深沢七郎と正宗白鳥

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1吾輩は名無しである
 日本人の小説家で好きなのはこの2人だけなのですが、どちらも人気がないようで現行で出ている著書はほとんど無いように思います。スレも無いようなので立ててみましたが、僕の他にお好きな方いらっしゃいますでしょうか。
2吾輩は名無しである:02/02/03 06:44
このふたり、どういう関係なんですか?特に並列するほどの仲だったとは。
深沢が軽井沢かどっかの白鳥の家に会いに行って、
白鳥先生はえらい先生らしいのだが、ボクは知らないのでこんなことを言ってしまった、
なんて調子で書いている短文はどっかでよんだ気がしますが。
3吾輩は名無しである:02/02/03 07:25
そもそも深沢七郎がはじめて芥川賞をもらったとき、
ほかの審査員ももちろん激誉したんだけど
そのなかでもいちばん推したのが白鳥だったんです。
気難し屋の白鳥が晩年、いちばん親しくしていたのも深沢七郎。
深沢の白鳥への追悼文「スワンの死」(白鳥の死かも)は
感傷的なものでは一切ないのに泣けます。
徹夜あけでぼんやりしているのでうやふやですんません。
43:02/02/03 07:29
あと、
>ボクは知らないのでこんなことを言ってしまった
というのはたぶん、
「正宗白鳥先生は酒の菊正宗と関係があるんですか?」
という質問だと思われます。これも間違ってたらごめん。
5:02/02/03 11:54
>>2
単にこの僕が好きだと言うだけのつながりです。
6吾輩は名無しである:02/02/03 12:57
I went to library seeking for HAKUTYO's
and I found out that there isn't any of his
but heavy HAKUTYO'S ZENSYU!

now I'm not able to write in Japanese
because BIC CAMERA limits referring.

7吾輩は名無しである:02/02/03 12:58
tosyokann ni ittannda kedo
bu atui zennsyu sika oite naku te
akiramete ie ni kaetta.

bikku kamera kirai!
8吾輩は名無しである:02/02/03 19:18
深沢七郎って、
ストリップ小屋勤務や回転焼き屋ってとこから
プロレタリアート作家って印象だったけど、
けっこうお金持ちの家で育ったみたいだね。
92です:02/02/03 22:02
>>3・4 そうですそんなんだったです。
 「スワンの死」(白鳥の死かも)探して読んでみよう。
>>5 返答どうも。
10吾輩は名無しである:02/02/03 23:38
深沢が虚無だとしたら、正宗は厭世的な気がする。
11吾輩は名無しである:02/02/03 23:41
つっこみたい衝動を抑えつつ・・・

白鳥氏は飄々と恐ろしいことを言う
近松秋江の伝記も良かった。情欲と苦悩にまみれた
秋江を淡々と描写して行く。芥川がいみじくも評したように
「地面の下に地獄をのぞかせ」ながら
12吾輩は名無しである:02/02/04 21:44
白鳥というのは、たいした人だ。(全30巻の予定の全集が)50巻くらいに増えるかも
しれないが、短い文章でもみんないい。一篇でも除いていいというものがない。
すごい作家だ。・・・たまたまいま読んでる本の、井伏鱒二の白鳥評。

近松秋江の伝記・・・タイトル教えてください。
白鳥って作家論っぽいタイトルだけでも『作家論』『文壇人物評論』『文壇的自叙伝』等多すぎ。
『人さまざま』ってのもそうか? どれだか見当がつかなくて。
13吾輩は名無しである:02/02/04 22:37
>>12
近松秋声の伝記・・・「流浪の人」です

今日「生まれざれしならば」を読んだ。
何でおれはこんな恐ろしく、不快にさせる小説を読んでいるのか
という疑問を抱きながら読んでいたよ。



14吾輩は名無しである:02/02/05 21:40
12ですが、お答えありがとうございました。早速注文しました。
(徳田秋声の伝記が着たら鬱だが。はは。)
15fishman:02/02/05 22:54
深沢って芥川賞とってたっけ。。。対象が死んだ瞬間に敬称が消えるという
辺りが庶民らしい。この組み合わせに武田泰淳も加えたい気がする。
16吾輩は名無しである:02/02/08 01:01
今、入江のほとり読んでるよ。岩波文庫の。
17白鳥さんはいいひとだが:02/02/08 02:59
>>11
「情欲と苦悩」「地面の下の地獄…」
うーん、秋江ほんとに読んだことある?
ちょっとモンキリすぎ。
芥川の言葉をかりれば、「筒抜けたところのある…」がまとを得てるかな。
よーするに、アホっちゅーことですわ。ほめてんだよ!!
白鳥氏は、悪いが小説向いてないと思う。
18吾輩は名無しである:02/02/08 12:24
正宗と深沢・・・並べる感性がユニーク
深沢七郎…毎晩、深酒してそうな深情け。
正宗白鳥…特級酒の銘柄
20吾輩は名無しである:02/02/13 03:08
白鳥さんは批評家としての方が有名だね。
21吾輩は名無しである:02/02/13 12:45
この二人がお友達なのは有名な話では?
白鳥が「楢山節考」を激賞した短文を読んだことがある。
深沢はこんなにも褒めてくれた白鳥を探りに白鳥宅を垣根越しに覗きに行く。
その顛末が「白鳥死す」に描かれていたような....
22笛吹川は山女もいない(今や):02/02/16 11:24
ラブミー牧場、揚げ
23吾輩は名無しである:02/02/22 23:00
深沢七郎と正宗白鳥の共通項


二人の精神の根幹にあるもの = 「お釈迦様やキリストの言う事は実行不可能である。」

確か桶谷秀昭評だったか。
24吾輩は名無しである:02/02/24 21:45
深沢七郎。ちくま日本文学全集(文庫サイズのやつ)をざっと読んだところなんですが。
「庶民」とか純朴という言葉で語ってしまいがちな作家ですが、
あの天真爛漫な純朴さはポーズではないかと思いました。
「韜晦」とか語りの手法というのを切り口に論じてみたいのですが。
そんな深沢論をご存知でしたら教えて下さい(なければ試みるか・・・)
25吾輩は名無しである:02/02/25 01:49
>>24
それは「ユリイカ1988.10―深沢七郎の衝撃」で中沢がやっているよ。
方言の反復性で上位文化が有する直線的的時間概念に揺さぶりをかけたというのが論旨。

―彼の文学は土地のガイストの方言を語る「マイナーな文学だ」。
 「方言」とは、ここでは意味の共同性を作り上げる超越者の場所に
 おさまりきらない、身体と思考のみぶりのくせのようなもののことだ。

だそうです。
あまり共感はできませんが。
26吾輩は名無しである:02/02/25 01:54
>>23
それ、面白い!
>>24
もちろん、純朴さはポーズです、深い。
27吾輩は名無しである:02/02/25 02:52
庄司薫の「赤頭巾ちゃん気をつけて」を読んだ時、何故か深沢七郎と比べていろいろ
思ったのだけれど、なんでそう思ったかと何を思ったかは、忘れた。
28吾輩は名無しである:02/02/27 18:54
私は、正宗白鳥という人は、盆栽の松の木によく似た人で、
背広を着てちゃんとしている紳士だけれども、なにかこう、
形づくられた人という感じがしましたね。
論語だかなんだか知らないけれども、そういうような、
昔のものでつくられた人という感じでしたね。(深沢『滅亡対談』より)
29吾輩は名無しである:02/03/05 23:42
嵐山光三郎『桃仙人』には偏屈な深沢老のことが書いてある。
深沢は自分ちの電話を無断使用されるのが何より我慢ならなかったとか。
30ブラック:02/03/06 00:23
>27
それは文庫版のあとがきに深沢七郎と対比されて書かれていたから。
深沢作品のポップ系のほーの列とのなぞらえよね。
31吾輩は名無しである:02/03/07 19:21
『東京のプリンスたち』に『ライ麦畑』との類似を見たアメリカの批評家もいるナ。

『東京のプリンスたち』は1959年発表。『ライ麦畑』は1951年発表だが、野島孝訳は1964年に出ている。
(細かいことをいうと1952年に翻訳が1回出ているから、深沢がサリンジャーのことを耳にした可能性はある。)
しかし、東京の高校生のほうがずっとカッコよく、鬱屈していながら、刹那的・表層的だった。
32吾輩は名無しである:02/03/07 22:54
村上ドラにとって一貫したテーマである「共同体への嫌悪」を
深沢七郎が示していたのにはドラもかなり驚いたそうだ
33吾輩は名無しである:02/03/08 22:19
>>23 桶谷以前に、ズバリ深沢七郎「白鳥の死」の一節のような気がするのですが。
「聖書の教える行為など実行できないぞ」って。

キリスト教には、精神の指導原理と肉体の欲望の原理と、
つまりタテマエとホンネとの2つを、場面によって使い分けているようなところがあるが、
白鳥や深沢自身は「自分たちの生きる道をひとすじに生きている。」
つまり、常にホンネの側に立っている。だから、神に関して懐疑も抱くし、
隣人愛を敢えて施さないときもある。そうかと思えば死にさいして神にすがることもあるのだ
・・・というのが「白鳥の死」(新潮文庫『楢山節考』所収)の論旨だと思います。

「白鳥の死」に深沢七郎は聖書をよく読んだと書いているのですが、それを改めて読んで、
あの摩訶不思議な語りの文体は聖書の翻訳文体の独特の感じに似ているような気がしてきた。
34吾輩は名無しである:02/03/08 22:38
ドラゴン、深沢を語る、か。(ドラ発言の出所はどこですか?)
ドラゴンの小説がいくら「衝撃の」という宣伝文句を
冠して売り出されようとも、深沢七郎の「F」には敵うまい。

35吾輩は名無しである:02/03/09 23:03
36吾輩は名無しである:02/03/11 21:28
風流夢譚?
37はんがり:02/03/12 00:59
ハンガリィ
38吾輩は名無しである:02/03/13 22:24
・・・で『楢山節考』が翻訳されて、ハンガリーにも類話があるってんで
渡航を勧められて、深沢七郎も結構その気になって壮行会かなんかまでやったのに、
旅費をぼられてるんじゃないかと猜疑心を抱くようになって、
結局ハンガリーには行かなかった。という深沢七郎とハンガリーのつながりだっけ?
ハンガリーだっけ、チェコだっけ? なんかそんな話読んだような。
39吾輩は名無しである:02/03/19 00:12
深沢七郎が経本の体裁で夢屋から出した小説、欲しい。EASYSEEKで39、500円だけど。
40吾輩は名無しである:02/03/20 23:36
もしも〜し、1よ。この二人ではぜんぜん話題が盛り上がらないが、
たまには来てるか〜?
41吾輩は名無しである:02/03/23 23:24
深沢は実際にはあんまり飲めなかったみたいよ、酒。
42吾輩は名無しである:02/04/14 16:37
守。
43吾輩は名無しである:02/04/17 01:37
age
44おおよそ
>>23
深沢は仏教徒で、白鳥はクリスチャン。
結構、教えに忠実だったんじゃないか。
もちろん、作家だからそれを韜晦してるけどね。