1 :
吾輩は名無しである:
密かに語りませんか。
ディックについて
sage進行でいきましょう。
では、もうちょっと下がってから・・・。
この人の「ヴァリス」って本を読んだ
膨大な知識が狂気によって溶解したような感じだった。
一種の天才だと思う。ドーピング臭い気もするが。
ディックって、酔い、と、手抜き
っていう普通だと失敗作の原因になるのが
逆に作品に生きてきてるよね
アンドロイドは、はまだまだいろんな可能性を含んだ
作品だと思う。
あれをヒントというか読み替えて、新しい作品が書ける。
いまだに現代的テーマを持った作品だ。
マニアというほどよく読んだわけではありませんが(10冊くらい)
入門書としては、ユービックですかね。
マニアに入門書として進められた「高い城〜」はそんなに面白いとはおもわなかった。
スピルバーグが暗闇のスキャナーを映画化するという話はどうなった。
「高い城〜」だったかな?
郷ひろみ主演って計画もあった・・・
8 :
吾輩は名無しである:02/01/31 16:15
マトリックスて映画あっただろ、
あれって完全にディックの短編
ばくってるよ。
よく書けたシナリオだとおもってたら。
ageんなゴルァ!!
「地図にない町」を小三くらいに読んで
えらいことすごい、と思った。
30を目前にして読み返しても、けっこうよかった。
ヒッピー文化に親しむには最高のテキストだよね。良くも悪くも
「マイノリティレポート」えいがかです。すぴるばーぐです。さいあくね。
しもた。あげてもた。どうしょうもないね。
密かに密かにお勧めは何
出来れば密かにその理由も
21世紀の真の文学はディックとバラードだと誰かが密かに言っていた気が
まずは短編がおすすめ
ディック傑作集1.2
「パーキーパットの日々」
「時間飛行士へのささやかな贈物」
さっ。
密かに暗闇のスキャナーだな。
ここじゃ風当たりの悪い山形君訳だけど。
あとパーキーパッドと流れよ我が涙。
文学板らしく、フツー小説はどうですか?
読む以前に売ってないけど。
他のスレを上げよう!そしたらこれが下がる。
普通小説いうと「小さな場所で大騒ぎ」?(あれ、モルデカイ・ロシュワルト?)
たぶんSF板のPKDスレと住人重なっていると思うから、おれも繰り返しになっちゃうけど
「流れよわが涙」のディックの双子の妹の死のテーマ、疲れているときに読むとくるね。
日本で映像化するとすれば、もちろん主演はタモリ。
「ジェイソン・タバナー・ショウ」→「笑っていいとも」
空耳アワーも何らかの形で出演させたい
ディックの小説は主人公ダメ人間なのにみんなちゃんと働いてるからえらいネ。
俺もタイヤの溝掘り職人になりたいヨ。
うう、厳しい指摘。。
俺はチップをブルーに塗りたいかな。
PKDの純文学と言えば「戦争が終わり・・・」とか、
「メアリと・・・」とかですかね。正直「ディックが書いた」
のでなければ読みませんでしたね。
やっぱこの人は「ヴァリス三部作」「スキャナー」「ジョーンズ」
が最高なのですよ。
なんでまた50年代習作ジョーンズの世界など?
>>21 確かに。しかもダメ人間なのにプルースト読んでたり、カントの『純理』読んで
「自分のフィーリングにぴったり」とか隠れインテリなのがイイ
>24
いや、実にディックらしい小説だなぁ、と思ったのだよ。
歪みきってしまう一歩手前の状態がまたいいんだよねぇ〜。
【少し読んだ上での印象】
現実と思ってきたものが全て虚構だったら
というありがちな悪夢への執着。
小説のアイデアが神経症的である上、文体や構成には
衝動にかられて書き散らかしたという感あり。
読者に向けられた説教臭い思弁性は薄く、
自分の不安と向き合って書いている感じ。
>27
そう、それがディックが最後まで文学者になれなかった理由。
だが最後の最後で「ヴァリス」でひっくり返した。
ディックの小説の主人公でなにより許せんのは、ダメ人間のくせにモテモテなところだ。
しかもとっかえひっかえですよ! 実生活も踏まえてか?
でもイヤ女も多いネ。
「去年を待ちながら」の奥さんはイヤだったなあ。
そこがいいんだけど。
>ありがちな悪夢への執着
>自分の不安と向き合って書いている感じ。
それが昇華するとヴァリス三部作になるんだからすごいのヨ。
あんたも一回ピンクの光浴びてみたら?
キャンDでも可。
正直、ヴァリスはよくわからん。
まあ厨房の頃に読んだときはわけわからんながらも圧倒されるものがあったんだが・
今はあれを読み通すのはツライ。。
PKDの作品の多くは設定がチープだ。
代表作である「電気羊」も斬新なアイデアなんて皆無だ。
だが、それでも「電気羊」が名作だと言われるのは、
設定がチープだろうと、ありがちだろうと、そんなものを超えた
人間性の追求があるからだ。・・・と、思う。
だから、私はジータが許せないのだよ。
ヴァリスは好きじゃないし、間違った方向に進んじゃったなあとは思うけど、
でもすごい。コケの一念岩をも通すってこのことだと思う。
電気羊はマーサ教がいいね。
マーサがまやかしの教祖だと知っても、共感ボックスで共に痛みを分かち合うのだよ。
電気仕掛けのヒキガエルをペットにしてね。
メタSF的手法、だっけ?
まあ彼の作品はペーパーバックとかで
出るのが主だったせいもあるんだろうけど
SF的なコードには十分に自覚的だったはず。
それを意識しつつさらに荒唐無稽さを加速させてる的な節もあるし。
>>26 なるほどねえ。いや、3部作とスキャナーにくらべがくんと落ちたので腑に落ちず
お尋ねした。完成度はそりゃないが、ザップガン同様、おれも好きです。
それにしてもオレにとり文学板的にPKD語るのって難しいな。
「ユービック」なんてチベット死者の書の完全なヴィジュアル化なだけだし、文学に成らん・・・。
あれでしょ?やっぱ内面とかもった主人公が、悩まなきゃ文学じゃないんでしょ?
36 :
吾輩は名無しである:02/02/01 01:36
あまりsageても忘れ去られるでな。
新規流入も期待しあげ
37 :
吾輩は名無しである:02/02/01 01:40
『電気羊』は、それでも人間主義的だと思いますが。
何かを哀しみとして感じることより、何も感じられないことの哀しみの方が個人的にはよく分かる気がする。
ところで文庫本の装丁とかに「ブレードランナー原作」とか書き加えてあるのって、いやじゃないっすか?
デザイン的に。
38 :
吾輩は名無しである:02/02/01 02:58
>>37 まあ、それもしょうがないんじゃない?
ブレードランナー=電気羊の予備知識持って本屋いって、
そのことについて何にも触れてなかったら少し不安
39 :
吾輩は名無しである:02/02/01 03:01
SF板に行け
40 :
吾輩は名無しである:02/02/01 03:04
電気羊のレプリカントは、貧乏なディックに冷たくあたった批評家や友人、ヒューマニティを忘れ
安売りや掛売りを断ったハッピー馬肉店店員の暗喩・・・・。
・・・と大昔は表層的に考えてたけど、じゃ批評家=インテリゲンチャ=ヒューマニティやシンパシーを
忘れ観念に生きる存在いうと、高い城の男にでてくるナチズムになっちゃうんだよね
ちょっと上げて
また下げ下げでいく。
密かに密かにスレが続く。
失敗作とか、読者に向けられた説教臭い思弁性は薄いのだが、
あえて、誤読を誘発するところとか、
そのテーマとしているものが、また2000年代では違ったように見えてくるところが、
ディックの可能性の中心だと思う。
現代作家とか読み替えて同じテーマで書けばいいと思うのに。
ディックの作品って、ガラクタの寄せ集めなのよね。
廃品やゴミを寄せ集めたスクラップの山を、ある一方向からピンクの光で照らしてみたら、
偶然形のあるシルエットが見えてしまったというか。
だからディックの真似ってむずかしいと思う。
真似じゃなくて誤読でいいんじゃない。
なんか刺激するものがそこにあれば、テーマだけ状況だけ関係だけかりて読み替えて、
偶然見えたシルエットこそ、新しいかも。でも、難しいかな。やっぱり。
と、平和的にレスを繋いでみる。
見返してみたら煽りとも受け取られかねないひどいこと書いてるなあ。
フォローサンクス>43
>偶然見えたシルエットこそ、新しいかも。
マンネリだとか電波だとか私小説だとか罵りながらも懲りずに
ディックを読むのは、まさしくこれ故。
同じこと書いてるくせに毎回違った味わいがあるし、
駄作と評判の作品が意外にもおもしろかったりする。
一般的な評価がまったくあてにならない、
読む人それぞれで全然違った形に見える隙の多さ(=誤読の自由?)は、
おもしろいですね。
レムのユービック評はおもしろかったなあ。
45 :
固有名詞わすれまくり:02/02/02 14:27
ひそかすぎて沈降してもな。
ま、あげとく
八卦小説ってジャンルは作れないだろうか…。
ダメ男小説はディックの専売ではないので。
47 :
吾輩は名無しである:02/02/03 02:34
一応age。
「死の迷路」はどうよ?俺、結構好きなんだけど。
48 :
吾輩は名無しである:02/02/03 02:50
いやあ、いつか読んで見ようと、すぐ手の届くところにおいてあるのですが。
>死の迷路
これって「アルファ星系の氏族たち」みたいなミステリでしたっけ?
いやいや後書きによればダメ人間の展覧会だそうで。
山形さんよ・・・アンタのディックの認識ってのはその程度かい?
評論家の名が泣くぜ?
大瀧老の大人振りを見習って欲しいですな。
僕は山形氏をディックを手がける若手の翻訳家くらいにしか(10年前から)認識してないのですが、
どうも2chのあちこちで、批評家として皮相・軽薄の批判をうけているようですね。
確かに後書きの幾つかで、ごく簡単にディックを片付けてますね。
「ダメ人間の書いたダメ小説」
・・・そんなのいわんでもわかっている。しかし、そんな最大公約数を語る以前に、
いくらでも語るべき詳細があるじゃないかというところでしょうか・・・
大瀧さんは凄いね。
ラヴクラフトの頃からお世話になってるけど、あの膨大な知識は半端じゃないよ。
「ヴァリス」の用語解説はびびった。あれだけでちょっとした読み物に
なるくらい充実した内容だったと思うね。
この世で「釈義」の説明できるのは大瀧さんだけだろう。
山形浩生はバロウズとかの訳や評論は良いと思うけど、「死の迷路」の後書き
だけは底が浅すぎる。エリクソンでも読んで勉強し直せ、と言いたい。
だいたいバロウズと同じ視点ではディックは語れんはずだ。
僕は山形のディック論には、けっこう感じるものがあった。
大瀧氏の大人ぶりを誉めるなら、山形の若書きも認めたいなあ。
どちらもディックを読むのには欠かせない視点だと思う。
>>52 なるほど。こりゃ確かに僕も、山形氏の論文、すべて目を通したわけじゃないから
片手落ち云われれば、そうですね。2,3の小説の後書きの印象で語っているから・・・・。
文学板に批判スレッドあってリンク先あるみたいなので、ちょっと彼の文章読んで見ましょうか
54 :
吾輩は名無しである:02/02/04 19:18
電気羊のムンクの叫びのシーンが好きだ
八卦小説というのはあれじゃろかー、
占いどおりに小説の筋をすすめて行くんじゃろかー。
それって「ユニヴァーサル野球協会」?(違います)
57 :
吾輩は名無しである:02/02/04 20:51
易がでてくるやつかなー
ディックを文学的に語る・・・難しいね。
そもそも文学の定義がわからないんだよね、俺には。
とりあえず「エルドリッチ」ぐらいで語ってみようよ。
59 :
パーマー・エルドリッジの今年3つになる娘:02/02/05 05:39
・・・でございます。
このたびは父が文学板にスレを立ててまことに申し訳ありません
保守age
おー、文学板に立てた勇者がおるね。
でも叩きに来る奴おらんから論評する価値なしとしているか
ひょっとしたら全く知らんのかもしれんなあ。
62 :
吾輩は名無しである:02/02/07 20:47
いやいや、PKDは十分に論評に値する作家だ。
ただ、文学的な価値があるかどうかは知らんがね。
PKDを理解すんなよ。
規制される前にMM食って感じた方が正解だぜ。
ディックは普通によんでて楽しいから文学になれないんだよ。
ヴァリスは楽しくないから文学的評価が高い
65 :
吾輩は名無しである:02/02/08 00:17
何を文学とするかは人それぞれなのだろうけれど、
ディックは私の中では充分、文学だ。
どこまでが現実か分からない世界の不安定さを描かせたら
彼の右に出る者はいない。
↑いくらなんでも無茶苦茶です。
64へのレスでした。
青臭い理想主義が好きなんだな。
世界への拒絶っていうか。天にむかいて矢を射りしゴールの末裔、ってかんじ。
いやディックはゲルマン系だったけど。
極論すると青臭い理想主義っつうのはみんなグノーシスになっちゃうね。
>>69 まあ理想主義なのだろうし、そのようなテーマを感じもするが、
それだけだったらディックはそれほど多くのファンを持たなかった
んじゃないか。そんな作家はたくさんいる。
世界への拒絶といった主体的な意思よりも
世界に飲み込まれまいと必死になって
自我を守ろうとしている印象があるのだが。
精神が崩壊する前の不安定さを描いているのだと解釈しているが。
71 :
吾輩は名無しである:02/02/08 00:46
カフカぐらいで文学を僭称できるなら、
ディックは文豪で通る!!
と、のたまわった友人がいたのだが、
流石に暴言だろう。
そこなんだな。確かに浅薄な実存主義者で終わらない人間はそこに行き着くと思うんだな。
>世界への拒絶といった主体的な意思よりも
>世界に飲み込まれまいと必死になって
>自我を守ろうとしている印象があるのだが
まさしく世界への拒絶って命題は必然的に挫折せざるを得ない。つーより挫折を内包してる。
なぜなら世界ってのは拒絶できないが故に世界なんだから。
ディックもどこぞで言ってたと思う。「君がもはやそれを信じなくなっても存在し続けるもの、それが現実だ。」
苦しむことモチーフなんかはその典型だと思うんだな。
だからこそのグノーシス。
ゴール人云々は蛇足だったな。これじゃ主体と啓蒙主義になってしまう。
ディックは悪しき自然対人間理性じゃあ全然ないからな。
73 :
吾輩は名無しである:02/02/09 03:08
PKDは逃げる事が出来なかった。
狂気や、自殺や、その他もろもろの逃げ道は
幾らでもあったのに逃げる事が出来なかった。
逃げようとしても捕まってしまった。
だからPKDは書くことによって現実を振り
払おうとしたのではなかろうか?
>「君がもはやそれを信じなくなっても存在し続けるもの、それが現実だ。」
アルベマスでPKDはそう書いているが、実はPKD自身は現実を信じては
いなかったのではないだろうか?あるいは信じたくなかった。
74 :
吾輩は名無しである:02/02/11 02:54
age
75 :
吾輩は名無しである:02/02/14 23:12
age
PKDの良さを一言でいうと。
「いかれた感じ」
これ純文学には欠如している。
77 :
吾輩は名無しである:02/02/27 02:11
定期age
78 :
マッコウくん:02/02/27 12:02
死の迷路のあとがきでぼくが書いているのは、ディックの小説がダメ人間に
よるダメ人間のための小説だ、ということよりはむしろ、それがどう実現さ
れているか、ということなのです。
あと、大瀧の「ヴァリス」注にだまされてはいけませんよ。あれは原文を
ねじまげた、恣意的な深読みです。易経からの引用を「ディックはだれそれの
解釈を採用している」とするあたりとか、原文を見るとまったく存在して
いないニュアンスをたくさん勝手に導入しています。
その勝手な部分に心酔するのは好きずきではありますが、それはディック
とは無関係であることを認識すべきです。また大瀧の注が気に入っている人
の多くは、単に自分に理解できないことを「深い」と称して悦に入っている
だけです。それは権威主義でしかありません。
79 :
よい子の絵本:02/02/27 13:15
おら、無学だから、>78の<ぼく>が誰を指しているか判らん。
判るように書いてくれ
80 :
吾輩は名無しである:02/02/27 21:57
ディックとバラードとエリスンがあったらSF(と一般に言われている小説)はいらない。
81 :
吾輩は名無しである:02/03/04 02:08
ついでに、レム入れといてくれ。
ついでにティプトリーとディレーニも入れといてくれ。
83 :
吾輩は名無しである:02/03/05 02:33
ついでにエリクソンも入れといてくれ。
あとハックスリとオーウェルも。
それからヴォネガットもね。
85 :
68歳肺炎だと:02/03/05 03:03
なんか半村良の通夜のできるスレッドじゃないね(笑)
86 :
吾輩は名無しである:02/03/05 04:28
好きな作家でした、と言っておきます。
が、必須ではなかった。
87 :
吾輩は名無しである:02/03/05 05:21
PKDは神を愛した。
神は彼を愛さなかった。
88 :
考える名無しさん:02/03/13 09:15
現在ディック的な要素をもった作家は国内、国外におらんもんだろうか?
竹本健治
>>73 >だからPKDは書くことによって現実を振り
>払おうとしたのではなかろうか?
むしろ現実と直面するために書いていたのでは?
神や信仰は究極の現実逃避だ。
92 :
老人と海を馬鹿にする奴は殺す:02/03/27 22:14
agero
93 :
青春はうるわし:02/03/28 01:26
文学を描くことで現実と向き合う・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
まあ、誰しも一度は思う麻疹みたいなものだわ
94 :
吾輩は名無しである:02/03/28 01:41
目の前の現実がにせモノに見えてしょんが無い
って強迫観念に悩んでたんじゃ無かったっけ?
それをB級SF小道具満載の錯綜した物語でやったんじゃ?
どんなに失敗作(と言われてるもの)でも妙に残るのよね。
一番バランス良くまとまったとが「電気羊」だよねぇ
95 :
匿名希望さん:02/03/31 05:53
ユービックと短編のパーキーパットが好き。
楽しめてなおかつ深い。
ユービックを悪く言う人は観たことがないね。
まとまっていて誰にでも勧められる作品ですね。
>>ユービック
青表紙の中ではトップクラスに面白いですな。
青表紙とピンク表紙を全部合わせて一番面白いのは
何なんでしょうねぇ。
私は、青なら「流れよ」、ピンクなら「去年」か「スキャナー」ですな。
98 :
シャブリーナ:02/04/02 07:12
薬物きめながら読むとさらによい。
人間と人間ではないものという命題を延々と小説というかたちで残したのは賛美に値する。
今ごろになってようやく、そんなテーマのゲームやアニメがでてるじゃん。
数10年前にそれを考え続けたんだから、彼はすごい。
現実逃避小説としてひとくくりにはできない。
SFでありながら宗教、哲学の匂いを感じさせる作家は他にヴォネガットくらいか。
「あなたをつくります」だっけ?新刊。
99 :
我輩は名無しである:02/04/03 13:06
薬やりながら読むとバッドだろうねぇ。
特に「エルドリッチ」とか。(ある意味、究極のドラッグ小説だな)
100 :
吾輩は名無しである:02/04/04 02:11
>特に「エルドリッチ」とか。
あれ、良いですよねぇ〜
旨くまとまるように見えた終盤が最後の最後でぐにゃぐにゃに...。
まとまった傑作「ユービック」「電気羊」
ぐにゃぐにゃの傑作「パーマー・エルドリッチ」
って感じでどうっすか?
101 :
吾輩は名無しである:02/04/04 03:48
エルドリッチなんかよりドラッギーなのが有ったような気がするな。
死の迷宮だっけかな。
うーん、10年以上読んでいないから思い出せないな。
102 :
我輩は名無しである:02/04/04 06:28
スキャナー?
ディックはアメリカ文学だよ。
日本の風土なんか意識して読んでる人はいないと思うけど。
とにかく溢れる才能を出し切って死んだディックは凄いと思う。
昔「ディックの感性は分裂病的」という文章を読んだことがある。
彼自身、自分にまとわりつくハエを「FBIの小型監視機ではないか
と思うことがある」なんて書いてもいた。
こういう症状は「被害関係念慮」ということになってはいる。
周囲の人間のことを「実は人間ではないのでは?」という
疑いも、分裂病の症状では珍しくはない。
また主要モチーフである「世界がひっくり返る経験」は
分裂病発病時の嵐のような内的体験と非常によく似ていると思われる。
彼が精神科を受診したら、抗精神病薬を出されたかもしれない。
だけど今になって思うと、彼は「分裂病的な感性にぎりぎりまで
接近した境界線上の住人」という気がする。
分裂病者は病気と闘うことで精一杯なので、このような
作家活動は普通はできない。
彼の作品に感銘を受ける読者というのも、分裂病者に親和性が
あるのではないかと思う。
私は80年代中ごろのディック・ブームにはまり、当時入手可能な
作品はくだらん普通小説も含めて全部読破したくらいだったが、
その後分裂病者の世界とディックの世界の類似を知るに及び、
紆余曲折を経て精神科医になってしまった。
分裂病者と接する日々は、ディックの作品世界を地で行く日々。
時にフェリクスが黒人とであった時のような感動を覚える
こともある。
ディックがお好きなら、精神科臨床の世界に来ませんか?
106 :
吾輩は名無しである:02/04/14 23:21
> 彼自身、自分にまとわりつくハエを「FBIの小型監視機ではないか
>と思うことがある」なんて書いてもいた。
そーいや、ハエ型広告マーシンってのが登場したな。
それを五月蠅いと打ち落としたりすのが日常な世界。
107 :
我輩は名無しである:02/04/20 21:20
名無しは無慈悲な夜の女王 :02/04/20 20:11
何故だ?何故誰も「ティモシーアーチャーの転生」について語ろうと
しないのだ?これこそ三部作の最高峰にして、ディック神学の総決算
ではないか!!
私はこれを読んで泣いてしまったよ。まごうかたなく傑作中の傑作。
だってよ。本当かよ?
>>107 ヴァリス、とかはかなり趣味が分かれるんじゃない?
俺には、わけのわからんどういでもいいことが
書かれてるだけ、としか思えん
他所のスレ、引用するな。
110 :
我輩は名無しである:02/04/25 22:11
>>108 ディックからヴァリスとったら何が残るのだ?
111 :
吾輩は名無しである:02/04/25 22:37
>>110 ま、しかしなんだかんだ言っても
「電気羊」
だけは残るなぁ
112 :
吾輩は名無しである:02/04/26 01:10
「流れよ我が涙、と警官は言った」大好き。
エミリーファッセルマンのウサギの話。
「小さな生命が努力したのよ。いつだって望みは無いのにね。」
感動のラストシーン。ここを読むといつも
小説>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>映画
と激しく激しく感じる!!!
113 :
吾輩は名無しである:02/04/26 03:36
流れよ我が涙、わたしも一票。
ジェイスン・タバナー(タモリ)が逆転無罪になって、壷が未来永劫大事にされ、
ファシスト国家アメリカもいつか平和な時代が訪れる・・・いうエンディングの
余韻に感涙
「逆回りの時間」に出てきた市民特殊図書館の印象が強烈で忘れられない
「火星のタイムスリップ」のスピード感あるシーン展開にしびれました
115 :
吾輩は名無しである:02/04/26 08:09
>流れよ、我が涙
ストーリー展開もさることながら、登場人物一人一人に
感情移入しすぎてしまう。
SFというよりは私にとっては「人生とは?」とか色々深く
考えすぎてしまう不思議な小説。
ちなみに私は吉本ばななの「アムリタ」という本でこの小説の事が
ちらっと書かれていて読む気になったの。
普段は読まない系統なのですごく新鮮だった。良い出会いをしてしまった。
116 :
吾輩は名無しである:02/04/27 03:21
>>115 よかったね。
あたりまえでこのスレだといまさらとバカにされそうだが
「電気羊」も読めば良いと思うよ。
117 :
吾輩は名無しである:02/04/29 00:47
>116
はい。では読んでみます。
でも実を言うとアリスの使用した薬物に関しての説明のところ、
未だにくっきりと理解することが出来ません。文章としては解るんだけど
アタマがついていかないというか…
そんな私が読んでも理解出来るものなのでしょうか。
118 :
吾輩は名無しである:02/04/29 00:56
くっきりと理解……
>>117 大丈夫ですよ。理解するばっかりが読書の楽しみでもないし。
>>117 ディックのにSF的な設定の整合性なんて求めなくてよいよなぁ
俺もなんだか分かんねーが、警官の妹のやってた薬のせいで、
変な世界に主人公が引き込まれたって理解しかしてねーぞ。
(なにぶん10年くらい前に読んでるんで、見当違いだったら
ツッコンでくれ。)
120 :
吾輩は名無しである:02/04/29 01:52
>118 119
ああ〜何となくほっとしました。
皆さん読み込まれてる方々ばかりのようなので激しく煽られてしまうのでは
ないかと内心どきどきしていました。
私は何だかとにかく彼の描く人間像に対してすごく好感がもてたので
人間模様中心に読んでいくことにします。
(分裂病者に親和性あるのカナ…?鬱病の友達なら数人居ますが。)
121 :
吾輩は名無しである:02/04/29 02:15
奇遇。
いま「あなたをつくります」創元SF文庫読んでるよー。
それだけー。
>>120 ディックの場合、アレ?と思える部分が
たびたび、あるんだけど・・・
他の小説、では読み返せば理解できる
っていうか、そうなってないと、おかしい
・・・で、ディックの場合は単なる手抜き
もしくは、本人が酔って書いてる
としか思えないトコが多い・・・
・・・しかし、それを含めてディック、としか言えない
123 :
吾輩は名無しである:02/05/11 22:40
密かすぎage
124 :
我輩は名無しである:02/05/23 01:22
密かすぎage
125 :
吾輩は名無しである:02/05/23 01:58
けつのきょく、ナンバー1はなに?
126 :
吾輩は名無しである:02/05/23 06:36
127 :
吾輩は名無しである:02/05/23 07:54
>125
「電気羊」
128 :
吾輩は名無しである:02/05/23 13:54
創元SF版「暗闇」泣く泣く購入age
129 :
我輩は名無しである:02/05/23 22:31
130 :
吾輩は名無しである:02/05/30 00:04
>>129 >>103 はこれなんです↓
936 名前: やまがた 投稿日: 02/03/10 02:47
サンリオ版の『暗闇のスキャナー』の、背が青くなる前の版は、実は今こそ価値あるおまけがついています。
あれの解説というか感想文みたいなのを書いている山田弘美は、何を隠そう今をときめく芥川賞作家の川上弘美なのです。
彼女の商業媒体登場2作目くらいじゃないかな。
たったいま読了age
132 :
吾輩は名無しである:02/06/01 08:32
ディックの小説は、お話としての完成度と分裂病的なテーマが
いつも逆方向に引っ張り合いっこしてて、その二つの要素が
絶妙なバランスをとって調和するときにすごい傑作がうまれる
気がする。
(でも基本的にプロットは破綻してるし、SFという観点から
みるとアイデアは陳腐)
おれは「高い城の男」が一番好き。鎌倉さん、がんばれ。
↑ごめん、うっかりageちゃった。
134 :
吾輩は名無しである:02/06/14 00:15
このスレでディックの作品ナンバー1を「電気羊」って言ってる奴
原作読まないで「ブレードランナー」だけ観て言ってないか?
ディックの面白さは自分が抱えている個人的な形而上の問題をなんとか表現しようとする
(このスレのどっかで「現実と向き合う」って書いてあったけど)
所がディックの一番エキサイティングな部分だと思うんだけど…
そういう意味では「流れよ我が涙〜」とか「高い城の男」とか
「去年を待ちながら」とか「ティモシー・アーチャーの転生」とかが傑作だと思うけど
(「ヴァリス」は個人的過ぎて読者がついて行けないと思う)
>>134 挙げてられる作品も好きだが「電気羊」も好き。
にっちもさっちもいかない感じがかな。
というかミーハーだから全部好き。
破綻してたり冗長だったりする場面があったとしても
そこも愉しんだりする。
でも、崇拝をしているわけではないです。
控えめな阪神ファンな感じ。
なにが言いたいのだ、オレ。
ブレランからディックに入ったけど、電気羊好きだよ。
マーサ教というアイデアだけでこんなに印象が違ってくるのかと思った。
役者が演じているウィルバー・マーサに感情移入しつつ、
電気仕掛けのヒキガエルを飼って生きていくのさ。
奥さんと仲直りするところも好きかな。
137 :
吾輩は名無しである :02/06/29 04:32
密かにと言いつつも400番台後半ですよ!
138 :
吾輩は名無しである:02/07/13 00:14
500番台とはちと密かすぎ…。あげとこ。
「電気羊」はご本人も我がベスト3と仰せになってた。
あと、ブレランの完成直前の脚本はご本人も感動して泣いた
とゆー話を読んだことある。
140 :
吾輩は名無しである:
電気羊age