>>34 ありがと。マルローが人気ないのではなく、私の書き込みに問題があるという
自覚があるw。しかし、ことしの読書日記がわりに必要なこのスレは、私なり
にメインテナンスしておく。
ただし、空揚げはマルローに恐縮なので、ネタふたつ振り込んで。
その1.
「歴史へのかかわり」、その「昂揚感」ということから、やはりすぐ本邦で
思いつく作家は、石原慎太郎よりもミシマ。たぶん石原慎太郎がなろうとして
なれないミシマ。
暮れから年始のあいだ雪が降って、東京の街が昔のように寒くなり、塵あくた
が静かに白い綿に鎮められるのを見ると、確かに恋しい人を呼び出して馬車で
駆けたいような気分に私もなるw。で、『春の雪』を再読したが、問題意識を
抱えていると本の読みどころも変わってくる。甘やかな耽美の世界を楽しみ
つつ、目に留まったのは、前はあまり意識しなかった清顕と本多の歴史を
めぐる会話。――このエピソードは、例の雪の朝の接吻の翌日に当たる。
本多は、歴史というものは、通俗的一般的な信仰が、ある時代をあとから総括
的な真実として定義してしまうのだと嘆く。つまり、崇高でありたいと願う
自分たちの感情生活も、自分たちが軽蔑している者たちの感情生活もいっしょ
くたに扱われることを嘆く。自分たちが何を考え、何を願い、何を感じても
歴史はそれによって動かされないのだと嘆息。
「しかし、西洋人は、ナポレオンの意志が歴史を動かしたという風にすぐ考え
たがる」と指摘したあと、彼は「全くの無意志的な歴史関与を考えている」と
つづけ、人間の意志は本質的に「歴史に関わろうとする意志」だと論を発展
させていく。
――読書家のミシマだから、当然マルロー『西欧の誘惑』も読んでいた
だろう。レス28に書き出した、キリスト教的価値観と東洋思想の差違が、
歴史観に投影されて書かれていると見た。
「豊饒の海」とマルローをパラレルに読む試みが面白いかもしれない。
その2.
日本で作家の殿堂入りといば、日本芸術院入りとか文化勲章受賞なんて
ところが思い浮かぶが、ヨーロッパというのは面白いね。「墓廟」なのね。
ウィーンの墓地散歩を楽しんだことはあるが、このことは初めて知った。
日経新聞の海外新刊の記事で、デュマの遺骨が11月30日、式典の中パリの
パンテオン聖堂に移されたということを読んだ。「作家ではルソー、ユゴー、
最近のマルローに続いて6人目」という記事だが、あとは誰だろうと思って
いたら、さっき他スレに貼ってくれていたリンクのおかげで、ひとりは
ゾラだということがわかった。あとひとりは、バルザック?
とまれマルローはある意味、歴史にかかわろうとして歴史の一部となれた
作家なのだということが明確な形で証明されている。
(^^)
39 :
吾輩は名無しである:03/01/22 04:36
(^^)
『バンドオブブラザーズ』が『希望』に近いテイストを持っています。
42 :
吾輩は名無しである:03/02/11 13:07
マダムBは「〜的」ばっかり。
43 :
吾輩は名無しである:03/02/13 21:14
ニザンあげ
44 :
文学の立場 ◆vSpeJ6K3LA :03/02/14 08:17
新参者ですがよろしく。
>>35,36興味深く拝見しました。
ここで論じられている三島の態度は、歴史を「主体的に参加し得ぬもの」という形で捉え、
存在は「語られる/語られぬ」という形で選別されると考えている。
しかしどの様な形であれ歴史自体は語られており、「歴史を語ること自体の不可能性」
に直面していないと思われます。三島がある種の「偽史」を語り続けたのは、
たとえ偽史としても歴史は語りうるという意識があったからでしょうか。
対してマルローは歴史を「語り得ない感触」として捉えていたのではないかと思えます。
46 :
吾輩は名無しである:03/03/03 18:46
aminadabu
――「しかし、マルローは間違っている」とジャコメッティは
粘土を刻む手を休めずにぼくに向っていう。
「マルローは、芸術とは現実を把握するものではなく、現実以外の
ところに想像力によって美を見出すものだと考えているが、エジプトや
ギリシャの美術が見事なのは、彼等古代人が想像力をもっていたからでは
なくて、現実を把握する力をもっていたからだ。様式とは後代の人が
見出したものであって、古代人自身の意識にはなかったものだ。
私が求めているのは様式ではなく、眼に見えるものを見える通りに実現
することだ。(略)
私がはじめて細長い彫刻を発表したとき、人はこれを私の様式と呼んだ。
人々は誤解して、細長い形は形の面白さを目的にして発明されたものだと
思ったのだ。しかし私は自身の彫刻を細長くしようと思ったことは一度も
ない。私はただ現実の生きた人間に少しでも似ている彫像を得たいと
思ったに過ぎない。細長い様式はその結果であって決して原因ではない」
(矢内原伊作『芸術と芸術家』にはさんであった「矢内原伊作の本 月報
3号」辻まことによる書評より孫引き、原文は『芸術家との対話』にあり)
48 :
吾輩は名無しである:03/03/03 19:48
perukann age
49 :
吾輩は名無しである:03/03/05 19:05
皆で日仏の架け橋、マルローを語ろう!
マダムBじゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ひさし鰤!!!
51 :
吾輩は名無しである:03/03/18 00:19
死んだ・・・
パケット料金に
お久しぶりです。
実はカンボジアにいこうと思って初めての海外旅行に出かけたのですが、
結局、タイに行っただけでした。
タイ初日で怖気付きカンボジアなんてとても行けないと思ってしまったのです。
20日ほど行っていたのですがその間に『人間の条件』を読み終えました。
そんなこんなでまた少しずつ書き込みしたいと思います。
53 :
吾輩は名無しである:03/03/19 03:36
>>52 カンボジアに行ったらぺルカンの写真うpキボンメ!
(マルローが盗もうとした像でも可)
54 :
吾輩は名無しである:03/03/19 03:46
↑誤爆スマソ。
ペリカンと間違えた(ワラ その代わり、モイ族の集合写真キヴォン!
>征服者さん
ああ、いいなー。
そういう動機で旅行する人、好きです。
前にあなたが、26のレスで蚊の屍骸がはりついた
文庫本を読んでいる…と書いているのを見て、
その本、とあるビジネスマンが商用で出かけるとき、
さまざまなプレッシャーのなか支えにして読んだ
ものかも…などと想像してみたりした。
いや、友人でずっとボルネオとかジャカルタで
木材買いつけの仕事をしている男性がいて、
前によく真情を吐露するような手紙を寄越して
いたのですよ。奥さんもらう前に、ね。
「こんな場所で、こんなブロークン英語ばかり
使っていて、将来あるんかな」みたいな。
――で、ちょっと書いてみたくなった。
いろいろ書き込んでください。楽しみにしています。
56 :
吾輩は名無しである:03/04/04 16:56
征服者のレス希望
すみません。レスをつけたいのですが心身ともに疲れていることが多くて・・・
タイ各地のの安ホテルを転々としながら『人間の条件』を読んでいました。
マルローみたいな冒険に憧れるという今思うと、けつの青い旅行でしたが、
日本ではとても味わえないような様々な体験(ボッタくりとか売春の勧誘)
なんていう別に誰でも経験するようなことでもいちいちショックを受けて
とても『行動的ニヒリズム』なんていってられない自分のうぶさに恥じ入る
毎日でした。
私みたいな文学青年というのは単に現実に盲目なのだと痛感しました。
ああ、西欧人ってタフだな・・・。それが実感です。
都市部の人々は完全に資本主義で人間性を損なわれているというのが
強い印象として残っています。
でも一歩地方に出ると純朴なタイ人が沢山いました。
彼らがそのままの純粋さで生きていけるような社会であって欲しいと思うのですが
走ってる車は8割以上日本車なのにはうんざりしました。
日本の資本が彼らのこころに侵食してゆくみたいでせつなかったです。
なんだかんだでマルローの描く『革命』は資本主義に対する『革命』
なんじゃなくて、『人間の尊厳回復のための革命』なのかなと思いました。
理想の社会なんて彼は結局信じていないのでしょう。
なんで、私のマルローへ思いは複雑です。
>マダムBさん
将来を愁うるっていうのは案外贅沢な悩みなのかもしれません。
58 :
吾輩は名無しである:03/04/06 21:21
59 :
吾輩は名無しである:03/04/11 01:15
蒋介石の写真まーだー?
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
三島由紀夫Part4スレからコピー
187 :吾輩は名無しである :03/05/09 23:00
フランスのある程度の知識人なら、文化相を務め、遺骨がパンテオンに
祭られている
国家的作家アンドレ・マルローの「反回想録(アンチメモワール)」ぐらいは
読んでいるだろう。
その出版は一つの社会的事件でもあったからね。
三島の死に大きな衝撃を受けたマルローが、上記の書物に追補をした
のは有名な話だ。
モーリス・ベジャールはこう語っている。
「マルローと三島を近づけるものは何か。三島はマルローのような
生き方を望んでいたし、マルローは三島のような死に方を望んでいたと
いうことだ。」
やっぱり『豊饒の海』とパラレルに読む意味があるのか。
行頭がずれた。すみません。
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
64 :
吾輩は名無しである:03/06/29 21:37
人間の条件のフェラルはいいなあ。
退廃的なブルジョワ知識人に正直あこがれます。
65 :
吾輩は名無しである:03/07/04 00:18
20世紀の『戦争と平和』は『人間の条件』という気がします。
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
(^^)
68 :
吾輩は名無しである:03/08/02 18:02
age
(⌒V⌒)
│ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
⊂| |つ
(_)(_) 山崎パン
あげちゃうもんねー
いま「人間の条件」読んでるけど、すっげー面白い!
上海の雰囲気がよく現れてるね。
マルロー、たしかにしびれるねー。
パンテオンにも祀られてるって、このスレ読んでてはじめて知りました。
ううっ、この前パンテオンに行った時は気付かなかった・・・。
保守。
★保守☆
マルローって最初は幻想的な短篇みたいなものを書いていたんだよね。
以前福武文庫で『三つの王国』とかいう翻訳があった。読んでないけど。
それが突然?行動の文学みたいなのに走ったのはどういう契機があったんだろう?
実を言うとマルローって一冊も読んでないんだよね。
最初に読むには何がいいかな?『人間の条件』読んでみたいね。
上海の気分を味わいたい。
『三つの王国』×
『風狂王国』○
76 :
吾輩は名無しである:03/11/21 01:00
あげえ
guu
希望は、煙草の煙の中で、とぐろを巻いていた。
(うる覚え)
なつかしいわ。
79 :
吾輩は名無しである:04/01/17 19:33
マダムBは柴田理恵にクリソツらしいよ
80 :
吾輩は名無しである:04/02/18 01:01
京王線で人間の条件おっぴろげて読んでいるのは俺だ。
ス・テ・キ!
82 :
吾輩は名無しである:04/03/22 15:35
いい英訳ない?
最初に何読んだらいい?
83 :
吾輩は名無しである:04/03/24 16:03
希望
84 :
吾輩は名無しである: