桶谷秀昭について語ろう!

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1名無し
桶谷秀昭について語ろう!!
2大学生:02/01/02 04:16
今の学生で読んでる人いるのかなぁ?
取りあえず今年は『昭和精神史』を参考文献までしっかりあたって
じっくり読み直そうと計画しているが。
3名無し:02/01/02 05:36
桶谷さんが今は亡き村上一郎と編集していた「無名鬼」について誰か語
ってください。この雑誌から岡井隆や馬場あき子、百々登美子や山中智
恵子が巣立っていったはずだし、樋口覚や筒井清忠も文章を書いていた
と思う。情報待つ。
4吾輩は名無しである:02/01/02 09:28
この人が文芸時評をしてる時、黒岩重吾・川上宗薫・筒井康隆三人の
作品を完膚なきまでに酷評しているのを見てから、この人書いたもの
を読んでいない。その事をたしなめた川村二郎氏に感銘して、川村氏
の作品を読むようになった。
5吾輩は名無しである:02/01/02 12:22
桶谷秀昭氏が自分を語ってます。「無名鬼」にもちらっと言及。
ttp://www.sankei.co.jp/pr/seiron/koukoku/2001/0012/myphoto.html
6:02/01/02 12:37
http://www.sankei.co.jp/pr/seiron/koukoku/1997/9704/fukuda.html
福田和也「瞠目せよ桶谷『昭和精神史』戦後篇」

てか誤植多すぎ、誰だよこれ打った馬鹿は?
7吾輩は名無しである:02/01/02 12:41
>>3 少なくとも筒井を罵倒するのは適当だろう。
87:02/01/02 12:42
イタタタタ! 間違えた。>>4da.
9名無し:02/01/06 05:17
ある古書店で「無名鬼」全冊揃いを5万円で購入した。元の持ち主は古林尚で、古
林宛の、村上の自筆の領収書が挟まっていた。万年筆でふるえるような筆跡で、村
上の凄絶な姿が脳裏に浮かんだ。桶谷さんはこれまで何度か村上の思い出を書いて
いるが、彼の北関東での出自、水戸学やマルクス主義との関係、岡井隆や百々登美
子らを送り出した教育者、編集者としての側面…それをぜひとも志のある若い人に
書いてもらいたい。桶谷さんの教え子で、Yくんというハンサムな学生がいたけど
彼に期待したい。
10吾輩は名無しである:02/01/22 21:30
「草花の匂ふ國家」は良かった。桶谷さんの西郷隆盛は血が通ってゐて、「大西郷
全集」とか一次資料に丹念に当たってゐるのが好感が持てた。江藤淳の「南洲残映」
はひどかったね。それに比べたら、桶谷さんの方がはるかに為になった。
11吾輩は名無しである:02/02/04 04:49
東洋大の学内研究誌に、井上圓了について桶谷が国体論をからめる形で書いている
のを、偶然知人の家で読んだ。実に重量感あふれる内容で、特に井上毅について桶
谷が興味を持っている様子が感じられた。小林秀雄が「本居宣長」を書いたように
桶谷の晩年はぜひとも井上毅について書いてもらいたい。
12吾輩は名無しである:02/02/04 09:44
おいらは、桶谷さん経由で、保田與重郎の偉大さを知りました。
13吾輩は名無しである:02/02/07 02:30
しかし、桶谷は今は「右」なんだろうけど、六〇年代は完璧に「左」だよね。いつ、どうして転向したのか、誰か教えて。
14吾輩は名無しである:02/02/07 03:38
>13
痛い質問です。桶谷には新日本文学会に所属していたという過去があり、その頃の
ことについてはあまり書いていません。60年安保以降、なしくずしに「転向」し
ていったと思われますが、タチの悪いのは、おそらく桶谷自身が「自分は何も変わ
っていない」と思いこんでいることでしょう。
ただ一つ言えるのは、彼が日本の土着を見つめる中で、中野重治と保田與重郎の共
通項を見出し、特に保田の没後は、「死人に口なし」と言ったら言い過ぎかもしれ
ませんが、保田の直弟子が詩や俳句、短歌に親しむ人が多く、師匠の批評を必ずし
もよく世間に伝える能力を持っていなかったこともあり、桶谷は保田の文学や思想
を内在的に理解することに努め、今では講談社学術文庫の一冊にもなった「保田與
重郎」を世に送ったのでした。
桶谷の「転向」については、昭和45年の三島由紀夫の自決が一つ大きな契機にな
っているのかもしれません。三島事件を機に西尾幹二が桶谷の仕事を身近に感じ出
したと「諸君!」のアンケートに答えていたし、別の「諸君!」のアンケートでは
桶谷が西尾の「国民の歴史」を名著として挙げていた。
俺も桶谷の評論集を「土着と状況」あたりから読み返して、もう一度、彼の「転向」
について考えてみたい。
15名無しさん@1周年:02/02/07 04:34
70年代に哲学ゼミの教授(故人)が「「近代の奈落」だと?ケッ!」と言ってたな。
それにしてもアカデミズムとは無縁の人だと思っていたが、いつ大学教授になったんだ?
不思議だよね。
16吾輩は名無しである:02/02/07 05:42
60年安保で出版社をクビになってから、大学や専門学校(?)などの講師を
勤める間に、東洋大学の専任講師になり、その後助教授、教授になった。大学
の方は、恐らく文芸評論家の身すぎ世すぎという意味合いだったろうが、知人
の教え子によると、講義は前日までにみっちり資料にあたったと理解される中
身のある講義でよかったとほめていた。
17名無しさん@1周年:02/02/07 06:07
そうだったのか。結構長いんだね。
いや秋山駿でもなるぐらいだから、それは別にいいんだけど。
ちょっと知らなかったもんで。
18吾輩は名無しである:02/02/07 06:31
桶谷が、死んだ磯田光一や秋山駿、高橋英夫らより頭ひとつ抜け出した感じ
がするのは、保田與重郎という批評対象に出会ったことが大きい。保田に対
する関心は初期のころから存在したが、初期の保田論と「昭和精神史」での
保田についての記述を比べれば、その違いは一目瞭然だ。桶谷が保田に対す
る関心を持続させていなければ、彼はもう過去の人だったかもしれない。桶
谷は保田を書くことによって延命したとすら言えるかもしれない。時勢の成
り行きで桶谷も「正論」に時務情勢論を書き、建国記念日のシンポジウムで
西尾幹二らと網野善彦の悪口を言ったりするようになった。社会の右傾化が
自分の仕事の変遷と幸か不幸か、一致してしまった。「近代の超克」あるい
は「近代の終焉」のお題目が目や耳に入ってくることが少なくない昨今、桶
谷の晩節が汚れることがないことを祈るが、新日本文学会でいっしょだった
はずの大西巨人氏や、死んだ井上光晴や師匠(と言うか兄貴分と言うか…)
の村上一郎は、現在の桶谷をどう見ているであろうか?
19吾輩は名無しである:02/02/07 14:15
桶谷の「転向」については、将来、彼の著作集が作られる時、編集委員がどういう
スタンスで左翼的な時期の文章を収めるか、結構興味がある。
桶谷は村上一郎と違って日本共産党に籍を置いていたことはないし、逆に三島や保
田を論じても、彼等の周辺の右翼やゴロツキとも関係を持たなかった。近いところ
にいながら、決して同化しないバランス感覚があり、それが彼の批評の強みでもあ
る。保守論壇で桶谷がどこか黙殺されているのは、彼が谷澤永一や死んだ香山健一
と違って、誰が見ても分かる「転向者」ではなく、「いつのまにか転向した人間」
あるいは「右なのか左なのか分からない人間」と映じているからだろう。
ただ、桶谷の中で一貫しているのは、「反米」であり続けている点であろう。この
前の「新潮」の論文や「正論」の巻頭随筆で、上品な形でグローバリズム批判、ビ
ンラディン擁護を展開していた。
20吾輩は名無しである:02/02/07 18:43
文芸評論家としては終わった人。保守の立場で、文学の知識で世相を斬ることのでき
る人間が江藤淳が死んでいなくなってから、あちこちからお呼びがかかっているみた
いだけど、保田與重郎や小林秀雄、竹内好の口まねはもうたくさんだ。「昭和精神
史」なんて心情倫理一本槍で、政治家は結果責任がすべてということ考えたら、東條
英機や広田弘毅のこと高く評価するなんてできないし、東京裁判が茶番だったとして
も、昭和天皇や指導者層に責任があったという視点がまるで欠如していて、文壇から
ほとんど黙殺されたのは当然だった。第一、自分の「転向」について人を納得させる
ことも言えないで、「近代文学」の連中を批判するなんてナンセンスだね。
桶谷の保田論を根底からひっくり返す若い志のある論客の登場を希望します!!
21ぐわんばる藁男:02/02/07 18:57
磯田光一も(小沢がつぶれて)著作集が中絶しちまった。
評論家の著作集自体、現在、そもそも成立するのか?との懸念を抱く。
(没後に保田論集成がでたら買うかな?)
22吾輩は名無しである:02/02/08 01:47
「諸君!」の読書アンケートで5冊の中に自分の「昭和精神史」を入れていた。カッ
コわりいなぁって思った。桶谷のことを「含羞の人」なんて讃える奴がいるけど、含
羞のある人間がそんなことするか? フザケルナ、ゴルァ!!
23吾輩は名無しである:02/02/08 04:09
>20
桶谷さんはたぶんあなたのような読者には初めから何も期待してゐないよ。「昭和
精神史」のあとがきに「実現しなかった内面の歴史と、現実に結実した歴史を等価
に描く」といふやうなことを書いてゐたけど、この大著の主眼はまさしくそこにあ
るのだ。だからこそ、2・26事件の青年将校たちや、明らかに必敗の状況下で出
撃した戦艦大和を桶谷さんは描いたのだ。東京新聞の「大波小波」でも「戦後何も
楽しいことはなかったのか」と桶谷さんへの悪口書いてた奴がゐたが、さういふ連
中は、扶桑社の歴史教科書を排撃するのに血眼になってゐる左翼の歴史学者の駄本
でも読んでマスターベーションしてるがいいさ。
それと、桶谷さんの「転向」について云々するなんて、そっちの方がナンセンスだ
って。人間、歳月の流れの中で思想も仕事も変わって当然だし、その転向も学問的
蓄積の過程、あるいはその果てになされたものなら、何の罪もない。第一、桶谷さ
んが60年安保の時、労働組合を率いて運動したのも結局自分お一人で会社を首に
なる形で、きれいに責任をとったのだ。同士や仲間をそそのかして傷つけておきな
がら、自分は考え方を変えてその果てに「朝生」に出たり、日本新党の結党宣言を
書いたりした知識人とは異なるといふ事実にまづは目を向けるべきだ。
24我輩は名無しである:02/02/08 13:22
転向であれども何らかの一貫性を感じさせるとすれば
転向の内実を明らかにしなければならない
(・・全くのゴミ発言でした)
25吾輩は名無しである:02/02/10 18:30
age
26吾輩は名無しである:02/02/13 21:41
保田で「疾駆する無常迅速」ってどこに出てきましたっけ。
27吾輩は名無しである:02/02/14 00:16
たとえば、「昭和精神史」を読んでいると、そこで描かれる小林多喜二
に非常に親近感を感じてしまう。そこがとても不思議です。






28吾輩は名無しである:02/02/21 23:29
age
29吾輩は名無しである:02/02/22 03:31
>26
具体的にソースをお教えできず恐縮ですが、保田文庫10巻の「蒙彊」のどこかに
出てくると思う。俺も熟読して分かったらまたカキコします。

>27
桶谷さんの「天の河うつつの花」に伊藤整賞受賞についての小樽紀行の一文があっ
たけど、多喜二を好きだと書いてあったはず。桶谷さんが中野重治を高く評価し続
ける理由が何となく分かる。「転向」だの何だの言う前に、桶谷さんのそういう柔
らかい感性をこそ語り合いたいものです。
30吾輩は名無しである:02/02/23 06:21
age
31吾輩は名無しである:02/02/24 05:27
もうそろそろ、ここ数年間に書いたものをまとめて本にしてもよいのでは?
現役の文学者で著書が待ち遠しいのは、桶谷秀昭と阿川弘之くらいだな。
32吾輩は名無しである:02/02/26 03:51
桶谷の「伊藤整」は、彼の隠れた名著の一つだと思う。
33吾輩は名無しである:02/03/02 02:01
桶谷age
34吾輩は名無しである:02/03/03 01:45
あげちゃいますよ!
35ふくだかずや:02/03/03 17:33
お前ら保田スレッドにもこいや。
36吾輩は名無しである:02/03/04 01:44
あげますよ
37吾輩は名無しである:02/03/04 02:51
教科書の平板な歴史しか知らなかった私は、「昭和精神史」を読んで涙してしまった。
もっと宣伝してほしい人ですな
38吾輩は名無しである:02/03/04 03:03
精神的師匠の保田も転向者だろうが。
39吾輩は名無しである:02/03/04 05:17
>38
保田が左翼的な短歌を詠んだり、アジ小説を書いていたのは旧制大阪高校時代のこと
で、それは「はしか」みたいなもの。「コギト」や「日本浪漫派」に文章を書き出し
てからは、左翼的なものは書いていない。保田が転向者と言うなら、文壇で本格的な
物を書き出した保田の文章を教えてほしい。

「保田=転向文学者」は小田切秀雄の2巻本の昭和文学史でも語られているが、説得
力ゼロ。保田を転向文学者とすることで、彼の戦争協力を一層あくどく印象づけよう
とする小田切の悪質なモチーフがみえみえで、本当にひどい文学史だった。
出した
40吾輩は名無しである:02/03/05 02:22
>37
禿胴! 桶谷さんの文章の底には悲哀が流れていたり、マグマのような憤怒があっ
たりする。そこに魅力があると思う。
41吾輩は名無しである:02/03/06 04:51
江藤淳ばかり言われているけど、桶谷さんも奥さんをがんで亡くしている。「天の
河うつつの花」に収録されている文章は、実に痛切で読む者の胸を打つな。
42吾輩は名無しである:02/03/07 06:19
「保田與重郎」のスレッドに桶谷の「昭和精神の風貌」に収録されている亀井勝一郎
論からの引用が長々書かれていたな。
43吾輩は名無しである:02/03/08 04:05
agemasu
44吾輩は名無しである:02/03/08 05:28
桶谷もすっかり「時局」づいてるな。
45吾輩は名無しである:02/03/10 04:19
あげますよん。
46吾輩は名無しである:02/03/14 04:14
age
47吾輩は名無しである:02/03/14 14:11
この頃、あんまり雑誌でみかけねえな。
48吾輩は名無しである:02/03/16 03:34
地下鉄○○線の某駅を出たところ、作務衣を着て寝癖で白髪がはねた男が前から歩
いてきた。よく見たら、桶谷秀昭だった。何だかすごく非日常的な感じだった。
49吾輩は名無しである:02/03/18 03:54
あげあげ
50吾輩は名無しである:02/03/22 03:36
age
51吾輩は名無しである:02/03/23 01:01
いつから植谷は、右翼になったんじゃ
52吾輩は名無しである:02/03/23 01:14
>51
「植谷」ってだれ?
53吾輩は名無しである:02/03/30 00:58
「昭和精神史」いいね。
司馬史観と偉い違いだ。
54吾輩は名無しである:02/04/02 03:38
司馬は桶谷と関係良好だったそうだけど、「昭和精神史」を書いてから連絡を寄こ
さなくなった、他人が「昭和」を書くのも許せなかったようだ、と桶谷自身がある
講演会で語っていたのを聞いて、少なからず驚いた記憶がある。確かに司馬史観に
は、無理があるな。
55吾輩は名無しである:02/04/06 00:23
桶谷スレは平穏だな。保田スレは反日韓国人が保田批判を長々書き込んで、すごいことに
なってるぞ。
56>54:02/04/06 10:32
「昭和精神史」は、司馬のうすっぺらい昭和史観とは比べモノにならない迫力がある。
オレは、これを読んで、昭和にはまりました。
やっぱ福田和也の言うように「昭和こそが偉大」なことが実感させられたよ。

司馬史観とやらよりこっちを宣伝してほしいね
57吾輩は名無しである:02/04/07 16:10
『夏目漱石論』は古本屋に注文して読む価値ありますでしょうか?
58吾輩は名無しである:02/04/07 16:12
>55

チョソは、無視
59吾輩は名無しである
age