(続き)
読ませるということ、読ませる力、勢いがあるということは、
やはり細部が描けているということか。
少年と(仮想姉の)さくらと知り合うところも、ナカタさんと星野青年との出会いも不自然ではない。
そして、さらにさりげなくポイントとなる言葉を忍び込ませる。
>なんに意味があるかといえば、私たちがどこから来て、どこへ行こうとしているかってことでしょう。
違う?(さくら)
>おじさんは俺という人間を変えちまったからだ。(略)
面白いと思わなかった音楽が、……ずっと心に沁みるんだ。(星野青年)
「ワンダーランド」では二つの物語が融合できたとは言い難かった。
「カフカ」はそれよりも統合感はあるな。
技術があるんだな。うまくなってるんだなと思う。
しかし、「予言」「入り口の石」とか、春樹のメタファーといっても、
やはり、それは物語の装置の一部としか思えないな。
それはカフカの「城」が何のメタファーかと言っても、
百人百様の解釈があるっていうのとは決定的に違う。
カフカへのオマージュでもあるのは確かだろうが、
ただ春樹くんは凡庸な均衡感覚を持ちすぎていて、安全地帯から出てないんだよな。
だから、ガツンがない。「城」のようなガツンがない。
まあそこまで期待するのも、
やれやれ……、ってなもんだけど。
9月にまた新作が出るらしいが、
また読んでしまうかもしれないな。
やれやれ……。
931 :
吾輩は名無しである:04/08/17 05:49
(続き)
これってエロゲーが元ネタなんだってね 天下の村上乙
っつーか文学者のくせにエロゲからパクってくる時点で才能枯れてる
エロゲーからパクってるソースくれよ
どうだろう。
エロゲーのシナリオライターが春樹をリスペクトしてる
という雑誌記事を見たことはあるが、逆はないのでは。
場面 学校またはバイト先など
ちょと可愛い女の子登場。ちょっと頭が悪そうだが、本を読んでいる。
側にいるアホな男の子が、女の子に話かける。
「何読んでるの?」
「ハルキ」
「ハルキってエロゲのパクリなんだぜ」
「どこが?」
「どこがって、……いろいろさ」
「だからどこがって聞いてるじゃん。読んだことある?」
「あるから言ってるじゃん。今忙しいからさ。明日教えてヤルヨ」
アホな男の子、家に帰って必死でハルキを読む。読もうとする。
これで可愛い子に尊敬の眼差しで見られるのは間違いなし、で、うまくいけば家に連れ込んで一緒にエロゲをやって、
そのうちウマイことなって……。
しかし、アホな男の子は次第に暗い気分に陥ってくる。
エロゲかラノベしか読んだことがないから、ハルキが読めないことに気づいたのだ。
アホな男の子は自分がアホで読解力がないとは認めたくなかった。
そんなことを認めてしまえば、可愛い女の子にバカにされてしまうではないか。ニャンニャンどころではない。
結局読めないまま、女の子と顔を合わせることになってしまったアホな男の子は、話しかけられるのを避けていたが、
「教えてよ。昨日の件」可愛い女の子に聞かれた。
「エロゲのこと?今度一緒にやろうぜ。いろいろと教えてやっからさ」
「いいけど、でも先にハルキとエロゲのこと教えてもらってからね」
「だからさ、ハルキの元ネタはエロゲっていうのは間違いないんだ」
「どうところがそうなのオセーテたら」
「今時間がないんだよ。明日な」
そうして、アホな男の子の拷問の日々は続くのだった。
やれやれ……。
(真性 続き パート2)
三島由紀夫の「金閣寺」
と
村上春樹の「海辺のカフカ」
と
村上春樹、河合隼雄に会いに行く
どれが読書感想文に佳いと思いますか?
迷ってます。
なんでこの3冊かってのは、
お父さんがこの3冊を僕に買ってきたからです。
感想文書くの大好きなんですけど、全部読んでる時間が
ないので1冊に絞りたいです。
ご指導ご鞭撻の程をよろしくお願いいたします。
まず君が高校生なのか、中学生なのか、それがわからないけど、
感想文が書きやすいのは「金閣寺」じゃないかな。
というのも、テーマも構成もわりとはっきりしているからね。
単純に読みやすいのは対談の方だけど、内容的に本の中だけで収まるものではないし、
「カフカ」の文章事体は読みやすいけど、構造をかなりテクニカルに作ってるから、
感想文を手っ取り早く書きたいんだったら、ちょっと時間がかかるんじゃないかな。
(続き)
個人的には「カフカ」が一番いいと思うな。
「カフカ」を読む前は「ダンス」か「羊」と思っていたけど。
春樹は二系列あるが、それが次第に「ワンダーランド」や「カフカ」の方向に傾いてきたのではないか、
と考えていたのだが、最近それは変わらないんじゃないかと思えるようになってきた。
個人的な趣味からいうとダメなんだが)
「ノルウェイ」「スプートニク」というリアリズム系統のものは
「サリン」や「地震」の方へ行った気がするな。
ある意味では自然な流れかもしれない。ドキュメントという方向は。
しかし、これはカポーティが「冷血」を書いたのとは違うな。
あれを書いたことでカポーティは狂っちまったみたいだから。確か、そんなことを本人も書いてたな。
春樹はバランス感覚があり過ぎなんだな。
もっと突っ込んでいくとちょっと危なくなりそうな幻想的ものと、現実との吊り合いをとってるんじゃないかな。
バランスを取るというのは、安全地帯にいて、危険を避けることでもあるから。
だから、ガツンがない。
常識人の範囲を逸脱しない、ちょっと面白いものを書く作家だなあ、
という物足りなさが残ってしまうんだな。
ナカタさんはどうして猫さん達と
話が出来なくなってしまったの?
?
44章を読むべし。
確かに、? のところはあるが、
春樹のものとして、強いていえば一応そう分類できるという意味だ。
(続き)
春樹が巧みな作家であることは間違いない。だから、半ば騙されてる、と思いながらも、読み続けてしまうんだろうけど。
まず、冒頭のつかみがいいんだな。
>「それで、お金のことはなんとかなったんだね?」とカラスと呼ばれる少年は言う。
お金? 何かトラブルでもあったのか……。なぜ少年は「カラス」と呼ばれているんだ?
それは「僕」が家出をするために必要な「お金」だとわかってくる。(カラスもどんな存在かも)
ここで注意しなければならないのは、動機のことじゃないんだな。なぜなら、15歳の少年なら「家出願望」というのがあっても不自然じゃないから、むしろ、家出したらどうなるんだ、
という次の展開に興味が引かれていくことなんだな。
(実際は、その動機にも重要なものが含まれている、という二重構造になっているんだけど)
まして、
>タフ 運命 形而上的で象徴的な砂嵐
等々、これだけ意味深な言葉が置かれていると、これからどうなるんだ? と思ってしまうよな。
そして、1章。
ちょっとズルイよ、春樹。
>そしてそこには予言がある。それは装置として僕の中に埋めこまれている。
続いて、太字で(太字だぜ)
>それは装置として君の中に埋めこまれている。
だから、真面目に春樹を読もうとしている人の中には、「訳のわからねえこと言ってるんじゃねえよ、春樹」
という否定的な感想が生じたとしても、あながち読みが足りないとは言えないな。推理小説的な手法だからね。そういうのが嫌いな人はダメかもしれないな。(よくは知らんが、春樹をよく読む人は推理小説も読むんじゃないかな)
しかし、それがわかっていても、いいじゃないの、面白ければ。もうちょっと騙されみようよ、てな感じで読み続けていくと、
(第2章)
>文書はアメリカ国防省によって「極秘文書」として
なんじゃコリャ。この、なんじゃコリャ、がくせものだな。訳がわからん、と思える。
しかし、春樹だ。それは計算尽くだよ。
やれやれ、と思いながら、君は次のページをめくっている。
943 :
吾輩は名無しである:04/09/05 04:30
ただの駄作でしょ。長々と語るまでもない
944 :
吾輩は名無しである:04/09/05 04:52
浅田彰、いまだにフーコーがフーコーが、ってうるさ過ぎ。田舎臭いわよ、スネ夫ちゃん。
945 :
吾輩は名無しである:04/09/06 14:44
『少年カフカ』ね。『海辺のカフカ』の読者から寄せられた質問や感想に村上春樹が答えたのをまとめたっていうんでしょ。
ぼくは、村上春樹って、あの田舎くささと貧乏くささに耐えられなくて、どうしても最後まで読めないから、
田中康夫流に「読まずに評する」しかないんだけど、率直にいって最低のものだと思うよ。
『キャッチャー・イン・ザ・ライ』だって、旧来の野崎孝訳『ライ麦畑でつかまえて』は、やや古臭いものの威勢のいい語り口で、なかなかよかった。
村上春樹はそれを去勢しちゃったわけね。
たとえば、お得意の「やれやれ」っていう言い回しで、外に対する怒りを内なるあきらめに転化して流しちゃう。小説だって同じでしょ。
でも、たとえばノーベル文学賞が次に日本に回ってきたとき村上春樹が受賞する可能性は高いよ。海外でものすごく翻訳されてるから。
彼は、アメリカのミニマリズムを日本に持ってきて、いわば翻訳小説を書いてるんだけど、それをまた向こうに持っていくから、わかりやすいんだな。
そこはかとない日本的あきらめムードみたいなのをアメリカのミニマリズム風味で書く、と。
全共闘世代転向組の加藤典洋なんかは、そこに乗っかって村上春樹論を書き、一種の権威になっちゃった。
あるいは、上の世代でいうと、村上春樹は河合隼雄と仲がいい。
詩人の守中高明が、この河合―村上―加藤というのが最悪のラインだって言ってたけど、それは当たってると思うな。
河合隼雄に接近著しいジジイ・キラーの中沢新一とか、村上春樹の翻訳のブレーンである柴田元幸とかも、そこに加えていい。
それは、端的に言うと、反田中康夫的なものであり、反石原慎太郎的なものでもあるわけ。
つまり、闘ってるやつらを皮肉な目で傍観しながら、「やれやれ」と肩をすくめてみせる、去勢されたアイロニカルな自意識ね。
いまやこれがマジョリティなんだなァ。
久しぶりに読み返して気づいたんだけど
さくら姐さんがカフカくんに携帯電話の番号を渡すときの台詞が
「私の”携帯”の番号」と、”電話”を省略している。
俺も”携帯”とは言うけど、春樹ってこういう場合は必ず略さないと思ってた。
まぁ、他の部分は”携帯電話”となってるけどね
947 :
吾輩は名無しである:04/09/11 01:03:12
最近知りましたが、大島さんは性同一性障害というよりも、インターセックス(半陰陽)に近いようですね。
犬は吠える。されどキャラバンは進む。
しかし、ガス欠だ。
屁も出ない。
949 :
吾輩は名無しである:04/09/13 18:29:25
950 :
吾輩は名無しである:04/09/16 22:50:32
951 :
吾輩は名無しである:04/09/21 21:32:26
レディオヘッドのキッドAなんか聴いてるんだね春樹は。
ロキノン厨房、いや田中宗一郎程度のキモい駄文しか書けないんですね
RadioheadはOKコンピューター以前しか聴けない
953 :
吾輩は名無しである:04/09/22 16:34:42
カフカ少年とナカタさんは何故出会わなかったと思いますか?
エロイ人教えて。
954 :
吾輩は名無しである:04/09/22 16:40:26
たとえば、お得意の「やれやれ」っていう言い回しで、外に対する怒りを内なるあきらめに転化して流しちゃう。小説だって同じでしょ。
中国や韓国のあらゆる真実がネットで明るみになって
怒りがこみあげてる日本人が多いけど
こういう日本人の急増を危惧して
「やれやれ」「やれやれ」となだめているとしか思えない。
村上春樹って巧妙に中国とか在日朝鮮人とか
メタファーとして作品にとりいれてるけど
なんで我々日本人が中国人の心の闇とかを
やれやれとか言って受け入れないといけないの?
それって客観的に見たらすごい
中国人に対する差別だし、甘やかしだし
日本人が消耗していくだけじゃん。
955 :
吾輩は名無しである:04/09/22 16:44:10
956 :
吾輩は名無しである:04/09/22 16:48:48
>>930 そういうあなたのような人は
三島由紀夫とか読めばいいと思う。
春樹は三島になりたくないんだよ。
自分を抑制してるのがわかる。
意味不明
958 :
吾輩は名無しである:04/09/23 00:27:18
>>955 もともと血友病は男性にしかない病気。
だから大島さんは、ジェンダーの問題ではなくて、もともとセクシャリティからの問題。
厳密な定義では性同一性障害ではない。
交互に語られるカフカ少年とナカタさんの物語は、佐伯さんを求心力として間接的に出会う。
もし二人が直接出会っていたら、別の展開、物語になっている。
(書き手としては非常に難しい展開になるはずだ。収拾がつかなくなる恐れがある)
二人が出会わないということは、物語の構造上当然な帰結だろう。佐伯さんへと収斂していくのだから。
960 :
吾輩は名無しである:04/09/30 05:19:27
961 :
吾輩は名無しである:04/09/30 20:55:34
カフカ、文庫化まだでつか。
962 :
吾輩は名無しである:04/10/03 12:49:26
963 :
吾輩は名無しである:04/10/10 14:19:05
以前、文学板で「世界の終わり」はザミャーチンの「われら」のパクリだって
書いてあったから、読んでみたら、全然ちがった。釣だったのか。。。orz
村上は中国料理は絶対に口にしない。
ラーメンも餃子も猿脳味噌も。
そんな彼が「夜のくもざる」で、なぜ「朝からラーメン」などという
ラーメン好きにはたまらない詩を書けたのかは、深い謎である。
スレ違いだな。
966 :
吾輩は名無しである:04/10/11 22:58:12
上巻をもうそろそろ読み終えるのですが、まったく盛り上がりを見せません。
このまま読み進めたほうがいいですか? それとも二階の窓から投げ捨てたほうがいいですか?
期待していただけに残念です。
>966
後者。
俺はそうした。
>>966 「何」を期待したを説明せずに人に聞いても仕方ないだろ?
>>968 一般の読者がフツーに小説を読むんだから、「面白さ」を期待したに決まっているだろう? 文壇&メディアがあれだけ騒いだんだ。「面白さ」を期待して読んでいるのは当たり前だろう。そこまで
>>966氏は説明しなくてはいけないのか?
最初から、ワッーとかギャーとかいう面白いものを期待するんだったら、
ハルキの本なんか捨てちまって、
ハリウッドのアクション映画を見た方がいいな。
ねじまき以外は「で?」という感想しか残らない。
なんでファンが多いんだ。
とか言いながらノル、ねじ、スプ、ダンと読んでしまっている…。
972 :
吾輩は名無しである:04/11/22 05:28:32
>>713 人を貶すことは簡単で誰でもできることである
人を誉めるということは、才能を必要とするものである
973 :
吾輩は名無しである:04/11/22 06:03:41
人を誉めることには自分になんの影響もおよぼさない。
批判することには責任がともなう。
人を誉めるには、ある種の知性や共感を伴う
批判することにきちんと責任を取っている奴はいない
屁理屈こねる奴が多いねえ。
罵倒と異論や批判の違いなんて、ほとんどは主観によるものだろ。
それに、批判することにきちんと責任を取るってなんだよ?(笑)
物書き(作家を含む)や評論家、批評家なんて批判を商売にしてるようなもんだけど
何か責任なんて取ってるわけじゃないし。
プロなら、書くものがつまらないと思われたら読まれなくなって
廃れるだけの話で(ウソを流布したり、プライバシーを侵害したりしない限り)
別に責任なんて発生しないし、なにか責任を取ってる人間などもいやしない。
たとえば
>>713なども、人を批判し、「ガキのやることだ」などと人を
罵倒してるわけだが、(だから、713が批判してる相手と713自身は
実はまったく同類)、
713が何か責任を取ってるわけでも、取ろうとしてるわけでもないし。
要するに批判してる奴も、それを批判してる奴も(そして俺も)、みな
言いたいこと言ってるだけで、責任なんて取ろうとしてないし、
そもそも責任なんてありはしない。
(ウソを流布したり、プライバシーを侵害した場合は、それを相手に
訴えられたら、それなりの"責任"を問われるだろうけど)
誰か訳してくれ
978 :
吾輩は名無しである:05/01/14 10:43:06
979 :
吾輩は名無しである:
どうやらこのスレはもう終演に近づいている、羊男たちはトランペットやらバイオリンやらを持ってあたりをうろつき
僕も意味もなく野原に火を払っている、そこにいた羊達は海に潜りあたりが灰で黒くなっていた。
「本当にもう終りらしいね。」と僕は隣にいたシンバルを持っている羊男に言った
「しかたないですよ、この世界はぐるぐると回っているんです。悲しいですか?」
「わからないな。」
「ところで今日はビールを飲まないんですか?」と羊男は缶ビールを差し出した。
「ありがとう。」
僕はコールタールの彼女のことを思いながら最後のビールを飲みながら灰色になった野原を見つめ続けていた。