フィネガンズ・ウェイクを原書で読破した人、いる?

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1吾輩は名無しである
邦訳なら読んだけど、大駄洒落大会にしか思えませんでした。
並大抵の語学力では歯が立ちません。
2吾輩は名無しである:02/10/13 23:20
だれ?
3美香 ◆FE5qBZxQnw :02/10/13 23:20
Who?
4吾輩は名無しである:02/10/13 23:23
>2-3を晒しあげ
5吾輩は名無しである:02/10/13 23:24
美香・・・文学史に輝く大作を御存知ないのか。
6吾輩は名無しである:02/10/13 23:25
日本人が読むもんじゃねえよ
7吾輩は名無しである:02/10/13 23:25
柳瀬尚紀すげーよなあ。
8吾輩は名無しである:02/10/13 23:25
普通知らないでしょ。
9美香 ◆FE5qBZxQnw :02/10/13 23:25
手持ちの国語便覧には・・・・・・
10吾輩は名無しである:02/10/13 23:26
清水義範が「舟が州を上へいく」って書いてたよ
11吾輩は名無しである:02/10/13 23:27
>>9
7のメール欄参照
12吾輩は名無しである:02/10/13 23:28
ジョイス
13吾輩は名無しである:02/10/13 23:28
作品名だし
14美香 ◆FE5qBZxQnw :02/10/13 23:28
>>11
・・・
15吾輩は名無しである:02/10/13 23:28
>>11
なんかパンツの中身見せてるみたい。
趣味悪いよアンタ
16吾輩は名無しである:02/10/13 23:28
正気のサタンかよ!には笑ったよ柳瀬君。
17吾輩は名無しである:02/10/13 23:31
18吾輩は名無しである:02/10/13 23:33
>>15
お、、、おれのパンツの中も見てください!!
19吾輩は名無しである:02/10/13 23:34
>>18
流行るからやめよう。
2018:02/10/13 23:35
ゴメンナサイ
21吾輩は名無しである:02/10/13 23:44
本焼く野、過掻(かか)くが多寡すぎる
22吾輩は名無しである:02/10/13 23:53
小学校3年の夏休みの読書感想文が原書のフィネガンズ・ウェイクだったな
マジレススマソ
23吾輩は名無しである:02/10/14 00:17
いまさらだけど、英語圏には一杯いるんだろうな(w
24吾輩は名無しである:02/10/14 00:21
つーか英語圏の人は普通に読めるの?
なんかフランス語とかドイツ語的な要素もあるんでしょ?
向こうの子供がケラケラ笑いながらフィネガン読むって話も聞いたことあるし
よくわからん
25吾輩は名無しである:02/10/14 00:24
柳瀬の翻訳が出たとき、NHKかどこかがニュースで取り上げて
外国の文学研究者にインタビューしてたのだが「早く英語にも訳されないかな」
と冗談を言ってた。
26吾輩は名無しである:02/10/14 01:28
英語圏の人にとっては「虚航船団」みたいな感じなのかな?
っていうか>>2-3
27吾輩は名無しである:02/10/14 01:57
28吾輩は名無しである:02/10/14 02:00
ユリシーズはまだ読めるんだがなー
29吾輩は名無しである:02/10/14 02:25
ルイス・キャロルのひどいヤツと思っておけばいいのか?
30吾輩は名無しである:02/10/15 23:30
かつての雑誌パイデイアで、FWの訳が載った時、本文である訳文は、ほんの2ぺージで、あとに、
膨大な訳注がついたのには笑ったよ
31吾輩は名無しである:02/10/16 10:37
>>30
訳注ってのは必要な場合はやむを得ないけど翻訳書と解説書は違う
のだからあまりつけてほしくないね。英語版のPBにだって解説なん
てついてない。私は柳瀬訳を支持します。
32吾輩は名無しである:02/10/16 20:20
フィネガンの訳って、世界でも柳葉訳のみってほんと??
33吾輩は名無しである:02/10/16 20:23
>>27
参考にならねえYO! と思ったが、
「9人中2人が参考になった」とあったのでかわいそうだから投票はやめた
34吾輩は名無しである:02/10/16 20:27
>>32
日本では丸谷才一がはじめての翻訳(抄訳?)だったと思うけど・・・違うかも

因みに、ナボコフは「ユリシーズ」を傑作と評価していて「フィネガンズ
ウェイク」を下品で凡庸みたいなこと言ってんだよね
35吾輩は名無しである:02/10/16 20:28
ひとそれぞれ。
36吾輩は名無しである:02/10/16 21:21
>>35
つまらないオトコ
37吾輩は名無しである:02/10/16 21:40
FWの初の訳はフランス語が、86-87年ぐらいにでています。柳瀬は、先に出されて
「やられたっ」って思ったらしい。
柳瀬は、自分の翻訳と平行して仏訳FWを全文舐めるように読んだらしいよ。
何箇所かは、はっとする所があったらしいけど、英語のままのところが多くて、
雑だなぁ ということを言ってたのを以前読んだ。
柳瀬は、英語フェチかつ日本語フェチだからね。
あと、今月の現代詩手帖立ち読みしてたら、共同討議みたいので、宇野邦一がいってたけど
詩人の吉増は、柳瀬訳を高く評価してて柳瀬訳全文丹念に読んだらしい。宇野は、柳瀬訳は
労作だから評価はするけど、ちょっと留保ほ付けてた。なんの理由かは忘れた。
興味があったら立ち読みしてみよう。
38吾輩は名無しである:02/10/16 21:41
>>36
ひどいオンナ
39吾輩は名無しである:02/10/16 21:50
ちなみにFWの翻訳の掲載号はパイデイア1970年春号
訳文2ページ 解説+註16ページ

訳者 大沢正佳 小野恭子 小池滋 沢崎順之助 鈴木建三 戸田基
合計6名なり 古本で見たら迷わず買うべし 笑えるよ
40吾輩は名無しである:02/10/16 21:56
笑えるのでちょっとだけ

【原文】
     O
tell me all about

【註】
O:間投詞のOであるとともに、すべての始まりのゼロ、
すべての終わりのオメガであり、また円環を表すOでもある。
41吾輩は名無しである:02/10/16 21:58
>>34
丸谷だったかどうか忘れたけど、確かに柳瀬とは別の訳があったよね。
でも柳瀬とはまったく違ってかなりシンプルな訳だったと思う。
原文のニュアンスはどっちが近いんだろう?
42吾輩は名無しである:02/10/16 21:59
原文の多義性を犠牲にしているという意味では、読みやすいけどね
43吾輩は名無しである:02/10/17 02:40
ナバコフって20世紀の洗練文学趣味の権化だから、
フィネガンズ・ウェイクを下品と言うのもうなずける。
44吾輩は名無しである:02/10/17 03:15
どっちも好きな日本人
45吾輩は名無しである:02/10/18 20:56
つまり、誰も読めないってことだね
46吾輩は名無しである:02/10/19 04:29
あんたを含めてね
47吾輩は名無しである:02/10/19 11:28
誰にも読めないように書かれているからそれでいいのよ。
48吾輩は名無しである:02/10/19 22:47
          お
    アナ・リヴィアの話をして
 くれないかい。ききたいものだ、すつかり
アナ・リヴィアの話が。さあ、アナ・リヴィア
といふのはね、お前さんも知つてるやうにね。
さうだ、勿論、みんながアナ・リヴィアのこと
は知つてゐるが。すつかり聞かして。さあ、聞
かしてくれない。お前が聞くとお前は死んでし
まふでせう。ねー、お前さん、さうでせう、あ
(西脇順三郎訳)
他にも筑摩世界文学大系、集英社版世界の文学
に抄訳があったはず。
49吾輩は名無しである:02/10/19 23:08
フィネガンズ・ウェイクを原書で読破した(い)人、いる?
50吾輩は名無しである:02/10/20 01:39
邦訳でもいから、フィネガンズ・ウェイクを読破した(い)人、いる?

でいこうか
51吾輩は名無しである:02/10/20 13:46
>>48
へえ、西脇順三郎も訳してるのか。読んでみたい!
でもそのアナリヴィアの訳って洗濯女の会話らしくないね。
52吾輩は名無しである:02/10/21 01:49
んー、読んでいる人は全然いないのか。
それともやはり誰かが書き込むまで待ってるのかな。

翻訳なら何度か通しで読んだよ。
原文は好きなところを部分的に読んでいるだけだけど。

俺が一番好きなのは、最後のALPの独白かな。
フィネガンズの中ではやたらと分かりやすい部分だし、
緊迫したロマンティシズムが非常に美しいと思う。

訳わからない表現も頻繁に出てくるけど
基本的には英語らしきもので書かれてるので
巷で言われてるほど読めない代物ではないと思う。

Mchughという人の注釈がよいらしいので
それを手に入れたら通読してみる予定。
53吾輩は名無しである:02/10/21 20:59
すごい!あの翻訳を読んだのか〜〜〜
54吾輩は名無しである:02/10/21 21:12


――想像せよ
綴じた
 (枯死した)
標本
 (丁字や
  梔子の花)
誘惑される
 (脅える)

 (冬)
揃えられた
 (展開)
――註釈せよ

55吾輩は名無しである:02/10/21 21:31
   ア
   ナ
   グ
   ラ
   ム
   ?
56czar ◆H6MPnX7dHA :02/10/21 21:32
57吾輩は名無しである:02/10/22 01:11
>>56
超ツボ。最高
58ixion ◆ySh2j8IPDg :02/10/22 01:49
原文、毎年途中で挫折。注釈本あっても無理。だって注釈本を読んでるだけで、
原文からどんどん逸脱していくような気になるし^^;

そういや、向こうの子供がフィネガン読みながらケラケラ、って話を
知り合いのアメリカ人にしたら、
「その子供はアサイラム行きだな(笑)」
って返されたぞ。ちなみにそいつアメリカ現代文学専門^^;

あと、「俺は読めない、っつーか読まない」とも言われたのだが、どうなん?
59吾輩は名無しである:02/10/22 04:08
柳瀬訳挫折組です。
笑えるところが10ー20ページに1箇所ぐらいでした。
60吾輩は名無しである:02/10/22 14:29
音読してみれば?
61吾輩は名無しである:02/10/22 23:58
注釈本なんてあるんだ
6259:02/10/23 21:44
人に朗読してもらったらおもしろかった。
63吾輩は名無しである:02/10/25 23:41
田口検証本、本日堂々発売!
馬鹿ども買え!!
我々の印税がかかっておるのだ協力しろ!
64無名草子さん:02/10/25 23:51
>>32
誰も書かないから、今ごろ指摘ですが、
なんで「柳葉」なの?
65吾輩は名無しである:02/10/26 00:57
英語圏の人は音読しながら笑うという話があるけど、あれは真っ赤な嘘でしょう。
うちの大学の英語のネイティヴの先生たちはみな読めないよ。

それは日本人が柳瀬訳を読むのと同じ感覚なのかな?
柳瀬訳を読んでいて、確かにおもしろいと思える箇所もあるけど、
99.9パーセントはわけがわからないね。

そのおもしろさは、McHughその他の注釈や柳瀬訳と原文を照合しながら、
地道に読んでみると徐々にわかるものです。
そうやって読んでいると柳瀬さんはMcHugh等の先人が指摘していないことに
気がついて、それを巧みな日本語に翻訳していますよ。

そうそう、大澤正佳先生によると、FWを読むには30年だったか40年だったかかかるとのこと。
まあ、性急に柳瀬訳が良いとか悪いとか結論を急がずに、FWを読んでみてくださいよ。
66吾輩は名無しである:02/10/26 00:58
>>63の無礼なカキコについてのお詫び。

田口スレの住人ですが、ランディ周辺の汚猿が、盗作監視スレの
評判を落とすためのなりきりカキコを、
あちこちのスレで乱発しています。
こちらのスレッドを無礼なカキコで汚して申しわけありません。
どうかお許し下さい。m(_ _)m
67吾輩は名無しである:02/10/27 15:19
朗読といえばジョイス自身がALPのところを朗読してる音源があるね。

ttp://www.finneganswake.org/joycereading.htm

↑からmp3で入手できる。
68吾輩は名無しである:02/10/28 20:02
ありがとう!!!
面白いものが聴けた!
69吾輩は名無しである:02/10/28 20:10

ピアニストの高橋悠治はこの作品を高校時代に原書で読んでいたそうだ。
教師だった丸谷才一の証言より。
70吾輩は名無しである:02/10/28 20:24
>>69
そんなことは不可能だ。
丸谷才一など虚偽が皮被って歩いてるような男だぞ。
信用するんじゃない。
71吾輩は名無しである:02/10/28 21:03
原書買ってきた。
72吾輩は名無しである:02/10/29 12:51
>その丸谷才一が雷の音を32言語ぐらいに分けたのを
エッセイで書いてました。それを見てフィネガンを理解しよう
という気持ちは綺麗にうせました。
それでも未練たらしく邦訳積んでます。フィネガン辛航記って
参考になるのでしょうか?
73吾輩は名無しである:02/10/29 17:13
>>72
作品そのものよりも柳瀬氏がどういうふうな方法で訳したのかがよく
分かる。柳瀬訳を読むヒントにはなるし、それなりに面白い。ただ
柳瀬訳を支持しない人にはここにかかれてあるその手法も含めて批判
しているのだろうから、まあ、この本の翻訳は永久に完結しないんだ
ろうね。私は好きですよ。
74吾輩は名無しである:02/10/30 10:07
冒頭部分だけど、どう訳す?

riverrun, past Eve and Adam's, from swerve
of shore to bend of bay, brings us by a commodius vicus of
recirculation back to Howth Castle and Environs.

75吾輩は名無しである:02/10/30 11:43
>73 ありがとうございます。読む決心がついたら参考にしようと
思います。

>74 興味の赴くままに…馬鹿が訳すとこうなります↓

広流流してイブとアダムの地所を過ぎ,川べりのかいなから
海辺の浜のうねりを過ごして十円状に十分に衍した栄地に入り、
ホウス城とその近郊へと曳行する。

駄洒落を意識すると原文からも離れるし日本語になりません…。
しかも駄洒落もなんか怪しい…がっかり…
かいな=腕のしなり、のつもりですが…語彙が少ないって
致命的ですね…。裏の意味なんて考える余裕は全くなし。
知識もないし。お目汚しでした。
76吾輩は名無しである:02/10/30 14:15
>>74

その最初の「riverrun」ていう単語からして造語なわけですよねえ。
まあ訳は直訳で問題ないと思うけど river と run が何故切り離されない
のか?って疑問なんですけど。しかもThe river であるべきですよねえ。

77吾輩は名無しである:02/10/30 14:18
英語ではなくてジョイス語だとか言われてる位だからねえ。
78吾輩は名無しである:02/10/30 14:21
>>76
最後の単語がtheなのを、
あえて知ってて釣りしているだろ?
79吾輩は名無しである:02/10/30 14:28
ほんとだ。しらなかった・・・
80吾輩は名無しである:02/10/30 14:38
流石文学板の吊棚。
81吾輩は名無しである:02/10/30 14:46
>>78
しょーもねえ

>川走、イブとアダム礼盃亭を過ぎ、く寝る岸辺から輪ん曲する湾へ、
>今も度失せぬ巡り路を媚行し、巡り戻るは栄地四囲委蛇たるホウス城とその周円


…か、、、Nativeがジョイスの文を見る(あえて読むではなく)ときに
受ける印象と、日本人がこの文から受ける印象は似ているだろうか…
柳瀬の文の方が、ジョイスの原文より難しく感じられるのだが。
漢字の読みを利用して駄洒落を活用すると、字面が汚くなって
もとの原文にある英語の簡素さが消えてしまうような気がする。
わざわざ漢字を多用する必要はないと思われるのだが、、、
むしろ“ジョイス語”は幼児の言葉に近い気がする(もちろん
ラテン語の部分は漢字で訳すべきだと思うが)
82吾輩は名無しである:02/10/30 14:56
そうですね。riverrun は意味ではなく音韻に既存して用いられた
はずなんですたぶん。で場所的なイメージ、riverrunを地続きにする
空白を無くすことで「川」と「流れる」っていうのを平面的なイメージ
に打ち上げようとした。日本語に訳すときに漢字の多用は意味を貪る
ように読者を走らせるのが近代日本文学っぽさであったわけですが、
あるいは柳瀬というのはそこからの反動として漢字のイメージを援用
していたのではあるまいか…
83吾輩は名無しである:02/10/30 14:58
く寝る =>くねる
輪ん曲する =>湾曲する
今も度失せぬ => commodius …etc.etc.


…ううっ サムすぎ…
84吾輩は名無しである:02/10/30 15:30
まあ、本来ちがう言語なんだから、一対一で対応するような
訳文はあり得ないとは思うけれども、ジョイスの英文の持つ固有の
リズムと平明さを装った複雑さを表現するためには振り仮名を多用した
無理やりな駄洒落は不適切なんじゃ? 逆に読者の読むスピードを
落としてるよ。riverrun の背後に“漢字”的な思想があるのは
分かったけれど、漢字というのは平仮名の文の中で、ひときわ立体的に
見えてくるんだよね。一人だけ立って浮き出してくるような。なので
英文にある平面的な「流れる」イメージ、そしてそれが「回帰」してくる
ような印象は、柳瀬の訳文からは伝わって来ない。むしろ全部平仮名で訳した
方が雰囲気には合っているかもしれないぐらいなのだが(まあ、意味的に言って
無理だろうが)近代文学っぽさを逆手に取って漢字で遊んでやろう、
という意図も分からなくはないものの、ぱっと見で意味がつかめない
のが痛い >訳文。特に”栄地四囲委蛇”など度肝を抜くような見慣れぬ
漢字6連続など(commodius vicus の訳だろうが)、はっきり言って醜い。


riverrun, past Eve and Adam's, from swerve
of shore to bend of bay, brings us by a commodius vicus of
recirculation back to Howth Castle and Environs.
85吾輩は名無しである:02/10/30 15:32
音読の件は筒井康隆のアイデアで総ルビを導入することで対応したんだろう。
(それだけでも異様な子供用の本って感じがしたぞ。)
その分、意味の多重性は諸橋の大漢和辞典を最大限に利用した漢字に託した。
ちょっと笑えん駄洒落感覚は数人の現代詩人達を熟読してきた成果?

柳瀬本人は相当に日本語文化を培った人たちにトリビュートして天才なる日本語に移植したのだ。
もし反省すべき点があるとしたら本人が言うようにJOYCEの音楽に対する造詣の深さを反映できなかったことだろう。
(まあJOYCEのカリカチュアされたイメージを裏切らない翻訳だとは思うが。強調し過ぎたか。)
実際FWのオペラからの引用を調べ挙げた本なんかもあるし。
86吾輩は名無しである:02/10/30 15:59
>>85
OK。承知しました。>相当に日本語文化を培った人たちにトリビュートして

…ただねえ、「筒井康隆のアイデア」と「諸橋の大漢和辞典」を最大限に
利用することが、Joyce の英文と何の関係があるのか掴みにくい。
べつに柳瀬氏がやりすぎたとは思わないものの、ジョイスは19世紀後半〜
20世紀前半の作家でしょう?そこへ「諸橋の大漢和辞典」というのも
どういう意味なのか・・・?>日本語文化を培った人たちへのトリビュート
は、なにもJoyceの訳業で行なわなくてもいいわけでしょう?(栄地四囲委蛇
というのはHCEを漢字の音で示したもんなんですよね? 理解するのに
十数秒かかった。発想はゾッキーの当て字と同じ感覚だね。)またオペラの
引用を調べたからといって、FWの言葉のリズムの源を解明することには
ならないと思われ・・・まあ、同じような議論を蒸し返しているわけですが、
なかなかしっくり来なくて。
87吾輩は名無しである:02/10/30 16:15
日本の文学作品でフィネガンズウェイクに相当するものって何だろう?
88吾輩は名無しである:02/10/30 16:47
>栄地四囲委蛇というのはHCEを漢字の音で示したもんなんですよね? 理解するのに
>十数秒かかった

めちゃ優秀(笑

柳瀬氏が日本文学ヲタだっていうバイアスがキツいですね。野心の方向が違う。
(かくいう私はただの柳瀬ヲタですが。しかし彼はそういう嗜好に誘い易い。
おかげで塚本邦雄全集を買いかけてます。)
でもそういった独特のアプローチで明治以来の翻訳=日本文学の凭れあい関係をひっくり返す、というか、
翻訳は結局原書とは別物だという事実を極端に押し進めるに足る素材にでもしなけりゃ、
やってられない不毛な作業だったでしょう。

あと私個人でFWに驚いたのは正しいかどうかはともかく“とりあえず発音できる”ということだった。
ジョン・ケージがのんびりとした変な節で朗読してた撥音はアルファベットの並びに対する“慣習”
としかいいようのないものだったし、ジョイスの朗読するALPと最近の俳優によるモノは、
速度から調子から全然ちがっていて同じところを読んでいるとはおもえなかった。

真面目なレスもらったので調子にのってしまいました。
それでは自分の板に帰ります。
89吾輩は名無しである:02/10/30 17:30
>ジョイスの朗読するALP

ってこれですね。↓
ttp://www.finneganswake.org/joycereading.htm


はァー 柳瀬氏の翻訳は明治期以来の日本の「翻訳文化」の歴史にたいする
一石を投じたものでもあったわけですか。それじゃあ射程が広いわけですね。
つまりJoyce の読解不可能性を“翻訳不可能性”と読み換えて、日本近代文学が
持っていた翻訳文学への依存を撃つ、と。

しかし日本の近代文学そのものが“翻訳言語”から始まっていることは
否定できない事実なわけで、いかに海外の文学(小説)を忠実に受容することが
往時の緊急課題だったとすれば、原文にどれだけ“似せて”日本語に移し変える
かというのが重要であったことは想像に難くない。敢えてそれを破壊するような
翻訳を提示するのが近代日本文学への傾倒による、意趣返しなのか
復讐のつもりかなのだとすれば、いずれにせよ、撃たれたその他の貢献者である
翻訳文学にとってはたまったものじゃないという気がしますけどね。いまだに日本は
自分たちの『フィネガンズ・ウェイク』を持っていないわけだし…(まあ『死霊』は
かなり近いか、外見的に。)その意趣返しをFWの“翻訳”で実行しようという
発想もかなり倒錯的というか・・・・

>それでは自分の板に帰ります。
なんて言わないで、戻ってきてくださいね。
90珍満腹 ◆LpB0apFrxs :02/10/30 18:22
原書は途中で挫折しました。
柳瀬訳はいちおう最後まで読んだけど、仕掛けを全部理解しようとしながら舐めるように読んだので気が狂いそうだった。
もちろん全部理解することなどできなかったけど。

91吾輩は名無しである:02/10/30 18:46
ジョイス語を柳瀬語に翻訳しますた。
92きぼんぬ:02/10/30 19:59
柳瀬氏は『ユリシーズ』翻訳してますけど
今どこまですすんでるんですか?
93吾輩は名無しである:02/10/30 20:00
んまあ、ジョイスはラテン語やサンスクリットから
日本語にいたるまで世界中の言語を引っ張り出してきて
複数の意味の層を表現しようとしたわけでしょう。

引用されてる冒頭の個所も
まずはリフィ川がアダム&イブ教会からヴィーコ通りの脇を通って
ホウス城のある岸辺まで流れ下るというダブリンの描写なんだけど、
アダムとイブだから人類の歴史ということで
(歴史を川の流れに例えるのはよくある比喩だけれど)
ローマ帝国のコンモドゥス帝が入ってきたり
recirculationとか書いて哲学者のヴィーコに触れたりする。

そうやって複数の意味の層を音と意味の連環から
同時並行的に展開させていくのが
フィネガンにおけるジョイスの方法なんだよね。

で、柳瀬はそれを日本語でやろうとしたのでしょう。
ジョイスが何十もの外国語を引っ張り出してきたように
柳瀬は見たことも無いような難解な漢字を引っ張り出してくる。

ジョイスの場合はそれはアルファベットによって
書き出されるから一見英語風に読めるんだけど、
柳瀬の場合はそうはいかない。
見慣れない漢字が頻出するから字面的にも読みづらい。

まあ、柳瀬訳はなかなかよく出来てるんじゃないでしょうか。
というか、ここで柳瀬訳に向けられてる批判って、
一般にフィネガンそのものに向けられている批判と
かなりの部分で重なり合っているような気がする。
94吾輩は名無しである:02/10/30 20:32
なるほど。柳瀬訳だと「今も度失う」ってなってるcommodiusなんか
日本語にしたら原文の意図通りになるわけないですね。ふざけるしかない。
訳文と原文ではまったく違う作品として読むしかないですね。

あるいはそれだったら「コモディウス」ってカタカナで行くべきだったのかも
しれないけれど、全体の意味がばらばらになっちゃう。「今も度失う」も意味ばらばら
ですけどね。でもカタカナの援用でそこだけ文脈からポコっと穴が抜けたよう
な文章になるのもそれはそれで表現としては面白いのかもしれない。
95吾輩は名無しである:02/10/30 20:57

riverrun, past Eve and Adam's, from swerve of shore to bend
of bay, brings us by a commodius vicus of recirculation back to
Howth Castle and Environs.
Sir Tristram, violer d'amores, fr'over the short sea, had passen-
core rearrived from North Armorica on this side the scraggy
isthmus of Europe Minor to wielderfight his penisolate war: nor
had topsawyer's rocks by the stream Oconee exaggerated themselse
to Laurens County's gorgios while they went doublin their mumper
all the time: nor avoice from afire bellowsed mishe mishe to
tauftauf thuartpeatrick not yet, though venissoon after, had a
kidscad buttended a bland old isaac: not yet, though all's fair in
vanessy, were sosie sesthers wroth with twone nathandjoe. Rot a
peck of pa's malt had Jhem or Shen brewed by arclight and rory
end to the regginbrow was to be seen ringsome on the aquaface.
9689:02/10/30 20:59
>>93
いや、おっしゃることは尤もなんですけどね、
実際ジョイスの原文はまったくナンセンスなものなわけだし。柳瀬氏の
訳業はかなりの力技と見た。
しかしねえ、ナンセンスなものをナンセンスに置き換えるというのはちょっとねえ…
むしろ芸がないと言うか、、、いきなり「栄地四囲委蛇」はないのではないか?
と思うわけなんですよ、たとえそれがHCEのことだと分かったとしてもですねえ・・・
なぜ漢字による当て字なのか??? 他に表現の仕方はなかったのか?ってね。
全文振り仮名書き下し、っていうのもねえ・・・ああいう表記だと
読みにくくて仕方がない。全体を簡便にして“文学性”を保持するために適当に端折っても
よかったと思うのだが。
ある意味こんな作品は、注釈をつけることには意味はあるだろうけど、わざわざ翻訳する
必要があるのかという根本的な疑問もあります。形をまとめて、分かりにくくなっている翻訳より、
一文一文英文を引き出して解説をつけて行ってほうが良かったのではないのか、と。
9789:02/10/30 21:10
それからなんでこんなところに Commodus 帝が突然出てくるのか分からない
所縁があるんですか。誰か教えてください。
しかし小文字で書かれているから commodusという形容詞かもしれんけど
(仏語の commodeの意味ね)commodius vicusで、「快適な村」ぐらいの意味になるはず。
9893:02/10/30 23:47
>>94
「今も度失せぬ」って「今度も失せぬ」って感じしません?
微妙に"recirculation"に隠れてるヴィーコの歴史循環説が
訳出されてる雰囲気がある気がする(自信無し

>>96-97
もちろんそうですよ。全くの力技。どう考えても無茶。
だからこそ原書が出てから50年も翻訳されなかったわけで。
これを全訳した理由は柳瀬の執念ぐらいしか見つからない。
"bend of bey"の頭韻まで訳そうとしている(「輪ん曲する湾」)あたり
かなり涙ぐましいというか愚直というかw
9993:02/10/30 23:47
コンモドゥス帝については、多分この冒頭部の主題の一つである
転落のモチーフが絡んでるのかもしれない。
丁度>>95氏が引用したところのすぐ下で
フィネガンが転落する場面が描かれるんですよね。
ウォール街の株価の転落とか、ハンプティダンプティの
転落とかの描写を紛れ込ませつつ。

んで最初の所を見てみると、アダム&イブ教会が
"Eve and Adam's"になっていて、ひっくり返っている。
(多分、これはイブによるアダムの誘惑のモチーフも
隠れていて、柳瀬が川に「媚行」させたり「蛇」(サタン)に
「四囲」をめぐらせたのもその連想があるからかもしれない。)

コンモドゥス帝は五賢帝最後のマルクス・アウレリウスの子供で
とんでもない暴君だったらしいです。
つまり繁栄したローマの転落なのではないかと。
あとラテン語風語尾の脚韻の遊びもありますよね。
"brings us"、 "commodius"、"vicus"と。

……と書いてると私がやたら詳しそうに見えますが
そんなことは全然なくて、

ttp://jjtrivia.tripod.co.jp/wake/top.html

の注解あたりを見ながらうだうだ書いているわけです。
10097:02/10/31 05:47
>93
…もしやあなたは、、、
コンモドゥス帝=「繁栄したローマの転落」ですか。なるほど。
コンモドゥス帝は映画『グラディエーター』に出てくるその人ですね。
101吾輩は名無しである:02/11/06 06:23
Commodus 帝あげ
102吾輩は名無しである:02/11/06 10:10
この板では柳瀬訳批判が多いですね。
わたしもはじめは柳瀬訳のわけのわからない漢字の造語は
FWとは違うんじゃないかと思っていました。

FWは何層にも物語が平行して進行しているのだから、
その層ごとに平易な日本語に置き換えられないだろうか
などと簡単に考えていました。ところが、それぞれの層は
独立して平行に流れているのではなく、
その層が相互に絡み合っているようなのです。

その感覚を醸し出すには、柳瀬訳のように訳のわからない漢字を
持ち出し、造語していくしかないのではないか
と思い始めています。

74にあった冒頭部分を、どなたかが書いていらしたように、
全部ひらがなにしたところで、そういう層の絡み合いは
再現できないと思います。
103吾輩は名無しである:02/11/06 10:17
riverrun, past Eve and Adam's, from swerve
of shore to bend of bay, brings us by a commodius vicus of
recirculation back to Howth Castle and Environs.

広流流してイブとアダムの地所を過ぎ,川べりのかいなから
海辺の浜のうねりを過ごして十円状に十分に衍した栄地に入り、
ホウス城とその近郊へと曳行する。

この冒頭部分を訳してくださった方ありがとうございます。

ここの主語は何だと思いますか?
あるいは主語はないのかな?

常識的に考えれば、FWの最後のtheを引きずってSVOの形ですよね。

the riverrun ... brings us ....
     S    V  O

FWを読む際に、こういう初級英文法を疎かにしてよいか、
あるいは、無視してよいのかという問題も生じますね。
みなさんはこの問題をどうお考えですか?
10475:02/11/06 11:46
初級英文法…申し訳ない限りです。繰り返すようですが、私は
原書はおろか、邦訳も未読です。書きこんでくださった冒頭部分
だけを訳の際に参照しましたが、theがある、ということも
知りませんでしたし、どこがどう繋がる、ということも分かりません。
わかったのは、
この冒頭で 川の流れを現していること、
      その川をたどると円が描けること
      recirculation、back、など「戻る・再び」など
      重複する印象の単語を書くことで円を何重にも
      閉じようとしていること
くらいです。
主語の問題で言えば、素直に和訳すれば「川」となるのでしょうか。
「広流流して」と訳したのは、riverrunsのR音の韻を再現
しようとしたこと(今思うと流を二つ重ねても再現は出来ていない
のですが)、runsであって、runnningでもrunでもないこと
(ご丁寧にSまでついている)から動詞的な雰囲気があり、それを壊し
たくなかったこと、しかしながら、一単語となっていることを踏まえて
意訳をしたのです。その為の造語です。(といっても惨憺たる物ですが)
訳文で正確な主語として提示はしていませんが、曳行する、という風に
結んだのは「川が私達を引っ張っていく」という意味で使っています。
円を結ぶには下流地域から上流へと遡ることになるはずなので、その意味
もあります。

と、噛みつくようなレスをしてみますが無知なオバカサンがいい加減に
訳をすると恥をかく、といういい例にすぎません。あああああ、恥ずかしい。
まだまだ当分柳瀬訳も読めそうにありません…。それではROMに徹します。
ばか者はそう思った、というだけです。はい、文法わかってません、
ごめんなさいー。(言い逃げ)
10575:02/11/06 11:55
(と、Sない…何見たんだろう自分…というか、
riverにSっているのでしょうか? …ヤバー…)
お話になりませんね、104,105、ともに
「ここ壊れてます」にしておいて頂けませんか…ごめんなさい。
106吾輩は名無しである:02/11/06 21:24
この冒頭部分はわりと文法的に説明がつきやすいように
書いてあるのですが、読み進めていくと、文法的に説明の
つかないような書き方がされているので、つい初等英文法
なる言葉を持ち出してしまったのです。
すみません。お気になさらずに。
FWのような作品の読解では、恥をかくのは当然ですから、
恥ずかしいことではないと思います。

ふたたび柳瀬訳に戻りますが、われわれはともすると、
柳瀬さんの造語にばかり目がいきがちですが、
こんなふうに文法的に正しいかどうか検証してみるのも
けっこう面白いかもしれません。

103での質問ですが、あえて自分で答えてみると、
文法を無視してもいいわけでもないが、
文法に拘泥すると見えなくなることもある、という感じかな。
107吾輩は名無しである:02/11/08 04:13
一応OEDではriverrunは名詞扱いでつ:
"The course which a river shapes and follows through the landscape."
108吾輩は名無しである:02/11/12 11:13
やはりOEDでも名詞扱いですか。
情報ありがとうございます。

それにしても単にthe riverとせず、
runを付け加えたのはなぜでしょうか。
時の流れや、循環するイメージを出そうとしたのでしょうか。

いまふと思ったのですが、筆記体でr rと続けて書いてみると、
蛇行する川の姿が浮かびますね。
109吾輩は名無しである:02/11/12 11:19
>いまふと思ったのですが、筆記体でr rと続けて書いてみると、
>蛇行する川の姿が浮かびますね。

ほんとだ。

110ixion ◆ySh2j8IPDg :02/11/12 11:48
r音は唇をやや丸めて、舌を盛り上げ気味に発音する言葉だから、
もともとroundな音で、その頭韻的な単語になるriverrunっていうのは
音にするだけでround-shapedなものを想起させ、川に関してはserpentine,
meanderingな感じがします。

逆にt音なんかは、squareであり、d音などは「アッシャー家の崩壊」
での頭韻のように、dark,dismalなどと繋がってくる音です。参考まで。
111吾輩は名無しである:02/11/20 13:26
A Fourth Joyce Crossword by R.S.Philpott

@□A□B□C□D□E□F
□■□■□■□■□■□■□
G□□□□■H□□□□□□
□■□■□■□■□■□■□
I□□□□□□■J□□□□
■■□■■■□■□■■■□
K□□□L□□□□□M□□
□■■■□■□■■■□■■
N□O□□■P□Q□□□R
□■□■□■□■□■□■□
S□□□□□□■21□□□□
□■□■□■□■□■□■□
22□□□□□□□□□□□□

112吾輩は名無しである:02/11/20 13:27
ACROSS

1 Joyce's real-life Penelope?
8 Boylan clear about one old bit of leg!
9 Usurpation is nothing outside Ulysses:sound as a bell
10 "In Old Madrid,"it was said
11 Parts of Penelope I'm backing as fragrant stuff
12 Perception of Bloom's kitchen position in regard to Molly's lying
15 A butler who influenced Joyce
17 Use port drunkenly in Ulysses
20 "Non serviam"turned out Vernon-the endless Irish monkey!
21 Cold blockhouse in the big loop
22 King opera-writer and Joycean commentator

DOWN

1 Top people have rewritten Hades
2 Ellman has three by Shakespeare
3 Budgen's end in here in France with ancient Britons
4 Another Bloom mouthpiece job?
5 "Araby"must contain such elements?
6 Leo Y blooms in thin material?
7 Rose Vean's stay's?
12 Homer's homer
13 Less practised to right Ulysses case row
14 Cold sheet in parts of Circe put on girl oriental
16 Bloom is one to speak badly in farewell
18 Nestor finishes me with the Spanish college
19 Cyclops ends up right outside the fun

JJQ Vol,18,No,3 Spring 1981
113
一般書籍にも立てました。

〜フィネガンズウェイク〜
http://book.2ch.net/test/read.cgi/books/1036618469/l50