オーパ」(集英)と至る
開高は文章家いうか言葉の魔術師なんだよな。
絶海の孤島に辞書「言海」「旧約聖書」もって繰るくらい
言葉好き。これはもうサントリー宣伝部出身だからしょうがない。
カフカの「長城」をネタに、始皇帝の長城建設を描写した短編あったけど、
開高はここにナチ党大会からレニ・リーフェンシュタールから
「個人が高揚の中で溶解しついに全体に和して万歳を叫び始める瞬間」を
描いている。
その言葉の羅列いうか文章がさ、もう何とも言えずいい。
俺の友人にサ○トリーに勤務してる奴がいて、そいつ経由で開高の話は何度か
聞いた。勤勉さと知識の豊富さに皆は舌を巻いていたとか。ちょっと書けない
ネタもあるが。
改めて開高は凄いよ。
290 :
吾輩は名無しである:04/09/08 10:38
いいね、開高の匿名話希望!!
最近はどうか知らないけど、一時期、サントリー宣伝部というのは
就職活動学生の憧れるクリエチブ集団いうイメージあったんだよね。
「ダンダンズビズバズビズバ〜、夜が来る♪」
いうあれ。
ウィスキーになじみのない日本人に、いかに「トリスバー」というインチキ
(悪い意味じゃなく平賀源内の土曜丑の日みたいなもの)を浸透させ売り上げを図るか、
「巨人と玩具」(これ確か映画化されたよね)みたいな企業小説も書く
初期開高の彷徨は面白いよ
291 :
集英社編集部:04/09/08 13:36
開高なみに写真付で売れるルポライター小説家求む。
村上龍、落合信彦以外に
今日藤岡弘、がアマゾン河で半魚人イプピアーラを探しているのをテレビで観た。
>>289 「勤勉さ」とあるけど、「自分が入社したときには開高は
すでに不良社員化していた」と山口瞳は書いてるよ。
柳原良平は無遅刻無欠勤だったそうだけどね。
294 :
吾輩は名無しである:04/09/10 22:28:48
『開高健の憂鬱』は裏話がてんこもり、おすすめです。
たとえば『夏の闇』に出てくる女性は、当時ボン大学の研究員佐々木千世子で、
日本に帰省中の昭和四十五年三月二十四日に、交通事故で事故で亡くなったことや、
牧洋子が口を滑らして、開高にガンを告知してしまった日付、およびその時の状況などが
書かれています。開高ファンは一読あれ。
295 :
吾輩は名無しである:04/09/10 23:13:21
>牧洋子が口を滑らして
故意でなけりゃ、そんなこと絶対言わんだろ
296 :
吾輩は名無しである:04/09/11 17:40:26
297 :
吾輩は名無しである:04/09/12 07:13:24
>294
ガン告知のところだけ抜書きしてみてください。
どうかよろしく。
298 :
吾輩は名無しである:04/09/12 08:00:16
>>294 十一月十九日、牧特製の漢方スープを嫌がる開高に、
『あんた、病院にだまされてるんや。これ飲まな、ガン治りゃせんデ!』
と一喝してしまう。「出てけ・・・・」と病院は静かに言い、
それからは闘病の意欲を失くしたらしい。 『開高健の憂鬱』p137
300 :
297:04/09/12 10:28:11
>298
有難うございました。
ガンで死んだ作家というと、中上健次がおりました。
あの人は真正面から闘って討ち死にしました。
開高健は闘わなかったのかな? と思いました。
301 :
無名草子さん:04/09/12 11:18:59
>>298 病院→病人 ね。引用する時はしっかり!
あのあとも考えていたんですが、仮にガンと闘わなかったとしても、
むしろそのほうが開高健らしいのかな、とも思いました。
作品は基本的に頽廃的で、人間存在をベタに肯定するわけでもなく、
人間を書く場合も斜に構えて、ちょっと距離を置いたところから、
頽廃の中の美を追求するような趣がありました。
生命力も一見旺盛そうに見えて、内面は案外複雑で、破滅願望とは
言わないまでも、意外と脆かったのかも、と。
303 :
無名草子さん:04/09/12 14:21:49
>>302 とりあえずその本を読んでみろ。
びびりまくっている開高がそこにはいる。
あと、話変わるけど、開高って、長編書くのに向いてない気がする。
『珠玉』なんかも、掌の中の海なんかで止めとけば、『玉、砕ける』
クラスの一品なのだが、なぜかだらだら後を付け足してしまう。
『輝ける闇』、『夏の闇』なんかもそうで、あれを半分の量に圧縮したら、
それこそ大傑作だろう。開高は、意図してやってるんだろうが、正直センスがないと思う。
わかるよ。おれもモナリザは塗りがくどいと思っていたんだ。
ダ・ヴィンチは器じゃないんだよ
305 :
吾輩は名無しである:04/09/13 00:23:56
開高は一見豪放磊落に見えたが、本質は小心者なんだよ。
だからこそ、彼の一連の作品は生まれたんじゃないの?
ガンと宣告された時の心の慄きが分かるような気がするよ。
無論、中上にも文学者としての繊細さはあったろうが、
開高の内向的な繊細さとは異質。
306 :
吾輩は名無しである:04/09/13 01:47:22
小心者かもね。プロ以外の白人とパリで一回だけ、うまくいったのがうれしくてたまらなくて、小説(ロマネチンコー1969)に書くくらいだからな
307 :
吾輩は名無しである:04/09/13 07:21:02
開高と中上って、どっちが偉いの?
308 :
吾輩は名無しである:04/09/13 09:05:29
開口は大衆作家だろ
すぐ出てくる純文厨はなんで出てこないんだ
309 :
吾輩は名無しである:04/09/13 10:34:08
大衆作家か。
なんの役にも立たない小説を喜ぶ、文学オタ御用達の作家というよりは
知的レベルが高い一般人が読む作家という感じはあるな。
310 :
吾輩は名無しである:04/09/13 12:23:15
>>308 >すぐ出てくる純文厨はなんで出てこないんだ
意味不明、小学生並の文章力だな。
311 :
吾輩は名無しである:04/09/13 15:40:36
308じゃないが、意味分かるじゃん
オマエが小学生並みの理解力じゃないのか?
312 :
吾輩は名無しである:04/09/13 18:53:44
313 :
吾輩は名無しである:04/09/13 19:05:18
>>308 『夏の闇』が大衆文学ですか、そうですか。
>>308 煽り厨は相手にされないんでねーの、この板じゃ?
315 :
吾輩は名無しである:04/09/13 20:21:38
>>314 煽りに反応するのは、三島マンセー、あるいは春樹マンセーをしている、
両極端な人たち。開高という中立的な立場にいる人は、紳士的な
人が多いので、煽りにのらない。
開高健のそういう知的に抑制されている面は、
たしかに読み手を落ち着かせる。
315が「紳士」とかいう発言もそこからきているんでしょう。
だけど逆の見方をすれば、その知的抑制こそが、
開高健の弱点だし作家としての限界なんだよね。
だからファナティックな読者ももち得ない。
弱点というか美点というか・・・。
すべての小説家を超越するわけにもいかんし、
ノーベル文学賞を狙うわけでもない。
正直「日輪赫赫たる」とかいう文章についていけない
読者いうか一般市民もいるわけで。
そりゃブンガクとしての評価に限界あるのもの判るが、
そもそも「ブンガクとしての評価」そのものがなあ。
開高健の場合、そういうレースから(多少負けず嫌いで意識して)
抜け出た部分もあるし。
まあ作家としての戦略勝ちじゃない?
そのこと云々するつもりはないけどさ
318 :
あまぐり(≧▽≦) ◆rkR5fAFJQg :04/09/14 13:31:20
純文は疲れる。
かといって、ライトノベルでは知的欲求が満たされない。
開高全集は、そんな漏れにとっての必需品。
319 :
吾輩は名無しである:04/09/14 18:03:59
開口を群像に書かせなかった黒幕は誰だ
北海道帝国大学教授か
320 :
吾輩は名無しである:04/09/14 18:15:12
>>319 そんな事するのは小林秀雄に決まってる
『裸の王様』を読んであまりのくだらなさ?に講談社に電話して
「こいつは『近代絵画』をなめてる、お手本教科書主義を否定するのか
漏れは教科書を神聖と信じ毎晩枕元に置いて寝たもんだ。」と怒鳴ったそうだ。
321 :
吾輩は名無しである:04/09/14 22:16:11
一番楽しく読めたのは「生物としての静物」。角瓶か何か舐めながら読むには最高。
これだと饒舌体も溢れかえる薀蓄もちっともイヤミじゃない。
小笠原かどこかに釣りに行って食べるキンキンに冷えた蜜豆の缶詰の話など実に美味そう。
大酒のみの紳士が、蜜豆の美味さを語るアンバランスさに、この人の面白さはあるんじゃないかしら。
「グラスのふちを〜」だかにある、ベルギーの森の奥のチョコレートの話も同じ。
「珠玉」の、初老の作家が若い女の子を自分好みに仕立て上げるというプロットは、
そんなに目新しいものじゃない。
究極ではないにしても、男の欲望としてはクラシックで不変のものだろう。
酸いも辛いも味わいつくした男が、
女の子とオシッコを掛け合っちゃうところに行っちゃうというのを小説に仕立てる上手さは、
認めてもよいだろうネ。
それは飲んだくれが、蜜豆の美味さを見つけ出して恍惚とするようなものだろう。
322 :
321:04/09/14 22:24:58
「白いページ」にある、島尾敏雄を訪ねて、奄美について書いた文なども見事なもので、
開高は、「死の棘」や「火宅の人」のようなドロドロの私小説を書く材料もあったと思う。
それをしなかったのはこの人の見識には違いないけれど、
ファンとしては物足りない感じもする。あと十五年生きていればひょっとして・・・という感はある。
しかし、やっぱり基本はどんな重たい問題を扱っても重くなりすぎない、
深刻になり過ぎない、人を惹きつける軽みが、この人の身上だったのではないかしら。
駄文失礼。
>>321 たしかに、そんな一面もあり。
だが、戦争末期〜終戦後のとことん深刻な飢餓体験が底にあったから、
育ち盛りの中学生が弁当が無くて水を飲んで飢えをまぎらしたとか…
家族が食卓を囲んで残り一つの芋をじぃっと凝視する図とか…、
そうしたギリギリの命の瀬戸際みたいなものを焼き付けてしまった眼には
他の人間関係的ドロドロなんかは
一種「身の外」めいて感じられたのではないか。
開高の軽みの奥に、決定的な孤独が見える気がする。
324 :
吾輩は名無しである:04/09/15 18:37:30
>>319-320 あれって群像に渡していた『なまけもの』を芥川賞受賞第一作として
文学界に横流ししちゃったから群像編集長の逆鱗に触れた、という
ことじゃなかったっけ?
ついでに『裸の王様』は、教科書主義を否定も肯定もしてないような。
単に子供に対するインプリンティングの有り様を寓話的に
あざやかにスケッチしてみせた、という作品なんじゃないかなぁ。
325 :
吾輩は名無しである:04/09/15 18:52:11
>>321-323 これまた異を立てるようだけど、開高が不倫小説を私小説の形で書かなかったのは、
単に彼が恋愛文学に興味がなかっただけなのではないか、と。谷沢さんや向井さんとの
鼎談書評(『書斎のポ・ト・フ』)でも政治小説や推理小説、児童文学あたりは扱っても、
恋愛小説は黙殺されている。
開高健は性愛は描くけれども、恋愛は描かなかった。「恋愛は文学の主眼ではない」と
考えていたのかもしれない。漏れなんかはそういうところが好きなんで、彼は政治や
戦争や人の生き死にを扱うある種マチスモ系列の作家だったと思うんだが。
勿論『三四郎』でも『武蔵野夫人』でも『潮騒』でもなんでも、恋愛を描いた高度な文学は
たくさんあるけれど、それを読むのが好きな人もいれば、興味のない人もいるわけで。
326 :
あまぐり(≧▽≦) ◆rkR5fAFJQg :04/09/15 20:50:19
>>324 そうだよ。『開高健の憂鬱』によると、当時、開高は鬱期に入っていて、
受賞第1作が書けなかったので、受賞以前に群像に提出してあった作品を引き下げて、
文学界に横流しした。それで、当時の群像編集長(名前失念)がブチ切れて、
開高を群像から締め出せ、となったみたい。
それが15年くらい続いたのかな?
15年つーのは長いね。
328 :
吾輩は名無しである:04/09/15 23:18:13
>>325 開高は、「文化人」「知識人」としてはマチスモだったかもしれないが、
「小説家」としてはどうだろうね。
ただ自分が女性を描くのがうまくない、という自覚はあったかもね。
漱石も女を描くのは下手だと言われるけれど、
かといって「こころ」みたいなテーマに、開高が真正面から取り組む姿勢があったとも思えない。
ちょっとうまくまとまりませんが。
女に限らず他人を書くのは全般的に下手だよ。
基本的に観察者だから、
生身の人間がもつれあう場面を描けない。
徹底的に突き放しているからね。
330 :
吾輩は名無しである:04/09/16 02:23:11
・・・・いや、失礼ながら・・・それは。
いわゆる人付きあいは相当、上だと思うが。
まあ書けないいうなら書けないのかも知れないが。
ただ一度、元英国首相のヒース氏相手にボウジャクムジンな
応対を何かの釣りビデオで見たとき、ひやっとしたけど(w
331 :
吾輩は名無しである:04/09/16 16:55:53
晩年の阿川弘之との確執を読んだが、開高も人生の詰めが甘かったなあ。
332 :
あまぐり(≧▽≦) ◆rkR5fAFJQg :04/09/16 17:01:40
晩年のリサイクル小説群は痛々しかった。
40くらいで夭折していれば、昭和の大作家として
語り継がれただろうに。
333 :
吾輩は名無しである:04/09/16 23:11:12
女の描き方は下手だと思うけど、他人を書くのが全般に下手かというのは、
私もちょっと同意しかねる。
基本的に観察者だ、というのは全面的に同意。
観察者としての(他者の)描き方が好みの分かれるところではあると思う。
おかしなところは指摘してほしいのだが、
「玉、砕ける」の、中国の老作家が言いたいことも自由に言えず、
その結果として鍋料理の描写しかなし得ず、最期は不自然死してしまう。
そういう、世界に実際に巨大な暴力や運命に翻弄されている者がいることに対して、
身のうちにカーッと熾るものは開高自身あったと思う。
しかし自分は日本で大家として名を成し、香港で垢すりされるような良い生活を送っている、
そういう現実に対する居心地の悪さ。
それを埋めるべく、ベトナムに行き、ビアフラに行き、アウシュビッツに行き、
アマゾンにアラスカに遊び、文字通り九死に一生を得る体験をしても、
結局当事者ではなく、観察者にしかなれない、ザラついた肌触り。
そいした肌触りの悪さを象徴するものとして干からびた垢をながめるのが、
「玉、砕ける」という話なんじゃないのかなあ。
やはりシュールレアリズムが、この人の現実に対する埋めようのない違和感を表すのに、
最も適当だったんだろうと思う。
334 :
吾輩は名無しである:04/09/16 23:14:08
↑打ち間違いの箇所はご勘弁を。
335 :
吾輩は名無しである:04/09/17 10:31:06
開高本人が言ってるじゃん。
俺は「非情多感」で小説を書く、と。
>>302 頽廃とか破滅願望というより
抱えていたのは虚無だべ。
>325
恋愛は・・・現実が重過ぎてウンザリだったんでねぇべか
牧羊子にとっつかまって父親になったのが21歳…
21歳でパパだぜぇえ!
それからの人生は、
戦争と喰い物と釣りとルポ、要するにナマの外界の手触りでしか
書けてないような…。例の渋谷のレストラン女主人なんか
現実の関係は深かったんだろうと憶測しちまうが、小説化はできなかったり?
基本的に想像力の作家ではなく、ルポ的質だな。恋愛小説は無理。
スレのびてるの不思議な気もするけど、
ここ平均年齢は間違いなく高そうだよね。
どうかすると50歳台いる?
338 :
吾輩は名無しである:04/09/18 23:29:48
51歳だが、何か?
339 :
吾輩は名無しである:04/09/19 01:54:43
大兄は多情仏心でかかれておられるっっ!!
・・・あ、秋元カメラマンの事だっけ(w
341 :
吾輩は名無しである:04/09/25 21:24:59
まあ何はともあれ、
開高の文体はスゴイよ(ちなみにオレは若造だ)
リサイクル作品もそうだし、或る種の知識教養主義も鼻につくし、
ルポや半端な左翼性も気になるときがあるが、
あまり責める気にもなれないな
なにはともあれ天才だ
日の当たらない影の実力者だな(実力者なんてそんなもん)
ほかの著名作家がパッチモンに見えてくる
大江がノーベル賞もらってるばあいじゃなかったんだ
丸谷があれだけ増長したのは
開高が早逝したからだよ。
そういう意味ではかなりの実力者だ。
まぁ、本人は文壇政治にあまり興味がなかったようだが。
343 :
吾輩は名無しである:04/09/26 21:09:22
独立排除的うんこちゃんage
344 :
吾輩は名無しである:04/09/28 22:48:45
おれはラブレーじゃないから、夏の闇の女の言葉はよくわからんかった。
独立排除的うんこちゃん。
ピザパイとか、サイゴンのお粥の味とか、薔薇のジャムとテト攻勢の論説新聞
の上で切り分けられる鳥の腿肉とか、雨の朝のウーゾの味とか、そういうのしか
記憶に無い。
なぜにラスト、ベルリンの環状線に乗って西に東にぐるぐる回る幕切れなのかも
判らない。
登場人物たちの孤独が胸に迫るばかりだ。
気の毒に、もっと普通に生きればいいのにと思う。
・・・好きなんだよ。この小説が(w
>>342 丸谷の権力は小説家としてのそれではなく、批評家としてのそれ
だと思うけどな。小説で開高と競おうという気なんてなかったでしょ。
四畳半裁判でも共闘してるし、吉行、野坂あたりと同様、仲間として
開高を見ていたと思うけれど。
小説家としての丸谷は開高の足元にも及ばないが、逆に批評家、
文化人としての丸谷の教養は半端じゃないし、その部分では
開高はあっさり負けてる。うまく棲み分けてたんじゃないの。
346 :
吾輩は名無しである:04/09/28 23:55:22
イラク版『輝ける闇』
誰か書かねえかなあ…
347 :
吾輩は名無しである:04/09/29 00:51:48
よくは知らぬがイスラム圏は禁酒。
チャだかティーだかガブガブゴボゴボで
小説は書けぬだろう。
ヴェトナム化を狙う反米ムスリムとヴェトナム化を恐れるブッシュ政権。
新時代だな。大兄の巨眼微視のルポをのぞむ
348 :
吾輩は名無しである:04/10/08 20:04:53
けさの地方紙に宮田毬栄が書いた開高健のエピソードが載っていた。
中央公論社で開高の担当もしていた宮田は、
文春新書で「追憶の作家たち」という本で開高にふれているが、
内容は、同名タイトルで新聞に連載している方が面白い。
今朝の話は、もう長編の書けなくなった開高が、しきりと宮田を食事に誘い、
痛飲した挙句、帰りのタクシーの中で、
「家に帰りたくない」と号泣したという話だった。
宮田の文章そのものは、松本清張や島尾敏雄といった大家連中と、
一番理解しえていたのは自分だといった調子がどこか感じられる、
かなり主観的なものだが。
開高家の結末は結構悲劇的なものだったんだなぁと改めて思う。
開高健があからさまな私小説を書いていれば面白かったろうに、とやはり思うな。
元々長編向きの作家ではない。
そもそも、あの文体を維持しつつ、
小説を牽引していくだけの
テーマや論理なんか無かったわけだし。
大江のように借り物の思想で個人的な体験を
小説として再構築していくのは
流石に憚られただろうし。
350 :
吾輩は名無しである:04/10/09 08:39:24
348ですが、言葉足らずだったようなので付け足し。
開高が家に帰りたくないと駄々をこねたのは、
夫人との確執がどうにもならなくなっていたから、
というニュアンスで書かれていました。
351 :
吾輩は名無しである:04/10/09 08:50:03
そうか…
谷沢もどうでもいい奴を叩くぐらいなら、
先ずは「おばはん」を筆で粉砕すべきだったな。
おれもいろいろある、人前で泣いてみたい・・・
>>348 その新聞の名をを教えてください。読んでみたい
353 :
吾輩は名無しである:04/10/11 13:15:59
本当に泣いたこともあったそうだね。
家に帰りたくないと。
無論、素面じゃなかったわけだが。
354 :
吾輩は名無しである:04/10/12 19:49:05
>>352 掲載紙のHPにはアップされていないです。おそらく共同配信になっている連載記事でしょう。
来年ぐらいには、また文春新書で出そうですが・・・10月8日分をアップします。
追憶の作家たち 宮田毬栄(エッセイスト、元中央公論編集者)
開高健D59歳直前の死「手に負えない悲痛」
「輝ける闇」以来変わったのは、作品ばかりか開高健自身でもあったようだ。
闇三部作の最後にあたる「花終る闇」を完成できないまま、海外を旅してはルポルタージュを書き、
アマゾンに取材した「オーパ!」を発表し、開高さんの活躍は華々しかったが、小説は短編に傾いていた。
「花終る闇」の遅滞に作者の苦悶が痛いほど見えていた。
一九八一年秋、文芸誌「海」の編集長になった私に、開高さんは至極まじめな表情で言った。
「たまに会おや。旧交をあたためよ。」京橋の「竹葉亭」でよく食事をしたものだ。
次の年の春だったろうか。銀座で飲んだ開高さんはしたたかに酔った。
夜中の一時すぎ、茅ヶ崎に帰る開高さんを私はタクシーで第二京浜国道まで送ったが、
運転手に頼んで車を降りようとする私の腕をつかんだ開高さんは「家には帰りたくない。どうして戻らないけないんや」
と言って、激しく泣いた。
それでも私は、降りて車をスタートさせるほかはなかった。不意の悲しみに襲われたというより、手に負えない悲痛の重みに、
あの時開高さんは号泣したのではなかったろうか。
355 :
354:04/10/12 20:03:21
(続き)
八三年十一月十一日付の手紙が手元にある。
「12月に入って中頃には少しヒマができると思います。ですから第一週のどこかでを電話を下さい。
ゆっくり時間をとって久しぶりに話しあいたいと思います。」
「新潮」に久々の長編「耳の物語」を連載中でもあったが、
「海」にも長編をと私は願っていた。開高さんの気持ちも動いていたと思う。
しかし、八四年四月、「海」は突如休刊になる。
「海」最終号への随筆「密室のたわむれ」の原稿を開高さんは社に届けてくださった。
「いろんなことがあるわなあ。でもせいぜい元気でいまひょ」
「絶対に長生きして文豪になるんや」と豪語していた開高健は、
八九年十二月九日、食道がんのためになくなる。悲しみも多い華麗な生涯。
五十九歳直前の死であった。その死から十数年のうちに、長女道子さんと夫人牧羊子さんの死が続いた。
=開高健の章終わり=
356 :
354:04/10/12 20:10:44
改行がうまくないのはご容赦を。
この宮田女史、交通事故死した愛人もよく知っていた、という話が前回にあった。
こんなやりとりがあった編集者に、「密室のたわむれ」という題の原稿を直接届ける、
というのも意味深ですな。この随筆は残念ながら私は読んだ覚えがないですが。
開高健の追悼本や思い出をつづった少なくない本を読むと、
その人に自分こそが、と親しみを感じさせる作家だったんだろうと想像がつく。
例の饒舌体のエッセイを読めば、それも納得いく気はする。
この人が、赤裸々な私小説を書いていたらなあ、とつくづく思うな。
もう少し長生きすればノーベル賞もらえたかもしんないのにね。
開高は「嫉妬」に殺されたと言っていいか。
もちろん夫人のことなんだが。
露伴(皆が評価するかは別にして)が教養のある女を妻にしているときは落ち着かず、いいものが書けなかったが
二番目のまぁちょっとトロい妻といるときには書けたという話を読んだことがある。
開高が夫人ときっぱりさっぱり別れて、佐々木某女と一緒になっていたら、
のびのび執筆できただろうか。例えば「花終わる闇」の早やかな完結とか。
「嫉妬」に苦悩し、逃げようとしていたからこそ、書けた作品もあったと思う。
赤裸々な私小説を書いたら、ますますの地獄へ落ち込んでいたかも。
それもまた、心痛むが。
ファンとしては読みたいけどね。
>>354-355 乙。切ないね。
開高健は遠心力の作家だという評語があるけれど、その遠心力の中心に彼は
幸せをまったく感じていなかったんだな。
『オーパ!』でも『玉、砕ける』でも、海外から日本へ帰るのが嫌だ、みたいな
記述は氏の作品には散見されるけど、それは日本、ではなく我が家、だったのかな。
ただこの宮田という人、大阪弁の表現はめちゃくちゃだね。
>「家には帰りたくない。どうして戻らないけないんや」
こんな言葉を話す大阪人なんておらへんて(w
>「家には帰りたない。なんで戻らなあかんねや」
くらいじゃないの。開高健の生家のごく近くに住んでいたことがある
関西人の漏れはそう思うが。
>359
いや その通りだが、開高生前のビデオとかを見ると開高の話す言葉は
大阪弁を標準語のイントネーションで話している様な それこそ
>「家には帰りたくない。どうして戻らないけないんや」
と言う感じで大阪人には奇妙な感じがするんだよな。
やれやれ…。
まぁ、牧がいなかったら
サントリーへの就職も無かっただろうし、
小説家開高健が誕生していたかも怪しい。
ここがファンとしては辛い所だな。
ただ、「太陽」に掲載されていた
食事の写真を思い出すたびにゾッとするね。
最後の晩餐(ダ・ヴィンチの方ね)よりも恐ろしいよ。
ぞっとします。
その写真、見たことない。どんな嫉妬だったんだろう。
谷沢の「回想 開高健」を読んだとき、なんで牧を強く非難しているのかわからなかったが、
このスレを見るかぎりでは、開高と牧とのあいだに何があったのか怖くて知りたくない。
ふえ〜
366 :
吾輩は名無しである:04/10/17 01:50:48
乗換駅の食堂、ってな表現が笑えた
>>362さん
その写真、UP希望。
お手数ですが。
…見ないほうがいいかな(・・;
夏の闇、読後のなんともいえない雰囲気が好きでよく読み返します。
あの作品のテーマって、死と再生なのかな?って最近思います。
370 :
吾輩は名無しである:04/10/30 23:32:26
開高健って今の引きこもりに共通する心性があったと思う。
厭人症、自殺願望、など。神経があまりに繊細すぎた。
それを押し殺して、外へ、外へ、戦場へ、自然へと、自らを
駆り立てたのが彼の文学ではないか。
じゃ今の引き篭もりはかつての開高健の素質があるな。
・・・・・・皮肉に気づけ
372 :
吾輩は名無しである:04/10/31 13:47:51
傑作が書きたいから、僕も「お籠もり」しようかな?
ぼくのプラン
@2ちゃんに文章を晒し、認めてもらう。
A三千人の協力者をつくる。
B協力者たちに毎月百円振り込んでもらう。
Cお籠もり開始
D最終選考までいくが、惜しくも新人賞落選
E三百人の協力者の了解を得て、ことの経緯を電車男みたいに本にする
C本が売れてブレイク(!)
D協力者たちに借金を返す
E映画化決定(!)
>>371 心性と素質って全然意味が違う言葉だけれど。頭悪いね。
公演のテープを聴いたけど、立花隆の性革命的古くささで、
新しい発見はなかったな。河は眠らない的癒しを求めたが効果なかった。
移動中に何度も聞き返せる愉しみを求めたのが間違いだったかな。
375 :
吾輩は名無しである:04/11/08 21:07:46
大江は、安部の名前を「ノーベル賞もらってもよかったひと」のひとりに
あげていたが、開高健のなまえは出さなかったな。
開高健とヘミングウェイはイコールにはならないし、ちょっと違うだろう
なぁ。中上とフォークナーも違うし。
大江が今後万世に残る文学者とはとても思えないし。
2ちゃんじゃ散々ガイシュツだけど、大江のノーベル賞は
出来レースだしね。
>>375 開高健とノーベル賞なんて全然結びつかないな。
開高には変に構えたところがないから。
吉行なんかと同じく、俗にくだけて洒落のめしたところが
ある作家だから、しかめつらしい文学賞なんて似合わない。
378 :
吾輩は名無しである:04/11/29 18:21:15
ノーヘル賞なんか、どうでもエエわ!! カッカッカッカッカ
久しぶりに「パニック」とか「裸の王様」読んだよ。
俺は難しいことはよく分かんないけど、この人の文章は
けっこう読ませるんだよな、だから好きだ。
ところで、新潮の74年頃の「開高健全作品」12巻(小説9巻+エッセイ3巻)を
ヤフオクに出そうと思うんだけど、参考までに、どのくらい払ってもいい?
帯、月報ありです。
380 :
吾輩は名無しである:04/12/03 23:44:53
381 :
吾輩は名無しである:04/12/05 22:54:12
>>379 マジレスするが、\36000
本来ならもっと価値があってもいいけれど、
開高はいまだ文庫が多数発行されてるから、
全集でしか読めない文章が少ないんだよね。
高橋昇が開高健の写真集を出している。
>>382 アマゾンで高橋昇を検索すると一番売れてるのが
その写真集だね。
384 :
吾輩は名無しである:05/01/06 23:51:15
釣り紀行とか、アウトドアには全然興味ない俺だけど、この人はそういう
柔らかい文学以前に、硬派な文学をまっとうした人なんだと思う。
昭和一桁作家の中では俺はこの人が一番ピンとくる。
あまりにさがりすぎてるので、あげ。
「輝ける闇」とかすごいと思うんだよ。もっと語られていい人じゃないの?
385 :
吾輩は名無しである:05/01/06 23:53:35
俺は逆にアウトドアのイメージが強すぎて受け付けない。
大江と比肩しうる重要性を持った作家とはとても思えない。
>>385 むろん大江健三郎は重要でない。それと同じ位、重要性は無いのさ。
↑という意見ほど重要性のないレスも珍しいw
どうして純文学作家はあんなに文章がヘタなんだろう。文芸時評のために
ずうっと読んでいて、直さない方がいいなと思ったのは開高健だけ。開高
健もたいした文章じゃないけれど、これは直さない方がいいなと思いまし
たね。あの下品さはそれなりに存在価値があるから。
――蓮實重彦「[共同討議]昭和批評の諸問題 1965―1989」『季刊思潮』8 1990.4
(単行本では削られた発言)
389 :
吾輩は名無しである:05/01/07 21:14:08
>>388 蓮實に文章の質を云々できる資格があるとはとても思えないが。
この貧相極まりない顔立ちをした男は、ごくありきたりの内容を
思い切り晦渋に書くことが名文の条件とでも思っているらしいが、
笑止千万だよ。
開高は歴史に残るが、蓮實など死ねばすぐにその存在を忘れ
去られるだろう。
完璧な文章力を持った稀有な作家だったと思う。「夏の闇」は
最高傑作だし、日本文学史上特筆に価する作品だと思うね。
自分の文体を確立した作家は評価に値するんだよ。大江はくだ
らねえ。外国文学のパクリみたいな文章と陳腐な発想、読むに
値しない。
文章力はあっても書くべきことが無いので苦心した作家。
文章力皆無だがくだらねえ事を書き続けてノーベル文学賞とやらを
受賞した大江w
人間長生きするもんだよな・・・・
>>389 アホ? 蓮實が開高にハスミ文体で書けと言ったとでも思ってるのか。
>>393 蓮実が小説家の文体を喋々することのアホさ加減を揶揄したんだと思うが。
>>389の文はそんな風に書けてないな。自己添削しろ。(笑)
396 :
吾輩は名無しである:05/01/07 22:46:26
おい、みんな来いよ。いまだに蓮實信者がいるぞ。
映画板から応援呼ぼうか?
>>394 すると
>>390-392には小説家の文体を喋々する資格があるのかな。
彼らがそれほどの文体を持ってると?
他人の文体を云々するのは、自分の文体が駄目でもできることだろ。
眼高手低って奴さ。
398 :
吾輩は名無しである:05/01/07 23:29:52
>>397 眼高手低ってのはナンシー関とか中野翠みたいなタイプを言うので、
蓮実某などは眼低手低の極みだと思うがね。
しかし
>>389は蓮實の「手低」を漫罵しただけだな。「眼低」と断ずる根拠が示されてない。
400 :
吾輩は名無しである:05/01/09 00:59:17
まあ、自明の公理だな、それは。
>>398 ナカノミドリがそれに当たるかなあ。眼力ある?ナンシーは同意。
因みに開高健は眼高手低と自称したことがあるんだけどね。
403 :
吾輩は名無しである:05/01/09 06:26:17
衣食足りて文学は〜
はたいへんおもしろうございました。
404 :
吾輩は名無しである:05/01/11 17:59:14
10年位前、山口美江の司会で
芸能人が2人一組で解答者になるクイズ番組があって
この人は誰という第三ヒントまである問題に、開高が取り上げられた事があった
第一ヒントで、開高がベトナムから帰って来たか行く所だかで
空港で顔丸出しでやたら握手して回っているフィルムが出たが
誰も答えられなかったな。ビートたけしも田中康夫などもいたんだが。
漏れはすぐわかったが。
この時、五月みどりと組んだ田中康夫が、2人に一枚しかない回答パネルを
取りあいしてして最後は力づくで抱え込んでたのには目をそむけた
あまりこういう話題も何だと思うが、著名作家でも死ぬとたんに「忘れられた存在」
となって、結構出てた書籍(文庫本)の類も、どんどん絶版に追い込まれる、という
憂き目に合う例がほとんどだ。
最近、某大型書店を2件ほど廻った時に「日本三文オペラ」の文庫本買おうと思って
たんだが、在庫切れだった。この作意外にも品切れのがあり、新潮の開高のはえらい
少なかったんでビックリした。
角川書店で、10年前には開高のエッセイ集大成シリーズ等が沢山並んでたけど、今は
皆無なんだよな。
新潮の「日本三文オペラ」などは、重版されるんだろうか?
ま、俺は全集で持ってるから別にいいんだが、開高レベルの作家でも死後どんどん忘れ
去られていくのは非常に寂しいな。
エッセイなんか、今の時代でも十分生きると思うんだが・・
>>404 田中康夫と開高健って結構共通点あると思うんだよ。こういうこというと
開高ファンは不快に思うだろうけど、スノビズムに奉仕するという点では
両者には似ている点がたしかにある。
でも決定的に違うのは、血を流す本物の文学者であった開高に対して、
田中は自己保存本能が肥大した徹底的な俗物だったという点。
スノビズムをアクセントとした開高とスノビズムから一歩も外に出られ
なかった田中、そんな感じ。
まあしかし、このスレで田中康夫を持ち出すのはスレ汚しだね、ゴメソ
『やってみなはれ、みとくんなはれ』(新潮文庫)読んだけど、山口と開高の
コントラストがすごい。アポロとディオニュソスっていうか...
>>407 あれは山口瞳がなにか可哀想になったよ。
文学的才能が圧倒的に違う。
オレも昔なら開高みたいなのだけが「文学」だと思っただろうな。
今は山口文学の「味」もわかるが。
>>409 山口瞳ってそのよさが全然わからないんだ。
「向田邦子は処女か否か?」ってネタで何回もエッセイ書いてたり。
よく世間は大阪人は下品だと言うけれど、こんな他人のプライバシーに
踏み込む下世話きわまりない話を衆人環視のもとで行う大阪人はいないよ。
「おまえアホちゃうか」としか言いようがない。読んでて気持ち悪かった。
60過ぎて「あのアイドルはかわいい」みたいな話をエッセイで書いてる
小林信彦もそうだけど、なんかこの二人の東京人はキモイ。
411 :
吾輩は名無しである:05/01/18 05:52:02
『江分利満氏の優雅な生活』と
『わが町』は散文の超才能がなければ書けませんよ
志賀直哉あたりも多少才能らしき物を閃かせる文章もあるが
瞳先生はその十倍はある
開高の文章はは才能とか個性とかは全然ない
ニーチェの用語だけど。「アポロ(アポロン)芸術」と「ディオニュソス芸術」な。
前者は「理性的」かつ「抑制的」だけど、後者は「陶酔的」かつ「激情的」。
山口と開高の違いがかなり当てはまると思う。
「玉、砕ける」に、
どの男も丹念でしぶとく、精緻で徹底的な仕事をする。精力と時間を惜しむ
ことなく傾注し、その重圧な繊細は無類であった。
というのがあるけど、これ、開高健の文章そのものだと思わないか? 一見漢字
が多くて難しそうだが、よく「行間を読む」と、ユーモアがあり、人情があり、苦悩があり、
本当に面白い文章だと思う。
「重圧な繊細」なんて開高にしかできない表現だな。(皮肉じゃないよ)
開高は気の利いたフレーズを生み出すのに日夜精進していた人だからな。
その積み重ねが小説になる訳さ。だからこの人の創作スタイルは多作には
成り得ない。エッセイなんかをその代わり多く書いてるけどね。
誰かが言ってたが小林信彦って本当にキモいよな。いい年こいて血液型
占いを信じているんだぜ。『自分はB型だから云々・・・」なんてよく
書くよな。
蓮實重彦も、開高健の文章だけは賞めてるけどね……(
>>388)。
>開高は気の利いたフレーズを生み出すのに日夜精進していた人だからな
結局コピーライターってことだよね。壽屋(現サントリー)宣伝部出身の。
糸圭 開高さんは、おそらくデビューの当初から、なにも書くことがなかった人
でしょう。中森明夫が、『ずばり東京』の文章がライターの原点だ、と言ってい
ますが、『輝ける闇』もまさにライターなんですね。ただ、たまたま見たことを、
いかにいい文章で書けるかと腐心していた。ものすごい文章家ですよ。
富岡 ただ、それは文章ですか。それよも一種のコピーみたいなものでしょうか。
散文かどうかということは、決定的な違いがある。それは大江さんとの違いにも
なるでしょう。
糸圭 「詩人」なんじゃないですか、開高さんは。コピーと言っても同じことですが。
……
富岡 でも、これはコピー的には戦後最高の文章でしょう。人工的という意味
では、三島由紀夫と対になるような文章でしょう。
……
福田 開高さんって、文章を人工的になんとか出来ると思っちゃったんだね。で、
コピーとしては出来ちゃった。まあ、それでいいやと。ウィスキーもうまいし、と。
――『皆殺し文芸批評』第2章
418 :
吾輩は名無しである:05/01/31 21:29:36
芥川賞全集の13、14の開高の選評読んだが
愚痴ばっかでワロタ
419 :
吾輩は名無しである:05/01/31 23:52:12
>>411 山口を認めない訳ではないが・・・・。
>開高の文章はは才能とか個性とかは全然ない
あんた、どこに目付けてんの?
没個性的な文体って言うなら大江の方だろうな。
開高は寧ろ自分の文体を創り出すのに苦労していたんだよ。
だから小説家としては多作じゃあり得なかった訳。
開高健も山口瞳も両方すきなんだけど、
『やってみなはれ、みとくんなはれ』に関しては、
山口の勝ちだと思う。あれは、「社史」なんだから。
あと、『血族』まだ読んでなかったら、ぜひオススメ。
以上、文春文庫のまわし者ヨリ。(
>>411とは、別人)
422 :
名無し物書き@推敲中?::05/02/12 01:28:53
09
あげときます
>>421 いや、開高の方は開高の方で、「サントリーってこんな寛容な会社だったんだ」って
ことがわかるし、貴重な「記録」だと思うよ。
425 :
吾輩は名無しである:05/02/25 21:12:10
結局みんなはまってる
426 :
吾輩は名無しである:05/02/25 23:29:38
ごめん、スレ違いなんだろうけど、明日までにどうしても読まなきゃいけない漢字がある。
ぐ具ってみてもわからねえ。学生時代の漢和辞典は、今頃灰。
っていうか、こんなの知ってる?俺は読めないよ。
滋許
じはほんとは違ってくさかんむりに三水がない糸の上のが二つ。
パソコンで出せない。おれのパソコンは馬鹿でやだ。それはそうとして、
こんなのって知ってる?
あるいは。どこで聞いたらいいか、知ってる?
知ってたら教えてくらはい。
427 :
吾輩は名無しである:05/02/26 01:01:34
皆さん、漢字は苦手だったのですね。
難しいこと聞いてすいませんでした。
どっか、別のとこで、教えてもらいます。
428 :
吾輩は名無しである:05/03/01 18:34:06
キミがドデカイのを釣り上げたとする
次に釣れたのがそれ以上のなんてことはまずあり得ない
チビタ魚を釣ると、前に釣り上げたのと比べて悲しくなるやろ
そういうのを知恵の悲しみというんャ
なにかひとつを得ると、なにかひとつを失うんャ
知れば知るほど悲しいんやデ
合掌、号泣
430 :
吾輩は名無しである:05/03/05 01:54:36
一億をこえる人口の全日本で一日に一度だけ使って捨てられる割箸を
集めてみたらどれくらいの材木の山になるだろうかと気になってしかたない。
それを一年にしてみたらどれくらいの山になるだろう。
十年間の分ならちょっとした山脈になるのじゃないか。
地球の資源はもう限界ギリギリなんだとか、山も海も喘ぎに喘いでいるんだとか、
モノを大事にしろとか、名論卓説はゴマンと読まされ、聞かされるのだが、
割箸について、食事のたびに一回きりで食器を捨てるのは日本人だけだといって
お叱りになるインテリにはついぞ一人も出合ったことがない。
これは世界でも稀有の奇習だと思われるのだが、この奇習のために
シベリアやアラスカやカナダの森が裸になった分だけ酸素が
発生しなくなるはずだから、われわれはお箸で地球を
剥ぎつつ緩慢に窒息しつつあるのではないか。 〜開口閉口〜
> 一億をこえる人口の全日本で一日に一度だけ使って捨てられる割箸を
>集めてみたらどれくらいの材木の山になるだろうかと気になってしかたない。
気になるんなら計算しろよ。実際の割り箸使用量を調べろよ。
こういうやつに限って、自分の思いつきに悦に入ってるだけで、
何も調べない。割り箸談義なんて何十年前から出ては消えを
繰り返してるのに。
晩年というか人生後半は美味いもの食って釣りして環境破壊を嘆くキャラだったんだからいいんだよ
433 :
吾輩は名無しである:05/03/05 16:12:36
434 :
吾輩は名無しである:05/03/05 16:21:38
>>割り箸談義なんて何十年前から出ては消えを繰り返してるのに
なのに状況は変わってない・・・
435 :
吾輩は名無しである:05/03/07 23:56:26
>>426 「ここもと」
ビジネスの社会では常套句だよ。
436 :
吾輩は名無しである:05/03/17 08:02:51
>>414 禿同
開高が貧弱な男には立派な「物」がぶら下がっていて、
筋骨隆々の男にはたいした事のない「物」が付いている。
と書いておいて、自分はタオルで前を隠して風呂を出るシーンに
何とも云えない味わいとユーモアがあって好きなシーンでした。
437 :
N:2005/03/23(水) 11:59:26
開高の文体は、よく誉められるが、決して美しい文体ではないよな。
俺はそう思う。
ま、「美しい」の定義が難しい、と突っ込まれそうだが、
例えば、「旅に行ったら、まず、飲む、食う、打つ、そして寝る、遊ぶ」
といったようなリズムで書いてるような節があるのが開高だ。
リズムで書くといったら太宰もそうなんだが、開高のそれは井原西鶴風だと
俺はみてる。
三島由紀夫の文体のような美しさとは明らかに違う。
戯作だな。
ま、でも、開高が死んで寂しいよ。あれくらいから全然面白くなくなった。
開高や織田作之助なんかは西鶴の影響を受けているんだって。
大阪出身だからと言う訳でも無いんだろうが理屈をこねくり回す
のではなく、生活に密着した形で小説を書こうとしたんだね。
開高もどっちかと言えば短編に冴えた作品の多い作家だな。長編
で良いと思うのって「夏の闇」くらいか。
>>438 はいはい…
開高の何処に西鶴があるんでしょうかね?
そんな事いうあーたは
上方の和事の理詰めは無視ですか そうですか・・・
遊んで欲しくて絡んでいるらしいですが生憎貴方程度の頭脳の
持ち主とは遊ばない事にしてますので悪しからずw
頑張って下さいね、439氏。
プ
怒っちゃやーだー
怒りすぎよ!
>>438氏
誰が言ったか分からない事ばっかし『だって』なんて云っちゃって
他人のばかり・・・
それどころか、答えするでもなく 相手してくれないなんてヒドイYO!
まぁ いいや 頑張って下さいね、438氏も
443 :
吾輩は名無しである:2005/04/05(火) 00:14:09
この人の文章、すごく読みにくい。
それなのにミョーに読み返したくなる。
それってやっぱり「うまい」ということなんでしょうか?
金井美恵子の文章にも似てるような気がした。
444 :
松井慎二郎:2005/04/05(火) 23:00:50
読みにくいんではなくて、読む、気力、体力がないのでは?
誰かに文章がにてるから、なんなんだ。感知すれば良いことを他人にたずねる。
金井美恵子も同じように読みにくいといいたいんでしょうか?
開高健を読んで、何々主義なるもののバカバカしさを感知しつつ日々を
過ごせるようになった。
445 :
吾輩は名無しである:2005/04/05(火) 23:16:30
松井慎次郎って誰?
446 :
吾輩は名無しである:2005/04/06(水) 02:15:00
ここはひどいな
447 :
吾輩は名無しである:2005/04/14(木) 22:50:48
反芻あげ
448 :
吾輩は名無しである:2005/05/01(日) 01:10:12
サライで52ページの大特集ですぞ!
449 :
吾輩は名無しである:2005/05/12(木) 22:10:49
クズばっかし。
クズに発言の自由は無い。
450 :
吾輩は名無しである:2005/05/13(金) 03:51:21
石原都知事がテレビ番組で かいこう けん って言っていた。
451 :
Corentin ◆bBm/UfuWG2 :2005/05/13(金) 05:14:34
452 :
吾輩は名無しである:2005/05/22(日) 22:14:30
開高健のドラッグ体験はうつ病と関係あるんだろうか?
>>452 あるかもしれないけれど、
量でいえば断然「酒」じゃないかね……
いくら強くても連続飲酒はいかんよ。
454 :
吾輩は名無しである:2005/06/03(金) 19:53:47
>>452 関係ないと思うがな。阿片についてはコクトーやグリーンが書いてたから
自分も追体験したというだけなのでは。『もっと遠く!』でNYに行ったときも
別にドラッグはやってないし、麻薬については大して興味なかったろう。
開高の場合の「うつ」は躁鬱気質といわゆる鬱病と、二通り解釈できるんだよね。
夕方になると必ずグラスを手に取るというのは鬱病チックな部分がその
原因だと思うけれど、一定期間、アルコールの脱脂綿みたいになってしまう
ときは躁鬱気質の鬱局面に入ったときだろう。
455 :
吾輩は名無しである:2005/06/05(日) 11:46:54
開高健が好きな皆さんは他にどんな作家をお読みになりますか?
釣りという観点ではなく、すばらしい文章・文体を持つ作家という
切り口からお勧めの作家をご紹介くださいませ。
ちなみに私は、沢木耕太郎の初期の作品に、割と近い魅力を感じます。
教育テレビに出ていた。
ビデオ撮り損ねた。
457 :
吾輩は名無しである:2005/06/05(日) 20:09:53
私も録画忘れました。
どなたか録画していたら、
あPお願いします。
来週BSで再放送あるよね。
459 :
吾輩は名無しである:2005/06/09(木) 13:03:27
ロビンソンの末裔を読み始めたんですが、文体がきついです・・・
何か読み進めるのに良いアドバイスをお願いできますか?
パニック読んだ。
27歳のときの作品だけあって「若けー」って感じ。
大人でもなく子供でもない狭間で必死に頭使ってるって感じ。
子供のままで文章書き続けてる奴以外は書く年代ではないかもな。
女だけど、さっきコンビニでプレイボーイ購入してしまいました。
開高健特集だったもので…購入された方います?
463 :
吾輩は名無しである:2005/07/03(日) 11:30:34
-
464 :
吾輩は名無しである:2005/07/03(日) 18:26:21
>>462 あ、知らなかったよ。
プレイボーイというと、シマジ編集長とか「風に訊け」の縁だな。
明日買うよ。
こないだのサライの開高特集は買ったんだけど。
465 :
吾輩は名無しである:2005/07/03(日) 19:09:34
小説もいいんだけど、開高と言えばやっぱり「オーパ!」だよな
あれを超えるルポルタージュは現われまい
466 :
吾輩は名無しである:2005/07/03(日) 19:10:31
あと今年の新潮夏の100冊に久しぶりに開高が入ったな
467 :
吾輩は名無しである:2005/07/04(月) 04:00:20
文体の好き嫌いではないかと思うが
文体の「合う合わない」って本当に人それぞれだよな。
オレは開高、春樹、吉行、鴎外、鏡花、荷風、三島は合うが、
村上龍、吉本ばななはダメw
好き嫌いによって、あれはコピー文とか詩とか散文の極致とか
言ってるような気がするが…
オレにとって開高は何度でも読み返したい文章だよ。
使い古された表現でなく「リアル」に読者にモノを喚起させる書き方を
追求してると思う。
この感じ方も「好き嫌い」かw
>>467 開高自身が「『批評とは結局は好き嫌いでしかない』と正直者のオーウェルが
言ってた」みたいなことを書いてたと思うが、あなたのその感想もたぶん
「好き嫌い」じゃないかなぁ。
俺は開高オタだけど、あなたのあげた合う作家のリストでいうと吉行、鏡花、
三島は俺は駄目。逆にダメな方で言うと、龍はダメだけどばななは合う。
ほんと「好き嫌い」の世界だよね。
469 :
吾輩は名無しである:2005/07/07(木) 00:30:18
作品単位ではなくて、作家単位で好き嫌いを言い切れるのは凄いですね。
そんな風に好きといえる作家に出会いたいです。
470 :
吾輩は名無しである:2005/07/17(日) 09:17:56
>>469 特定の作家が好きなことと、その作家の一部の作品が嫌いなことは矛盾しないよ。
それに、「文章の好み」もあるしさ。
例えば、谷崎について、殆どの作品が好きだけど「卍」や「蓼食う虫」は
だめだった、って場合でも、「谷崎が好き」はいえると思う。
471 :
吾輩は名無しである:2005/07/17(日) 09:19:19
つまり、「全体としては好き」なことは「部分的に嫌い」ってことを
排除しない、っていうのかな。
開高さんって、今話題の野口飛行士に似てない?
なんとなく顔全体のつくりが。
473 :
吾輩は名無しである:2005/08/18(木) 22:27:04
>>472 ワラタ
似てるっちゃ似てるかも。
でも開高の目は笑ってるけれど、野口さんの目は笑ってない。
目が全然違うよ。余裕のある目と、鋭すぎる目の違い。
474 :
名無し物書き@推敲中?:2005/09/06(火) 22:44:29
部分的に嫌い
475 :
吾輩は名無しである:2005/09/15(木) 23:15:35
総合的に好き
476 :
吾輩は名無しである:2005/09/23(金) 13:22:53
>>468 俺は三島がダメ。
丸谷才一も言ってたが、派手なレトリックを駆使してるわりに流麗な文章じゃないから。
>>473 良い観察だ。が、真逆だと思う・・
野口飛行士は、いわゆるまっとうな神経の人間
478 :
吾輩は名無しである:2005/09/24(土) 02:24:36
>>477 同意。
野口氏の目は鋭いが常人の目。
開高の目は一見笑ってるような柔和な目だが、その奥には底無しの虚無が。
479 :
吾輩は名無しである:2005/09/24(土) 03:18:18
開高さんが書いた『三年目のベトナム』って知ってますか?作品名ではないはず。
ネットで調べても情報見つからなくてorz
知ってる方教えて下さい!
「裸の王様」読んだ
じゃあ感想とかを書いて
話を盛り上げてくれよ
482 :
吾輩は名無しである:2005/09/27(火) 22:58:34
「裸の王様」か・・・
日本人の縮図みたいなのが見えるよね。
皆がけなした絵を、誰が描いたかあかすラストでは・・・
どこかで起こっていそうな、起こって欲しいようなそんなシーンが浮かんだね。
日本人って悲しい・・そんな気がした。
パニックも面白かった。
でも、「地球はグラスの縁を回る」とか「ロマネコンティ1935」とかの
エッセイ集みたいなのが、自分的には好きだな。
あれ読んだら、越前海岸のウニ・・・・食べたくなったよ。
>>479 『ベトナム戦記』と無関係で?
「三年目」とはどういう意味なんだ。米軍と共に最前線にいて
大攻勢を受けてほとんど死にかけたという体験から、三年目か?
>>482 ウニじゃなくてカニじゃないかな。
ウニなら「もっと遠く!」でチリかどこかでウニ食い倒した話を書いてたな。
485 :
吾輩は名無しである:2005/09/28(水) 03:05:05
そう、越前は蟹だよ。
開高の定宿は「こばせ」
486 :
吾輩は名無しである:2005/09/28(水) 07:17:34
開高はインチキ批評家なのかな?オヅラさんみたいに。
487 :
吾輩は名無しである:2005/09/28(水) 07:51:44
確かに越前のズワイガニの話もあったよね。
でも、酒で練り込んだウニの話読んでないかな。
あれ読んでて、食べたくなったんだよね。
あそこでしか作ってないようなことを書いてあったし。
ズワイガニは、そこここで食べられるからうまいのは知っているけど
酒で練り込んだウニの滋味っていうのが、どんなもんなんだろうかと
酒飲みとしては、興味津々なわけだね。
念を押しておくけど
ちなみに、おいら北陸人だから越前ガニのうまいのはよく知ってるw
たらばとか毛ガニとは、一線を画して欲しいと思うくらいにうまい。
でも、、、開高さんの本から酒だけで練ったウニ食いたい感じたんだと思っておくれw
488 :
吾輩は名無しである:2005/09/28(水) 08:52:43
ウニの話も確かにあったような・・・・。
ところで、「こOせ」のHP見たが、あの料金じゃ蟹は冷凍だろ。
開高はそれを分かってたんだろうか?
それとも開高には特別メニューだったのか?
489 :
吾輩は名無しである:2005/09/29(木) 14:12:39
谷沢さんだっけかを除けば、近くにいたことのある人は
良くいわない人が多いでつね。
銀座の女なんかも、あんなタダ酒飲みみたことない、いうて
ましたもんね。書くときには「あんさん、酒は身銭きりなはれや」
と、仰山書いた人ですけどね、ほとんど編集者やサンドリーのツケ
で飲んだいいますからね、どっか卑しいとこがあったんやろね。
490 :
吾輩は名無しである:2005/09/30(金) 07:27:22
今の時期は、どこへいってもまともなズワイガニはないと思う。
冷凍でないものは、北朝鮮かロシアからのものかな。
冬になって解禁されると・・・・。
高くなるんでないのかな。
開高健に、冷凍がに出してたとは思えないし。
いくらなんでも、冷凍だと・・・いまいちだよ。
生を釜茹でしてあげたばかりのズワイガニは・・・・
それはおいしいです。
冬の越前海岸を走ると、もうもうと湯気を上げてるお店を見かける。
折った足を試食させてもらって、喜んで買って帰るんだけど・・・
やっぱり、あそこで食べないとダメなんだわw
これほんとの話。
しつこいけど・・・ウニ見つけられないのよね。
酒だけで練り込んだウニも・・・こ○せなのか?
491 :
吾輩は名無しである:2005/09/30(金) 08:04:21
ウニの記述がある場所書いておこうかな・・・
「地球はグラスのふちを回る」の越前ガニの項の後半のあたり
私の持ってる文庫本だと97頁なんだけどね。
確か、他の本でも「日本の三大珍味」は・・・ということで
からすみとこのわたと・・・なぜか「越前のうに」と書かれていたように思う。
開高健氏の価値基準だから、この選定がどうのというのではなく
これだけ書かれると・・食ってみたい。
普通の塩練りのウニではないのか。
手に入れて食ってみたら、がっかりという可能性もあるけど
これは氏曰くの、知恵の悲しさということになるのかな。
知らなければ、期待して想像して楽しいけれどという奴ね・・・。
冬の日本海の荒波が見える旅館で、綺麗なおなごを横に置いて
この「越前海岸のうに」を肴に旨い酒を飲んでみたい。
うにも大事だけど、シチュエーションの方もかなり大事かなw
492 :
吾輩は名無しである:2005/09/30(金) 10:38:11
開高のグルメ本って、その多くはもう20〜30年前のものだろ。
その間、バブルを経て、日本人の舌は格段に贅沢になってる。
レストランや料理屋のレベルも当時とは比較にならぬほど上がってる。
昔は蕎麦屋にしても並木の藪や砂場が最高とされていたが、
今は遥かに凝りに凝った店が綺羅星の如く覇を競っている。
酒だってそうだ。
昔はジョニ黒なんて、初任給2〜3万円の頃に8千円もした。
だから、当時は小金持ちでも正月に貴重品を飲むように有難がって飲んでた。
きっと開高も、そうしてたに違いない。
ところが今はどうだ。
オールドより安く2千円以下で売ってるじゃないか。
ピュアモルトの高価なウィスキーが氾濫し、
ジョニ黒なんて誰も見向きもしない。
酒のみならず、今はありとあらゆる食材が世界から日本に集まってくる時代だ。
一流の料理人、また然り。
フランスの三ツ星レストランで修行したなんて言う連中がゴロゴロいる時代になってきてる。
果たして、開高の時代のスタンダードが今の時代に適合するのか。
実際、開高が絶賛した料理屋などに行ってみても、
今の基準で見れば、何の事は無い、並みの店だ。
悲しいかな、開高の味覚や体験は、まだ日本が貧しかった高度成長期のもの。
この飽食の時代に通じるものとは思えない。
>>492 本質的に「美食家」じゃなかった山口瞳のグルメ本「行きつけの店」の方が
今や価値があるように思えるから皮肉なもんだ。
開高が美食に「絶対」を求めたとすれば、山口は「相対」を求めた
というべきだろうか。
しかし、開高よりもずっと世代が上なのに今でも通じるグルメ本を書いた
魯山人や吉田健一は(あるいは邱永漢や檀一雄もか)はつくづく偉大だと思うよ。
494 :
吾輩は名無しである:2005/09/30(金) 11:42:16
単なる俗物だったってことだね。
グルメ情報として読むな、文体を味到せよ。
あの下品で俗っぽい文体ならではの味を、だ。
春樹の「ダンス・ダンス・ダンス」に出てくる落ち目作家は開高がモデルだろうか?
498 :
吾輩は名無しである:2005/09/30(金) 12:36:21
でもさあ、マラソンの世界記録が2時間30分の頃、
その世界記録を作った奴は、やっぱり偉いんだよ。
499 :
吾輩は名無しである:2005/09/30(金) 12:45:44
いい思いしたんだからいいじゃん。全然偉くねーって。
ナニ言ってんだかな。開高健の本質は美食家ってより、B級グルメでしょ。
ロマネ・コンティを啜ってる時ですら。
終戦直後のカオス的状況を描かせたら開高の右に出る作家はいないだろうな。
サントリー社史の『やってみなはれ、みとくんなはれ』とか。
502 :
吾輩は名無しである:2005/09/30(金) 21:09:24
味覚ってのは、究極の主観といわれるから
なにがA級だ、どれがB級だと決めるつもりもないし
誰かが書いていたとしても、それを丸ごと信じる気もしない。
ただ、旨いと言われるものを食ってみて自分で確かめてみたい・・ただそれだけかな。
ジョニ黒も赤も嫌い・・・自分にはからいわw
クルバジエかレミーマルタン、カミュといったところか・・・
要はウイスキーでなくて、ブランデー党だということが分かった。
高いから良いってもんでもないし、安いから悪いと決めつけるのも愚行だろう。
自分的には、良いモノ旨いものが安く手に入ればそれに越したことはない・・・。
難しい話だけど。
開高さんは自分で言ってるじゃない。
ただ外国へ行きたいがために、旅に出たいがために物書きとなって
その金を稼いでいただけだと。
偉いなんて開高さん自身は言っちゃいないし、言うような人でもないだろうし
人の偉い偉くないは、他人が評価として言うことだから。
私は、自分というモノを持った人物だと思って尊敬しているよ。
他を否定するのは楽しいかもしれないけど、肯定することも楽しいよ。
>>498 良いこと言うね。
>ただ外国へ行きたいがために、旅に出たいがために物書きとなって
>その金を稼いでいただけだと。
『輝ける闇』以降のヘミングウェイ的路線は必然的だったってわけか。
開高健は美食家でもB級グルメでもないと思うな。
「食い物について書く」というのが卑しいとされた時代にあえて食い物に拘泥して、
現在のグルメ時代を開いた作家、くらいが正当な評価じゃないかと思う。
時代の空気というものがあるよ。
そりゃ若いときにイモやらマメカスやらしか食べられなかった人間に舌のよしあしを
問うても仕方がない。一方で、生まれつき非常に鼻が効くという、グルメの資格要件は
備えていた人だった。
実際に食べるのではなく、文章を読んで
ああうまそうだーとかはらへったーとか思って楽しむのが
いいんじゃないか。
「アームチェアテイスティング」
>>504 B級とは値の安さではなく、安っぽさ・俗っぽさへの評言であり、開高もその意味で素晴しきB級。
>>505 種村季弘『食物漫遊記』の取り上げた「嘘ばっかり!」に匹敵するか?
507 :
吾輩は名無しである:2005/10/01(土) 08:18:18
開高さんの話に良く出てくるけど表現で
たちまち足元から黴が這い上がってきて・・・とか
無数の蔦が全身を覆い尽くしてしまうというのが多かったけど
あれは何なんだろうか。
よほど日本へ帰りたくなかったのか。
ベトナム戦争へ従軍した後遺症なのか。
感覚が分からない表現の一つなんです。
それから、ちょっと匂いそうな表現が多かったですね。
お疾呼とか雲固とか、ニューヨークの地下鉄とか東南アジアの路地裏なんかは
ムッとするような暑さ汚さが、こっちまできそうなのが沢山出てきましたw
便所の横で、湯麺や支那粥をすすったとか言う表現も良く出てきたなぁ。
この人のエッセイは、汚いのも多いんだけど読んでしまう、なにか引きつけられるモノがあった。
素晴らしきかなB級。
それでええやんかw
お高くとまった美食なんてくそ食らえですwww
508 :
きくらげ:2005/10/04(火) 20:04:41
509 :
497:2005/10/05(水) 12:43:06
「冒険作家に転進した」あたりがそうだろうな。
「青春作家→下手な前衛作家」は?だが。
510 :
吾輩は名無しである:2005/10/05(水) 23:36:14
「珠玉」読んだ。アクアマリンの話が素晴らしかった。
お酒飲めない私はマティーニが飲めない。どんな味なんだろう…
すごい印象的だったのは、マスターが刃物を研ぐシーン。マティーニの表現。
松のおがくず。そして火を灯して見るアクアマリンの表現…!!最後の、老人の慟哭…
開高先生、絶筆とは……ただうなだれるばかりだ。合掌…
>>510 あとのふたつはくだらないけど、アクアマリンはいいね。
マティーニの味は、うーん、香水で甘ったるい方面じゃなくドライ系の鋭い香りが
するものがあるけど、それをそのまま飲み物にしてしみましたって感じかな。
通常の食生活の中にはないツンとする感じが新鮮。
鋭さだけで終わる、もしくは一瞬鋭くてあとは甘ったるいってのが安手のバーの
定番だけど、俺も滅多に経験ないんだが、ほんとにいいバーだと鋭いんだけど
余韻がほのかに甘いってのを飲ましてくれる。
マジェスティックのマティーニがどんなものだったか、一度でいいから飲んでみたいな。
512 :
510:2005/10/07(金) 02:34:53
>>511 マティーニ飲みに誘って頂けませんか??
九州女ですが。一口くらいだったら、店主さんも許してくれるかな…
513 :
吾輩は名無しである:2005/10/09(日) 01:35:31
開高流に記せば「マーティニ」だね。
バーで「マーティニ」と頼むと、バーテンに一瞬ハァ?という顔をされた後
「マティーニですね」と言い直されるのが切ない
514 :
吾輩は名無しである:2005/10/09(日) 03:28:46
ホントは、マーティーニだよね
515 :
吾輩は名無しである:2005/10/09(日) 09:59:52
>>507 「たちまち足元から黴が這い上がってきて・・・」っていうのは、
当時の日本での日常にうんざりしてるんだろうな。
ベトナム戦争へ従軍した後遺症というよりも、そもそもその「黴」を
とっぱらうために、従軍したんじゃないかな。
あえて日常から飛び出して、危険に身を投じたくなる性向は、
ヘミングウェーやマルローに相通じるかもね。
516 :
吾輩は名無しである:2005/10/10(月) 04:07:00
>>507,
>>515 >たちまち足元から黴が這い上がってきて・・・
>無数の蔦が全身を覆い尽くしてしまう
これらは神経症患者特有の感覚だよ。
517 :
吾輩は名無しである:2005/10/10(月) 10:05:32
>>515 参考になるレスありがとう。
旅、その為に仕事をしていたと言い切って憚らない人だったらしいから
海外へ、知らないところへ行ってみたくてたまらなかった思いは理解できるとしても
我々とは、かけ離れたジレンマがあっのかもしれないですね。
日常にどっぷりつかりきってしまって、黴や蔦に蔽われていることに気がつかないのが
私の様な凡人の諸行なのかもしれない。
旅に出て、新しい環境に身を置くと確かに自身が新しくなった様な
そんな感覚におそわれることはあるかな。
初めて海外旅行に出たときの、初日の朝の様な感覚か。
何か、無いものを追い求め続けていたのかもしれない。
開高氏のエッセイを何度も何度も読み返すうちに、そんな気がしています。
合掌
518 :
516:2005/10/10(月) 15:01:15
519 :
吾輩は名無しである:2005/10/11(火) 08:37:42
517じゃないけど
自称専門家様の書いたことにはレスをつけないといけないという規則があったのか。
シラナカッタ。
精神科の石だとでも言うつもりなんだろうかな?
リアルのことを掲示板で主張しても、何の説得力もないんだが。
>これらは神経症患者特有の感覚だよ。
前出の「専門家」がどんなものを指すのか知らないが、
そんなことを軽薄に書き込む様な専門家とはどんなものなのか知りたい気も汁。
たとえ心理学博士だと書いても、アーソーデスカ、ヨカッタネ程度だけど。
考えてみれば、俺もpsyの関係専門職らしいが、そんな定説は聞いたことがないなw
まぁ、文学表現に対して医学的診断基準を適合しようと言うのもドウカトオモウヨ。
開高氏の「開口閉口」とか「地球はグラスの縁をまわる」とか「ロマネコンティ1935」等読んで話に参加してくれると別の話も出来るトオモウヨ。
そういう話したいのだから。ワカッテネ。
それと、開高氏肯定派に対して、批判的な書き込みしたら返事書かれなくてもそれなりでしょう。
レスを要求するとは・・・摩訶・・・トオモウヨ。
520 :
吾輩は名無しである:2005/10/11(火) 12:21:48
うろ覚えで申し訳ないんだが
開高氏は、ロマネコンティ1935を飲めなかったんじゃなかったかな?
正確には、「まともなロマネコンティ1935を」というべきだろうけど
某氏が、手に入れたロマネコンティ1935は保存が良くなくて、飲めたもんじゃなかったような
そんな感じの表現だった様に記憶している。
旨い酒もまずい酒も、飲む環境や雰囲気自分の精神状態体調によって大きく変わるよね。
冬の越前海岸で、吹き付ける寒風に揺れる水仙の花を見ながら
炬燵に入ってえぇおなごを横に置いて・・・ただ、飲んでみたい。
深くて暗い冬の日本海には、なにか吸い込まれそうになるものがある。
そんなことを深々と考えながら、ただ酔ってみたい。
私の様に無知なものには理解が難しい様な、ややこしい表現が多かった。
感じたものを表現する言葉を探して、あがき苦しんだんだろうか。
>>513 それは世知辛い体験でしたね。わたくしがバーテンダーであれば、
「今宵はあいにくと松のおが屑はご用意出来ませんでしたが…」と、
ポケットの中からコトリ、と小さなアクアマリンを出して差し上げましたのに。
522 :
吾輩は名無しである:2005/10/12(水) 08:00:40
>>519 >文学表現に対して医学的診断基準を適合しようと言うのもドウカトオモウヨ。
無知だな。
それはカミュの例を引くまでもなく
既にpsyの一分野として定着しているのは周知の事実なのだが。
524 :
吾輩は名無しである:2005/10/12(水) 08:31:54
基地外ハケソ
祭りの予感(゚◇゚)~
こういうのが、無知の恥ね
2ch無知 ヾ(@^▽^@)ノ
>>519もこう言ってる。
開高氏の「開口閉口」とか「地球はグラスの縁をまわる」とか
「ロマネコンティ1935」等読んで話に参加してくれると別の話も出来るトオモウヨ。
そういう話したいのだから。ワカッテネ。
頭良いこと自慢したいんなら、ちゃんと読んだ方が良い。
ここは基地外治療関係者スレではない。頭良いならわかるだろ。(^▽^ケケケ
>>522 誘導乙
525 :
吾輩は名無しである:2005/10/12(水) 08:33:12
「こばせ」だけど
やっぱりカニ解禁の時期(11/6〜3月一杯)は高くなってるね。
それ以外の時期は、冷凍がになんだろうね。
開高さんは、冬しか行かなかったんじゃないのかな。
旬の時期を大切にする人みたいだったし、
出来るだけ旨いモノを旨い時期に食べるって感じがした。
水仙の花も出てきてたってことは・・・冬だったんだろうね。
面白いおっさんだったのではないかとおもう。
生前に一度お会いしてみたかった。
合掌
527 :
吾輩は名無しである:2005/10/12(水) 16:27:17
528 :
吾輩は名無しである:2005/10/12(水) 18:39:45
はいはい、二役乙
藻前も自己フォローや自己主張ばっかしてないで
開高健の文学について語れ
辛気くさくていかんわ
暗いな藻前 _・)ぷっ
開高さんが神経症か
初めて聞いたな、その話。
少なくとも、このスレでは初めて出てくるキーワードだと思われ。
まぁ、「開高の神経症は開高文学を解く鍵だよ。」
どこの何様か知らんけど、すごい持論だこと ((藁
・・・で、どこ入院してんだろう?
変なデムパ受けてるのかなぁ、かわいそうに。
530 :
511:2005/10/12(水) 23:02:48
なんか変な流れになってるが、現代を「神経症時代」と名付けたのは
まぎれもなく開高健だったよ。それも80年代からそう見越していた慧眼は
さすがだと思うんだが。彼自身、躁鬱病がひどかったみたいだし、その
あたりについては、加賀乙彦が評論書いていたと思う。
かなり酔ってるので今日はこの辺で勘弁。
>>510さん、こんな酔っ払いで
よければいつでもお相手しますよ。開高文学について語り合える仲間が
いれば、いつでもお会いしたいですね。ただし酒抜きの白茶けた時間は
パスだけれどね(w
531 :
吾輩は名無しである:2005/10/13(木) 11:24:18
>>526 11月6日〜3月末 20,000〜30,000円
この値段じゃ、生の越前蟹のフルコースは到底無理だよ。
532 :
吾輩は名無しである:2005/10/13(木) 15:12:31
100%勇気!
>>530 >現代を「神経症時代」と名付けたのは
あほかいな。開高健のずっと前に先輩が居ったよ。
廣津和郎の小説「神経病時代」を知らんの? 大正時代から有名だっての。
廣津和郎で開高健と来れば「プップクプ」か
535 :
530:2005/10/14(金) 02:21:17
>>533 「神経病時代」は正直なところ読んだことはないけれど、存在は知っていたよ。
でも広津の時代の「神経病」は俺の拙い知識だと漱石の「ノイローゼ」と
同義だったんじゃないかと思ってたけどな。
漱石のノイローゼ、あるいは神経衰弱と、現代の神経症は異質なものでしょう。
それが俺の基本的な認識だけど、間違ってますか? 明治の新語であり
流行語であった「神経」という言葉の定義自体が時代によって違ってきたんじゃないですか。
開高が捉えた神経症の蔓延という兆候は、まさしく近代化を終えつつあった現代
日本の病であって、「不機嫌の時代」における漱石や広津などのインテリ層の憂鬱とは
また違うと思っていたけれどね。まぁ、2ちゃんだから仕方はないけれど、他人を
「あほ」呼ばわりするならそれなりの根拠を示してほしいとは思いますね。
>>535 あのな、ほな何か、開高が神経症と神経病の差違を熟知した上で名づけたとでも?
精神医学の専門家ではあるまいし、そんな小異に拘泥するお勉強を開高がするかよ。
だいたい大正時代は森田神経質で知られる森田正馬の森田療法開花期でもある。
その森田の評伝も『神経症の時代』って書名だよ。それも知らないんだな。
537 :
吾輩は名無しである:2005/10/14(金) 07:59:11
作家の文章から精神分析的なアプローチを行うことは、現代ではしばしばある。
学問的にも確立した一分野になっている。
>>516が専門家かどうかは眉唾だが、
ああいう分析があっても少しもおかしくない。
スレ違いという奴は無知すぎるよ。
「スレ違い」ってよりも的外れ。おぼえたての病蹟学を使ってみました――って感じ。
539 :
530:2005/10/14(金) 21:51:01
>> 536
どうも嫌らしい小人にからまれちゃったね。酔ってるときじゃないとここを見ない俺も
悪いけれども(w 「森田神経質」云々はまったく知りませんでした。ただし、
>森田の評伝も『神経症の時代』って書名だよ
ってあなた、これの初版は1996年でしょ。「80年代からそう見越していた慧眼」と
私は書いたけれど、それに対する反論になってませんよ(ちなみにその書物は
開高健賞を取ってるのね)。酔った頭で5分くらい適当にぐぐってみた結果だと、
>しかし現代社会では、創始者・森田正馬(1874〜1938)の時代のような、
>古典的なあらわれかたをする神経症が少なくなり、境界のはっきりしない不安、
>抑うつを訴える神経症、あるいは人格障害が増えてきた。
ttp://www.mental-health.org/mh13-9-3.html という記述を見つけたよ。これがあなたのいう「そんな小異」なんですね。
そして開高はそれに拘泥してなかったと。そういう意見らしいですが、いやしかし、
頭の悪い人間は嫌だね。あなたみたいなタイプのくだらない人間を開高がどう
定義していたか、酒精でキラキラする頭では思い出せないのが残念だ。
神経症の話になってから駄スレに堕ちたな
「森田神経質」も知らない自称「専門家」って。
引用文みても、古典的であれ現代的であれどっちも神経「症」だし。
542 :
吾輩は名無しである:2005/10/15(土) 19:19:36
もっこくってなんやろ?
543 :
吾輩は名無しである:2005/10/15(土) 20:07:00
「森田神経質」は、現代の神経症より遥かに広い概念。
概念規定さえ明確にせずに話し合っても仕方ないだろ。
544 :
吾輩は名無しである:2005/10/16(日) 03:28:37
スレッドの本題は開高健だ。そこに話を戻すべし。
で、自称専門家の
>>530は
>現代を「神経症時代」と名付けたのはまぎれもなく開高健だったよ
云々と調子外れの礼讃をしたが、開高にしても、恐らくコピーライターめいた
軽い気持ちでやったネーミングを、そんな「専門(家)的」に深長に受け取られた日には、
贔屓の引き倒しで迷惑ってもんさね。
545 :
吾輩は名無しである:2005/10/18(火) 19:09:56
ファリーニャって、日本でも食べられる所あるんだろうか。
あと、「ピラニア」は、俺のの脳内では「ピラーニャ」。
オーパの、蟹食う時の文章は凄過ぎ!!蟹食べたくなる…
おれは開高のなかでは、初期の短編、えーと、なんだ、あれ。
サントリー宣伝部の面々が小汚い運河に面した事務所で
「琥珀の中の一滴」だの「ブランデーは手で温めて香りを飲む」とかカッコイイ駄法螺書き散らしながら
屁をこいたり、年代モノのオランダジンを湯飲みで飲んで小便として排泄したり、ともかくカッコワルイ男の
ダンディズムに溢れてる奴。
「それでも黄昏になると町に繰り出さずに居られない」とかいう話。
うん、思い出した。『黄昏の力』だ。あれ、カッコヨクて好きな話
547 :
511=530:2005/10/20(木) 21:50:39
>>544 なんで俺が「自称専門家」なんだよ。
直近では俺は
>>511 >>530 >>535 >>539しかレスしてない。
それ以前では
>>475と
>>484も俺のレスだね。
専門家氏は別にいるようだが、彼は彼で意見を書き込んだらよろしい。
天地神明に誓って俺は上記のレスしか書き込んでないし、たぶん
>>536は
>>539に反論できないんでしょ。
いや、俺も違う意味で
>>544には反論できないけれども。
そもそも俺は「専門家」ではないんだから。せっかくの開高大兄スレでこんな
アホみたいなやり取りがされてるのは残念だが、酒が入ってないと2ちゃん
開かない俺も悪いやね(w また素面のときにあらためて見直してみますよ。
>>547 539が反論になってるのが読み取れてないの?
神経症と神経病との差違に拘泥して開高が「神経症の時代」と言ったわけないって。
549 :
吾輩は名無しである:2005/10/20(木) 23:53:51
どうでもいいが、酔ってグダグダ言わないでくれ。
鬱陶しいよ。
(ここ新入だから絡まんといてや>all)
開高って風貌は磊落そうだが
ほんとは極めて繊細で神経質な人間だったろうと、想うよ。
躁鬱気味だった?のかもしれない。
印象的なエピソードは、「オーパ!」の時だったか
北米→南米両大陸の縦断釣り紀行をカメラマンらと延々続け,
それが全て終わった時、南米で、
迎えにきた若いスタッフの運転するジープだかに乗り
太平洋側へ向けて走っている車中、
スタッフがなにげにかけた曲が『アルビノーニのアダージョ』。
それを聴いていた開高は、突如、慟哭したという。
涙が溢れて止まらなくなった、みたいな本人の文章を読んだ記憶がある。
…たまにこの曲を聴くと、
開高の「その時」を、想像したりするよ。ま、それだけの話(ガイシュツならスマソ)
551 :
吾輩は名無しである:2005/10/21(金) 02:58:10
>(ここ新入だから絡まんといてや>all)
アンタもかなり神経質でビビリやな、ワシと同じや カカカカカ
552 :
吾輩は名無しである:2005/10/21(金) 08:50:27
553 :
文献派ニーチェ:2005/10/21(金) 09:06:51
水上勉が絶賛していた蟹の名文がある本の名を
教えてください。
554 :
文献派ニーチェ:2005/10/21(金) 12:37:17
地球はグラスのふちを回るでした。
自分で解決してしまいました。
555 :
吾輩は名無しである:2005/10/22(土) 01:04:16
>>文献派ニーチェ
あんた、名前が偉そう杉
556 :
吾輩は名無しである:2005/10/22(土) 16:26:01
開高健→ヘミングウェイと行ったら、開高健に戻れなくなった。
何故なのか解らないけれど、
>556
手動のミルで豆を挽いてコーヒーいれていたのに、ある日
電動ミルを買ってしまうと
もう二度と手動には戻れない。ーそんな感じではないのかな。私見だが
>557
上手いこと言うね。
生き方は似てたかもしれないけど、文体はまるっきり違うでしょ
>開高とヘミングウェイ
(・∀・)
『裸の王様』久し振りに読み返した。
太郎と一緒に泥まみれになって、魚を見つけるシーンが鳥肌立つんだ。
とにかく開高氏は魚と造詣が深かったんだなぁ。
教師と生徒のあり方についても何度も深く考えさせられる。良い作品だ。
大阪の郊外、つっても今は北田辺は完全に市域だが、そこへ引っ越した
あたりから虚弱体質が直ったって書いていたからね。
俺も田舎が奈良の山奥だから、餌釣りやかいぼりや網でずいぶん魚と
遊んだよ。どんな面白いテレビゲームより川遊びが楽しかった。
563 :
吾輩は名無しである:2005/12/05(月) 00:31:01
「玉砕ける」の文章すごすぎ
でも内容がよくわかんない
俺は3回くらい読んだら
やっとわかった。
566 :
吾輩は名無しである:2005/12/05(月) 20:59:48
開高健って初期と晩年で文体が大分変わってるように思う。
初期短編は非常にレトリカルで、それも叙情がそのまま伝わって
読みやすい文体だったけれど、年代が進むにつれ、相変わらず
レトリカルではあるんだろうけど、どうも何言ってんだかよくわからない、
という文体に移行したと思う。
俺は酒の飲みすぎかなぁと思うんだけどな。この人はおそらく近代日本の
作家の中で一番多く酒精を喉に通過させた人だと思うけど、そのおかげで
お脳がゆるくなって、言語に対する感受性が晩年は鈍ったんじゃないか。
567 :
吾輩は名無しである:2005/12/05(月) 21:06:30
再起の相談をされ、「やめたら」といったらしいね司馬。
奥さんきっとよく出来た人だったんだろうね
作品読んでるとなんとなくそんなことをおもう
571 :
吾輩は名無しである:2005/12/06(火) 00:22:58
悪妻で有名でしたが、何か?
入院中の開高に「珠玉」の脱稿を迫った鬼嫁という伝説があるが。
>>570 無名の開高に先行投資して食わして支えて後押しした年上女房、、?
けど開高が21歳の時に子を産んじまって、、、
家庭が安定したから活躍できたのか家庭が足枷になり続けたのか・・・
最終的には絶対後者だろ?
夫の名前に便乗して詩人ぶったり最悪の成行き・・・・
>>571-573 まじですか。
しかし開高健のような男性を操縦するには
そのくらいのつわものでないと無理だったのかも…
>>574 いや、操縦も何も、開高が苦労人で、かつ責任感の強い人だった
というだけだよ。
奥さんと家庭はほんとに重荷で、鬱の原因だったみたいだけど、
開高は最後まで家庭を捨てなかった。壇一雄みたいに障害児
ほっぽりだして放浪することだってできた筈だよ。それを許さなか
ったのは彼の責任感でしょ。
責任感云々じゃなくて人間性の問題。
道子さんも亡くなるの早かったね
>>576 「人間性の問題」の中に「責任感」が包含されるんじゃ。。。?
責任感だけじゃないと思うね。
開高健をいう人間を構成する要素がそうさせたんじゃないか?
奥さんのお陰でサントリーに就職できたって負い目もあったんじゃないの?
その一方で堂々と他の女との一夜をネタにしてるわけだけど。
>>581 家庭を壊してないならOKじゃね。
「珠玉」は病床の開高に奥さんが「書け」と迫って書かせたらしいけど、
あれの3つ目は若い女との不倫の話だもんな。
583 :
吾輩は名無しである:2005/12/24(土) 18:44:22
保守
『輝ける闇』でもヴェトナム女性との一夜を書いてたね。
585 :
森羅万象 多情多恨:2005/12/26(月) 01:01:10
>>204 >『玉、砕ける』のオチが解らん・・。
>垢すりと老舎の死、どう関係しているの?
>誰か教えれ。
二年以上も前のレスについて書くのもなんだけど、開高好きとして書いてみるベ
香港という異文化の地で色々な話を聞いたり、湯堂でウズラの卵大ほどの垢を取ってもらったりとした事が、
開高健にとっては新鮮な経験 = 作家として又一つ脱皮をしたという暗示 = 玉(垢玉)ではないかと
帰りの空港で、自分に影響を与えた老舎が文化大革命で死んだという報を聴き、それと共にシンクロして、
旅の核でもあった、玉・垢玉(脱皮した自我の象徴?)が時間の経過で乾燥してボロボロ砕ける、と。
以上、個人的な感想
586 :
& ◆..INGYxjLg :2005/12/26(月) 01:04:26
↑ 訂正
× >二年以上も前のレスについて書くのもなんだけど、〜
○ 一年以上も前のレスについて書くのもなんだけど、
遅レスってウザイのよ。
588 :
585:2005/12/26(月) 11:28:15
文学板なのに、煽りしかできねえのか? 乙
589 :
204:2005/12/26(月) 11:52:01
開高スレだけに邂逅だ。
信じてもらえないと思うけど、俺は本物の
>>204だよ。
1年以上も前の書き込みにレスをもらえて感激している。
いつまで2chやってんだよって突っ込みは勘弁してね。
>>585 レスありがと!
あれから色々考えてみたけど結局分からずじまいだった。
そんでいつの間にか開高熱も冷めてしまい、最近は全然読んでいない。
これを機に「歩く影たち」でも再読してみるよ。
本当に深読みの必要な作品なんだね。
開高が言わんとすることが何となくわかったので、すっきりした。
どうもありがとう。
590 :
585:2005/12/26(月) 11:59:31
いえいえ、こちらこそ遅レスに対してのレス、ありがと
話をぶった切るな。
592 :
吾輩は名無しである:2005/12/26(月) 12:45:50
結局ただのコピーライターなのさ。
593 :
585:2005/12/26(月) 12:53:46
>>591 アンタはここのスレ主なのか? スレ立て人か?
遅レスはイカンザキとでもいう、ルールがこのスレにはあるのか?
>>593 >>591じゃないが、
話をぶった切っておいて、そういう態度は頂けないな。
話をぶった切るレスをすると言う事を書かなくてはな。
「話をぶった切って申し訳ないけど」とか、「遅レススマソ」とか書くのがマナー。
書いていれば、「ウザイ」だの「ぶった切るな」とか言われんよ。
595 :
585:2005/12/26(月) 13:48:46
「ウザイ」だの「ぶった切るな」という書き方も、十分マナー違反だと思うが
話をぶった切るといっても、オレが585を書いたのは月曜
それ以前の582とかの会話から、2日は時間がたっているんだが?
583では、保守、とか書かれてるし
まぁ、口喧嘩でこの板荒らすつもりは無いわ
596 :
吾輩は名無しである:2005/12/26(月) 13:56:09
2ちゃんに話をぶった切るもなにもないのにね。
チャットならともかくここはBBSだぜ。
597 :
& ◆X4VKvuVzvs :2005/12/26(月) 14:00:48
>595 追記
>「話をぶった切って申し訳ないけど」とか、「遅レススマソ」とか書くのがマナー。
書いていれば、「ウザイ」だの「ぶった切るな」とか言われんよ。
荒らすつもりはないので今度から一言付けるよ
598 :
吾輩は名無しである:2005/12/26(月) 14:29:26
粘着はこれだから嫌なんだよ。
599 :
吾輩は名無しである:2005/12/26(月) 14:32:41
どっちがだよ
600 :
吾輩は名無しである:2005/12/26(月) 14:34:00
2chだからぶった切って良いってか?
莫迦じゃね?
601 :
585:2005/12/26(月) 14:37:13
>>600 >>595嫁
2chだからぶった切るなってか?
莫迦じゃね?
文学板で、煽りしかできねのか?
602 :
吾輩は名無しである:2005/12/26(月) 14:39:57
>>600 omaeがばかだよ。
BBSなのにも関わらず細切れでぼそぼそとやってんじゃねえよキムチやろう。
糞レスあげて大開脚なら大胆に思考をさらけだせパゲ。わかったかこら、あ?
ちょっと間に無関係なことをはさまれたぐらいで思考停止するやつの頭のレベルが窺えるね。
集中力がたりねえんだよわかるかな?
603 :
吾輩は名無しである:2005/12/26(月) 14:45:21
604 :
吾輩は名無しである:2005/12/26(月) 14:48:06
>>603 omaeがばかだよ。
BBSなのにも関わらず細切れでぼそぼそとやってんじゃねえよキムチやろう。
糞レスあげて大開脚なら大胆に思考をさらけだせパゲ。わかったかこら、あ?
ちょっと間に無関係なことをはさまれたぐらいで思考停止するやつの頭のレベルが窺えるね。
集中力がたりねえんだよわかるかな?
605 :
吾輩は名無しである:2005/12/26(月) 14:48:18
606 :
吾輩は名無しである:2005/12/26(月) 14:49:04
607 :
吾輩は名無しである:2005/12/26(月) 14:50:53
全員氏ね
608 :
吾輩は名無しである:2005/12/26(月) 14:51:21
>>604 oばかだよ。
BBSわらず細切れでぼそぼそとやってなら大んじゃねえよキムチやろう。
糞レスあげmaeがて大開なのにも関脚胆に思パゲ。わかったかこら考をさらけだせ、あ?
ちょっと間思考停止するやつの頭のレベルが窺えるね。
集中力に無関係なことをはさまれりねえんだよわたぐらいでがたかるかな?
609 :
吾輩は名無しである:2005/12/26(月) 14:56:38
610 :
吾輩は名無しである:2005/12/26(月) 14:58:21
涎でも飲んでろ
611 :
吾輩は名無しである:2005/12/26(月) 15:00:15
612 :
吾輩は名無しである:2005/12/26(月) 15:09:24
全員氏ね
613 :
吾輩は名無しである:2005/12/26(月) 15:13:46
88 名前:吾輩は名無しである[] 投稿日:2005/12/26(月) 15:11:27
中卒の俺から見ても、ここの人ってかわいそうだ。
ほんとに同情するよ。君たちはやがて死に、普通の人間のように
綺麗に忘れ去られることもなく、この糞スレは永遠に残り、
永劫の汚名を着せられて地獄に落ちろ。ほんと同情する。心から同情する。
あわれな下層民たちよ。
614 :
吾輩は名無しである:2005/12/26(月) 15:26:39
このスレ、開高読者はもう居ないのかな
615 :
吾輩は名無しである:2005/12/26(月) 17:28:25
開高読者です。
616 :
吾輩は名無しである:2005/12/26(月) 17:58:41
好きな作品はなんですか?
因みに自分は「食卓は笑う」「最後の晩餐」「生物としての生物」
「ALL TOMORROWST〜W」「ALL WAYST〜W」 かな。
617 :
吾輩は名無しである:2005/12/26(月) 18:03:10
開高読者ですけど、あなたとはお話したくありません。
けけけバーカww
618 :
吾輩は名無しである:2005/12/26(月) 18:07:39
あ、そう
そうかそうか
619 :
吾輩は名無しである:2005/12/27(火) 02:43:38
開高は、このスレ見て、笑ってるのか、泣いてるのか。
620 :
吾輩は名無しである:2005/12/27(火) 17:57:34
>>616 全部好きだからなぁ。あえていえば「フィッシュ・オン」かな。
この頃までの開高は非常にレトリカルな美しい文章を書いてた。
621 :
616:2005/12/27(火) 21:11:02
>>620 あの作風自体が好きな場合、好きな作品を選ぶというのは、確かに難しいかも
初期の「あかでみあ めらんこりあ」は流石に処女作だけあって、まだ流暢な開高節は出てこず
他の作に比べて、一風変わってるけど
まぁなんかあそこまで人間臭くて、それでいて下品でない濃〜い文章を書く作家は、なかなか
出てこないかもなー
388 :吾輩は名無しである :05/01/07 00:11:28
どうして純文学作家はあんなに文章がヘタなんだろう。文芸時評のために
ずうっと読んでいて、直さない方がいいなと思ったのは開高健だけ。開高
健もたいした文章じゃないけれど、これは直さない方がいいなと思いまし
たね。あの下品さはそれなりに存在価値があるから。
――蓮實重彦「[共同討議]昭和批評の諸問題 1965―1989」『季刊思潮』8 1990.4
(単行本では削られた発言)
623 :
吾輩は名無しである:2005/12/28(水) 23:24:15
開高ファンだった前の彼、付き合い始めのときから彼の生き方にあこがれている」と言って
妻や家族よりも自分の道を選ぶ孤独が欲しいとずっと言っていました。
結局10年近く付き合ったけど。今は念願の孤独で幸せにやってるかな?
624 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/09(月) 08:41:02
「夏の闇」を読んだけど、作者と思われる主人公は
鬱に伴う過眠症なんじゃ?そんな気がした。
ベトナム戦争のくだりやラストの東西ベルリンなどの政治ネタは
賞味期限切れだし、ピザや食べ物の話も今の目から見たら
大したことないなぁ・・・
ノンフィクションではありません
626 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/09(月) 21:15:38
晩飯に納豆食ったら屁が止まらん・・。
こういう場合どうすればいいの?
風に訊け。
開高の動いている姿を一度でいいから見てみたい。
年末だったかBSでやってたけど、俺の家はBS見れないから悔しかった。
どんな声をしているのかもすっげえ知りたい!
てーか、開高の文体と藤原信也の文体って似てない?何となく。
あとヘミングウェイを読んでてなぜか開高の匂いがした。どうして?
629 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/10(火) 07:17:20
>>628 開高はヘミングウェイを理想としていた。
自分でもそう認めているよ。
晩年、ノーベルを意識し始めたのもその影響かもね。
開高記念館でビデオ見れるよ
餓鬼の頃すげー釣りブームで、その流れから子供の頃、随分と親近感を持って読んだ。
懐かしい。
632 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/10(火) 12:23:28
それにしても朝食にカレーを食べた弟のゲップは臭かった・・。
こっちはつわりで苦しんでいるから、余計に吐き気を催すことすんなよ、ドあほ!
633 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/10(火) 13:18:42
635 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/10(火) 13:24:34
僕のなかで開高はエッセイストです。
いいえ、雑文家です。
>>629 晩年ノーベルを意識した? それがほんとなら、あまりにも
自分を知らない人間だったことになる…
たしかに客観的視座は甘かったのかも、改めて考えてみると。
>>624 書かれた年代を考えようよ。昨日今日書いたわけじゃ梨。
639 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/11(水) 18:14:42
今も生きてたらでぶやに出演だな
まいう〜
石塚とパパイヤと一緒にまいう〜する開高センセ
絵になるなぁ〜
あいつ結構タカビーだし、ありえない。
それが分からないのはろくに読んでないか、読めてないか。
643 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/11(水) 18:31:09
スレ終わる闇
644 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/11(水) 18:32:16
ベトナムまで取材に行って、そのままルポになるなんて…。
小説家としての才能はないのかもね。文章は「美味い」けど。
タダ飯なら喜んで喰うだろ
文章しつこいし器も小さいけど、フツーに小説家の才能はあった。
647 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/11(水) 19:48:22
「パニック」と「日本三文オペラ」のみが小説である。
648 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/11(水) 19:58:09
小説の定義を述べなきゃ話にならんな
649 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/15(日) 18:14:06
最近の文学賞受賞作品を読むと、なんだこれ位だったら俺にでも
書けるやとおもっちゃうけど、この人の作品を読むと毎朝10時に会社へ
行く自分の人生の選択は正しかったと改めて思い知らされる。
思うがままに生き方を選べる自由おめでとう!
小説というより、美味そうなコピーがいっぱい並んでる感じかなぁ?
652 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/17(火) 21:07:42
大江に勝てない理由は想像力のなさだな。
トトチャプって言葉、忘れられない。
654 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/17(火) 23:00:18
>>652 想像力の貧困は自分で認めていた(「歩く影たち」の短編の中のどれかで)けど、
思想を見れば開高の圧勝でしょう。2ちゃんじゃ今や大江はキチガイ左翼扱い
されているけれど、開高は最後までリアリズムを捨てなかった。
大江の現状を見て開高は笑ってるだろうよ。
観察者に過ぎず、考える者では無かったと思うけど。
それが小説家として必要な事かは知らないが。
個人的にマジョリティを評価基準にする発想、理解できない。
>>655 観察して、その上で考えたんじゃないの。
開高はちょっとずれるが、”第三の新人”の一番の強みは
マジョリティ(知的大衆)の支持を受けたからだと
福田和也が言ってたっけな。
今の純文学なんて誰が読んでるんだよ(w
どこかでステンドグラスについて書いていて、その手放しの賞賛ぶりに
違和感を持ったのを覚えている。
詳しくは覚えていないが、教会の装飾の一部としてのそれは、紛れも無い
宗教装置でもあるわけで、その部分の考察をまったくなくして、ただその美に
耽るだけというのは、アドルノのあれじゃないけれど、
あまりに愚かだと思った。
この男の世界認識というか、現実を見すえ、また求める気持ちは、
その程度のものなのかと。
658 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/18(水) 11:54:05
うまいもん喰って、女いっぱい抱いてるけど
一皮剥くとなんか楽しそうじゃないんだよね
やっぱり鬼嫁のせいかな?
いまでさえ市民権を得ていないのに、
何十年も前に潮吹きについて熱く語っていたのには驚かされる。
蟻の門渡りとかな
661 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/18(水) 18:34:48
開高に思想なんて高尚なものがあるのかい?
文体が、思想である。
重厚にして繊細。包茎であり童貞。
超亀レスだけど、どう考えたって
>>585は違うだろ。
んなふうに読んだって、『玉、砕ける』のどこが面白いんだ?
普通はこういう読み方になるでしょ。
冷戦の真っ只中、あらゆる知識人は右か左かの政治的立場を明らかにすることを
迫られるような社会的状況下で、旅の連続に「憂鬱に犯される」日々を過ごすうち
「(右と左の)二つの椅子のあいだには抜け道がないわけではない」ことを悟った
「私」の興味をひいたものは、その難問への英知を宿していそうな長大な中国史であり
中華料理の豊穣であり、老舎の「ヒリヒリするような辛らつと観察眼とユーモア」であった。
すなわちその豊穣とユーモアは、政治の季節の中での知識人の、右にも左にも身を
置かずして唯一とれるポーズと探求物ともいうもので、そのメタファーがこの短編では
風呂屋と「丹念でしぶとく、精緻で徹底的な仕事をする」按摩として描かれる。
それが結晶化された垢の玉は、しかし老舎の不自然死が伝えられた直後に砕ける。
つまり政治の季節の真っ只中では、そんな豊穣とユーモアという第3の道も
老舎の不自然死に示されるように決して許されることではないのかも知れず
その象徴として描かれた垢の玉も、脆くも「すっかり乾いて粉々に砕けてしまう」
>>664 確かに、そんな風に重ねて見ることで寓意を読解できるが、
そんな風に読んだってやはり「玉、砕ける」は面白くない。
同じ老舎のエピソードを雑文で綴った『最後の晩餐』の方がまだ面白い。
垢擦りの話はそれはそれで別にルポした方がよい。
668 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/18(水) 22:48:26
普通なんて存在しない事をさっさと気づけ。
モダニズムを自分が理解できてないことに気付け。ウザ杉。
亀レスで荒れるのはこのスレの定番?
671 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/19(木) 02:07:46
>>661 少なくとも開高はイデオロギーに毒されはしなかった。
大江なんて見ろよ、「自分には帰るべき朝鮮がない」なんて、今から見れば
噴飯ものの発言してるじゃん。開高はこう書いてるよ。
私はリアリストですよ。日本では歓迎されない。右からも、左からも(『飽満の種子』)
>>661じゃ無いが。
理想を持たぬ事を称揚するのはどうかと。
673 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/19(木) 02:30:18
>>672 その「理想」が電波なんだからどうしようもないでしょ。
北朝鮮が理想なのかよwww
675 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/19(木) 02:46:30
676 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/19(木) 02:47:49
677 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/19(木) 17:33:46
思想を持たぬ作家=コピーライターでおk?
無きゃだめとは言わないけれど、尊敬は出来ない。
680 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/21(土) 19:53:43
耳の物語はどうですかね?
681 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/22(日) 21:18:49
大江に勝てない理由は想像力のなさだな。
>>681 大江はあのキチガイな思想で今後50年は干されるだろ。
キチガイは天才に紙一重ですよ
馬鹿は死んでもただの馬鹿だけど
>>683 大江の思想はキチガイだが、大江本人は別にキチガイじゃないでしょ。
問題は思想なんだよ。
思想に狂う人間、司馬遼太郎のいう「政治的発狂者」は別に天才の隣の
席に座っているわけじゃない。大江の思想なんてたとえば社民党の福島
瑞穂と五十歩百歩だが、福島は「天才に紙一重」なのかね?
スレ違い引っ張るのはヤメレ。
687 :
トリトン:2006/01/29(日) 10:35:06
初めてメッセージを送らせていただきます。私は開高さんから、考え方、文体、生き方、その他いろいろを教わったと思っています。
みなさんがアレコレ言うのは結構です。ただ、ここに書かれている皆様の言葉を読んで、とても悲しくなりました。開高さんを好きな人もいれば、嫌いな人もいる。
嫌いなら、それでいいのですが、なぜ自分の貴重な時間を割いて、ここにメッセージを残すのか、よくわかりません。
688 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/29(日) 10:47:47
駄目なものは駄目とはっきり言ってやるのも愛情です。
>>687
690 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/29(日) 20:44:05
>>687 開高文学が好きなら好きで、それをけなしに来る奴に論駁するのも
教わったことの恩返しになるんじゃない。
俺は上の大江オタを撃退してやったよ(自分ではそのつもり)。
...
692 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/29(日) 21:19:12
>>689 いいこと言った。
所詮コピーライターなのさ。
何故書き込むのかって、そりゃ自分以外の人に自分の経験を伝えたいからに決まってるだろう。
そして、それに対して我々がとれるリアクションは共感、理解、敬遠、拒絶のどれかだ。
理解と敬遠に必要なのは聞き手の余裕、言い換えれば話し手への敬意。
だがそれは誰かに指摘されて持てるものではなくて、
それどころかその指摘こそ余裕を失わせる原因にさえなりかねない。
敬意は際どいバランスの上に奇跡的に成り立つ人間的な態度だ。
いくら深い教養を身につけた文学板利用者とはいえ、
全員にそれを求めるのは酷だろう。
それに対して共感と拒絶は感情的なもので、これは特に身構える必要なく、ごく自然に表現できる。
この次元で互いの経験をすり合わせることの難しさは、社会生活を営む健全な人間であれば誰しもが感じることだろう。
が、依然として不可能ではない。
少なくとも、そう信じられている。
とはいえ、ここは言葉以外に伝達手段がない電脳空間だ。
好きと嫌い、生理的な次元で二分割することによる最低限の住み分け。
互いを尊重しあおうという意見は、
現実的に考えればまあ妥当なところだと言える。
と、これで終われれば楽なんだが、一つ例外がある。
自らすすんで取り乱そうとする者の存在だ。
彼等の目的は悲しみ、怒り、笑い、そして叫ぶこと。
圧倒的な感情の奔流は理解の及ぶところにはなく、敬意は無意味。したがって語りかけも無駄。
あるのは共感か拒絶のみで、発生した問題はシステム的な隔離によってしか解決されない。
これが俗に言う「荒らし」の問題だ。
極端なものにとっては、政治性からの自由を保証してくれる匿名性は安全に取り乱すための隠れ蓑に過ぎない。
この異質な他者は珍しいものではない。
むしろあらゆるレスは理解の対象であると同時に感情の他者である。
そのことは、共感が成立する可能性、経験の自在さと同じくらい忘れられがちだ。
ところで中国とか東欧に行ってるけど
やっぱ心情的には左翼なのかねぇ?
697 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/30(月) 22:22:12
>>695 ベ平連にちょっと参加してみたけどすぐやめたじゃん。
イデオロギーに感染するような不自由な頭脳の持ち主じゃなかったよ。
第一、盟友が谷沢永一や向井敏なんだから、左翼思想からはほど遠かった。
良くも悪くもリアリストだよ。
遺言もこんな中華料理が食いたいだもんな
卑しいにもほどがある
異常な食べ方する人だったよな。
先日部屋を片付けてたら、開高の『食卓は笑う』が出てきた。B6小判、
もしくは四六変型というのか、とにかく小振りなサイズと装丁がカワイイ。
って、以前こんな事まんま他のスレでも書いたな(笑
…後書きがいいよ。いかにも苦労してやった仕事っぽくて、愚痴ってるw
703 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/02/07(火) 19:41:12
なんとなく可愛いオッサンだったよな
でも尊敬はしてない(笑
なにか作家として育ち損ねたって感じ。
705 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/02/07(火) 22:28:23
酒を飲まない人にはこの人は理解できないだろうな
釣りブームのせいもあって、俺は子供の頃の方がむしろ読んでたよ。
十二、三から十五位が一番読んだな。
707 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/02/08(水) 00:28:08
失礼ながら、15歳では開高の心の闇は分からなかっただろうな。
15歳にして五十肩の苦しみを知る
>>707 『ロマネ・コンティ・1935年』や『日本三文オペラ』、『輝ける闇』なんかはハタチすぎ
だけどね。にしても(まぁローティーン相手ならしょうがない気もするけど)、自分は
分かってる、相手は分かってないって感じの決め付けはブンガク的じゃないなぁ。
その頃の記憶だけで
>>704みたいな事(もしくは書き直したい悪文だが
>>657や
>>655とか)
思うわけ無いでしょ。
あと酒は十代後半の頃が一番飲んでたw
>>708 50にはさすがにまだまだ遠いなぁ。腰ならたまに...
あなたにさしだされるのはふちが欠けてギザギザになった
どんぶり鉢である。それを把握しているのは爪が垢でまっ黒
であるうえにに何やらびしゃびしゃ濡れた、やせて筋肉質の
たくましい指である。どんぶり鉢のなかではお粥がホカホカと
湯気をたて、何片もの渾沌物が浮沈している。そのどんぶり鉢
をもらい、ひきつれたような笑顔をつくって垢だらけのお箸を
「好、好!」といってもらい、ゴミ箱のかげにしゃがみこみ、
輪タクの運ちゃんや正体不明のおっさんが肩を並べてこちらを
見てニタリ、歯ぐきまで見せて歯を剥きだして笑うのにニタリ
と会釈しかえす。あなたはどんぶり鉢をすすっているうちに
眼はうるみ、鼻はゆるみはじめる。やせこけたニワトリが
足もとによってきてせかせかと残飯をあさりはじめる。
壁の立小便が匂いはじめる。おっさんの誰かがチンとみごと
な手練で洟をとばす。
711 :
吾輩は名無しである:2006/02/20(月) 22:51:56
>>710 開高の影響で中華粥は俺の定番のレシピになったよ。
鶏ガラを買い込んできてぐらぐら煮込んでスープをとる。
スープは半分は鍋やラーメン用に使って、残り半分を粥にする。
砂肝やキンタマをざく切りにして、ガラについた肉もこそげ落として
スープに投入。ご飯入れてネギ散らして熱いのをふうふう言って食う。
これは本当にうまい。たまにニラや、本場風に春菜を散らすこともある。
粥と同じく清蒸もよく開高作品に出てくるけど、釣りはしないし
あまり魚は好きじゃないので、こちらは再現してみたことがない。
誰か釣り好きの人、清蒸を食わせてくれ。
712 :
吾輩は名無しである:2006/03/17(金) 02:01:03
開高のグルメは半可通。
自分で作ることができなかったから。
713 :
吾輩は名無しである:2006/03/17(金) 03:02:19
開高さんが吸ってたタバコってなに?
紙巻きなら、ラッキーストライク両切り。
エッセイや写真で見かけたのは、キャメル、サレム(セーラム)、バルカン・ソブラニー…etc.
715 :
吾輩は名無しである:2006/03/18(土) 04:23:27
ありがとう。
バルカン・ソブラニーって知らないなぁ。洋モクかな〜
716 :
吾輩は名無しである:2006/03/18(土) 11:07:38
そうだよ。
確か、ドイツのタバコ。
717 :
吾輩は名無しである:2006/03/18(土) 18:19:32
ギリシャでナンバーワンっていう煙草を買う話なかったっけ。
あとフランスで若い男が「ヴェキャン」っていう煙草を買っていったので
なんだろうと思ったら「weekend」という銘柄だったっていう話もあった。
タバコも味覚のうちの一つだから、人によって好き好きなんであって、
ゴールデンバットが一番うまいという人にとってはゴールデンバットが世界でナンバー1だということになり、
横からそれを批評することはできない。そういう性質のものだろうと思う。
しかし、今まで喫ってみたシガレットの中で一番うまいと思ったのは―
バルカン・ソブラニーというイギリスでつくっているやつだな。これは、どっしりして気品があり、ご馳走である。
そう、タバコにもラーメンもあれば、ビフテキもあるんだ。しょっちゅうビフテキを食うわけにもいかないが、たまにビフテキを食いたい。そういう意味で喫うタバコだろうね。
当方ゴールデンバットをうまいうまいと思ってますが…
ソブラニーは喫ったこと無し。
719 :
吾輩は名無しである:2006/03/21(火) 01:22:59
時代が変ってもゴールデンバットは絶対に無くならない。
なぜなら、あれはタバコ工場からでる葉っぱのクズで作られているからだ。
タバコが作られなくなったら?
>>719は都市伝。
ゴールデンバットが安いのはタバコの葉だけじゃなく茎も使ってるから。
他のタバコと比べて税金も安い。
日本三文オペラの冒頭、バット(「しんせい」だったか?)を
煙の一片も漏らさず吸い尽くす、という場面が印象深かった。
>>721 なんだそうだったのかぁ。ヽ(^^)ノ
チョット調べてみたけど、芥川や太宰もバットだったそうで
僕もマッチで吸いたくなってきたけど、近場に売ってないんだよなぁ。。
723 :
吾輩は名無しである:2006/03/24(金) 17:22:39
俺の身体の大部分が開高健で出来てんのな。
もう四十も半ばの哀れなコピーライターだけどさ。
まぁ出会ってしまったんだからしゃんめえ。
まだまだこれから太らせて生きますか。
724 :
吾輩は名無しである:2006/03/28(火) 23:13:32
>>110 トリスを飲んでハワイへ行こう!
は山口瞳です。
725 :
吾輩は名無しである:2006/03/30(木) 19:22:40
もう四十も半ばの哀れなコピーライターだけどさ。
726 :
吾輩は名無しである:2006/03/31(金) 00:43:28
>>26の
明るく 楽しく 暮らしたい
そんな 思いが トリスを 買わせる
これの下の句をどなたかご教授くださいませ。
……
そんな 思いが トリスで 酔わせる
こんな感じだったような記憶があるんですが
728 :
吾輩は名無しである:2006/04/03(月) 00:17:09
>>727 多謝。当該の広告は載ってないようだが…
オールマイトゥモローズの何巻かで読んだ記憶があるんだが…
昭和42年の「シンシンの夜は…」が、開高健が書いた最後のトリスのコピーとか。
有名な「人間らしく…」も、サントリー退社後のものなのも意外な気がする
729 :
吾輩は名無しである:2006/04/03(月) 14:37:12
開高記念館が展示替えしますよ
今度は釣りです
なぁなぁ 全くこの人について知らないオレだけど
なんとなく作品が読み安そうなので卒論に使わせてもらうね。
てかこの人難しいかな?
732 :
吾輩は名無しである:2006/04/12(水) 16:08:44
>>731 いいんじゃない?
ぜひ記念館にも足を運んでみてね
733 :
吾輩は名無しである:2006/04/12(水) 16:34:06
ただのコピーライターさ。
>>731 あなたが論理的な頭脳を持っているなら、読みやすい筈。
非論理的な、ポエティックというかフィロソフィカルな頭脳を
持っているならスルーした方が無難。
735 :
吾輩は名無しである:2006/04/13(木) 11:54:16
卒論で「開高健の食を追う!」とか言って
美味いもの食いまくり
これしかない
736 :
吾輩は名無しである:2006/04/17(月) 02:40:59
この人っていろいろ知ってしまったが故に鬱なときがあったのかなぁ。
737 :
731:2006/04/17(月) 13:47:06
おいおい、じっくり読んでみたんだけど これけっこう難しいのね…
とりあえず、全集の一番最初の作品読んでみてるんだけどさ。
731さん。
エッセイや、紀行文から入った方がイイよ?
けっこうマジものの文体だし。
食に関するモノ→釣りに関するモノ。
少し慣れたらルポルタージュ→戦争物でルポを締めて
輝ける闇→夏の闇と言う順番がいいと思われ。
739 :
731:2006/04/17(月) 15:22:19
ゼミの教授に開高健どうか聞いてみたら、とりあえず全集の最初のほうの作品読んでみて、合いそうなら書いてみるよう言われたのだけど。
最初の作品から…(;゚д゚)
教授も開高健についてはあまり詳しくないらしくて、担当したなかで開高健を卒論に書くなんて初めてだって言われたし…
早くも挫折しそうですw
とりあえず、明日ゼミあるので相談してみます
本格的に開高健で書くことに決まったら、
>>738さんの順を参考に読んでみようと思います。
まだ全く無知なので、オススメの作品などあったらどんどん教えてくださいなー
っておまい、やめとけ。自分が一番好きな一番よく読んでる作家を卒論で扱うべし。
卒論でそれまでの二十数年間の人生でまったく読んだことのない
作家を選ぶ奴ってはじめて見た。どこのFランク大だ?
742 :
吾輩は名無しである:2006/04/29(土) 00:20:35
>>726 大変亀ですんまへん
手軽に
夕餉に
花を
添えたい
そんな
思いが
トリスを
買わせる
さいしょはグー!開(ry
744 :
726:2006/05/02(火) 02:54:39
>>742 多謝。合掌。
記憶と全然違っていた…
花持て語れ、MIRA FLORES、というのも開高健が好きなフレーズだったのかな
745 :
吾輩は名無しである:2006/05/04(木) 00:16:40
>>736 浅く読んでいる人にはわからないだろうけど、この人は相当な鬱だよ。
芥川賞受賞直後に欝で「アルコールの脱脂綿」状態になって
病院に担ぎ込まれるくらいだからな。
747 :
吾輩は名無しである:2006/05/04(木) 01:28:45
開高の精神は明らかに病んでるよ。
だからこそ暗黒や虚無を覗けたんだ。
病んでるというよりは、普通ははしゃぎ昂揚する方、
時々鬱、自制がきかずに号泣することあり
たまさか滅入ってしたたかに澱むことあり
749 :
吾輩は名無しである:2006/05/04(木) 05:47:32
750 :
ブレイナ ◆mIfzMv0Hlw :2006/05/04(木) 10:45:20
まだ落ちてなかったんだね。
俺は開高から離れてしまったが、
なにかわけもなく嬉しい。
>>749 横。ちがう。
躁鬱病の病名がつくのは北杜夫。
開高の場合はそこまでいかない。誰にでもある波の範囲内。
>>751 さらに横レスだけど、精神科医の加賀乙彦が「開高は躁鬱病だった」と
書いてるよ。北杜夫の症例の方が極端だけどね。
753 :
吾輩は名無しである:2006/05/05(金) 18:12:03
微妙にアル中入ってるよね
754 :
吾輩は名無しである:2006/05/05(金) 18:52:33
馬鹿!
開高のベトナムものなんかは、
鬱のなかで生成されたような作品だろうが。
>>753 アル中じゃない。連続飲酒は芥川賞受賞後に一度やっただけだから。
それも2週間で肝臓壊して入院だから、アル中になれるほど肝臓が
強くなかったとも言える。アル中だった中島らもは「下品なくらい内臓が
強い」と医者に言われたらしいけれどね。
アル中と言えるのは、若山牧水みたいな、朝酒、昼酒、晩酌と、三度の
食事に欠かさず酒を飲んでいたようなタイプだろう。
756 :
吾輩は名無しである:2006/05/06(土) 02:07:41
裏も表も可能な限り知り尽くしてしまってしらけてしまったのかも
開高はそんなにアタマ良くないよw
758 :
吾輩は名無しである:2006/05/06(土) 02:41:53
どうしてそう言える?
俺がそう読み取ったから。
760 :
吾輩は名無しである:2006/05/06(土) 03:50:21
じゃ、おまえアタマ良くないね
>>755 でも酒で鬱を紛らわせてたんだから、
やっぱアル中じゃね?
あまり健全じゃないよ
762 :
吾輩は名無しである:2006/05/06(土) 18:24:55
アルコール依存とアルコール中毒は似て非なるものだよ。
763 :
吾輩は名無しである:2006/05/06(土) 20:35:13
コレクシオン開高がほしい。
相場は?
1800円で買いました。
少々カバーが汚れてましたが、迷う事なく即買いでした!
濃いの一言です。
だれか、開高が訳したダールの「キス・キス」を読んだ者はいないか?
とてつもなく、うまい訳文だ。
まだ読んでいなかったら、ぜひともお薦めするよ。
767 :
吾輩は名無しである:2006/05/10(水) 16:48:44
ロアルド・ダールだな。
それは近所の古本屋にあるな。ゲットしてみるか。w
769 :
吾輩は名無しである:2006/05/10(水) 17:37:23
開高健ってダール訳してるんだ。知らなかった。
いままさにkiss kiss読んでるところだ。
771 :
吾輩は名無しである:2006/05/10(水) 21:53:12
ロアルド・ダールって児童文学の作家だよな?
どういうわけか、開高ファンの中に、モームのファンが多い。
オレもそのひとりだが。
これは、「エルビス・コステロ好きが、ビョークも好き」という
現象と同じくらい、わけがわからない。
開高とモームの共通点なんてまるで無いのに。
しいてあげれば、両文豪とも、苦味のきいたビールのような、
大人のブンガクってとこかな。
さらに両者とも、食い物についての描写が非常に卓抜している点。
「女と食い物がうまく書ければ、一流の作家や」
とは、開高の言葉であるが、開高さんは女の描写はイマイチだったな。
モームは女を、ことさら悪く醜く書いていたね、実にうまいけど。
女の描写が下手なのは、パーカーと、あと五木寛之ね。
開高さんは五木の作品を「こんなもの小説とよべない!」って言ったのは本当かね?
俺は開高ファンだけど、モームは別に好きじゃないなぁ。
ヘミングウェイはまぁ別格として、グレアム・グリーンのファンが
開高ファンとかぶるんじゃないかと言う気がするが。
グリーンのファンと開高ファンがかぶるのはよくわかる。
理由はうまくいえないけど、わかるわかる。
それにしても、
開く、高い、健やか
漢字がすべて抽象名詞。珍しい名前…。
775 :
吾輩は名無しである:2006/05/14(日) 00:34:42
開は抽象名詞じゃないよ。
開が高く健やか
開って何か知ってるだろ。
本人が4畳半裁判の証人の時言ってたよ。
ぼぼ でんがな。
おそそ ともいう。
オメコ おまんちょ ともいう。
なるほど。
確かに「開」には、おま●この意味があるようだ。
しかしだ。
「おま●こが高く」とはどういう意味や?。位置のことか?
位置であるなら、高い低いではなく、上付き下付きのように、
上下で現すべきもんや。それならば、値段か?
プロの女性を指して「あの娘は高い」という場合はあるけれども、
ずはり「おま●こが高い」とは、まず言わないだろうな。
つまりだ。
開高の開は、おま●このことではなく、やはり「開く」という動詞
の意味が、この場合当てはまると思われるが。いがかな。
…と、無理やり開高調に突っ込んでみる。
780 :
吾輩は名無しである:2006/05/14(日) 23:29:06
高いっていうのは盛り上がってるという事だ
781 :
吾輩は名無しである:2006/05/23(火) 12:12:02
いま輝ける闇を読んでます。難解かつ明朗な表現。凄いですね。
782 :
吾輩は名無しである:2006/05/24(水) 02:16:10
明朗会計
783 :
吾輩は名無しである:2006/05/24(水) 02:18:43
明るくて朗らか、でも会えば計算高い
>>779 ち●ぽにしろま●こにしろ、萎びて縮んだモノは使い物にならん。
墓場が近いジジババの持ち物と決まっとる。だが
若くても、不健康に色悪く肉が落ちて痩せたモノでは、食欲も失せる。
>>780が正解。
開高健=ま●こが肉付き良く盛り上がっていかにも健康そうに血色も良く
、 思わずそそられる見事さである、ちう意味。故に開高は裁判で威張った
ここで開高の名前に粘着している奴ら、チョーうざいし、つまらないよー。
開高自身、「風に訊け」で自分の名前は抽象名詞だけである、と言っているがね。
裁判で、ま●こに触れたのは、小説家ならではの詭弁であり、諧謔であり、
お遊びである。
お固い裁判官などが、思わず薄ら笑いを浮かべるようなことをわざと言って、
裁判の場を揉んだだけである。
それを真っ正直に鵜呑みに信じて念仏のように、
●んこ、●んこと連呼しているような奴らのことを
開高大兄はよく、「坊や」とよんでいたな。
786 :
吾輩は名無しである:2006/06/01(木) 01:08:59
↑
おまいが超うざいっ
開高が残した罪の典型
787 :
吾輩は名無しである:2006/06/01(木) 01:15:45
俺は毎晩ひとつ『ま●こ辞典』の中の方言ま●こを
覚えてから寝ることにしている。
寝られる
わけが ないっ
788 :
吾輩は名無しである:2006/06/01(木) 10:41:54
いわゆる純文学って結局のところ一回もいいと思えないまんま
小説時代の終焉を迎えてしまった。
そんな俺でも開高の幾つかの短編はなぜか好きだ
↑
おまいの中で終わったダケだろ
791 :
コテハン ◆TjKITugj0M :2006/06/12(月) 12:48:43
いや、ところが、残念ながら・・・
792 :
吾輩は名無しである:2006/06/26(月) 01:21:52
「耳の物語」はどうよ?
793 :
吾輩は名無しである:2006/06/26(月) 01:23:01
いいよ。
文体の実験は面白いが、ネタが使いまわしだからな。
開高ってなんでああ想像力がなかったんだろうね。
795 :
吾輩は名無しである:2006/06/28(水) 21:16:40
旅をしない小説家なんて縄跳びを忘れたボクサーのようなものだ
三島の事かな?
どう思う?
796 :
吾輩は名無しである:2006/06/28(水) 21:24:36
開門紅!
797 :
吾輩は名無しである:2006/06/28(水) 22:36:30
>>795 たしか三島は「輝ける闇」のことを「想像だけで書いたのならたいしたものだが、
実際にヴェトナムへ行きさまざまな体験をした上で書いたものがあれならくだらない」
みたいな評論書いてなかったかな。その仕返しだろうか?
ま、どちらが上とか下とか言うことはなく、両者は根本的に体質の違う作家だったという
ことだろうね。遠心力と求心力の違い(開高を”遠心力の作家”と評したのは大岡玲)。
798 :
ブレイナ:2006/06/28(水) 23:25:51
珠玉は萎えたよね。
寂しかった。
799 :
吾輩は名無しである:2006/06/29(木) 20:09:47
開高さんもノーベル文学賞の下馬評に名前が挙がるくらいはいったのでしょうか?
800 :
吾輩は名無しである:2006/06/29(木) 20:50:58
800げっと?
うおおおおおおおおお!!!!!!!!
>>799の件、俺も知りたい!!!!!!!!!!!!!!
って、そんなに熱気こめるほどのことじゃないね
801 :
吾輩は名無しである:2006/07/04(火) 04:00:19
三島はボディービルとかやりだした頃から作家じゃないよ。
802 :
吾輩は名無しである:2006/07/04(火) 04:50:58
映画俳優?
大江さんがノーベル取ったとき、大兄が生きていたら、彼が受賞していたといっていたような記憶があるような・・・
804 :
吾輩は名無しである:2006/07/07(金) 22:28:32
ちがうちがう
生きていたら自分ではなく大江が受賞した悔しさで
基地外になっていただろう、ということ。
奴はえげつないほどノベル章ほしがっていたからねえ。
805 :
吾輩は名無しである:2006/07/07(金) 22:54:51
なんでカイコウがノーベル賞なんだ?
バカも休み休み言え。
英語圏じゃ全く相手にされてない。誰も知らない。
東欧でちょっとだけ、つーのは聞いたことがあるがアヤしいね。
807 :
吾輩は名無しである:2006/07/08(土) 06:29:11
東大卒じゃないから、優先的に翻訳されてないってだけじゃね?
808 :
吾輩は名無しである:2006/07/08(土) 08:45:25
漢字へのこだわりが独特の文体をつくってる。
(翻訳で)その良さを抜くと、かなりフヌケた小説になると思われ。
そうでもない。日本語を使う以上漢字へのこだわりは誰にでもある。
翻訳で漢字の味や日本語特有の律動が消えても、なお残るもの、
それが真の文学の精髄。
810 :
吾輩は名無しである:2006/07/08(土) 14:33:22
夜露死苦!←これは文学?
ノーベル賞は国を挙げて取りに行く。で一番取れそうな奴を絞って押していく。89年頃日本は開高に絞ってた。本人が死んだんで大江に切り替えた。死ななきゃ取ってたよ。輝ける闇はNYタイムズで激賞、玉砕けるは全米大学文学部の教科書掲載。海外で評価高いよ、開高は。
>>808 英語ならおそらくギリシア・ラテン系の語彙で近似的に表現できるだろうけど、
もともとラテン起源のフランス語や逆に古典語起源の語を少ししか取り入れてない
ドイツ語だと表現できないかも。
813 :
吾輩は名無しである:2006/08/09(水) 01:12:02
ノーベル賞なんていう欺瞞的な賞、どうでもエエやないか。
大兄の値打ちは変わらんで カッカッカッカッカッ。
814 :
吾輩は名無しである:2006/08/09(水) 20:14:50
今、「歩く影たち」の兵士の報酬を呼んだけど
あのベトナムでの話は、ノンフィクションなのかな?
なんといっても故開高氏はベトナムで修羅場掻い潜って
きてるから書くことに緊迫感がある。
815 :
夏の闇:2006/08/12(土) 02:06:52
「おねがいが一つある」
「なあに?」
「ママゴトでやってほしいんだ」
p.55、『夏の闇』、新潮社文庫、1983年
816 :
吾輩は名無しである:2006/08/23(水) 18:51:56
川端賞受賞の「玉、砕ける」深遠な意味が篭められてた
みたいだけど何がいいたかったんだろう?
817 :
吾輩は名無しである:2006/08/28(月) 22:38:16
意味が無いのが魅力でしょ。
死にたくなるほど虚しくなるやん。
「タマ、砕ける」は文体がすごく印象的だった
なんていうかグロテスクなんだよ
819 :
吾輩は名無しである:2006/09/22(金) 16:20:29
洗面器の歌とかで、金子光晴引用しているけど、
マレー蘭印紀行とかどくろ杯、西東読むと、
大兄は密かに、この詩人に敬服・嫉妬したんだろうな思った
サントリー宣伝部時代誰かの詩を引用して訴えられたんだって。
開高にすれば単なるリスペクトだったんだろうに...
821 :
吾輩は名無しである:2006/09/22(金) 17:10:21
そういうことを平気でするやつでだよ、大兄は。
822 :
吾輩は名無しである:2006/09/22(金) 17:51:28
いや、金子がジャワでビーフンを毎日食べる、具が今日はどんな
魚の切り身か楽しみって描写があるんだが、
ほれ、大兄18番の「南国の朝粥」描写まんま。
いや、リスペクトよ、リスペクト。
>>819 その指摘…、たしかにそうかもなあ。
若くして7歳年上の女に捉まり、
21歳にして早くも父親になってしまった開高…
最も憧れたのは金子だったかもしれないなあ。
ハッ、いま気付いた「牧羊子」という筆名は(本名は開高初子)
ものすごく意味深じゃね?
開高は妻の掌の上で放牧されていた羊だったか…?!!
824 :
吾輩は名無しである:2006/09/22(金) 23:26:49
↑おまえの話はつまらん。
825 :
ヤマモト ◆YyoUezf27o :2006/09/23(土) 05:41:36
>>794 逆なんだな。
何も無いところからここまで作った。
遅筆だったという逸話も頷ける。何しろ何もないのだから。
>814
>歩く影たちはノンフィクション?
怪物と爪楊枝なんかは、むしろ大兄がパイク(孤独でケンカイな独居魚)釣りのとき
目撃したこの魚の習性を擬人化して、サイゴンの国警長官(テト攻勢の時、ヴェトコン街頭射殺TV中継で有名)
あたりに重ねた御伽噺でしょう。
むろん、モデルの長官は片足切断とかしていないし
828 :
吾輩は名無しである:2006/10/02(月) 02:05:50
>>827 見るからに胡散臭いねww
俺もペン字しか開高の書体は見たことないけど、もうちょっとやわらかい
感じの丸字だと思う。まぁそれ以前に、この書体からは知性を感じないよ。
829 :
吾輩は名無しである:2006/10/02(月) 07:17:23
>>828 開高に知性なんかないから、知性が感じられない点は及第だろ
830 :
吾輩は名無しである:2006/10/03(火) 17:08:38
昔、筒井康隆がエピソードを綴っていたけど
開高って本当に嫌な奴だったらしいね
単に筒井と合わなかっただけかもな。
物事を一方向からのみ見るのは大人のすることじゃない。
まあアクは強かったと思うけど、昨今の芥川賞新人とかと比べると
「文士」の時代だな思う。
大昔、釣りビデオで英国のヒース元首相あいてに鱒釣りの薀蓄たれていたときには
こりゃあかん思ったけど
833 :
497:2006/10/11(水) 13:57:39
ここの連中は、なぜ開高が生前多くの作家・評論家から憎悪を込めて無視され、
死後すぐに本のほとんどが絶版になったか知らないのだろうか
なんで?
俺も素で知らん。おせーてつかあさい。
836 :
吾輩は名無しである:2006/10/17(火) 19:43:32
吉行、安岡、丸谷、阿川、井伏、こんなところだろうか、開高の交遊録は。
編集者や旅行記書くときに同行するスタッフの若者はねちねちいじめてたそうだし、
自分でもたしか「嫌がらせの年齢」とかなんとか書いてたと思うけど、他の作家から
「憎悪を込めて無視され」てたってのは俺も知らない。
阿川とは晩年大喧嘩してたろ
とりあえずソースが無いものは信用しないでおこうかな。
大喧嘩は良いんだ。相手が阿川だし。
それより、ほんとに陰湿でネチネチした苛めなんかする人だったのか?
一番不思議なのは向井敏と「盟友」だったことだな。
同人誌時代からの縁とは言え、向井が絶賛してる作家は
開高以外では丸谷才一(あるいはその「弟子」の海老沢泰久)や
村上春樹、倉橋由美子、藤沢周平みたいな文章が「端正」な人たちだから。
文章の「好み」で言えば開高の対極を行きそうなのに。
向井と開高は同じ大阪人でも細雪と夫婦善哉くらいの違いがあると思う。
まあ向井は向井で丸谷才一の奥さんに「インテリヤクザ」と言われているのだが...
開高健ってどこ出身だっけ?
佐賀県だったかな?ww
>>836 山口瞳の『男性自身傑作選中年編』で新潮の山口瞳の歴代編集者は
「開高さんは最初はフランクに可愛がってくれるが、その後は...」
と言葉を濁している。
読んだ当初はまあせいぜいかなりシビアだとかその程度のことだと思っていたが...
ちなみに山口瞳は「正反対」だったとか。
>>840 でも開高と向井はちょっと文体似てるよな。小説と批評という分野の違いは
あるにせよ、二字熟語を畳み掛けていくところなんかそっくり。
ただ、開高の場合は猛牛やダンプカーが突進するような迫力を生み出すけど、
向井の場合は名人の剣捌きみたいな鋭さを生み出すと言うか...
「迫力」も「鋭さ」も漢語の特性なんだろうけど。
まあこれも小説と批評の違いに過ぎないのかもしれないが。
裸の知覚は一瞬である
848 :
吾輩は名無しである:2006/11/21(火) 17:26:22
俺も「たま、くだける」と読んでたけど。
だって垢の玉じゃん。
850 :
吾輩は名無しである:2006/12/30(土) 01:54:56
情熱は暗い迷妄だ
↑名言ですね、それ。
正解:『タマ』
誤り:『ギョク』
意識は稲妻 舌は蝸牛
BS観たいよぉ。
保守
856 :
吾輩は名無しである:2007/01/21(日) 19:38:54
男が人生の中で夢中になれるのは危機と遊びである。
857 :
吾輩は名無しである:2007/02/03(土) 22:45:27
イラク戦争見てると、
今こそ開高健文学が注目
されてもいいんでないかい?
この人が博覧強記なのは認めるけど、国文学の知識はあまりなかったのでは?と思う。
『最後の晩餐』で、芭蕉の
柚の花や昔偲ばん料理の間
って句を挙げて、「柚の高い香りを知らなければ何も見えてこない」って言ってたけど、
この句は古今和歌集の
皐月待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする
を踏まえてるわけで、それを言及しないのもどうかと思う。
(まあ言及しないから分かってないと言うつもりは無いが...)
ついでに言うと、向井敏との最大の違いは和文的な「典雅さ」の有無だと思う。
まあ向井が安東次男や大岡信並みに古典に詳しいとは限らないだろうけど。
861 :
吾輩は名無しである:2007/02/04(日) 18:32:29
aaa
>>833 文士連中は他の才能で目立つ同業者を憎悪したり無視したりして
文士村の一段低い場所へ貶めようとする傾向が見られる
似た例に実業で大成功した直木賞作家の邱永漢がいる
結局は青瓢箪のコンプレックスの裏返しだろうが
邱は丸谷才一や向井敏みたいな文章の分かる評論家からは絶賛されてるし、
檀一雄、佐藤春夫、吉田健一、三島といった面々とはずっと交流があったんだから
(三島は自決直前に邱のところに挨拶にさえ来た)
結局小物連中が騒いでるだけだろ。
そういえば邱は小林秀雄に毛嫌いされていたらしいな
あいつは偽物だとか言われて
直木賞貰って何年もしないうちに安藤百福と組んで
インスタントラーメンをプロデュースして回る作家なんて
小林の好みにはあわなかったのだろうか
丸谷や開高は逆に面白がったわけね。
開高は邱にラーメンの件を聞きに行ったくらいだしね。
傑物は傑物を知るんだろうな。
両氏ともイデオロギー運動華やかなりし頃から、
それらに対する不信感やうさん臭さを表明してたし。
「進歩的文化人の存在は日本がアメリカの植民地ではない証拠。
なぜなら植民地ならああいう輩はとっくに姿を消していると
かつて植民地に育った我々は断言できるから」
細部は異なるだろうが、ある意味、邱の最大の名言。
開高は現場に行って、寂寥を感じて距離を取った発言をし、
邱は自分の体験から距離を取った発言をする。
思想に埋没していけない性向に、共通したものを感じるな。
邱がどれだけ凄まじい青年期を送ったかは『香港』『濁水渓』を読めばよく分かるよ。
丸谷才一が言うように「亡国の民」だったからな。
巨匠
サントリー宣伝部の後釜が、野球、相撲、将棋、ギャンブルと
開高が無知なジャンルに精通してる山口瞳だったのも考えたらすごい偶然だな。
文章も表現そのもので唸らせる開高と表現は無愛想なほど簡素でも
文章全体のリズムで引きこんでしまう山口じゃ正反対だし。
実際、山口と開高で得意領域が全く重複して無いのは奇跡だと思う。
開高は知らないことは全然知らないからな。
耳学問で半可通ながら一席ブツとかそういう器用さは持ち合わせていなかったタイプ。
週刊朝日にカラーで何ページが写真載ってるね。
もうすぐ『河は眠らない』がDVDで発売されるし、ちょっと注目集まる?
釣りの側面ばっかりなのが気になるが…
875 :
吾輩は名無しである:2007/02/27(火) 15:54:06
>>1-874 くだらん書き込みすんな。意味の無い批評してるんじゃねーよ。
876 :
吾輩は名無しである:2007/03/03(土) 02:27:52
↑そういうあなたも、よく見てますね〜
まあ、どうでもいいけどね。
新潮文庫『日本三文オペラ』古本で購入。
あの古臭い表紙絵でかなり売り上げが下がってるのでは無いかと思う。
「日本三文オペラ」は中学の頃かな、面白く読んだけど、ネットでマスコミが隠蔽してるいろんなことを
知るようになって、戦後に朝鮮人がいかに悪事を働いたか、日本の併合政策がいかに穏当で朝鮮は
その恩恵を享受していたか、などの学校で教えられていた嘘っぱちの歴史と正反対の事実を知ったら、
なんだか醒めてしまったな。
結局あれは戦後の混乱期に朝鮮人が日本の国家施設から鉄屑を泥棒するっていう話でしょう。
ピカレスク・ロマンとしては一級品だと思うけど、やっぱり気分のいいもんじゃない。
ちなみに東大の姜尚中教授は通名、というか偽名としての日本人名を”永野鉄男”というらしいが、
実家が鉄屑屋らしい。お里が知れるというかなんというか。
879 :
吾輩は名無しである:2007/03/17(土) 02:53:27
選ばれてあることの。
…虚しいなぁ。本当に虚しい。
880 :
吾輩は名無しである:2007/03/21(水) 01:29:41
『河は眠らない』DVD発売age
教科書から開高が消えるとか。
高校の教科書で『パニック』を知ったのが開高との出会いだったので残念。
882 :
吾輩は名無しである:2007/04/04(水) 12:30:45
イデオロギー全盛の時代に右にも左にも一切影響されずに自分の頭で考えることを
徹底した開高こそ教科書に載せるべき知性だと思うけどな。俺の学生時代の教師なんか
左傾した馬鹿ばっかだったけど、いまだにそういう手合いが巣食ってるのかな。
「飽満の種子」だっけ、開高の分身と思われる主人公が「私は右にも左にも歓迎されません」
と書いていたのは。
同じく右にも左にも一切影響されなかった倉橋由美子も。
ちなみに、新左翼連中から総スカンをくらった倉橋の桂子さんシリーズを
堂々と絶賛したのが開高の盟友の向井敏だというのも興味深い。
日本文化チャンネル桜は、平成十九年三月三十一日をもってスカイパーフェクTV!Ch.767における
24時間放送を休止し、同Ch.241「ハッピー241」の夜の時間帯で放送を続けることになりました。
※「ハッピー241」での放送時間(4月1日?)は、以下のとおりです。スカイパーフェクTV!
の受信環境があれば、どなたでも無料でご覧になれます。
【月?金】18:30?21:30/23:00?24:00
【土・日】21:00?24:00
http://www.ch-sakura.jp/index.html
885 :
吾輩は名無しである:2007/04/06(金) 21:53:11
しかし、そうやって一生かけて考えた結果が”漂えど沈まず”なんていう、
寄る辺のなさを寄る辺にするという貧弱極まりない思想に過ぎなかったと
いうのはなんとも寂しい限りだ。
確かにくだらない。
つまらない言葉だし、だいたいがそれ、いわば処世術の謂で、
思想の名に値するものでもないしな。
けれど開高の場合俺は、このひと疲れちゃったんだろうなぁと、
割と好意的に見てしまうところがある。
知っている人間だものね彼、飢えも、本当の戦場も。
でもだからこそより一層嫌いだ、逃げたコイツの、
そんな様を殊更にもて囃す、およそ知覚や知性といったものとは無縁の、
あの俗物連中がな。
887 :
吾輩は名無しである:2007/04/06(金) 23:24:22
20年くらい前かな、銀座の本屋でこの人のサイン会やってた。
本の題名も忘れてしまったし、自分は買わなかったので、サイン
している開高さんの後ろに立ってずっと見ていた。
無愛想な人で、愛想笑いのひとつもなし、差し出された本に黙々とサイン
するだけ。握手を求められれば手を差し出す、という感じ。
で、若い男性(多分、学生だと思う)が、新刊の本にサインしてもらった
後で、ボロボロになった文庫本(厚かましく覗きこむと「裸の王様」でした)
を黙って差し出すと、開高さんはサインしたあとに、なにやら人生訓のような
言葉はスラスラと書き出した(頼まれもしないのに)。
その男性は深々とお辞儀していた。
男性も開高さんもずっと無言。
優しい人なんだな、と思ったりして。
10分近くその場にいたけど、とうとう開高さんの声を聞く
ことができず。
888 :
吾輩は名無しである:2007/04/06(金) 23:28:07
言葉はスラスラと書き出した(頼まれもしないのに)
訂正→言葉を でした。
889 :
吾輩は名無しである:2007/04/07(土) 00:35:33
細かい訂正ウザス
>>887 案外、照れてただけかも?(笑 視線を感じて。
それと、人間性も確かにあるのだろうが、適合して生きている
(生きてゆける)者たちを傷つけない物云いを重ねてゆくことで
蝕まれたものも、間違い無くあったと思うな、俺。
本来なら最悪の相性でしょうよ、週刊誌、人口に膾炙することと、
文学者としての資質なんて。
なーんか、開高については、もったいなかったなという気持ちがいつも。
卵と鶏、どちらが先だったのかまでは判らないが。
ちなみに、丸谷はそこまでは思わないwww
嫌いじゃないけどね。
891 :
吾輩は名無しである:2007/04/07(土) 03:32:30
>>887 あぁ、開高の人となりが感じられるルポだな、サンクス。
本しか読んでないけども
シャイな部分を失っていない人なのではと感じていた。
太宰治が言う「含羞」と書いてハニカミとルビをふりたいと…
その「含羞」こそが
当人は関知しないのに傍の者だけが感じ取る人間の最も美しく繊細な何かだと思うが
開高にも確かにそれがあったのでは…と、想像していた。
三島由紀夫にもあるな。
誰であれ、己のコトバを世に問わんとする者なら、その社会的な機能に対して
無自覚であることは、絶対に許されない。コトバを用いる者にとっては常に、
愚かさこそが最大の罪だ。――云い換えるなら、なにより知性こそがその者の
人としての価値であって、本人の処世とも不可分の「人柄」をとかく云々する
なぞ、実につまらないことだと俺は思う。
「存在」への想像力が問題なんだ、いつも、どいつもこいつも。
893 :
吾輩は名無しである:2007/04/07(土) 08:19:50
開高には近代以前から人が持っている何事かを
自分の寄る辺にしたいという考えがあったように思う。
食べることに異常な執着をみせたり、
アパッチ族やベトナム人といった土俗的な人々を題材にしたり。
アマゾンで釣りをするのもその一環だろう。
わからないのは、なぜそれがうまく結実しなかったのかだ。
なぜ開高の玉は砕けてしまうのか?
894 :
吾輩は名無しである:2007/04/07(土) 10:42:52
>>891 作家の資質としては最も重要なものだな。
>>893 食うことに執着したのは、深刻な飢餓体験が開高の原点だからだ。
少し、出自を調べてみるといい。
結実する為のトライではなく、どうしてもそうならざるをえない
いわば作家の "業ゴウ" として、開高の場合、食うこと、があった。
そこから離れられなかった。
そうやっていつまでも、触れるものだけを拝んでいろ。
897 :
吾輩は名無しである:2007/04/07(土) 14:59:34
>891
太宰や三島とは表し方が違うだけで、根本はそうかもしれませんね。
何かこの人の最後って、大衆時代小説の池波と同じで
どんどん萎れてくたびれて行ったイメージが強い。
池波は仕事と白血病の前兆に蝕まれたのは死後頭の中で繋がったけど、
この人がくたびれたのは一体何だったんだろう・・・?
アホかw ってか、どうせ太宰を持ち出すのならこっちにしておけ。
私は、世の学問というものを軽蔑して居ります。たいてい、たかが知れている。
ことに可笑しいのは、全く無学文盲の徒に限って、この世の学問にあこがれ、
「あの、鴎外先生のおっしゃいますることには、」などと、おちょぼ口して、
いつ鴎外から弟子のゆるしを得たのか、先生、先生を連発し、「勉強いたして
居ります。」と殊勝らしく、眼を伏せて、おそろしく自己を高尚に装い切ったと
信じ込んで、澄ましている風景のなかなかに多く見受けられることである。
あさましく、かえって鴎外のほうでまごついて、赤面するにちがいない。/『女の決闘』より
他のスレでも何度となく書いてきたし、また飽きずにここに繰り返しもするが、
「〜センセイ曰く」はキモい。とりわけ人柄云々の流れでミシマの名前なんぞ
出された日にゃ、こちとら半日がとこ、胸のムカツキが止まらねえよ馬鹿共がw
書かれたものだけが全て。
開高の晩年が無残ばかりだったとは思わない。確かに未完の『花終る闇』などは
散漫な感じを受けたけれど、所詮本人の意思で世に出されたわけではないし、
絶筆の『珠玉』などはすばらしいと思う。
901 :
吾輩は名無しである:2007/04/07(土) 21:29:34
書かれたものだけが全て
それ、三島スレで強調してやんなよ。
クスクス
保守
ジュピター交響曲は
ワルター=コロンビア響とクーベリック=バイエルン放送響のどちらがいいですか?
この人の講演テープ図書館から借りて聴いてるけど
落語のような味わいがあるね。
映画『巨人と玩具』を見たんだけど、
アポロの不祥事って原作でも工場火災だったっけ?
今原作が手元にないので、教えてもらえるとありがたい。
映画はかなり芝居がかっているシーンもあったけど、
勢いで最後まで見せられてしまった。
そしてワールドキャラメルの変なCMソングが未だに頭を離れない……
高校時代?に大車輪を向井敏その他の前で披露したり、
サントリー時代草野球でサードを守ったり
運動神経もかなり良かったんだね。
まあ文学に関係ない話だけど。
単なる青瓢箪じゃなかったわけね。
ちなみにサントリーの草野球は文壇一の野球通だった山口瞳が監督だったから、
内野のセレクトはかなり厳しかったと思う。
909 :
吾輩は名無しである:2007/05/04(金) 18:06:06
>>907 中学時代は器械体操部だからな。
青瓢箪どころか、運動神経はかなりのものでしょ。
夏の闇読み終えた。
満足感をともなう、なんとも言えない気持ちに浸っていたが、
解説がCWニコルだったのに気づいて「プッ」ってなってしまった…
ニコルも好きなんだけどね。
911 :
吾輩は名無しである:2007/06/04(月) 17:31:27
912 :
吾輩は名無しである:2007/06/12(火) 13:37:10
>>911 先週見て、それだけかと思ってたら、シリーズなんですね。
ちょっと楽しみが増えた。
今日も録画しなくちゃ。
913 :
吾輩は名無しである:2007/06/27(水) 05:39:26
大学の先輩だ
ついでに大阪市長は学部も同じ
914 :
吾輩は名無しである:2007/06/27(水) 12:23:22
書いてることはかなり嘘が多い
『夏の闇』は駄作とは言わないけど、一人称語りにする必然性はあまり無いと思う。
主人公の視点と「全能の作者」の視点がごっちゃになってて統一感がないというか...
916 :
吾輩は名無しである:2007/07/07(土) 08:43:19
鋭いね。
>>916 君はどう思うの?
一種の技巧としてああいうやり方をしてるんなら分からないこっちが悪いってことになるだろうけど、
はっきり言ってあれは「開高の面白さ」ではない。
どんなカオス的世界を過剰な形容で表現しても何故か統一感を感じさせるのが開高なのに...
918 :
917:2007/07/07(土) 15:44:20
ごめんちょっと言い方がきつかったな...
919 :
吾輩は名無しである:2007/07/08(日) 10:39:18
916では無いが、「全能の作者」の視点というのは、例えばどこを
指していっているんだろうか?
具体的には思い出せないけど、過去を表す現在形を多用しすぎたり、
(過去形基調で肝心なところだけ現在を使うのが普通)
「主人公が体験したように」描写していない箇所があまりにも多いので...
司馬遼太郎みたいな「実況中継」スタイルなら現在形を多用してもいいけど、
普通の小説、まして一人称語りではまずいと思う。
逆にほとんど現在形で書くという手もあるけど。
光文社文庫の「開高健ルポルタージュ選集」の登場は嬉しい。『日本人の遊び場』は
たまたま持っていなかったし。読んでみて、やっぱり素晴らしかった。開高は
フィクションよりもルポの方がいいっていう人もいるくらいだから。『サイゴンの
十字架』も楽しみ。
924 :
吾輩は名無しである:2007/08/10(金) 14:04:08
芥川賞取ったら日本にいればいいのにそれをしないでベトナムに行く開高は神
日本国内が平和になりすぎて海外にネタを求めに行ったってのが真相じゃないの。
それでもいいんじゃないの?
ルポでもあえて戦場に行くというのは、今では死語かも知れないが、「男らしい」と思う。
春樹がヘミングウェイの「ネタを求めて冒険」路線を「テレビのなんとか探検隊と同じ」って批判してたけど、
あれって遠まわしな開高批判なんだろうな...
928 :
吾輩は名無しである:2007/08/11(土) 07:20:53
>>927 ダンス…に出てくる小説家、モロにモデル開高だと思う。
既出ネタだが、自分もそう思う。
まあ奥さんも芸術方面の人間なのは同じだし。
娘があんな子供なのかどうかはともかく。
村上春樹も最前線へ行ったらいいと思う。
どっちみち開高が「カオス」しか描けない作家なのは間違いない。
きちんと読んで言っているのか?
うん。
美食ものとかも調和の美しさというよりはあの過剰形容を楽しむ感じだし。
好きな題材がカオスってだけで
開高の作品がカオス同然ってわけじゃないのに。
「カオス」なる言葉の意味しているところが曖昧すぎるけどな。
でも、普通の意味で「カオスしか描けない」ってことはないだろう。
「過剰形容」というのも全否定するわけではないが、開高の文章は
どちらかと言えば明晰な方じゃないか?
じゃあ「混沌とした状況」。
戦後の動乱期とかヴェトナムの戦場はもちろん、アマゾンの自然だって
(本来は調和した世界だとしても)淡白な日本的感覚からすれば
十分「混沌と」してるし。
「過剰形容」に問題があるなら、「他の作家なら過剰形容になりかねない
畳み掛けるような修辞」にしとくか。
開高の場合はそれをごく自然に感じさせるところに凄さがあるわけだから。
開高の作品世界を混沌と見るのは表層的にすぎる。
彼は全体状況ではなく細部に力を注いだし、そこにこそ価値がある。
混沌を描いたわけじゃない。
修辞が過剰なのは同意。
でも「終戦直後の日本社会の大混乱状態」が開高の原点なのは確か。
「やってみなはれみとくんなはれ」みたいな「社史」でも
それがしっかり出てくるんだからよほど描きたいとしか思えない...
「混沌とした状況を題材に理路整然とした作品世界を作る」って言うのはいえると思う。
「過去と未来の国々」や「声の狩人」が好きなひと、いませんか?
942 :
吾輩は名無しである:2007/08/30(木) 21:20:56
┌v ''''i''''v┐
(. ){. | } .)
. ( .)゙'ヽ_,ノー' 黒飴イラネ
. `ー' ,、.┴┴ 、
ノ >-─|<`ヽ、
く へ, V、_,/
(⌒ヽ\ノ,〉 >'、\/⌒j
{ ヽ、 テ彡⌒ ⌒} ノ |
| } 丶 . .,,___ノ、ノ/{ i
|. { ||| } |
⊆ニゝ ●〜* ヽニ⊇
943 :
吾輩は名無しである:2007/08/30(木) 22:00:15
944 :
吾輩は名無しである:2007/08/31(金) 03:50:31
>>943 こうして見ると花森安治の文体と似てるような気がしないでもないな。
やはり同じコピーライター出身という属性のなせる業か。
>>943 ある意味、「それ以上」のことをしてしまったわけだから。
面識が全く無い山口瞳に洋酒天国と宣伝部を任せて、
「トリスを飲んでハワイへ行こう」だし。
946 :
ヤマモト ◆YyoUezf27o :2007/09/01(土) 12:24:23
私がこのスレを立てました。
時々見に来ます。
このスレも最終盤にさしかかり、なかなか感慨深いものがあります。
いまだに再読三毒しているのは、「ロマネコンティ」です。
小説は細部の集積ですが、長編を書いても単に「長い細部の集積」
にしかならない開高健の本領は、短編でこそ発揮されるものなのでしょう。
珠玉は、拙さが痛ましすぎるので読みません。
たぶん、『夏の闇』が開高の限界だったのだと思う。
別のスレで「主観」を前面に押し出した作品だと言われたが、
どっちにしてもテキストに統一感が全く無い失敗作だし、
第一開高に「心象風景」とかは向いてない。
948 :
みちる狩人:2007/09/01(土) 12:42:50
>>946 ヤマモトよwwwwwwwwwおめぇが立てたのかwwwwwwww笑わせるぜwwwwwwwwwwwwwwwwww俺様のほうが開高よりレベルはたけぇからなwwwwwwwwwwをどりゃ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
最後になって荒らしか。
>>943 「共和主義で上下関係の無い会社」が今まで生き残っている筈は無いと思うがな
高橋f死去ってほんとか?
本当らしい
闘病してたんだってね
953 :
吾輩は名無しである:2007/09/08(土) 15:50:22
晩年はノーベル賞がほしくて
ジタバタしたみたいですね
954 :
吾輩は名無しである:2007/09/08(土) 16:56:15
開高健の人生を一言で総括すると、「日本のヘミングウェイになろうとして見事に失敗した人」
でありましょう。
スペイン内戦に参加したヘミングウェイに憧れてベトナム戦争を見物に行ったが、吉本隆明に「こ
の男は何をトチ狂ってそんな必然性のない事をしてるのか」などと批判され「吉本さん、左翼なん
だから革命を起こしたいのだろうが、革命だって正気じゃできないだろう」などと意味不明な反論(?)
をしておったなw
ヘミングウェイやサルトルみたいにパリで活躍する国際的作家に倣って、パリにも行って、コーフン
して一晩街中歩き回ったが、別にすることもないので、コールガールに煙草の火を借りて一服して終わり。
アウトドア嗜好も真似てみたが、アフリカで猛獣狩はムリなので、頑張っても「オーパ!」程度。
(まあ、あれはそれなりに面白かったけど。)
早くに才能が枯渇してしまい、週刊プレイボーイで人生相談を始めるが、相談者から「こんな仕事して
る暇があるなら小説書いたらどうだ、あなたもそれなりの作家なんだから」などと言われて頭を書く始末・・・。
あ〜あ、なんだか書いてて気が滅入って来たので、もうやめます。
955 :
吾輩は名無しである:2007/09/08(土) 20:01:02
かなしいね
956 :
吾輩は名無しである:2007/09/08(土) 20:28:39
違うのはコピーライターとしての成功...
失敗してる方が作家としては魅力的だと感じる、俺のような読者もいる。
人生とは混沌や
みんな貧乏な日本が悪いんや!
>>954 やってることは似てたけど、ヘミングウェイとは文体が真逆だよ。
晩年に失速したというのは、ヘミングウェイもフィッツジェラルドもみんなそうだけど。
開高は若いときはレトリカルな文体で巧緻な構成のある小説を書いてたけど、
だんだんしまりがなくなっていった。釣りエッセイにしても、「フィッシュ・オン」の
ときは本当に美しい文章を書いていたのに、「オーパ・オーパ!」の頃はもう
なんかおっさんが酒場でくだ巻いてるみたいになってたね。
962 :
吾輩は名無しである:2007/09/15(土) 01:59:39
この前、NHK教育テレビで見た、
「書きたい事がないんですよ〜。
どうすればいいんですか?」って、
相談してる映像は痛々しかった。
963 :
吾輩は名無しである:2007/09/15(土) 03:04:40
三島由紀夫が「輝ける闇」を読んで、「想像だけでこれを書いたらたいしたものだが、
ヴェトナムを現地取材して書いたならどうってことない」って嫌味を言ったらしいけど、
開高健の最大の弱点は想像力の欠如、ストーリーテリングの才能の欠如だったな。
大岡玲なんかは「開高は求心力でなく遠心力の作家だった」と擁護してたけど、
どうだろね。ルポルタージュ作家としては近代日本最高の識見、学識、文体をもった
人だったけど、小説家であるということにこだわりすぎた気がする。
釣りとか美食とか女とか
いろいろやってるけど
本当に楽しかったのかな?と
疑問に思う
奥さんから、
「このスープ飲まんと、癌、治らへんでェ〜!」
と、病院で、どやされた。
開高先生は、自分が癌だと知らされていなかったから、大きなショックを
受けた。そして、精神的ショックから立ち直ることのないまま、亡くなら
れた。痛ましいと思うと同時になぜかユーモアを感じてしまう私は、
不謹慎でしょうか。
>>964 美食に関して言えば、「何を読んでも同じ」感がぬぐえないのも事実だな...
まあ大抵の美食本は(味覚が極めて個人的・主観的な領域に属する以上)
かなりその著者本人が前面に出る類のものだけど、開高の場合は特に。
小説で美食ってそんなあったっけ? 「ロマネ・コンティ」くらいのような。
「輝ける闇」に出てくる鳩とかカニで飲むビールはうまそうだけどね。
あとはおでんのアオヤギだのイナゴだのライギョだのって感じ。
「珠玉」にいたっては酒の肴がポテトチップだしw
ただ釣り紀行は食べ物がほんとおいしそうだ。ドイツのマス、ブラジルのツクナレ、
ピラーニャ、カニ、仔牛の野焼き、カイ・ピリーニャ、アルゼンチンのアサド、ワイン、
アラスカのキングサーモン、タイで釣るマナガツオの味噌漬け、石斑魚、NYの寿司、
モンゴルのプレイリードッグの煮込み、エトセトラ、エトセトラ。
釣りにそれほど興味がない俺は釣りの部分より食べ物のことを書いてあるところに
ばっかり目が行ってしまう。
968 :
吾輩は名無しである:2007/09/17(月) 10:16:09
「新しい天体」は読んだかい?
食べる話は発酵食品の先生の小泉武夫が
受け継いでるね
叔父の影響で開高フリークになり20年。
運のいいことに殆どの作品を初版で読むことが出来た。
当時発売されたVHSも暇があれば見ている。
自分にとっての金言が散りばめられたものばかりです。
971 :
吾輩は名無しである:2007/09/21(金) 18:41:49
開高記念館でビデオ見れるよ
すみません、
ここからの書き込みはよく吟味してください。
あと30発切りましたんで。
死を目前に意識した開高の心を文章で読みたかったな。
むごい話だけれど、山口瞳の「男性自身」の最後のあたりなどを思ってそんな想像をする。
自分の死を冷静に書けただろうか。それとも取り乱しただろうか。
まあ、死の周辺はなにもかも、牧羊子氏に隠されてしまったが……
974 :
吾輩は名無しである:2007/09/22(土) 02:03:50
何様なんだかw
ウメ
読者様だろ。
976 :
吾輩は名無しである:2007/09/22(土) 18:42:38
芸術は長しと言へど逝きし後は
寄せては返す波の音のみ
>>973 自己の内面とかを書くのがあまり得意でなかったみたいだし,
山口瞳みたいな傑作にはならなかったと思う.
漂えど沈まず
fluctuat nec mergiturだっけ?パリ市の標語だよね。
開高の仏文学の知識は形而上学系と暗黒エログロ系に偏ってる感じでいかにも「らしい」。
悠々として死に急げ