全集読破した方、一作のみの方まで。
森鴎外について、文学以外の見地からもどうぞ。
いかがでしょうか。
森鴎外の作品は面白いですよ。君の顔くらい。
3 :
吾輩は名無しである:02/02/26 00:30
いぜんの鴎外スレ発掘してくれ。
どうでもいいけど、2のような発言社会の中で言ったら、殺されるな。
危険な書き込みだ。
そこはかとなくエロい
8 :
吾輩は名無しである :02/02/27 00:44
読むな。時間の無駄だ!
それより辻仁成を読め。時間というのは有意義に使うべきなのだ。
9 :
吾輩は名無しである:02/02/27 04:31
>8
禿胴! それと室井佑月も忘れるなよ。
10 :
吾輩は名無しである:02/02/27 04:35
親父も偉大だったが、娘の森茉莉もあっぱれ、人物だったなぁ。
筑摩から何年も前に出た「森茉莉全集」は今、古書店で8万円もする。父親の全集
より高いのではないか?
11 :
吾輩は名無しである:02/02/27 08:36
星新一が小金井喜美子の孫だという事実はあまりしられていない。
大変よろしいですナ。
鴎外は読めば読むほど、エラさがわかる。勤勉で克己心に満ち
女房とおっかさんの嫁姑の問題までこなして、
良き息子、良き夫、良き父親であろうと努力し続けた・・・
昔の日本の男ですなぁ・・・。
『渋江抽齋』マンセーー!
このスレの住人は脚気ウイルス説を信じてうんと苦しむがいいさ!
14 :
吾輩は名無しである:02/02/28 00:10
>8&9
ワラタ
15 :
吾輩は名無しである:02/02/28 02:11
カンザンジットクの意味がわかりません。
もう少しわかりやすくかけなかったのでしょうか、センセイ。
漏れ、馬鹿だからティンプンカンプンよ。
16 :
ということで:02/02/28 16:39
鴎外の「夏目漱石論」は岩波38巻本のなかにもはいってます?
17 :
吾輩は名無しである:02/02/28 16:58
知らん。昔図書館で読んだ。全集に入ってた。
夏目金之助論だったかもしれん。夏目漱石についてだったかもしれん。
とにかく爆笑ものだった。
18 :
我輩は名無しである:02/03/02 00:40
>>15 「追儺」に似てますよん。
読み比べてみ。
19 :
吾輩は名無しである:02/03/02 13:43
千駄木にある鴎外記念館には行きましたか?
阿部一族最初の数ページで挫折しました(w
明治文体って言うのですかね。あれ。
あの文体になれるには何から始めればよいのでしょうか。
21 :
我輩は名無しである:02/03/02 23:43
22 :
我輩は名無しである:02/03/05 00:34
>>20 1.雁
2.ヰタ・セクスアリス
3.最後の一句
文庫化されてるのなら、このあたりが読みやすい。
全集になら、もっとおもしろいのがあるんだが。
23 :
我輩は名無しである:02/03/11 00:17
age
24 :
吾輩は名無しである:02/03/11 00:24
「森鴎外は、文体の天才である。」
by三島由紀夫
そんとおりだと思う。
「巨匠」つー偏見を外して読んでみると。
25 :
吾輩は名無しである:02/03/11 00:26
現代語に直してある本ないのかな
26 :
吾輩は名無しである:02/03/11 01:06
つーか、現代の小説の文体の基礎を築いたのが鴎外なのだ。
それが「舞姫」のせいですっかり「時代遅れの文章を書く人」扱いに…
鴎外自身の小説も良いが、翻訳物の「諸国物語」から入ると、案外楽に
鴎外ワールドに進めるかもしれない。
27 :
吾輩は名無しである:02/03/11 08:08
最近「舞姫」を口語訳したやつが出るとか出たとか・・・。
エリスの一人称が「あたいは〜」なんだって。
で、冒頭の「石炭をばはや積み果てつ」が
「石炭はもう積み終わった」とかになってんの。
更に、石炭を「船の燃料」にまで変える気だったらしい。
理由は「最近の若い人たちは、石炭が燃料で船を動かすのに必要だということも
知らないのでは、と思って」らしい。
そこまで過保護にする必要はないのでは?
「あたいを捨てないでおくれよ」とかエリスがいってる舞姫なんて
読みたくもなんともねえよ。
あの文体が読みにくいだろうから、という配慮によるものだとは
思うのだが、これでは鴎外の魅力がまったく伝わらないようになってしまわないか?
それでは本末転倒だ。
訳者よ、もう少し賢い選択はできなかったのだろうか。
読みやすい=(・∀・)イイ!ではないのだよ。
>読みやすい=(・∀・)イイ!ではないのだよ。
もしこの文章が外国文学の邦訳だったら読みにくいと思ったドキュソが
「翻訳がクソ」「翻訳を変えろ」と騒いでいたに違いない。
はじめから日本語で書かれた文学だから、おおっぴらに騒げないけど。
しかし、高校で古文のカリキュラム受けたら、普通に読めるよな、擬古文なんて。
29 :
吾輩は名無しである:02/03/11 16:41
そうか。そうなのか。立ち読みしてためらったけど、買ってみようかと思う。でも読むのに頭を使うことには変わりない。でも頑張って読んでみようかと思う。ありがとう。
30 :
見せかけ社会:02/03/13 02:01
ヰタ・セクスアリス
これのおかげで鴎外のカタいイメージがふっとんだよ
「舞姫」を現代語訳して欲しいっていうのはまだしも分かる(それでも原文のまま
読めと思うが)けど、「阿部一族」を読めないっていうのはちょっと……。
そうすると、ちょっと文学好きでも樋口一葉なんてまず読まないってことか。
いずれ吉本ばななも現代語訳してくれという日が来るのかな?
ちょっと読んでみたいかもw
33 :
吾輩は名無しである:02/03/17 06:37
20分くらい前に「舞姫」読み終わった。
もちろん初めての「舞姫」
ちなみに当方、森鴎外に関する知識ゼロ。
っていうか、かなり文学オンチで
読んできた紙媒体は芸能人エッセーと映画の原作と新聞と雑誌・・・
つまり文学デビュー、初々しいですね。
でも読めました。けっこう時間かかったけど。
で、読みたくもないでしょう感想、書きたいので書きます!
最後の半ページは読むの辛かった。
いや当然予想はできてたが、最後は予想を超えてしまった。
読んでない人もいるかも、で詳しくは書きませんが
最後から3文目で、エリスを「エリス」と呼ばなかったのが良かったです。
あと、分からない単語の説明はうれしいけど
口語訳はしないでほしいなと思った。
>>28 翻訳変えろと言って騒ぐ奴はいないだろ。翻訳家に「死ね」とか「馬鹿」とか言う奴は多いけど。
問題は、翻訳家がふだんあまり使わない単語をあえて使いたがるという事だ。
ふだん使わない単語であるから当然読者の頭にその単語から受けるイメージがわきにくいはずだろ。
つまりは理解しにくいという事だ。これは大変馬鹿げた事だ。なぜなら、翻訳家がそのへんのオバサンが
使うような言葉で訳しさえしていれば回避されていた事だからだ。
ではなぜ簡単な言葉で翻訳しないかといえば、読者に馬鹿な奴だと思われたくない翻訳家が
難しい(翻訳家自身さえ日常生活では使わない)言葉を使って翻訳するからだ。
彼らは愚かにもそうしておけば馬鹿だと思われないと思っているのだ。なんという馬鹿だ。
あるいは、翻訳家が自分は良い文章を書けると勘違いしていているからかも知れない。
しかも、彼らドキュソ翻訳家どもは良い文章とは普段使わない単語を頻繁に用い、
なるべくなら慣用句は使わない方が良いという誤った考えに毒されている。俺は名翻訳家だ、とでも思っているのかも知れない。なんという馬鹿な奴だ。
また、わかり易い言葉で翻訳したら、その翻訳された小説が面白くないものになりはしないかと
いう懸念もあるのだろう。しかし、わかり易い言葉で翻訳し、それで面白くないのならば、
その小説は最初から面白くなかったのだ。それでも翻訳したいのなら翻訳すれば良いのであって、
森鴎外の時代ならともかく、今の時代に文語調で翻訳している間抜けがいたら馬鹿にされてもしょうがないだろ。
>しかし、高校で古文のカリキュラム受けたら、普通に読めるよな、擬古文なんて。
擬古文普通に読めるにしても、口語文だって普通に読めるんだから、お前の言ってる事はなんの意味もないぞ馬鹿。
高校で古文の成績悪かったドキュソが騒いでんだろとでも言いたいのかも知れんが、
そんな低レベルな事をいちいち書くな低脳野郎。低脳晒してんじゃねえよボケ。
鴎外記念図書館はよいよ。
観潮楼跡地に立てられ
二階雑誌コーナーのベランダからの眺めはよろしい。
夜景もね。
図書館デートにはもってこいでは。
文学のわかる彼女とどうぞ。
「鴎外」。何度打っても字が「鴎外」。
寂しいよね・・・
>36
區鳥タトでどうでしょう
38 :
吾輩は名無しである:02/03/18 22:11
区鳥タトでしょ?
リーマンとしてもたいした男や。(軍医)
小説書いたりしてたから、左遷されて東京から田舎(小倉)へ
飛ばされた。同僚は栄転するというのに。
だが、區鳥タトはウジウジなんぞしてなかったな。
小倉に居た間、しっかりドイツ語に取り組み
名翻訳『即興詩人』を仕上げた。逆境を逆手に取った。リーマンの鏡や。
40 :
吾輩は名無しである:02/03/18 23:18
41 :
吾輩は名無しである:02/03/19 00:01
高校の時教師が井上靖訳の「舞姫」を紹介してくれたのだが、
文庫に収録されてるのかな。
42 :
吾輩は名無しである:02/03/19 00:56
暇つぶしに読むには鴎外の翻訳物は最適。
しかし、同時代に生まれたなら林太郎の診察だけはうけたくない。
特に結核と脚気の場合は。
43 :
吾輩は名無しである:02/03/19 11:57
・脚気ウイルス説を確信する──────かのように
・饅頭怖い、饅頭怖い─────────かのように
・小説と物語を混同している──────かのように
・断じて妄想ではない─────────かのように
・本人は至って真面目である──────かのように
え?鴎外って臨床医じゃないでしょ?
45 :
吾輩は名無しである:02/03/22 01:48
エリスって実在したの?
46 :
吾輩は名無しである:02/03/22 09:22
何故鴎外批判は多いのか。
前の世代の鴎外崇拝の反動なんだろうか。
漱石が一般受けして鴎外はコア受けだっけ。
48 :
吾輩は名無しである:02/03/22 10:52
そういえば今年は『即興詩人』出版百周年。
スレ建てるか?
もう鴎外以外読む気しねえよ
50 :
吾輩は名無しである:02/03/22 19:15
かのひとは美しき陶磁器をめでるがごとく若き妻を愛したという。
そうであるなら、かのひとの文学にもその姿勢は反映せざるをえまい。
かのひとの翻訳文体の芳醇さに引き換えて創作文体がいかに乾燥しているか。
けれども、それは、かのひとがみずからえらんだいきるかなしみであろう。
明治人は、鴎外のごとく生きねばならなかった。
漱石のようには生きることはできなかったのだ。
そして鴎外も鴎外のごとく生き、林太郎として死んだ。
結核罹患が事実であれば、かのひとは長命であったというべきであろう。
51 :
吾輩は名無しである:02/03/23 10:18
鴎外は、漱石に比べ相当ストイックな感じがするから、
なかなか馴染みにくい作品が多い。
その中では、「渋江抽斎」は謎解き的な遊びの要素もあり、
小説として面白く読めると思う。
52 :
我輩は名無しである:02/03/24 00:12
渋江抽斎はおもしろい。
もっと人に薦めるべき。
53 :
吾輩は名無しである:02/03/24 00:22
渋江抽斎てえのは大豆を自分で煮て食う倹約家のことかな。
鴎外は鯖の味噌煮が嫌いだから、そういう、淡白な食い物好きが好みか。
54 :
吾輩は名無しである:02/03/29 00:50
たのむ、誰か教えてくれ。
四月五日号の王子のインタビューで、王子が、
「巴里からまた花組が大神を追ってやってくる……というのは、
森鴎外の『舞姫』と同じ(笑)」
って言ってんだけど、『舞姫』にそんなシーンってあったっけ?
ないよなあ? どっち? 教えてくれ!
文学板でこんなこと聞いてすまそ
56 :
記憶は曖昧ですが:02/03/29 01:03
森鴎外の妹・小金井喜美子の日記(だったか…)に
ドイツから鴎外を追って来日した女性のことを記したくだりがあり
その女性は再会を果たせぬままドイツに帰ってしまうのですが
「大事な(大切な?)お兄様に何事もなくて良かった」
というような一文がありました
>>56 なるほど。
つまり「舞姫」の作品中のことではないのですか。
ありがとうございます。
そのインタビュー見て、文庫本引っ張りだして、読んだ見たのですが、
やっぱり「今日までの残りけり」で終わっていたから、
「もしかしたら、この続きがあって、エリスが豊太郎を追って
日本に来るっていう、発表されていない続きがるのでは!」
とか思っちゃいました。
58 :
我輩は名無しである:02/03/30 00:24
「普請中」というヨーロッパ女性が日本に男を訪ねてくる小説がある。
それを「舞姫」後日談のように読んでいる人もいる。
59 :
吾輩は名無しである:02/03/30 00:43
確かに漱石は、レベル的には、はっきり言って昭和文学の比ではない。
しかし、西洋との直面により生まれた近代的自我との
格闘は、無視できないね。
明治文学の魅力は、そこに尽きる。
藤村も同じだ。
俺はさ、渋江抽斎もおもしれえと思うんだよ。
史伝もさ、やっぱあれは鴎外文学の精華だろ。
でも少しコア過ぎやしないか。ちょっとみんな思い出して欲しい。
抽斎で最高に燃えたのは五百の盗賊のところだろ。
あそこは史伝っぽい書き方や漢文体を崩さないでいるとはいえ、
正直なところ展開・構造が「小説」風だろ。
いいところは小説なんだよ。鴎外は小説家。現代文が最高の小説家。
あいつの修飾語とかにみんな惚れ込んでんだろ?文章の構造とかにもさ。
まあ、俺はこんな風に考えてるから若書き三部作なんか読む価値ないと思ってる。
「舞姫が日本最初の“恋愛”・・・“富国強兵”の・・・・云々」なんてこと言って喜んでるのは
アフォだけだろ。いいも悪いもわかりゃしねえんだな。
漢文・雅文は本領じゃねえよ。
鴎外は雅文END・現代文最高!ってことでレス下さいT0T
61 :
吾輩は名無しである:02/03/30 15:07
三島曰く
「鴎外は、文体の天才」
63 :
我輩は名無しである:02/03/30 23:55
>>63 ウィタ・セクスアリスとか雁とかいいと思ったYO
追ナとか、かのようにとかもおもしろかった
抽斎もおもろいよ
ってか、もっとアツク返してくれYO
ageだな
66 :
我輩は名無しである:02/03/31 23:35
なんでもいいんじゃんか(藁)
>>66 いや、何がいいとか悪いとかじゃなくてさ・・・
もう俺2ch卒業するよ・・・気分悪くしたんならごめんな
鴎外の最高傑作は論をまたず、
「伊澤蘭軒」です。
「渋江抽斎」の比ではない。
文学者達(石川、唐木であれ)はそのことがわからないから
渋江をおしているが、伊澤は質量ともに最高です。
鴎外の一番の理解者であった永井荷風はそのことは良く知っていた。
断腸亭日記(日乘)を読めば歴然です。
69 :
我輩は名無しである:02/04/11 00:38
所有する岩波の全集によれば、
渋江は第16巻255ー516ページで約260ページ分。
それに対して伊澤は第17巻全て1ー787ページで約800ページ分。
これは翻訳物を除けば彼の著述中で最大。
質に関してはもう少し質問内容を絞ってくれればいいのだけれど。
昨日『三四郎』読んだんで、今日『青年』読みます。
荷風はその著作の墨東奇潭(字が違うけど)の最後に
蘭軒伝の有名な末節を引用している。
「わたくしは学殖なきを憂れふる。常識なきを憂れへない。」
京大は森鴎外がよっぽど好きなのかしら?
夜のワタシはガードがカタイの
エリス♪
だめだなこれは。
厨房ばかりだな。
顔に縫い目はフ蘭軒。
77 :
吾輩は名無しである:02/04/13 01:02
歴史小説についてもっとみなさんの意見が聞きたいのですが。
阿部一族とか。
吉本昭(?)の「白い航跡」という本に脚気のこと面白く書いてありました。
78 :
我輩は名無しである:02/04/13 01:15
79 :
吾輩は名無しである:02/04/13 02:42
確か森鴎外全集を読んだ人間は少ないんですよね。
編集者でさえ読んでない人がほとんどだとか。
平野啓一郎は読んだらしいですが。
>77
それは吉村昭かな?
>78
それだけではない。
岩波の「鴎外全集」の推薦文を見てみろ。
「文章読本」を見てみろ。
断腸亭日乗でもっとも多くでてくる名前は
森鴎外又はその一族である。
伊澤蘭軒は少なくとも9回、渋江は4回。
>79
三島由紀夫は確かに読んでいる。
誰かがいっていたが
「鴎外は文体の天才(?)」とは読まないと言えない。
たぶん北條霞亭まで読んでいる。
石川も唐木も読んでいる。
現代人で鴎外研究者以外の文学者は
そのほとんどがおそらく読んでいない。
寡聞にして平野啓一郎なる人物を知らない。
>>80 荷風が誉めたからって、そのまんま受け売りかぁ?
長けりゃいいってもんでもないっしょ、
ま、ボクちんが言うことじゃないだろーけどさっ。
どっちにしろ寡聞に過ぎる御仁の説は、旧すぎっ、と言っておこう。 、
なんつーか、鴎外って予防線を張りすぎなんだよ
83 :
我輩は名無しである:02/04/15 00:24
>81
全巻読んだの?
蘭軒の良さは読んでみなければわからない。
最初の書き出しから最後の、最後まで読めば読む程
これが文豪が最後に到達しえたピークであるとわかる。
間違いなく鴎外自身も最高の傑作を書いていると自負していた。
それは抽斎の比ではない。
だからこそ末節の
「わたくしは学殖なきを憂れふる。常識なきを憂れへない。」
と書いたと思われる。
さらにその後書かれた北條霞亭が思わぬほうに進み、中断に近い形で
終ったことも加えると、
もう一度いうが、蘭軒が鴎外の最高の傑作である。
>81
平野君まず読んでからいってきてね。
「白い航跡」の当面の登場人物としては、
森鴎外と高木兼寛で、この2者の戦いということになっている。
しかし、実は東京帝国大学閥と東京慈恵会医科大学閥との戦いを
書いたものでもある。
また医学におけるドイツ学派とイギリス学派の戦いといってもいい。
また陸軍と海軍の戦いといってもいい。
これらが複雑にからみ合って、明治時代におこった戦場外の戦争である。
当時の東京帝大の内科教授で鴎外の同級生である青山胤道も一枚噛んでいるはずだが、これは吉村の本にはでてこなかったと思う。
本当はさらに上司であり支援者でもあった石黒や、
ライバル小池もからんでくるにちがいないが、
惜しむらくは吉村の本にはこれもでてこない。
ここらを鴎外サイドから書けば
全く別の面白い読み物となったと思う。
訂正
東京慈恵会医科大学閥は戦後で、
その時代は東京慈恵会医院医学専門学校閥が正しい。
>83
全巻を読んだのか?
何の全巻なのか?
岩波版の全巻を読んだか?などときいているのではなかろうね。
そんな人は恐らく今の日本に一人もおらんと思うよ。
チミが岩波版の「鴎外全集」を持っているかどうかしらんが、
ドイツ語の論文まであるよ。
もしいたら是非でてきてくれ。
質問したいことはたくさんある。
88 :
吾輩は名無しである:02/04/16 12:15
1人くらいいるんじゃない?
、と適当な事を言ってみる(w
>88
少なくともチミが読んでいないことはわかった。
「鴎外全集」の編集者は読んでいると思う。
木下、小島、斉藤、佐藤(春夫)、平野、森(於兎)
佐藤(佐太郎)、沢柳。
だが全て物故者。
この中で医者である、木下杢太郎、斎藤茂吉と、
長男の森於兎は全部読んだと思うけどね。
現代で、ドイツ語の医学論文などドイツに留学した人でも
もう読める人は少ない。60代以上の人でなければ不可。
これらの中で漢籍も読める人がいれば、可だが。
90 :
吾輩は名無しである:02/04/17 14:19
鼠坂age
91 :
吾輩は名無しである:02/04/17 14:23
150 :心得をよく読みましょう :01/11/02 16:05 ID:ROIaqGUX
ひろゆきは古典的なアニメのヒーローキャラに憧れているらしい
普段はチャランポランでやるときはやる、といった
尊敬する人物を聞かれると「美味しんぼの山岡さん」とすかさず
答えるんだって
普通こういうキャラを演じたくなる欲求に駆られるのは思春期前後
の多感な時期なんだがな
ひろゆきの思春期は随分長いみたいだな
546 :心得をよく読みましょう :02/01/11 16:39 ID:r47KwFxU
ひろゆきさんってテレビに出るの「面倒くさい」とかいってるけど
1回も出演断ったことないんだってね。
なんかこれってひろゆきさんを象徴するようなエピソードで笑える。
92 :
吾輩は名無しである:02/04/17 19:37
全部読んだかは分からないけど、太宰も鴎外にはかなり入れ込んでましたよ。
墓がはす向かいにあるだけあって。
>92
太宰は鴎外はかなり読んでいるよ。
無論、井伏もね。
蘭軒の中にでてくるが、
井伏は偽の手紙を鴎外に送っているからね。
94 :
吾輩は名無しである:02/04/17 22:02
そして菊池センセイにお叱りをうけたらすい
ところでさっきの荷風との絡みだけど、
荷風が孤独死した畳の上には読みさしの抽斎が伏せて置いてあったらしい。
俺は蘭軒読んでないからなんとも言えないけど、
蘭軒の感動を、語り難いのは解るけれども、何とか語ってみてくれ>コテハン蘭軒
抽斎の場合だと、江戸人の姿勢のよさだとか、その織り成す交際・社会なんかに
俺の場合は感銘受けました。こんな感じでさらっとでもいいからたのんだ
>94
そして菊池センセイにお叱りをうけたらすい
これは今初めて聞いた。井伏が菊池にしかられたのか?
当時、井伏はまだ中学生くらいだったと思うが。
いつの話か?
当然東京にでてきた後の話でなければならない。
そして、井伏が文壇にでてきた後の話であろうが。
>荷風が孤独死した畳の上には読みさしの抽斎が伏せて置いてあったらしい。
これも初めて聞いた。抽斎はご承知のとおり新聞連載から本になった。
よって抽斎だけが載っている本があると仮定しても、
死ぬ時の荷風はもっていないと思われる。
なぜなら偏奇館が焼けた時、ほとんどの蔵書を失い、
戦後は本の蒐集に興味を失っている。
そうなると、岩波の「鴎外全集」でしかない。
ところが、前にもいったけれど、
これは第16巻に集録されているが、
かなり太くて、重い本で、
その一部で「読みさしの抽斎が伏せてあった」というが、
これは255ー516ページの間が伏せてあったということか?
そんなことは考えれないのだが。
よってドラマチックではあるが、風聞の域をでないと思われる。
蘭軒は上のような論理展開で当時の色々な登場人物が残した書翰から
事柄を読み解いているのも一つの魅力である。
(人に言わせれば推理小説のはじまりとして)
さらに幕末から明治に移る激動期を時間軸として、
その波に翻弄される人々が活写されている。
96 :
吾輩は名無しである:02/04/18 22:18
>コテハン蘭軒
井伏のいたずらに関しては、たしか井伏の全集に解説つきで載ってた。
たしか最新全集の最初の方(5巻くらいだったかな?)。ちとウロなんでよろ
あなたの推理であってます。
新聞に「いたずら」だか「おもいで」だとかいう短文でむかしのヤンチャを白状。
菊池センセイに叱れて、ヘコんだ鱒坊はきっちり書き直ししてます。
荷風孤独死と抽斎のところは写真つきでみたと思った。
一昨年ぐらいに江戸東京博物館でやった「荷風展」だか「文学アルバム(荷風)」でみたと思う。
全集だったか単行本だったかは憶えていない。でもたしかにほんとの話だよ。
これもウロのウロですまそ
蘭軒もやっぱいいのか・・・今度読んでみるよ。
なんか霞亭が悲惨だったって噂を聞いて、もう史伝はだめだと思って読まなかった。
「現代人が羨仰する明治人とは第一期の明治人のことで、それは実質的には江戸人のことだ」
っていう誰かの言葉を思いだしたよ。まさにその通りなのかもな。抽斎も蘭軒も鴎外も。
そして江戸人は戦国時代を意識してた筈。どういうことなのかな・・・?
わけわからなくなってすまそ
でも井伏の手紙がいたずらだってことは鴎外はお見通しの上だったんでしょ。
98 :
吾輩は名無しである:02/04/19 02:10
>97
人に惚れっぽくて人のいいところが鴎外の偉大なところでな
まあ俺もオマエも修行が足りんなTOT
いや、菊地との件とも併せて、「ピカレスク」に出てきますよ。
鴎外は井伏の手紙の稚拙な点を添削した上で、「蘭軒」に利用した。
後年、井伏は添削されたことは伏せて自分のいたずらを敢えて公表し、
「中学生で鴎外と渡り合った」と自分に箔をつけようとした、とのこと。
いたずらを見抜いていたっていうのは、授業でも聞いた覚えがあるから、
たぶん何かちゃんとした資料にあるはず……。
100 :
吾輩は名無しである:02/04/19 18:43
>99
なるる・・・
あんまり詳しくないけど、俺の貧弱な記憶力によると
1.井伏変名で手紙出す
2.鴎外添削して紙上掲載。かつ井伏に質問状。
3.井伏(変名)は死んだ事にして、友人名義で質問には答えない返書
4.鴎外紙上で井伏の死んだ事を報告。
って感じだったよね・・・ウロなんで補完ヨロ
で、鴎外は井伏のいたずらで考証を誤ることはなかったってことかな
101 :
我輩は名無しである:02/04/20 02:02
新聞連載を盛り上げるのに一役かわせたということでしょう。
作品としてもあれでおもしろくなった。
>99-100
あ、なんかその辺り読んだ。全然たいした話じゃない。
井伏は最初の手紙は友人にそそのかされて、
朽木三助なる名前で以下を鴎外に送った。
その内容は蘭軒の「その三百三」に載っている。
「阿部正弘は米国に迫られいやいや開国したが、実は攘夷であった。
一方、井伊直弼は開国派であり正弘の措置をはかばかしからざると思い、
蘭軒が藩主である阿部正弘を毒殺したという。
毒殺後その後継者たる良安と磐庵を井伊の彦根に潜伏させた。」
この手紙には前後があるが、正しい候文で書かれており、
当時の中学生が書いたものとは思えない。
更に鴎外は
内容はおかしいし、狂人のごとくであるが、
「しかし、筆跡は老人なるが如く、文章に真率なるところがある」
よってこの内容が正しくない旨を返事をした。
その内容は長くなるので別に書く。
よって100の「鴎外が添削」はここからは読み取れない。
なぜこの手紙がおかしいのか?
「阿部正弘の病死は蘭軒没後18年」
死人が毒殺などできるはずがないわけで、
良安も磐安も彦根にいった形跡はない。
さらに阿部の死をみとったのは磐安である。
井伏をそそのかした友人は 送られてきたこの手紙を欲しいといった。
再度、今度は井伏が自分の名で手紙を書いた。その内容は
朽木は死んだ。しかし生前に鴎外の手紙は読んだ。
そして友人である井伏に手紙を書かせた。
「御陰を以て伝説に時代相違があることを承知した。」
この手紙は候文ではなく普通の文体で書かれているようである。
2チャンネルでしばしばある
「ジサクジエン」が
この時代でもあったという事である。
105 :
吾輩は名無しである:02/04/20 16:41
「舞姫」の話が実話だったと今更知りました。
しかもエリス(ドイツ語ではエリーゼか)の名前も本名だったとは。
106 :
吾輩は名無しである:02/04/20 17:30
>103
添削のところは、井伏の手紙を掲載する際に、てにをはや読点をなおしたって意味のつもりでふ
何かで聞いたけど、朽木の死について鴎外もちょっと自作自演したらしいね。
107 :
我輩は名無しである:02/04/21 00:50
>>105 実話じゃねえよ。
つくりばなしに決まってるだろ。
もっと舞姫論を読め。山のようにあるから。
>99
>いや、菊地との件とも併せて、「ピカレスク」に出てきますよ。鴎外は井伏の手紙の稚拙な点を添削した上で、「蘭軒」に利用した。
ピカレスク読んだよ。ありがとう。
これは井伏サイドからの資料を元に猪瀬が書いているが、
猪瀬自身が蘭軒を全て読んだとは思えない。
おそらく助手か何かに文献を読ませ、それから原文を校訂したと思われる。
よって先持っていっておくが、文献的には正しいかもしれないが、
井伏の言うことだけを信じると、解釈を間違えることになる。
井伏も太宰も当時世にでることにおいては汲々としていた。
嘘など平気でついていた。人の盗作なども平気でしている。
また当時は種本を元に創作をしたような顔をしていた。
ピカレスクを読んで、疑問に思ったのは
「朽木三助は本当に井伏鱒二だったのだろうか?」
鴎外もこの件に関しては疑われているようだが、
井伏の記述と鴎外の記述があわないのは、
もしかしたら井伏の嘘だからではなかろうか?
何故そう思うのか?
鴎外は当時既に功なり名遂げており、別に嘘をついてまで、
新聞連載を面白くする必要はなかった。
それでなくとも新聞連載は大不評であることは本人が良く知っていた。
一方、井伏はどうか?
生活に窮していた。そのために鴎外を使った。
ところが、前後に不備がでてきた。
そこで辻褄合わせをした。
しかし鴎外も幻の朽木三助もいない。
死人にクチナシである。
因に菊池がどのような推理をしたは別として、
井伏のアザトサがたまらなかったのだろう。
もしかした「これは作りごと」と思ったかもしれない。
当時の小説はそのような「作りごと」の上にできているからね。
菊池は真贋をみる目ぐらいはもっていた。
また自身の作品の「作りごと」のあざとさの上に、
井伏を投影したのかもしれない。
謹啓。厳寒之候筆硯益々御多祥奉賀候。陳者頃日伊澤辭安の事蹟新聞紙に御連載相成候由伝承、辭安の篤学世に知られざりしに、御考証によって儒林に列する至候段、閃幽の美挙と可申..........。
朽木三助の鴎外宛の手紙の一部。
これが中学生の書く手紙かね。
111 :
吾輩は名無しである:02/04/22 16:08
>>107 実話に基づく話でしょ?
ドイツ留学を終えた鴎外が日本に船に乗って帰ってきた
一週間後にエリーゼというドイツ人女性が森家に追ってきて、
スキャンダルを恐れた森家はエリーゼの滞在鴎外を軟禁して
森家の代表(鴎外の義理の弟?)が1ヶ月かかってエリーゼを説得し
ドイツに帰らせたのは有名な話じゃないか?
孫の星新一がこの話について以前言及してたよ。
112 :
我輩は名無しである:02/04/23 00:28
>>111 「実話に基づいた話しであること」と「実話であること」はまるで違う。
森鴎外と太田豊太郎のベルリン生活において共通する部分は多くない。
スキャンダルを恐れた森家がエリーゼ(この名前にも疑問あり)に帰るよう
説得したのは事実だが、彼女が鴎外の恋人であったと証言している人はい
ないし、まして結婚の意志があったというのは批評家の空想以外のなにも
のでもない。もちろん彼女の職業が舞姫だったなんて証明できた評論家が
いるわけでもないのだ。
113 :
ところでさ:02/04/23 14:29
鴎外の文章にも「ゆれ」ってのはあるもんなのかな?
俺なんかちょっと外国語勉強しただけでゆれまくりで日本語おかしくなったりするんだが
鴎外にもあるものなの?
たとえば翻訳ものだとか、年とってからフラ語修行した時とかどんなもんなの?
それとも奴の原型はあくまで漢詩文で、そこから少しも動じることなかったのか?
エロイ人教えてください
>112
>森家がエリーゼ(この名前にも疑問あり)に帰るよう
説得したのは事実だが、
小金井良清(鴎外の妹喜美子の夫で東京帝国大学医学部解剖学教授)が
折衝にあたったのは喜美子の著述(「森鴎外の系譜」岩波文庫)で
明らかである。
更にエリーゼ ヴィゲルト(ヴァイゲルト)であることも明らかになっている。これは良精の孫の星新一の「祖父 小金井良精の記」で明らかになった。
だからドイツ時代に鴎外に恋人がいて、
その名がエリーゼであることは、多分間違いがない。
そして結婚を約束したと、エリーゼは思ったのだろう。
でなければ、日本まで来たりはしない。
何十日にも及ぶ船旅を若い女がするには
する理由がなければならない。
この結果として森家では鴎外の結婚を急ぎ、
後に不幸な離婚となる。
ただしエリーゼが舞姫であったか否かは不明である。
>96
>荷風孤独死と抽斎のところは写真つきでみたと思った。
一昨年ぐらいに江戸東京博物館でやった「荷風展」だか
「文学アルバム(荷風)」でみたと思う。
全集だったか単行本だったかは憶えていない。
でもたしかにほんとの話だよ。
本当かどうか?悪いけど、未だに疑っている。
断腸亭日乗で、戦後で、森がでてくるのは
鴎外記念館設立時の「沙羅の木」の石碑を書いた時だからね。
116 :
ウゼエのもまた一興:02/04/24 20:01
>コテハン蘭軒
とりあえず文学アルバム見てきてくれ
載ってなかったらもう研究者レベルの話になるだろうから自分でやってくれ
その後の考証キボンヌな。
ガンガレ
117 :
吾輩は名無しである:02/04/24 21:06
118 :
我輩は名無しである:02/04/25 01:05
>だからドイツ時代に鴎外に恋人がいて、
>その名がエリーゼであることは、多分間違いがない。
それは一昔前の定説ではないだろうか。
ある女性が鴎外を頼って日本に来たのは歴史として事実としても、
それだけで恋人と決めつけるのはおかしい。
日本に来ようと思ったのにそれだけの理由があったのは間違いないが、
それを鴎外との結婚だとする証拠はまったく何もない。
この事件を初めて公にした小金井喜美子は、
その本で彼女に鴎外との結婚の意志はなかったようだと書いている。
それを否定する理由は今のところ何もない。
>この結果として森家では鴎外の結婚を急ぎ、
>後に不幸な離婚となる。
まるで鴎外までが結婚の意志があったような書きぶりでいらっしゃるが、
こちらこそそうではない証拠なら幾らでもあることを
もちろん御存知なのでは?
>116
ウゼーくてスマソ。
新潮社の文学アルバムはみたが、
その写真はない。
枕元にフランス語の原書が何冊かあったのは写真になっている。
荷風が死のうとした時、抽斎を選んだならなら抽斎でいいんだ。
そのことに自体に興味がある。
しかし前にも云ったが、生前、荷風が高く評価していたのは蘭軒だからね。
なんで蘭軒じゃ−ないんだろうと思うわけ。
>118
>この事件を初めて公にした小金井喜美子は、
その本で彼女に鴎外との結婚の意志はなかったようだと書いている。
それを否定する理由は今のところ何もない。
前に書こうか書くまいかと思ってやめたが、
当時、船旅でもアジアの端の日本に来るまでには
かなりなお金もいる。
無論時間もかかる。
言葉もそうしゃべれない初めての国に、
リップサーヴィスを真にうけて、
若い女の子が、物見遊山にでもきたというのか?
そう考える必然がない。
喜美子の本は読んだが、今手許にないので、
確認の術がないが、
もし、そうかいてあったとしても
それは単に身内を守っただけだろう。
森家にはそういう家意識は強い。
一部誤解があるようだが、
116で 私は一切、鴎外の意志は云っていない。
その家族の対応を云っている。
だから鴎外に結婚の意志があったか否かは、問題としていない。
強いマザーコンプレックスであった彼が、
その意志があろうがなかろうが、結果として議論する意味がない。
最終の決定権は彼にはないのだから。
>この結果として森家は結婚を急ぎ、
で云いたかったのは
母を中心とした森家の家族ということです。
121 :
吾輩は名無しである :02/04/28 14:58
鴎外の作品って、色々と考えさせてくれるところが好き。
読めば読むほど、新しい発見がある。
個人的には、「渋江抽斎」が好き。史伝としては「伊沢蘭軒」もイイけど、鴎外自身の
登場人物への愛着は、渋江抽斎の方が強かったように感じる(五百の方がもっと?)。
鴎外は、楽しんで書いたのではないかと…。
だから、読んでいてあたたかさを感じる。
子々孫々のことまで克明に考証していく態度は、後期の歴史物語の手法を発展させ
たようで、その意味では、「安井夫人」なんかも見捨てがたい。
この時期の鴎外の作品は、女性に魅力ある登場人物が多い。「山椒大夫」の安寿や
「ぢいさんばあさん」のるん、「最後の一句」のいち。
個人的には、歴史小説の中では、上述以外には「護持院ヶ原の敵討」がお勧め。
大きな時の流れの中で、人がどのように生きていけるかという問題を考えさせ
られる。「里芋の芽と不動の目」の中に出てくる先生の生き方と通じるような。
歴史小説・史伝に移行する前の作品もイイ。
特に、歴史小説の直前の秀麿物は、鴎外の考えていた問題の輪郭を鮮明にしてくれる
ようでありがたい。
秀麿物では、「かのやうに」を推す人が多いかも知れないけど、僕個人としては、後の歴史小説・
史伝を見据えた場合、「鎚一下」の方が面白い。
同時代素材の作品としては、なんてったって「青年」と「妄想」だろうけど、「青年」は
イマイチ言っていることが分からない章があって…トホホ
「カズイスチカ」「鶏」なんかは、お勧め。
「普請中」は、「舞姫」後日談的視点や日本の近代化の問題などからも読めそうだけど
あのメロンが…。終わりの一文も…。
個人的妄言の羅列でスンマセン…
鴎外というと、史伝ということになりがちですが、
ユーモア路線もありますよ。「大発見」というエッセイ風の短編は今は
全集で読むしかないようですが、すばらしい文章で大笑いさせてくれます。
翻訳モノではドストエフスキーの「鰐」が楽しいっすね。
123 :
吾輩は名無しである:02/04/28 17:00
漏れも「鰐」とか「カメレオン」には笑ったYO。
ドストの話も面白いんだろうけど鴎外の翻訳がいいよね。
カメレオンはチェーホフだった…か?
皆が「舞姫」、「舞姫」というから再読してみた。
評論家は誰も指摘していないが、
後に書かれた「蛇」でも同じ題材がでてきて、驚いた。
それほど鴎外にとっては興味深い問題だったのだろう。
川端の「千羽鶴?」にもでてくるので、
昔の小説ではよい材料だったと思われる。
>>122 「大発見」は大好きです。
『なに衛生学だ。馬鹿な事をいひ付けたものだ。足の親指と二番目の指との間に
縄を挟んで歩いてゐて、人の前で鼻糞をほじる国民に衛生も何もあるものか。』
『 そもそも鼻糞は白皙人種なると黄色人種なるとを問はず、必然鼻の穴の中に
形成せらるべきものである。然るに日本人がそれをほじつて、欧羅巴人がそれを
ほじらないのは何故であるか。』
『煙草屋アアベルは得意で此話をするのを、店の売卓の前に坐つて、柔い帽子を
阿弥陀に被つた船頭ハアルリヨフが聞いてゐる。聞きながら、此船頭は何をする
か。嗚呼。此船頭は何をするか。僕はヰイドをして自ら語らしめるであらう。…』
ちくま日本文学全集は文庫本の大きさで一作家一冊で各冊2cm厚。
この中の森鴎外の中に入っています。
127 :
吾輩は名無しである:02/05/05 07:22
age
128 :
吾輩は名無しである:02/05/11 02:01
age
129 :
名無漁史とは誰ぞ:02/05/11 18:25
クイズ行つてみよう。それぞれの作品名は?
1.をりをり人の肩のすきまに見ゆる、けふの晴衣のみずいろのみぞ名残なりける。
2.水が来た。
3.子供達は門外へ一足も出されぬので、不断優しくしてくれた柄本の女房
を見て、右左から取り縋つて、容易く放して帰さなかつた。
>>1 文学以外の見地からから言えば
日本史上最大の悪人の1人。
旅順攻撃での日本軍の戦死者は1万5千人くらい。
日露戦争における脚気による病死は2万7千人だから
森鴎外は乃木の倍近く殺している。
海軍では麦飯により脚気を絶滅させていたし、
陸軍も地方では独自に麦飯を給して成果を上げていた。
森が小倉に左遷されていた期間は
陸軍中央でも麦飯の効果を認め麦飯を推進していた。
鴎外は自分の面子のためだけに
その方針を敢えて否定し、
白米だけを食べさせる方針を押し通した。
131 :
吾輩は名無しである:02/05/11 19:05
独自に調査を進めてきましたが,
>>8は、辻仁成氏ご本人によるカキコと
判明しました。当スレのみなさまにはご興味の対象外とは思いますが、
ご報告のみさせていただきます。
132 :
吾輩は名無しである:02/05/11 19:33
>>126 ああ、あれに入ってるんだ。教えてくれてありがとう。
買ってきまーす。
133 :
吾輩は名無しである:02/05/11 19:43
>>129 1.「文づかひ」
2.「寒山拾得」…「水が来た」は三島由紀夫が『文章読本』で絶賛
3.「阿部一族」
…だと思う。
>130
まだ、読み方が甘いな。
吉村の「白い航跡」を見ればそうなるだろうが、
それだけではない。
すでに拙者が
>85、86で指摘したとおりだ。
この話は森対高木だけの戦いではないのだ。
今では石黒の本も入手可能なので、
そのころの陸軍の考え方も参考にすべきだ。
135 :
吾輩は名無しである:02/05/27 12:51
age
136 :
吾輩は名無しである:02/06/03 23:12
ほれ。
137 :
吾輩は名無しである:02/06/04 00:50
>>134 私も130の考えに全面賛成だな。
脚気が麦飯で対応できるという明快なデータが出てきてからも
鴎外は自分の面子を優先させたんだよ。
数万人殺したと言っていいと思うよ。
139 :
吾輩は名無しである:02/06/04 00:56
鴎外の文章って自己弁護がおおいと思う
まぁ、だから出世したんだろうけども
>>138 安部英が10数年前にエイズに関してどれだけの知識を持っていたか
よく分からない部分があると思うので、森鴎外と一緒にされるのは
いくら何でも安部英がかわいそうだと思う。
130が指摘したとおりだけど、麦飯使った海軍で脚気が激減した
というのは素人目にも明らかな証拠だと思う。
141 :
吾輩は名無しである:02/06/04 01:30
鴎外は頭はいいけど優しさがかけてるね。文章からそれがにじみ出てるよ。
他のやつのことは知らん、といった感じ。
142 :
吾輩は名無しである:02/06/04 23:24
エリス!
144 :
吾輩は名無しである:02/06/04 23:38
しかし鴎外って、文学青年が同人誌を出すと、結構気前よく寄稿する
よね。ある意味、漱石よりアクティブ。そのわりに慕われないのは、
やっぱ本質的に人を寄せ付けない何かがあるのかもしれないけど。
145 :
吾輩は名無しである:02/06/05 00:00
子煩悩だったらしい。
146 :
吾輩は名無しである:02/06/05 00:03
スガヒデミみたいダネ!
147 :
吾輩は名無しである:02/06/07 23:21
女より栄達
エリス!
かわいそう
>137
>脚気が麦飯で対応できるという明快なデータが出てきてからも
>鴎外は自分の面子を優先させたんだよ。
いつ明解なデーターがでてきたのか?
データーがでていないからこそ論争が成り立ったのだよ。
たしかに高木は脚気にかからないような方法は見い出したが、
これを証明することはできなかった。
吉村の「白い航跡」でもそのことは述べている。
さらに高木がまずかったのは、当初はタンパク質を多くとるという
欧風の食事に重点をおいていることで、
その部分を東京帝国大学一派に突かれて、反論できなかった。
既に云っているが、もう少し全体を見て、いかねばならない。
何故そう云うのか?
それはチミのような人物が、
もし、この時代に生きていたら、
まっ先に旗をふって森擁護派になる可能性があるからだ。
片方しか見れない視点は危険だよ。
>>149 >いつ明解なデーターがでてきたのか?
データーがでていないからこそ論争が成り立ったのだよ。
130が指摘したとおりだけど、麦飯使った海軍で脚気が激減した
というのは素人目にも明らかな証拠だと思う(
>>140)。
よく読んでから反論してくれ。
それと相手の人間性をどうのこうの言うのは(分かりもしないのに)、
議論のすりかえの証左だよ。
>137
自然科学がわからないやつだな。
明確なデーターとは、
鈴木梅太郎が明治43年12月7日に
東京化学会で米糠の中にある鉄蛋白質が脚気治療に幾分効果がある。
と、発表した時をその嚆矢とするのだ。
さらにその翌年にこれをオリザニンと名付けて
東京化学会紙に発表している。
これが「明確なデーター」なのだ。
これは吉村も指摘している。
もしこの発表以降に森が脚気の病因が細菌であると
云っているなら示してみろ。
153 :
吾輩は名無しである:02/06/13 17:09
医学って正確には自然科学じゃないしなあ
>137
>130が指摘したとおりだけど、麦飯使った海軍で脚気が激減した
というのは素人目にも明らかな証拠だと思う(
>>140)。
脚気患者の増減は年により、気候により、異なっている。
よって、その増減のサイクルと食生活との関連があるか否か
結論できないと、東大一派は云ったのだ。
それに高木は答えるだけの術がなかった。
よって論争は続いたのだ。
しかし決定的な原因が明らかになり、論争は終了したのだ。
明治43年がその時である。
>137
>それと相手の人間性をどうのこうの言うのは(分かりもしないのに)、
議論のすりかえの証左だよ。
チミの人間性など 一度もどうこう云っていない。
見方が狭いのではないかと云っただけだ。
論理もすりかえていない。
どういう具合に論理をすりかえたのか、教えてほしいくらいだ。
>137
自然科学がわからないやつだな。
明確なデーターとは、
鈴木梅太郎が明治43年12月7日に
東京化学会で米糠の中にある鉄蛋白質が脚気治療に幾分効果がある。
と、発表した時をその嚆矢とするのだ。
さらにその翌年にこれをオリザニンと名付けて
東京化学会紙に発表している。
これが「明確なデーター」なのだ。
これは吉村も指摘している。
もしこの発表以降に森が脚気の病因が細菌であると
云っているなら示してみろ。
>156
スマン。2度書きした。
137でこう書いたよね。
脚気が麦飯で対応できるという明快なデータが出てきてからも
鴎外は自分の面子を優先させたんだよ。
「脚気が麦飯で対応できる」という明快なデータが出ていたならば、
麦飯で対応すべきだったという意味だよ。
現実に脚気で多くの人が死んでいた。どのように対応すべきだったか、対応できたかの問題だよ。
「脚気の原因が何か」に関する医学的結論の問題じゃない。自然科学の問題じゃないということだよ。
>137
>脚気が麦飯で対応できるという明快なデータが出てきてからも
鴎外は自分の面子を優先させたんだよ。
それは、チミにとって「明快なデーター」です。
当時の東大や陸軍や森にとっては、「戯言」にしか過ぎなかった。
自然科学的に証明されてはじめて、「明確なデーター」になるのです。
よって
「鴎外は自分の面子を優先させた」というのも正しくない。
むろん、鴎外が正しいなどというのではない。
医学者としても自然科学者としても鴎外は暗愚であることは
論を俟たない。
何故なら
「間違えた仮説のもとに研究をすすめていけば、正しい結果には到達しない。」
という、今なら多くの人が知っていることさえ知らなかったのだから。
160 :
吾輩は名無しである:02/06/17 20:29
誰か「盃」について教えてください。ストーリーとかテーマとか。
明日レポート提出なんでー。でも今日はサッカー見たいんでー。
外国から女が追いかけてくるとはたいしたやつだな。
それだけで尊敬してしまうよ。
漱石は英国でなんぱもできないでうじうじ
してたようだね。
163 :
吾輩は名無しである:02/07/06 18:17
それってマジな話すか
>>162 そんなことない、下宿のおばさんをなんぱしてた。
165 :
吾輩は名無しである:02/07/06 19:26
高瀬舟つまんなかったんだけど、なんか裏とかあんの?
安楽死のテーマは当時としては斬新であったと思うが。
>165
娘の茉莉が死にかかった時に、
安楽死を考えたが、できなかった。
茉莉はその後天寿を全うする。
安楽死は今でも重要なテーマだろう?
鴎外の文学は技巧の粋を尽くしているが最も大切な何かが欠けていた。
169 :
吾輩は名無しである:02/07/08 09:13
>>168たしかに。そこのところが漱石との差でしょう。
170 :
吾輩は名無しである:02/07/08 10:24
「舞姫」は読んだ。
英語の授業を漢文でノートに書き込む器用な人だったらしいね。
171 :
吾輩は名無しである:02/07/08 10:27
「かのように」
最後がいいね。暖炉の前でふたり黙って
立っているところ。
追加
安楽死というのがあからさまに示唆されてて、
そこからの作者の考察が含まれていないように感じた。
客観に徹するにしても、話にひねりがないような気がした。
173 :
吾輩は名無しである:02/07/08 14:39
話それるが映画「舞姫」でエリスが泣きながら
「トヨタロウ!トヨタロウ!」と後を追う場面は
泣けた・・・。
>165
>そこからの作者の考察が含まれていないように感じた。
客観に徹するにしても、話にひねりがないような気がした。
それはそうでしょう。
その前の著作「ウイタセクスアリス」で
戒飭を受けているからね。
歴史物ではできる限り、
古い話をそのまま紹介し、
自分の意見を云わないようにしたんだ。
>>174 >>戒飭を受けている
誰からですか?具体的に教えてください。
>175
明治42年7月1日発行の「昂」7号にウイタ セクスアリスは
掲載された。しかし同28日に発売禁止処分を受け、
8月6日に石本新六陸軍省次官から戒飭を受けている。
177 :
吾輩は名無しである:02/07/13 13:26
>>176 質問です。森さんの「ウィタ・セクスアリス」や「半日」は花袋・藤村などの自然主義文学とは異なるものなのですか?
>177
文学史上は
鴎外と漱石は反自然主義文学と位置付けられている。
または高踏派や余裕派といわれている。
しかし花袋は鴎外を尊敬していたと思われる。
うる覚えだが花袋の「東京の三十年?」(岩波文庫)で
鴎外との交遊を好意を持って書いている。
鴎外は自然主義文学は嫌いだったようで、
「杯」にそれらしい比喩が書いてある。
短編なのですぐよめるが、
わからないように書いてあるので、注意して読んでみて下さい。
179 :
吾輩は名無しである:02/07/13 13:59
>178
しかし、ウィタセクスアリス、半日などは自然主義の作風でないですか。自分の赤裸々な過去、私生活を小説にするということは。
>178
そういわれればそうです。
ただし鴎外は
ウイタセクスアリスは森林太郎の署名で発表していることから
鴎外の名前で書いた小説とは区別して考える必要はあろうね。
半日は後の概念で云うところの私小説という感じだと思っていた。
178も蘭軒です。
181 :
吾輩は名無しである:02/07/13 15:37
…なんだ、カポーティというからixionでも来てるかと思ったら・・・
・・はぁ〜、だ〜めだこりゃ。覗いて損した(藁
脚気の話をしようと思ったら、既出でしたね。
それだけでも、権威主義の森鴎外は大嫌いです。『踊り子』なんて
ようは身分の低い踊り子を遊んで捨てただけの話を
自分の気持ちだけに重きを置いて。傷を舐めただけの最低の小説。
ファンは目を覚ませよ。
踊り子→舞姫ですね
その手の小説が最低だったら日本文学は最低な文学の集まりということになってしまう
まあ人それぞれ好みがありますからね
185 :
吾輩は名無しである:02/07/17 00:45
森鴎外の評価は下がるばかり
再評価してるやついる?
186 :
吾輩は名無しである:02/07/17 01:12
こんな文部省推薦みたいな奴、死んだら年々評価下がるばかりでしょう。
187 :
吾輩は名無しである:02/07/17 01:23
傲岸不遜、親戚には弱い。偉ぶる高ぶる。髭ぶるぶる。
188 :
吾輩は名無しである:02/07/17 01:24
教科書掲載の舞姫読んで、目に★が出来てる少女いるかも。
>182
それはあなたが鴎外の他の著作を読むだけの力がないからでしょう。
できれば「伊澤蘭軒」でも読んでから、コメントを頂きたいものですね。
前にも云ったがこれが鴎外の最高の傑作です。
初期の作品なら「舞姫」よりも「うたかたの記」のほうが、
いい作品だと思います。
>186
>こんな文部省推薦みたいな奴、死んだら年々評価下がるばかりでしょう。
そう思われるでしょうが、
文部省は鴎外が嫌いで、教科書では使われない傾向にあります。
最晩年に社会主義に理解を示し、そのアンチテーゼとして国家社会主義を
となえたことと関連があるようで、
危険人物とする考えが、人々の中にある様です。
また、当時の共産主義者から攻撃を受けたのも事実で、
右からも左からも攻撃を受けたにもかかわらず、
自分の説を変えなかったのは、評価すべきだと思います。
190 :
吾輩は名無しである:02/07/17 08:53
>国家社会主義を
>となえたことと関連があるようで、
ソースキボン
>185
>森鴎外の評価は下がるばかり
>再評価してるやついる?
少し古いですが、
三島由紀夫は評価していました。
石川淳が評価していました、
松本清張も評価していましたが。
最近、平野某が芥川賞を受賞したそうですが、
少なくとも、平野を選んだ人は
鴎外を評価していたように思いますが、
どうでしょうか?
無論、一番の評価者は
永井荷風です。
一々あげませんが他に多くいますよ。
知られていない人では太宰治。
彼は鴎外をよく読んでいます。
文部省は、鴎外嫌いちゅーか、単純に見た目、中学生が読めそうにないから
外しただけでは?
>190
唐木順三 「森鴎外」にでてくる。
(筑摩書房版 唐木順三全集 第二巻)
なおこの考えは後に訂正されるが、生き残っている。
原典は鴎外全集(岩波版)第36巻 書簡
大正9年 賀古鶴所宛 書簡を参照
>193
>文部省は、鴎外嫌いちゅーか、単純に見た目、中学生が読めそうにないから
外しただけでは?
中学生では無理でしょうね。確かに。
でもせめて高校生くらいにはね。
大正9年の書簡をみていると
森戸辰男の事が出てくる。少し驚いた。
こんなところでこんな名前が出てくるなんて。
196 :
吾輩は名無しである:02/07/18 21:58
レポートで「最後の一句」を読み父の罪が軽くなるような文章(嘆願書)を考えなくてはならないのですが、どうしても良い風に書けません。アドバイスください。
もしよろしければアドバイスお願い致します。
197 :
吾輩は名無しである:02/07/18 22:20
O外とくれば鯖の味噌煮、これ常識。
現今の鯖の味噌煮は刺身でもできそうな新鮮な鯖で作るから激ウマだけど
鴎外の生きていた時分の、まして下宿屋の味噌煮込みに使われる鯖なんて
鮮度の程度は、想像に余りある。
その上、結核の既往症がある鴎外は感染症恐怖症からか果物も煮沸して食った。
別に漱石のようにイチゴジャムが好物だったからではない。
そういうわけで鴎外はうまい鯖の味噌煮を食ったことのない人物。
これって以外に文体にあらわれるんだってね。
198 :
吾輩は名無しである:02/07/18 22:31
>>196 たった一言「お上の事には間違はございますまいから」と書けい!!
199 :
吾輩は名無しである:02/07/18 22:37
山形有朋のお仕事に間違いはございません。
良いレポートが書けそうだよ
201 :
吾輩は名無しである:02/07/27 20:34
「歴史の大勢から見れば,開国は避くべからざる事であった。攘夷は不可能の事で
あった。智恵のある者はそれを知っていた。知っていてそれを秘していた。
衰運の幕府に最後の打撃を食わせるには,これに責むるに不可能の攘夷を以てする
に若くはないからであった。・・・・横井平四郎は最も早くそれを知った一人である。
(横井を討った)私の父は身を終うるまでそれを暁らなかった一人である。」
(森鴎外「津下四郎左衛門」大正4年4月)
これは当時としては、明治政府の権威否定につながる、かなりラディカルな歴史
認識ではないだろうか。それとも既に人口に膾炙した考えだったのかな。
202 :
吾輩は名無しである:02/08/04 19:32
age
203 :
吾輩は名無しである:02/08/06 15:37
「よく聴けよ。それは武運が拙くて,神にも仏にも見放されたら,
お前の云う通だろう。人間はそうしたものではない。
腰が起てば歩いて捜す。病気になれば寝ていて待つ。
神仏の加護があれば敵にはいつか逢われる。
歩いて行き合うかも知れぬが,寝ている所へ来るかも知れぬ」
宇平の口角には微かな、嘲るような微笑が閃いた。
「おじさん。あなたは神や仏が本当に助けてくれるものだと思っていますか」
204 :
吾輩は名無しである:02/08/25 05:45
あげとこう。
205 :
吾輩は名無しである:02/08/25 05:47
孤独な夏の朝の早起き。
いきなりあがったスレに書いてみる。
鴎外は読んだことがないので一策だけ読むとしたら何かを尋ねてみようか。
それとも何冊かのおすすめの読む順番でも教えてもらおうか。
206 :
吾輩は名無しである:02/09/03 01:11
がーん
207 :
吾輩は名無しである:02/09/03 11:44
映画版の舞姫昨日見た。若いころのGOひろみが豊太郎。
で、すべてドイツ語で台詞しゃべってるよ。GOすげーよ。発音も悪くなさそうだった。
まあ折れはドイツ語しゃべれないからよく分からないがな。
あと佐野しろうも出てた。
作品自体は原作にほぼ忠実に再現されていたな。最後エリスがパラノイアにならずに流産しただけだったけど。
「渋江抽斎」は何とか読んだ。だけど「伊沢蘭軒」から辛くなり、
「北条霞亭」は全く頭に入ってこない。。。。
210 :
吾輩は名無しである:
鴎外・・。
渋いスレだ。
新井 素子が、“文体は、鴎外が一番きれいだと思うんです。”
となんかのエッセイに書いてた。
確かに、素晴らしい作家なんでしょうが、一般人にはちと敷居が高いですな。(漱石に比べても)