このヤスケン日記を見よ。腐ってるよ、ゴリラもヤスケンも。
BK1、ヤスケンの編集長日記より
2月21日(木)快晴
ジャーン! 午後8時、田口ランディさんと会った。
青山のタイ料理屋で、朝日新聞出版部の旧友矢坂さんと
会食中のところへ招かれたのだ。さらに30分後、
ヘラルド映画の佐藤仁美さんも登場。3人はビール、
小生はウーロン茶で4時間話す。
田口さんはフリーの編集者時代、bk1のタカザワ君と一緒に、
仕事をしたこともあるのだそうだ。
田口ランディさん、予想通りガッツとパワー溢れた人、
根性も、昨今のクズ野郎より百倍は肝が座っていて、
すこぶる爽快! また、目茶苦茶、頭の回転が速い人ゆえ、
話をしていて、終始、気持が良かった。
彼女のメール・マガジンの配信数、遂に10万人を超えたというか
ら凄い!(登録はこちらから→
http://randy.tanakanews.com/)
朝カルの受講生、渡辺葉子に、印字ペーパーをもらった2月16日号
「短篇小説の書き方」を読んでも、その人気の一端が分かるよ
うな気がする。
彼女はいま、親しくなった吉本ばななとフラダンスをやっている
というから、おかしい。
また、彼女は、いま最も前衛的な小説は吉村萬壱『クチュクチュ
バーン』(文藝春秋)であり(大賛成!)、「前衛のみが古典と
して残る!」と語る言葉にも説得力があった。
さらに彼女は、「クチュクチュバーン」「人間離れ」に
描かれた世界は、「中高校生にとっての心象風景ではないか」と
の感想にも大いに頷けた。
さそうあきら『富士山』(小学館)や、しりあがり寿『ア○ス』
(ソフトマジック)も好きだと言っていた。
田口さんは、「表現者」とは、面白いもの、無名のアヴァンギャ
ルドを喧伝するのが務めと考えるが、日本の表現者でそれをする
人はいないに等しい。
自分は渡邊哲夫『知覚の呪縛』をちくま学芸文庫に入れてもら
ったが、次は『終らなかった旅』(晶文社)を、さらには大森
正藏の本なども文庫化したいとも語った。
さらにもう一つ、田口さん、驚くべき告白をした。
「生意気と思われると困るんだけど」と前置きをして、
「芥川賞も直木賞も欲しくないので、候補にしないで欲しい」
と頼んだ。従って、候補になることは二度とないと言うのだ。
ぼくは心底偉いと思い、感心した。ますます田口ランディの
ファンになった!
「わたし夫も子供もいるし、いまのところ10万人がアクセス
してくれてもいるので、それだけで十分。もし食うに困ったら
コンビニのキャッシャーをやって日本一になるから」。
それを聴いた横にいた佐藤仁美は、「わたしは掃除婦で日本一
になる自信あるよ」と言い、二人して肩を叩き合って笑っていた。