島崎藤村

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287ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2
「破戒」が書かれた時代を考慮した場合、部落解放という方向への物語展開はあり得ない
でしょう。問題提起だけで手一杯かつそれでも十分に評価に値する。
藤村自身が部落解放のための具体的な方策を持ち得なかったことは勿論だと思うが、
それ以前にそこまでの意識は無かったであろう。
そこで主人公のテキサスへの脱出という結末を迎えざるおえない。
丑松は自己の運命の呪縛へと立ち向かうだけで精一杯なのである。