1 :
吾輩は名無しである:
近代文学のパイオニア長谷川辰之助について語ろう。
2 :
吾輩は名無しである:02/03/17 01:43
・・・くたばってぇ〜しめぇ〜・・・
正直なところ、二葉亭のある程度出来上がった作品って『浮雲』『其面影』『平凡』
だけですよね。でも、この人って、この人自体が面白い。
外大卒→教師→翻訳する・小説書く→満州で娼館経営手伝う→清国で行政の手伝い
→帰国して、また教師→また小説→シベリア→ロンドン→帰国途中シンガポールで
客死
うろ覚えなので順序とか間違ってるかもしれないですが。
中村光夫の『二葉亭四迷伝』はおもしろかった。
文学史的には浮雲>平凡>其面影という評価なのかもしれないけど
私的には其面影>平凡>浮雲の順に好きです。
>>4さん
そうそう『二葉亭四迷伝』、おいらもそれで二葉亭興味持ちました。
あれはおすすめですよね。
「親の臑を噛っているのは不可、独立独行、誰の恩をも被ては不可、となる。
すると勢い金が欲しくなる。欲しくなると小説でも書かなければならんが
そいつは芸術に対して済まない」
なんてジレンマ抱えつつ「こしらえた」作品としての『浮雲』だが、前半から
後半にかけて文体の中にも日/露のジレンマが見えるようになる。この作家
捉えるのは日本を捉えることだ、って言うのはその通りで、芸術/実生活や
日本/外国ってな感じの(むやみと長続きしている幻想だと俺は思うが)
「ジレンマ」を体現しているのが二葉亭の面白さだよね。
あとは「言文一致」と言いながら、逆に描写と会話の「分離」現象ってのも、
何となくこの作家から始まったような気もするのだが、そこら辺はいい加減に
しか考えてないから誰か詳しく論じてくれ。
7 :
吾輩は名無しである:02/03/18 01:55
描写と会話の分離?
北京から坪内逍遥にあてた手紙に、俺は理念が先行していかんせん実生活に不適だ・・・
みたいな記述があるんだけど、それもロシア文学から入ってきた人物観で自分を
反省している気がします。単に周囲とうまくやれてないというだけなんだけど、そ
こに理念を介在させて説明しちゃうというのは面白いです。
金が欲しければ商売としてどんどん売文すればいいわけだけど、そうはせずに
芸術というふうに切り離したりしますよね。こういうのも理念が先行してる二葉亭
の性格ということもできるんだけど、こういう言い方をしちゃうってところと
作品が結構複雑に絡み合って、『浮雲』とか出来てきている気がします。そこ
が確かに面白い。
ixionさんの言う描写と会話の分離っていうのは、単純に地の文と会話文を
混交させずに書くってことなんじゃないかと思うのですが。>7さん
いや、昔から会話と地の文って一応区別されてるけど、それを意識化した
のは二葉亭の「あひびき」の翻訳とか「浮雲」とかなのかなぁ、って適当に
思っただけ。
あとから考えると、源氏物語も近世文学もこの区別はあるな、と思ったので
撤回。いや「浮雲」って、地の文と会話の「活きのよさ」が全く違うから、
あれほどバラバラに分離した形で会話と描写を扱ったのって、どうなんだろう
と思ったんですわ。
勘違いスマソ
10 :
吾輩は名無しである:02/03/19 19:57
何のきっかけで読んだんだか忘れてしまったけれど
『其面影』を読んだら予想外に面白くて一気に読んで
しまった。父にその話をしたら意外にも「あれはいいな。
お父さんも好きだ」と言ったので驚いたのと同時に嬉しかった。
四迷は授業では言文一致、というカテゴリーでしか
認識していなかったけど、ほんと面白い人だなと思った。
古さを全然感じなかった、というより非常に現代的な
感じがしたなあ。
高校時代、ウチのオヤジがよっぱらって「二葉亭四迷は26まで童貞だったんだぞ
ガハハハ」とか吼えていたから、調べてみたら本当でした。
>>10さん
『其面影』って一番安心して読めますよね。それにくらべて『平凡』は読みにく
かったです。いろいろな文体を試していたのですかね、二葉亭は?かいかぶり
すぎかな。
12 :
吾輩は名無しである:02/03/20 17:27
ツルゲーネフの翻訳の文章は最高にいい。
13 :
吾輩は名無しである:02/03/30 16:32
age
15 :
吾輩は名無しである:02/04/19 15:13
age
16 :
吾輩は名無しである:02/04/29 19:28
今こそ語ろう!
17 :
吾輩は名無しである:02/05/07 00:07
語らねえのかよ。
18 :
吾輩は名無しである:02/05/19 06:32
どうぞ、語ってください。
>>11 あんたのお父さん、ええなぁ〜、
友達になりたい、酒酌み交わしたわ、マジ。よろしゅう云うといて(^^)
20 :
吾輩は名無しである:02/05/24 19:50
どうも俺が好きな作家で、アゲ悪いな。
二葉亭、秋声、梶井、織田作、島尾、藤枝、小島、河野と、
全部アゲてやろう、暇だし。
ここ文学版だと思うんだけど、皆いったいどういう本読んでんのかな。
漱石もいいけど、二葉亭はもっといい!
最近、翻訳もの幾つか読み返したけど、エクセレント!
漱石のいいところは、全部長谷川亭からのパクリだと、そういってみたりする。
>>19さん
その親父も痛風には勝てず、最近は酒量を控えとるみたいです。
『平凡』って、再現的な小説というよりは、内向する言葉を
繰り返す小説で、実際読んでいて辛い小説ですけど、最後になんで
そういうところにいったのかなあとふと思います。
22 :
吾輩は名無しである:02/05/26 02:42
だから文学止しちゃったんかねえ?
23 :
吾輩は名無しである:02/05/26 14:32
私の好きな順
其面影>茶筅髪>小説文体意見>夢かたり>平凡>浮雲>狂人日記
「浮雲」みたいなのは「破戒」とか「蔵の中」とか井伏鱒二に継承されていったけど、
漱石「猫」のようなスウィフト的なものは誰にも受け継がれていない。
彼は月給30円。ちなみに鴎外は200円。
「平凡」の犬殺しは少年時代のことになってるけど、実は本人29歳の実体験。
彼の妻の子は、彼の子でなかった(「嫉妬する夫の手記」)。
作家にしかなれない物の感じ方がよく伝わる。彼が勉強したロシア文学の主人公にも似ている。
金がなく、父がクビになって死に、妻は友人の子を宿す。それが「平凡」を書かせた背景。
24 :
吾輩は名無しである:02/05/27 01:42
それを生かしめた言葉の背景のほうがより大事なのかも。
くたばってしまえ
26 :
吾輩は名無しである:02/05/27 02:08
おまえがな!
ほ
28 :
吾輩は名無しである:02/06/05 00:02
始祖救済アゲ!
29 :
吾輩は名無しである:02/06/17 01:03
age
30 :
吾輩は名無しである:02/07/05 22:34
今こそ語ろう!
31 :
吾輩は名無しである:02/07/15 21:56
浮雲読んだ。
意外と俗っぽい話で驚いたyo
32 :
吾輩は名無しである:02/07/15 23:11
日本で初めて言文一致小説を書いたってことはめっちゃすごいことなのに、一般に知られてなさすぎじゃないですか?
今の高校生なんか知ってるやつほとんどいませんし。
33 :
吾輩は名無しである:02/07/15 23:23
言文一致は斬新だが、物書きとしての実力はさほどでもない、とどこかの先生が言っていた。
34 :
吾輩は名無しである:02/07/25 18:41
あげ
35 :
吾輩は名無しである:02/07/25 19:34
>>33 いや、すごくないですか?翻訳家としての実績もあるし。
36 :
吾輩は名無しである:02/07/30 19:04
う
正常スレは保全する
38 :
吾輩は名無しである:02/08/19 18:26
念のため
39 :
吾輩は名無しである:02/08/19 19:28
>>35 俺がこんなこと言うのはたいへんおこがましいが
今から見れば、下手糞だしおもんない
ただもちろん歴史的な意味を考えればすごいし
先駆者だから、下手糞に決まってるのだが
あと翻訳というのも文体を作るポイントになったみたいだね
40 :
吾輩は名無しである:02/08/19 19:31
41 :
吾輩は名無しである:02/09/03 16:05
くたばってしにたくないage