1 :
吾輩は名無しである:
ロシアの醜さのすべてを暴き、
笑い飛ばそうとした「検察官」。
だが、暴かれた人間の醜さが
笑いと共に我々を強烈に侵食する。
そして、最後には石と化した醜さが、
容赦なく我々の前に突きつけられる。
まさに、「笑いの悪魔」。
「死せる魂」の第二部を焼き捨てた後、
断食のうちに死を迎えたゴーゴリ。
ああ、チチコフは救われないのだろうか?
地獄だけが我々の前に残されているのか?
少し、のりすぎました。
ゴーゴリ、語ってみましょう。
2 :
吾輩は名無しである:02/01/07 20:21
ゴーゴリを読まないで、先に『挟み撃ち』読んじゃった。
救出上げ。
3 :
吾輩は名無しである:02/01/07 20:28
生涯童貞。
「死せる魂」むかーし
読んだっきりだがグロテスクな人物たちは
ほとんどギャグ漫画に思えた。
ちなみに
ブルガーコフの「チチコフの遍歴」
もストーリイはおぼえてないがおもしろ
かった記憶あり。チチコフファンは読み
ましょう。
5 :
吾輩は名無しである:02/01/07 23:07
たしかにゴゴーリは怪奇な作風だが、
そのなかでも特に怪奇だと思われるのは「肖像画」に違いない。
百年以上経っているというのにまったく色褪せない作風には
脱帽せざるをえない。
6 :
吾輩は名無しである:02/01/08 01:07
>2
おいらもだよ。
7 :
吾輩は名無しである:02/01/12 23:12
age
ろし文のスレッテ、最近、多いですね。ブームなのかな。
9 :
吾輩は名無しである:02/01/22 09:01
age
ロシア文学は日本でなぜだか人気らしいから。
個人的には貧しさがあるのが好きなんだけど。「外套」とか。
あと、官等があるのもなぜだか好き。
11 :
吾輩は名無しである:02/02/07 21:55
age
12 :
吾輩は名無しである:02/02/07 22:24
正直、ロシア製怪奇映画「妖婆・死棺の呪い」(「ヴィー」の映画化)
原作者としてのみ俺に記憶されている。
ゴーゴリは「死せる魂」をダンテの「神曲」に模して
地獄編、煉獄編、天国編の3部構成にするつもりだったそうです。
ゴーゴリは、地獄編に相当する第一部を書き上げ、
検閲により修正を余儀なくさせられながらも出版。
そして、煉獄編に相当する第二部を書き上げたが、
それを全て焼き捨てた。
(わたしは神曲をよんでないのですが、
煉獄とは、罪を償う世界だそうです。)
その後すぐ断食に入りそのまま死を迎えた。
最後の言葉は、「梯子を、梯子を」だったそうです。
何故、ゴーゴリは第二部の原稿を全て焼き捨てたのか?
マトウェイ・コンスタンチノフスキイという狂信者の
感化の下に、ゴーゴリは、
自分の作品を神に背くものであると考え、
焼き捨てるまでに至ったのだ、とある人はいう。
またある人は、煉獄や、天国が、
現在のロシアに存在しえないという絶望から
第二部の原稿を焼き捨てたのだという。
もし、絶望から原稿を焼き捨てたのだとすれば
我々に前に残されているのは、地獄だけである。
(草稿が残されていたので、第二部も断片的には読めるのですが)
いや、本当に、本当に、笑える、
「死せる魂」は最も笑った小説だと言っても過言ではない。
登場する地主どもの奇っ怪さには、抱腹絶倒だ。
だが、それは人間への憎悪でもなく、警告でもない、
そして皮肉ですらないのではないか?
そこにはスウィフトのような苛烈さはない。
そう、根底にあるのは、嘆きではないのか?
人間の醜さをいくら笑い飛ばそうとしても、
(実際、本当に、本当に笑えるのですが)
そこにゴーゴリの深い悲しみ、
そして嘆きが感じられる。
容赦なく醜さを突きつけてくる検察官のラストにすら、
ゴーゴリの嘆きを私はみてしまう。
そして、その嘆きがあまりにも深く
絶望の底にまで達してしまった。
嘆きから祈りへ、そして、絶望から断食へ・・・・
これが、「死せる魂」を中心に考えた、
私のゴーゴリ像です。
いまいち盛り上がらないので、
また、話題を出した責任もあるので、
がんばって書いてみました。
ゴーゴリを初めて読むなら、
「外套」より「検察官」を私は勧めます。
私は、ゴーゴリを初めて読んだのは「外套」からなのですが、
正直、その時は、
ドストエフスキーにつながる作家なんだなあ、程度の印象でした。
だが、「検察官」(戯曲なのですが)を読んで、
そんな程度の評価で終えていい作家ではないということを
いやというほど思い知らされました。
そして、「死せる魂」を読了するに至って、
最も愛すべき作家の一人となりました。
ということも、付け加えさせて下さい。
あと、「死せる魂」がいかに「笑えるか」
ということも伝えたかったのですが・・・
どうも、うまく伝えられそうもなく・・
本当に、本当に「笑える」ということを
強調するにとどめておきます。
19 :
吾輩は名無しである:02/02/09 22:44
age
20 :
吾輩は名無しである:02/02/09 23:46
ゴーゴリ…好きなんだけど大昔に読んだきりだ…とりあえず「鼻」に一票。
21 :
吾輩は名無しである:02/02/11 00:53
狂人日記は?
22 :
2月のあとの同年1月:02/02/11 23:49
ゴーゴリの悲劇は、登場人物の愚劣さ、性悪さというものを自分も
おおいに共有しているという確たる自覚をもっているところから
来ているのでは?そりゃ、気も狂うよ。
23 :
吾輩は名無しである:02/02/19 04:16
「恐ろしき復讐」という話が一等恐かったです。
24 :
吾輩は名無しである:02/02/21 12:40
僕は「肖像画」だな。
最近までゴーゴリは読んだことがなかったけど
ちょっとはまってる。
25 :
吾輩は名無しである:02/02/21 18:00
「ヴィー」はギャグだかホラーだか判然しません。おびえ狂ったホマーが行成トレパックなんぞ踊りだすし・・・
26 :
吾輩は名無しである:02/02/22 22:37
ブーリバ爺萌え
27 :
吾輩は名無しである:02/02/23 17:04
マニーロフ萌え
28 :
吾輩は名無しである:02/02/27 19:26
アマゾンに行っても「死せる魂」が無かった。
29 :
吾輩は名無しである:02/02/28 03:55
コバリョフ萌え
死せる魂
読んでて
なぜか島田雅彦の小説
思い出しちゃった
皮肉な調子が
なんか似てる
気がするのネ
31 :
吾輩は名無しである:02/03/05 17:29
『貧しき人々』を読んだので『外套』を読んだ
『外套』のほうがぜんぜん面白い。ユーモアもあるし
なんか前衛っぽいな、今読んでも
ゴーゴリの『外套』を意識した後藤明生の『挟み撃ち』は
外套がなかった、喪失はなかったという小説だけど
『外套』も最後に手に入れる外套は自分のではないし
その外套を手に入れるのも幽霊で主人公本人かどうかもわからないし
実は失われたものの回復にもなっておらずそのへんもなかなか興味深かった
32 :
吾輩は名無しである:02/03/05 17:31
↑外套はなかった→外套はもともと誰かに奪われたわけではなかった
ゴーゴリとゴーリキーをよく間違えます。
『どん底』とか『貧しき人々』とかなんとなくイメージが似てるせいかまぎらわしいです。
34 :
吾輩は名無しである:02/03/10 15:44
age
35 :
吾輩は名無しである:02/03/17 06:11
ブーリバ爺萌え
36 :
吾輩は名無しである:02/03/22 14:27
外套のアニメ、できたかな。
37 :
吾輩は名無しである:02/03/22 21:34
『外套』を読んだ時あまりのすごさにびっくりしました。
傑作!
38 :
吾輩は名無しである:02/03/24 13:54
息子と殴り合いをするブーリバ萌え
39 :
吾輩は名無しである:02/03/24 15:03
今、ロシアで新編集の全集が刊行され始めたようだよ。
ゴーゴリのイメージが大きく変わるか、と言われていたりもするけど、どうなんだろ?
40 :
吾輩は名無しである:02/04/03 00:25
あげ
>38
しつこい
42 :
吾輩は名無しである:02/04/24 09:31
age
43 :
吾輩は名無しである:02/05/13 01:18
age
44 :
吾輩は名無しである:02/05/18 00:29
全集売ってねえ
以前図書館で読んだ時のに付いてた月報で見たイワン・イワーノウイッチ
の鵞鳥面が忘れられん
45 :
吾輩は名無しである:02/05/27 05:44
禅集ホスィイ
はっきり逝って、ゴーゴリはロシアいちの作家です。
トルストイとかドストちゃんはもう古い。
47 :
吾輩は名無しである:02/05/27 17:29
ウクライナですが
48 :
吾輩は名無しである:02/05/27 19:22
>>47 そうですね
岩波の「ロシア文学案内」にもかいてある
49 :
モレ(・∀・)カヨ!:02/05/28 19:54
ゴーゴリは狂人日記などでエッジな人たちを描き過ぎたので
良識ある人々からは敬遠されたのだろうそこが好きなのだがね
映画「アンダーグラウンド」についても言えるんだけど
単にブッ飛んだグルーヴ感が好きで映画を作っても
必ず道徳的な、正史観にのっとって読解しようとする輩がいる
困ったものだ(笑)
50 :
吾輩は名無しである:02/05/30 04:27
>>46 ギャグセンスはドストに圧勝
というかドストは口述筆記&無推敲がたたってクソ長い
51 :
吾輩は名無しである:02/06/08 00:27
age
52 :
吾輩は名無しである:02/06/18 00:22
age
53 :
吾輩は名無しである:02/07/02 00:50
ブーリバ読んだ。
凶悪なジジイやね。
無理やり荒らしに行った末、倅を殺り、しまいに
「うぬ、憎いポーランドの仇敵めら」
かい
54 :
吾輩は名無しである:02/07/02 15:06
とりあえず学会の人はこの板に来ないでくださいね(´∀`)
55 :
吾輩は名無しである:02/07/10 04:34
コサックage
56 :
吾輩は名無しである:02/07/15 00:09
検察官、NHK教育で放送中。
ガ━━━━(゚Д゚;)━━━━ン! 見逃したー!!
途中から見る気しねー!
しまった!K−1見てた。不覚。
59 :
吾輩は名無しである:02/07/16 19:54
>57>58
トリャピーチキンに報告しますた
60 :
吾輩は名無しである:02/07/27 15:42
アンヌンツャータ萌え
61 :
吾輩は名無しである:02/08/03 00:53
ゴオゴリ
62 :
吾輩は名無しである:02/08/03 00:56
そういうわけさ、ステパン・ワルラーモヴィッチ!
63 :
吾輩は名無しである:02/08/09 00:59
ラワリエール伯爵夫人
64 :
吾輩は名無しである:02/08/11 22:39
「ヴィー」の小説って(こっちが原作名なんですよね?)どこの出版社
から出てます?全集じゃなきゃだめですか?
映画の方を大学の講義中に見て、興味を覚えたのですが。
65 :
吾輩は名無しである:02/08/12 00:17
>64
うちにあるのは
怪奇小説傑作集5 創元推理文庫 ¥600
ロシア怪談集 河出文庫 ¥780
前者の方が入手し易かろうと思われます
外套
独身であまりさえない公務員のアカ―ギーアカ―ギエビッチの悲劇
67 :
吾輩は名無しである:02/09/02 04:40
age
68 :
吾輩は名無しである:02/09/02 21:01
ククベンコバラバンオスタップ
69 :
吾輩は名無しである:02/09/02 21:12
後藤明生『笑いの方法』は呆れるくらい傑作だった。
福武文庫だけど、もう絶版だろうね。
後藤明生って笑いにこだわる割には小説が笑えないね。
ゴーゴリもあんまり笑えないけど。
71 :
吾輩は名無しである:02/09/07 22:32
age
72 :
吾輩は名無しである:02/09/07 23:35
確か鮭秀美も後藤明生は笑えないって言ってたよ
73 :
吾輩は名無しである:02/09/16 21:59
人気無いね(´∀`)
74 :
吾輩は名無しである:02/09/16 22:09
>>70 じゃ、何なら笑えるの?
因みに言っとくけど、後藤のいう「笑い」と、
小説読んで「笑える」っていうのは全く異なったレヴェルの概念だからね。
あんまり厨なこと言わんとき。
75 :
吾輩は名無しである:02/09/16 22:17
>>74 ( ´_ゝ`)フーン
後藤の「笑い」が「全く異なったレヴェルの概念」であると主張するのなら、
その差異を明記していただきたいものですな。
76 :
吾輩は名無しである:02/09/16 22:20
77 :
吾輩は名無しである:02/09/16 22:26
>>76 だいたいはね。
でも、その概念を文章として具体的に提示できないなら、
下手な挑発はやめたほうがいいよ。
78 :
吾輩は名無しである:02/10/01 20:24
挟み撃ちの腋毛ポスターは笑えたよ
79 :
吾輩は名無しである:02/10/01 20:25
sage
81 :
吾輩は名無しである:02/10/15 19:55
コサックダンス
82 :
吾輩は名無しである:02/10/15 22:43
いや〜明生ちゃんはおもろい!!
83 :
吾輩は名無しである:02/10/15 22:44
腋毛ポスターだけな
84 :
吾輩は名無しである:02/10/15 22:46
ここにいるやつはみんなおもしろくない。
85 :
吾輩は名無しである:02/10/15 22:49
九州弁ギャグもおもしれーな冴えてるよな明生は
「検察官」いいね。
「鼻」にはいまひとつ笑えないけど、
「外套」の哀愁…、
「検察官」の構成の緊迫感。
ところどころ退屈するけど、
「死せる魂」が当時、無から有を生み出す
とんでもない力技だったってことは、想像がつく。
ところで、ゴーゴリと、カフカと、キルケゴールに、
なんか、共通する体質感じるんだけど、気のせいかな?
87 :
吾輩は名無しである:02/10/18 17:26
>>86 ゴーゴリとカフカの類似点なんかは後藤明生が語ってそうだね。
キルケゴールとの接点がよく分からないけど、どの辺りのこと?
>87
直感的なものね。……これじゃ答えになっとらんかw
奔放で饒舌な文体と過剰な想像力。
おしよせる現実の圧迫感を、なんとか押し返そうとして駆使される言葉の力、
みたいなもんかな。
キルケゴール自体がきわめて作家的な思想家だったわけだけど、
あの非ヘーゲル的な、ある種茶目っ気たっぷりの
脱線に告ぐ脱線を展開する子供っぽい文体に、
ゴーゴリを感じる。
カフカはもう少し沈んでいるね。役所勤めだから…w
ゴーゴリとカフカは、教室の隅っこで、
しょうもない二人だけにわかる自閉的冗談をいいあって、クスクス笑っていそう。
89 :
吾輩は名無しである:02/11/01 00:45
保守
90 :
吾輩は名無しである:02/11/04 09:43
保守
91 :
吾輩は名無しである:02/11/08 23:19
外套の最後で、巡査が口髭を生やした
幽霊を見るのはどういう意味があるんでしょう?
92 :
吾輩は名無しである:02/11/09 01:02
幽霊(と巡査が思った人物)=外套を強奪した犯人(のひとり)と読んだが。
どういう意味があるかはよくわからんが、なんかおもしろいと思った。
93 :
吾輩は名無しである:02/11/19 15:47
ageあげ
94 :
魚類 ◆PZGoP0V9Oo :
>>92 「ラシャとは名ばかりで、風でも吹きゃぁ飛んでしまいまさぁ」
↑この下りは大笑いしやした。