1 :
吾輩は名無しである:
スレッドがないのはなんでなの?
>>1 需要が少ないから。まぁスレを建てた以上は責任をもって育てて下さい。
3 :
吾輩は名無しである:02/08/23 19:49
monsieur teste は原文で読んだ
ヴァレリ一こいつぁ厄介だぞ。スレ立てボクも躊躇したもんな。
親切心から詩をうpしてやるから、それで硬派なスレ育てをしてクレ!
(でもボクに原文は読めない... )
(だから全集から訳詩をうpしますです... )
7 :
吾輩は名無しである:02/08/23 21:51
スウェーデン王立文学アカデミーは、ポール・ヴァレリーにノーベル賞を授与す
ることを「内定」させていた。
ところが、正式な決定をする直前にヴァレリーは死んだ。
たなぼた的にノーベル賞はチリの女流詩人ガブリエラ・ミストラルに・・・。
ガブリエラ・ミストラルなんていまや忘れ去られてるよ。
ヴァレリーは、ガンジー(ノルウェー・スウェーデンがイギリスの顔色をうかがっ
て平和賞を与えなかった)などと並んで、ノーベル賞を授賞させそこなった代表的
な例として挙げられる。
>6
ほんと?うp楽しみにしてます。
>8
犬のエサを買うために全速力で駆けたりだとか、
まっずい夕飯をもそもそ食べたりだとか、
そんなこんなでうp遅れました。
(舊字體變換にてこずった)
まだ醒めきらぬ睡眠を齎らしてゐた
鬱陶しい混亂が、いま 太陽の
薔薇色の出現の姿に たちまち
散り散りに消えて失くなる。
自信の翼を一杯に擴げて、俺は
自身の靈魂の中に 踏み込む。
これが 最初の祈なのだ。
流砂の地を拔け出ると すぐ
わが理性の歩調に合せて
素晴らしい歩みを 俺は運んでゆく。
おはよう。雙生児のやうに似た微笑を
浮べて なほまだ寢込んだままの、
女の友逹、相似形よ、
單語の間で きらきらと燦いてゐる。
蜜蜂の羽音にうるさく裹まれながら、
幾籠も 籠一杯に摘み取らう、
そして 金色の俺の梯子の
搖れ動く踏段の上に わが
愼重な心構へは 煙と消えて
早くも既に その眞白な足を載せる。
あの山山の巓が 身顫ひを
し始めてゐるその間に 何といふ曙。
眠ってゐると思はれた 女たちも
群を作って もう既に伸びをしてゐる。
一人は輝き、他の一人は欠伸をする。
そして鼈甲の櫛の上に、覺束なげな
その指を 戸惑ふやうに動かして、
まだ夢の間近くを さ迷ってゐる
懶惰な女は 夢を その
聲の先驅の前提に 鎖で結ぶ。
なんだ、きみ逹か、浮かした女逹よ、
昨夜は なにを為たのだい、
靈魂の情婦たちよ、觀念よ、
倦怠によつて身を賈る娼婦たちよ。
女は答へる。―― 「一晩中、身持を愼み、
わたし逹、絶えず目醒めて起きてゐて、
あなたの家から一歩も外に出なかった。
遠くへは行かぬばかりか、わたし逹、
あなたの深い暗闇の底に 祕密に
身を じつと潛めてゐた蜘蛛のやう。
歡喜に 醉ひ癡れて戴けないで
せうかしら、あなたの謎の上に張られた
巣の絹絲に 夥しい光の珠の閃きが
闇の中から 現れるのを御覽になって。
わたし逹の作つたものを 見て頂戴。
あなたの暗い深淵の上に 基の
親絲を わたし逹は懸け渡して、
緯の顫動してゐる備の絲の
微妙に細い網の目の中に 自然を
赤裸のまま わたし逹は捕へました……」
觀念の 精~的な蜘蛛の巣を
俺は 引裂き、官能の わが
森のさなかに 絶えず分け入り
わが歌の~託を 俺は探り續ける。
存在よ…… 宇宙を捕へる耳よ。
靈魂のすべては ここに欲望の
窮極の姿と まさに相等しい。
靈魂は 戰いてゐる自己を聽いてゐる。
そして 時をり 俺の脣は
靈魂の戰慄を 捉へるやうに思はれる。
ここに わが葉蔭の深い葡萄園、
數々のわが偶然の搖籃がある。
夥しいわが視線と等しく
夥しい映像が 叢つて來る……
あらゆる木葉は わが前に
悦樂に滿ちた泉を顯示して、
この幽かな響を 俺は泉に飲む……
悉皆は 俺には果肉、悉皆には 核、
悉皆の萼は 俺に その
果實の熟するのを待てと 求める。
俺は 荊棘を 恐れない。
假令 目醒めは辛くとも 甘美。
これら觀念といふ掠奪物は、
人に確信を抱かせようと欲しない。
一つの世界を奪取するためには、深い
傷を 負はねばならないが、
それが 掠奪者にとって 更に
豐饒を産み出す一つの傷となり、
そしてその人を 血そのものが
本當の所有者であると 確認する。
眼には見えない泉水の
透明に 俺は近づく。
泉水には 白鳥の俺の希望が游ぎ、
希望の胸を擁へて 水が抱いてゐる。
その頸は 茫莫とした時間を裁ち切り、
比類のない頸が捲き起す
この波の飛沫を 擧げる……
平らかな水面の下に 俺の希望は
無限の深さを 感じてゐて、
足の趾の先から 希望が慄へ上る。
レス11には脱字があります。
「浮かして → 浮かぬ顏して」です。
注意力に欠けました。申し訳ありません。
訳詩は鈴木信太郎氏のものです。
魅惑(即ち詩篇)
CHARMS(c'èst-à-dire:Poèmes)
冒頭を飾る『曙 AURORE』をうpさせて頂きました。
一九一七年にメルキュール・ド・フランス誌に初出となった詩です。
魅惑(即ち詩篇)の方は一九二二年刊行とされるのが通例なのですが、
収録される詩をはじめ何度も変更が加えられている様ですので、
初版本刊行と云うべきでしょう。
訳されたもので宜しければ、またたまにうpさせて貰いますね。
>>3 残念ですが原文はおろか、『テスト氏』にしても未読です。
追々読んでみたいと思います。
レス13について
ボクに「またしても注意力不足でした」と云わせて欲しかったんだけどな..
CHARMESだよ“E”が抜けてるよ って誰かに突っ込んで欲しかったんだよね..
このスレを見ている人がいるのかどうか、一日ためしに待ってみたけど誰のレスもないな..
スレ主まだいる?
私のヴァレリーに関する知識は大したことありません。
まともに知っているのは「海辺の墓地」(これは原文で暗誦できます)だけ。
あとは雑多な知識の寄せ集め、関連本から引っ張った孫引きだけ。
ただ、私はこの詩を実用的な用途に使っている。
落ち込んでどうしようもない時、この詩に何度か救われました。
16 :
吾輩は名無しである:02/08/26 21:08
テスト氏うpしてほすい
17 :
先生!質問!:02/09/04 16:01
「地上の土はすべて灰からできており、その灰が何を意味しているかも
我々はすでに承知している。我々は地平線上の彼方に、財物と精神を
満載した巨大な船の亡霊を見たことがある。」
これがヴァレリーの言葉として、『カルタゴ』(教養文庫)の冒頭に
掲げられている。
ウン!まさにカルタゴ!って感じなんだが。出典が記されていない(泣
博雅の士の御教示を請う次第で御座りまする。
18 :
吾輩は名無しである:02/09/04 16:38
ユーパリノスまたは建築家
が面白かった
対話編
ボクちゃんが東大に合格しますように♪sage
20 :
吾輩は名無しである:02/09/05 01:04
ヴァレリ一って良くも悪くも文学ヲタクっぽい。
誰から呼ばれてもいないのに ぽこっと現れてみたり。
『カイエ』って一度は読んでおいた方がいいのかな。
そういやヴァレリー全集って復刊希望されていたね。
21 :
ミ*・∀-ミ⌒☆:02/09/05 02:02
20世紀最大の遅漏
自分は邪道かもしれませんが 中井英夫の「虚無への供物」でヴァレリーが
モチーフに使われていたのを読んで興味を持ちました
23 :
吾輩は名無しである:02/09/05 11:32
>>22 全く邪道ではない。堀辰雄の「風立ちぬ」と
並ぶ正道中の正道。
24 :
吾輩は名無しである:02/09/05 11:39
ヴァレリー全集て古本でむちゃくちゃみるぞ
25 :
吾輩は名無しである:02/09/10 05:51
ある夜、私の中で性的クーデターが起こり
巨乳以外を拒否する決意をしたのでした。
26 :
我輩は名無しである:02/09/13 12:47
ソシュールのアナグラム研究とヴァレリーって、関係あったよね。ちがったっけ。
27 :
吾輩は名無しである:02/09/20 22:25
La Jeune Parqueをまともに読んだ人はいませんか?
いたら、この詩のどこがどんな風にすごいのか教えて下され。
わたしゃ100行前後から先に進めなくて困っておる。
「未完の物語」が個人的に好きです。
(筑摩の全集2巻、佐藤正彰氏の訳による)
はっきりいって訳が分かりません。
これをどうしろというのですか。
だがそれがいい。
29 :
吾輩は名無しである:02/10/02 13:23
20世紀最大のフランス語を使った詩人でしょう。マラルメより
偉大じゃないの?書き込みが少ないのをみると文学版の人にも
もっと読んでもらいたいね。
将来を詩人として約束されていたのに、20年間も断筆していたのは
恐ろしい精神力だと思う。2年じゃないからね。
フランスの思想もベルグソンではなくヴァレリーからもっと色々な
ことを受け継いでいたら実り豊かなものになっていただろうになあ。
結局ヴァレリーの思想や文学を受け継いだのはだれなのかな?
マラルメが彼の師匠でシモーヌ・ヴェイユが尊敬していたぐらい
しか知らないよ。日本だと加藤周一とかかな。自分は養老猛しって
ヴァレリーと思考方法がちょっと似ているきがします。
【フランス文学史に自信があるひとへ】
ヴァレリーの影響を強く受けた文学者や思想家って誰ですか?
ヴァレリーって生きている時は、シュルレアリスムや実存主義の
流行であまり相手にされていない気がします。
31 :
吾輩は名無しである:02/10/02 13:33
文学者ではたしかにあまり思い浮かばない。音楽家ではストラヴィンスキーが反射的に思い浮かぶけど。
かれ、エリオットの詩には節付けたけど、ヴァレリーはやってないのが残念。
>29さん
フランス文学史には自信はないですが、バルトやセールは幾分受け継いで
いるのではないかと。あとはエドワード・サイード。と、これは受け継いで
いるというよりは『始まりの現象』のなかで、おそらく批評家としての
姿勢をヴァレリーから学んでいると言った方がよさそうですが。
33 :
吾輩は名無しである :02/10/09 05:04
質問です
「音楽の富を文学に奪い返す」ってたしかヴァレリーの言葉だとおもうけど何に入っているか教えて。邦訳でてる?
34 :
吾輩は名無しである:02/10/09 07:22
全集でも補巻2冊つきはかなり高い
カイエ篇も高い
35 :
吾輩は名無しである:02/10/09 17:30
>>33 マラルメかも
あとマラルメのスレッドってどうしてないのかな?
36 :
吾輩は名無しである:02/10/09 17:33
マラルメ精読スレとかたてたら需要はあると思うけどね
だれかが腹括って維持してくれれば
37 :
吾輩は名無しである:02/10/09 17:44
谷沢永一はヴァレリー好きだよ
本に全く集中できなくてうつ病のとき、ヴァレリーだけ読んでるときは字が
頭に入ってきたらしいよ
38 :
吾輩は名無しである:02/10/09 18:38
>>37 そんな俗物に好かれてもなあ
ヴァレリーは超エリートの匂いがする
39 :
吾輩は名無しである:02/10/09 19:14
ヴァレリーってどんな流派に属してるの? シュルレアリスム?
40 :
吾輩は名無しである:02/10/09 20:25
土と血と情念から作られた混沌の偶像を崇拝する20世紀において、
ヴァレリーはつねに思考の明晰な快楽と秩序の秘密の冒険を求めたのだった。
41 :
吾輩は名無しである:02/10/09 20:28
>>39 マラルメの芸術を理解した、最後の象徴主義者
42 :
吾輩は名無しである:02/10/09 23:35
Assise,la fileuse au bleu de la croisee
43 :
吾輩は名無しである:02/10/09 23:39
テスト氏途中で止めました。私には難しすぎた。
44 :
吾輩は名無しである:02/10/09 23:44
むっしゅ あたま
45 :
吾輩は名無しである:02/10/10 01:22
悪態とは、原始的で最も安易な言語表現である。
P.Valery
46 :
吾輩は名無しである:02/10/10 01:28
>>39 詩人としてはサンボリストであるが、それは一面に過ぎん。
「ヴァレリーはヴァレリー」としか言いようがない。
精神分析は一貫して否定していたが、彼の言説は精神分析のそれと
近いといわれている。
哲学については、「ヨーロッパ哲学は印欧語という言語に特有の
言語学上の問題に過ぎない」みたいなことも言っていた。
カイエは汲めども尽きぬ泉、みたいなもんか。
この人はバケモンだわね。
47 :
吾輩は名無しである:02/10/10 01:36
>>46 ほぼ同意しますが、
>彼の言説は精神分析のそれと近いといわれている。
これを言ったらヴァレリーの思想は干からびてしまいます。
ヴァレリーは精神分析と近づけてはいけないでしょう。
むしろ生態学などが近いはず。
付けたしですが、
精神分析を否定していたのが、ヴァレリーの先見性そして
射程の広さを伺わせます。
49 :
吾輩は名無しである:02/10/16 01:05
La psychologie ne doit pas etre explicative,
mais seulement representative.
(Systeme)
50 :
吾輩は名無しである:02/10/16 02:15
>>48 それもどうよ?
一般的にただのアンチは思考を狭くするよ?
>>30 フランス文学は知らんが、日本では石川淳が有名ですよ。
>>35 マラルメのスレ、以前どっかでみましたが、荒らされてさんざん。
2ちゃんじゃ難しいのかと思っていました。
>>36がいうように、1の努力がないと無理かも。
立ったら応援に行きますよ。
52 :
吾輩は名無しである:02/10/16 20:48
中公クラシックスからヴァレリーは出ないのか?
世界の名著に一緒に出版されたアランはもう出とるのだが・・・。
a ne designer que la coupe
54 :
吾輩は名無しである:02/10/20 07:45
plus je pense, plus je pense
55 :
ポエタ・ドクトス:02/10/25 01:36
再び質問:ヴァレリーに詳しい方々が見ていらっしゃるとおもうので・・・
「音楽の富を文学に奪い返す」ってたしかヴァレリーの言葉だとおもうけど、カイエ篇見たんですが
見つからなかった・・・(探し方が悪いのかも)
56 :
吾輩は名無しである:02/10/25 10:21
>55
ボードレールでは?
ワーグナー音楽を意識したサンボリズムの理論。
57 :
吾輩は名無しである:02/10/25 23:57
田口検証本、本日堂々発売!
馬鹿ども買え!!
我々の印税がかかっておるのだ協力しろ!
上記の無礼なカキコについてのお詫び。
田口スレの住人ですが、ランディ周辺の汚猿が、盗作監視スレの
評判を落とすためのなりきりカキコを、
あちこちのスレで乱発しています。
こちらのスレッドを無礼なカキコを汚して申しわけありません。
どうかお許し下さい。m(_ _)m
ヴァレリースレに田口のことなんか書くなよ。(泣)
同感.
というか、田口とか言う人ヴァレリーのことさえ知らないだろう
別に知らんでいいけどね。
53はマラルメ
「風立ちぬ、今は秋〜」もう、すっかり秋ですね。
Quand vint l'automne, il n'etait plus...
66 :
吾輩は名無しである:02/11/11 17:49
もう少し建設的な会話しようよ
って2ちゃんで望んでも無駄か(w
67 :
吾輩は名無しである:02/11/21 11:02
建設的ねえ
68 :
吾輩は名無しである:02/11/27 13:26
age
sage
age
>>52 まだ中公バックスで売ってるし、ついこのまえ買った。
それより純粋及び応用アナーキー原理が読みたい
65のilはマラルメ
アナーキー原理、最高です。
74 :
吾輩は名無しである:02/12/24 15:07
アガートとアナーキー原理、全集とカイエ全集で、
主なものはほぼ全部が翻訳されていることになるのかな?
75 :
吾輩は名無しである:03/01/11 22:47
"Vues"って翻訳されていたっけ?
76 :
吾輩は名無しである:03/01/14 00:21
いま「魅惑」を読み進めていたりします。
アルベール・チボーデの『ポール・ヴァレリー』を読んだのですが、すごく
良かった。小林秀雄が推してたので読んでみました。皆さん、おすすめの
ヴァレリー論ってあります?
ところで、イマージュって、あえて日本語に訳すとどうなるんでしょう?
識者のお考えを頂ければ幸いです。
(^^)
78 :
吾輩は名無しである:
ヴァレリー浮上上げ