文学作品の読み方教えてください

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68ミステリ板住人 ◆A4jsQTgi.Q
>>66-67
私の考え方に相当反感を持っているようだが、内容はきちんとわかりやすく整理されており、
読ませるレスになっていると思う。気が付いた点を記しておく。
>思想、教養としての「文学」(を読むこと)
こういう読み方が誤りであるのが前提であるかのように論が展開されているのを
非常に奇妙に思う。
「歴史」という時の審判を経た「古典文学」は既にある種の権威として確立して
いるのは否定出来ない事実であり、これを読み解くことが、自己の精神的鍛錬となり
結果的に教養足り得るのを否定する理由は何ら存在しえないのである。
また、読むことで常に新しい側面を見出して行く必要があるかのような論も納得が
行くものではない。
このような「読み方」は、時に作品のテーマ・本質を見落させる恐れがあるからである。
>ミステリを一緒くたに読み捨てと呼ぶミステリ板住人の強圧的な物言いはその
>権威への盲従に因っている。
では、読み捨てでは無いミステリとは何か、具体例が何ら挙げられておらず、
説得力が感じられない。
69ミステリ板住人 ◆A4jsQTgi.Q :03/03/23 15:14
>まず、読むことから始めるべきであり、その後、作者を調べるなり当時の時代を
>調べるなりは、それぞれの読者がやることであって、「事前学習」などという
>ものを要求するのは理解できない。
>何度も読み返しつつ、作品とつきあうことから始める方がいいと思うね。
あなたの主張の核をなす部分であると思うので、あらためて反対の意思を表明
しておきたい。
「事前学習」無き「読書」は、テーマの誤読、時代背景等の知識不足による挫折等
の要因になることが多く、言わば、害多くして益無しである。
ドストエフスキースレに、「罪と罰」を数週間かけて読んだ旨のレスがあったが、
この作品は時間を取れる時に2日程度で読み切ってこそ、ラスコリーニコフ
が感じたであろう緊迫感を共有出来るものであり、これが結果的にテーマの読解を容易ならしめるものである。
いたずらに読破に時間がかかってしまうのは、事前学習の不備(登場人物の一覧、
ペテルブルクの地図等を座右に備えておく等の作業も含めて)に起因するものと考えられる。
仮に漠然と読み切ることが出来たとしても、それは単に物理的に紙に印刷された文字
を機械的に目で追ったに過ぎない行為と言えよう。
事前学習無き濫読は、失禁状態に等しく、得るものは無いと言える。
>ところでテクスト論的な読みというのを、作品にまつわることの調査なしにする
>研究だとミステリ板住人は誤解しているかも知れないが、ある程度の読みを
>するには、当然それらのことは調べるものだ。
事前であると、事後であると、作品に関する調査・分析がなされるのは当然のことかと
思う。
問題は、その「時期と深さ(範囲)」である。
テクスト論は、とかく作品そのものに拘泥しがちであるが、時代背景・思想、作者の
個人的プロフィール等を総合的に勘案してこそ、初めて「読解」という行為を
可能ならしめるわけである。
時代や作者を離れた作品は存在しないことは、文学板住人なら、とうに御存知の
ことかと思う。