【花の】 隆 慶一郎 【慶次】

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1辰千代
「りゅう けいいちろう」東大仏文科卒。(恩師・・・・辰野隆、小林秀雄) 
脚本家:池田一朗(「にあんちゃん」「野獣の青春」)
’84デビュー。’89/11逝去(65歳、作家活動期間僅か5年)

現在入手可能作品(文庫)
・吉原御免状(デビュー作) ・・・新潮
・鬼麿斬人剣 ・・・新潮
・影武者徳川家康 ・・・新潮
・かくれ里苦界行 ・・・新潮
・一夢庵風流記 ・・・新潮、集英社(コミック「花の慶次」原作)
・捨て童子・松平忠輝 ・・・講談社
・柳生刺客状 ・・・講談社
・柳生非情剣 ・・・講談社
・花と火の帝(未完) ・・・講談社
・死ぬことと見つけたり(未完) ・・・新潮
・見知らぬ海へ(未完) ・・・講談社
・かぶいて候(未完) ・・・集英社
・駆込寺蔭始末 ・・・徳間、光文社
・風の呪殺陣 ・・・徳間、光文社
・時代小説の愉しみ(エッセイ) ・・・講談社

網野史学の導入、五味康祐の確立した柳生一族像の大胆な転換、骨太な発想・・・・
キーワードは様々。(類似名称に「峰隆一郎(みねりゅういちろう)」:間違えやすいが別人)

かる〜い話も、小難しい話も、熱く語りませう。
2吾輩は名無しである:02/07/10 19:38
一夢庵風流記スレなかったっけ?
3辰千代:02/07/10 19:41
>>2
倉庫逝っちゃてません?
4吾輩は名無しである:02/07/10 20:04
スレを立て直す時は過去ログと関連スレは貼っておいて下さい。

文学板
隆慶一郎
http://mentai.2ch.net/book/kako/1008/10086/1008608394.html
446;隆慶一郎(3) って可哀想だね。
http://mentai.2ch.net/book/kako/1011/10112/1011208111.html
214:446隆慶一郎(3)って可哀想(4)って可哀想
http://mentai.2ch.net/book/kako/1011/10115/1011545190.html
一般書籍板
隆慶一郎の作品について語ろう
http://natto.2ch.net/books/kako/998/998401522.html
隆慶一郎はクソだと思う人の数→
http://natto.2ch.net/books/kako/1013/10133/1013362792.html
ヨーロッパ版隆慶一郎
http://book.2ch.net/books/kako/1022/10229/1022936241.html
5吾輩は名無しである:02/07/10 20:08
隆はいいね。
マジいいね。

ところで文庫で読めない作品って、短編の「心の一方」のほかにもあったっけ?
6吾輩は名無しである:02/07/10 20:11
文学板の住人ってのはね、隆慶一郎を語るだけの力量のある知性は少ないよ(w
7吾輩は名無しである:02/07/10 20:11
うん。おれ読んだ事ないもん。
8吾輩は名無しである:02/07/10 20:12
>>6
分かる気がする。
それなりに物の分かった人でないと、単なるマッチョ小説にしか見えないかも。
9吾輩は名無しである:02/07/10 20:15
生きているスレもあるし。

一般書籍板
一夢庵風流記
http://book.2ch.net/test/read.cgi/books/1015245556/
10辰千代:02/07/10 20:18
おお、レスがついてる(笑)
皆さんありがとうございます。
>>4
すんません。感謝します。
>>5
「夜叉神の翁」という未完の作品があるようです。
>>6
>>7
>>8
そうなんですか・・。地道にマターリおながいします。
>>9
それ知りませんでした。ありがとうございます。
11吾輩は名無しである:02/07/10 20:41
柳生非情剣が好きだああ
12999:02/07/10 20:57
全部好き。文句ある?
13吾輩は名無しである:02/07/10 20:59
卒論が「ポール・ヴァレリー論」だったらしい。
読んでみたい。
14吾輩は名無しである:02/07/10 21:07
そんじょそこらの「ハーレ・クイーン・ロマンサー作家」みたいな連中の
”純文学”ゴミ作品が吹き飛ばされてしまう一級品の作品群。
1511:02/07/10 21:13
俺だって全部好きだああ
その中で柳生非情剣、主さんがいっち好き!
16吾輩は名無しである:02/07/10 21:15
小林秀雄との関係は?
17吾輩は名無しである:02/07/10 21:21
恩師・辰野隆(←ペンネームの姓はここから取られている)教授の退官記念講義&パーティーで
先輩として出会い、当時創元社の編集担当重役だった小林に「僕、先生のところで働きたいんです」と
隆(池田)は申し入れ「いいよ、明日からおいで」。

それから3年間、創元社の編集者として、小林の厳しい鍛錬の下に勤務。
18吾輩は名無しである:02/07/10 21:23
言葉足らずスマソ

先輩として出会い → (小林とは)先輩として出会い
19吾輩は名無しである:02/07/10 21:24
「時代小説の愉しみ」に書いてあるね。
20吾輩は名無しである:02/07/10 21:26
>>19
『編集者の頃』ってエッセイですね。
21吾輩は名無しである:02/07/10 21:33
物凄い読書量・勉強量だったらしいですね。
漏れは物書きになる気は無いが、オモロイ本はイパーイ読んでみたい
22吾輩は名無しである:02/07/10 21:47
漏れは隆の文体は大藪春彦から来てると個人的に考えてるんだけど
(『・・・・だ。・・・・である。』というリズミカルな文体)、やはりそれには限界が
あって、同じ柳生を描いた先輩作家・五味康祐の格調高い文体には今ひとつ
かなわない気がした。(でも隆は大好き)
23吾輩は名無しである:02/07/10 22:07
なんだか似たよな名前のバッタ物の作家がいたはずだが、
名前忘れた。
24吾輩は名無しである:02/07/10 22:19
>>23
>>1にあるよ
25吾輩は名無しである:02/07/10 22:40
峰もけっこう有名な作家なんだけどねぇ・・・
26吾輩は名無しである:02/07/10 22:52
「連合赤軍 あさま山荘事件」「東大落城」とかで最近読み応えある著作が
文春文庫収録で気軽に読めるようになった佐々淳行(さっさあつゆき)氏って
のがいますね(目黒警察の巡査を振り出しに防衛施設庁長官まで行った人)。

この人と上司の後藤田氏が・・・・何となーく忍者六郎と二郎三郎(家康)って
感じがしたよ(笑)
27吾輩は名無しである:02/07/10 22:56
>>21
やっぱそうなんだ。
ちょっとタダモノじゃないもんね。
28吾輩は名無しである:02/07/10 23:49
とにかく、総務・経理・庶務といった内勤の人間はちょっとはこういう
型破りな世界や発想に触れておいたほうがいいかもね。
ともすると自分のいるフロアーだけの視点の連中多いし(藁
29吾輩は名無しである:02/07/11 00:56
作品が少ないのがネックだよなあ。
しかたないんだけど。
30吾輩は名無しである:02/07/11 06:12
「隆慶一郎読本」(新人物往来社 1999/4/24発行 359頁 \2,000+税)
という研究本には山口昌男、網野善彦他、錚々たる人々が隆氏について
書いてますね。
31吾輩は名無しである:02/07/11 20:06
やばい。
どれぐらい錚々たる人々なのかわからん・・・
32吾輩は名無しである:02/07/11 20:13
ただの通俗作家 kekeke
33吾輩は名無しである:02/07/11 20:50
>>32
あなたが凄いと思う現代の作家はどなたなんです?
34吾輩は名無しである:02/07/11 20:55
>>32は才能無しのただの僻み(w
注:凡庸な人間は、ろくすっぽ知らない・理解してない対象にはこのような言を浴びせるのは日常茶飯)
35吾輩は名無しである:02/07/11 21:24
読んだの「死ぬことと見つけたり」だけなんだけど、
上巻(わかれてるの文庫だけ?)はすごく気に入ったんだけど、
下巻でなんだかダレて惰性で読んだ。
未完だし。

他の作品は、どっちかっつーと上巻・下巻、どっちの雰囲気なんすかねー?
36吾輩は名無しである:02/07/11 21:29
>>35
一夢庵風流記なんかいいですよ。「死ぬ事と・・」上巻をもっと圧縮して
濃密な感じの文体。

(後期作品になるほど少しづつ流麗な文体になっていったが、初期〜中期
は硬質で、それでいて魅力的なスタイル・・・大して変わらないけど)
37吾輩は名無しである:02/07/12 01:56
ありがと>>36
明日、本屋いってくる。
38吾輩は名無しである:02/07/12 06:05
NHKの大河で「利家とまつ」ってやってるけど、その話を初めて
知ったのは「一夢庵」ですた。
39吾輩は名無しである:02/07/12 06:06
40吾輩は名無しである:02/07/12 06:17
>>39
ブラウザ・クラッシャー
41吾輩は名無しである:02/07/12 06:36
と思わせといてふつう
42吾輩は名無しである:02/07/12 20:58
漫画の「花の慶次」って読んだ事無いんだけどそれなりに
読めるシロモノなの?
43吾輩は名無しである:02/07/14 02:03
まあまあかな。
中盤までは脚本家つきだから結構いける。
中盤からは脚本なし。ちとパワーダウンかな
惰性で読めちゃうけど。
44吾輩は名無しである:02/07/16 04:20
>>43
ありがとう。
45吾輩は名無しである:02/07/16 10:19
隆作品に代表される、戦国、江戸初期時代の日本人の価値観や規制概念の変化、時代背景。公界人達の責任ある自由への憧れ。そういった物を作品から汲み取ることによって本当の良さが分かるはずだ!
46吾輩は名無しである:02/07/16 15:35
>>45
それなら網野善彦氏の著作読んだほうがいいじゃん。
47吾輩は名無しである:02/07/17 09:12
>>35
オレとまったく逆だ。
上下とも面白くない事はないが、オレは上巻は正直小説になってないと思う(w。
連載だったからか、だんだん小説が上手くなっていく過程がおもろい。
オレ、この人は長編より短編のほうが好きだけど。

「野風の笛」ってシナリオの載ってる雑誌持ってんだけど、レア?うらやますぃ?
48吾輩は名無しである:02/07/17 14:19
>>45
それだけに固執しちゃうと作品の良さが死んじゃうぞー

権力と圧倒的な数をもつマジョリティと、そのどちらもないマイノリティ。
主人公側の人間のほとんどは、
権力闘争に敗れたもの、被差別の人間、奴隷身分、男社会において人間扱いされなかった女たち、である。
単純に自由=善とせず、自由=混沌としているところもいい。

心理描写もすごいぞ。
父と子、母と子の観点から人間を描く。文学の定番っすね。
また敵は苦労知らずのインテリ若造が多く、世の辛酸をなめた主人公と対決する。
この辺は現代風刺だよね。たぶん。

また、戦争をテーマにしているところもいい。時代小説には案外すくないんだよね…。
本人が戦争に行ったことが大きいと思う。
己の欲望のために人を人と思わず虫のように殺す人々と、ただ生きるために戦う人々。
敵も味方も惨殺する技、裏柳生の「虎乱」と、
殺人術を極めた結果である、相手を傷つけずに勝つ「無刀取り」は象徴的に描かれている。


長レススマソ〜
隆が好きなんすよ〜
49吾輩は名無しである:02/07/18 00:35
隆慶一郎の著作読んだおかげで、黒澤遺作脚本の「雨上がる」で
御前試合のシーンを観た時、「ふーん、これが”見切りの術”か・・・」
なんて思ったよ。(w
50吾輩は名無しである:02/07/21 20:36
五味康祐の「柳生武芸帖」だと柳生宗矩は、最後は自分で片足を切断するところまでいくワケだが。

隆は徹底的に2.5枚目(俺目盛り)に描いているな。
51吾輩は名無しである:02/07/26 01:39
age
52吾輩は名無しである:02/07/26 02:01
おお、久々良スレ。面白いよねえ、はまるよねえ。

ちょっと違うけど、吉村昭とか、新田次郎とかも好きですけどだめでしょうか。

>>46 網野読んでもわくわくしないからねー

53吾輩は名無しである:02/07/26 12:44
>>52
どんどん語り倒しちゃって下さい。
(隆との比較の意味も込めて)
54吾輩は名無しである:02/07/29 10:53
隆慶一郎読み終わったら、次に何に手を出していいのか。。。(さすらい)
55吾輩は名無しである:02/07/29 20:38
>>54吉川英治に行きなされ!
56吾輩は名無しである:02/08/03 00:23
歌舞伎揚げ
57吾輩は名無しである:02/08/16 12:37
ちわっす!

http://www3.tok2.com/home/ikedakai/scenario2.html

ここのページ見てたら脚本家時代の作品でも岡本喜八監督「顔役暁に死す」とか、
鈴木清順監督の「野獣の青春」、アニメの「わんぱく王子のおろち退治」などの
仕事してる人だったんですねー。

58男前になりたい。:02/08/16 15:22
隆は男前。隆が嫌いなのは美男子を見て幸福より嫉妬を感じる不幸なやつ。
59吾輩は名無しである:02/08/17 22:56
どうしても網野とか小林とかそっちの話題に行きがちだが、隆慶一郎に影響を与えた
作家として小池一夫は外せないな。
烈堂率いる裏柳生は小池の創作だもの(w)。
「子連れ狼」の脚本書いてたから影響受けても当然だが。
60吾輩は名無しである:02/08/17 23:16
『花と火の帝』が好きだ〜。夫は10回以上再読している。
『見知らぬ海へ』の<未完>に辿り着いたときには、これが完成していたら
どんなにすごい小説になっていただろうと、とにかく残念でくやしくって…
本であれほど悔やんでも悔やみきれない気持ちになったことはない。
61吾輩は名無しである:02/08/18 00:35
>>59
その小池一夫は、「大藪春彦さんに絶大な影響を受けてます」と
大藪追悼本に書いてた。隆の脚本も大藪原作あるしね。
結構つながってんだね。
62吾輩は名無しである
でも彼の評伝のなかで、弟子に作品のなかの台詞は
無視していいよってアドバイスして草稿かかせた脚本が
大藪作品だったとか。
たしかに大藪作品は描写に関してはぴか一だけど、台詞は
けっこうくさいのがおおいから、的確なアドバイスだった
とはおもう。

漏れとしてはやはり「花と火の帝」の完成をみたかった。
あとヤマトタケルの話しも読みたかった。

尚彼はあと10年もしたら大学の文学部のゼミでも
とりあげられる作家になるだろうと予言しておく。