ここにいる君、ミステリ小説ばかり読む奴どう思う?

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51吾輩は名無しである
総括して終了しょう。
ミステリ小説を読むことにより得るものは無いが、
失うもの(特に金と時間)は多いのはよく知られたところである。
実際、「ミステリ小説の類は読まない」という知識人は多いし、
「殺人事件を扱う類が多いミステリ小説は読者の精神を荒廃させる。」というある識者の意見に対しても、ネットのアンダー―グラ ウンドに出入りする者が多い(これすなわち精神的荒廃のあらわれである。)事実からわかるとおり有力な反論を見出せないのが現実である。
読書の究極の目的が人格の陶冶にあることを考えると、 ミステリなど読まずに次に紹介するような文学作品に親しむ ことがまず肝要といえる。
1 本格ミステリ、サスペンスミステリなど読まずに
「罪と罰」「カラマーゾフの兄弟」(共にドストエフスキー
新潮文庫刊)の読破をお薦めするする。
この2作の読了後は、古今のミステリの名作「Yの悲劇」、 「アクロイド殺し」等も随分貧弱な小説にみえる。
さしずめ、クリスティはパートのオバさん、クイーンは街角 の謎かけおじさん、いわんやカーにいたっては全てが余興 に見えてしまうほどである。
所詮彼らも文学界のミステリというマイナーリーグのエース に過ぎないことがよくわかる。
2 ハードボイルドミステリなど読まずに
まず、へミングウエイの「老人と海」、へミングウエイ短編集 (共に新潮文庫刊)を読むことである。 以降は、へミングウエイの他の長篇を順次読んでいくこと。このハードボイルドの元祖を読んだ後はハードボイルド ミステリはなんとも下品な代物に見えるから不思議だ。
これが審美眼の向上ということである。
3 短編ミステリなどは読まずに芥川龍之介、志賀直哉の 短編を読むべきである。(共に新潮文庫に短編集あり) 彼らの作品は正に国の宝である。
短編ミステリはいわば手品師の余興に過ぎない。
4 冒険小説は読むべきでない。
これは個人的お薦めだが吉村昭の「羆嵐」「高熱ずい道」 「長英逃亡」「破獄」「間宮林蔵」「北天の星」を読め冒険小説など束でぶっ飛ぶ。
筆者は「ホワイトアウト」という本を吉村作品の後に読んで 正に失笑を禁じえなかったことを告白しておこう。
5 ホラー
馬鹿馬鹿しい。読むな。もう21世紀であることを念頭
におけ!
6 SF
この分野は将来的に優れた文学性を持った作品が現れる
可能性を秘めたエンターティメントでは唯一の分野である。 現在は低迷。機会をあらためてまた話そう!
以上紹介した作品には新潮文庫が多い。
そう言えばまもなく「新潮文庫の100冊」のシーズンである。 そこで、筆者は次の一言でこの論考を締めくくろうと思う。
      ミステリ全て逝って良し!
                               以上