1 :
吾輩は名無しである :
01/12/08 22:55 不況です・・・金がない・・・しかも本の値段は上がるばかり。 1000円近くする文庫本も珍しくない。。。欝だ。 このスレは絶えず出版されている翻訳小説の新刊の率直な感想を 交換しあい、購入の参考にするとともに、昨今の翻訳小説の傾向 (市場のあり方を含めて)、考えることを目的にしています。 芸がないスレですが・・・スマソ。 一般書籍板じゃないので、とりあげる作品はいわゆる「文学」作品 に限ります。いわゆるね。 「買い」、もしくは「買うな」の理由も添えてくださいね。 そうそう、著書や出版社、値段もよろしく。 それではどうぞ。 とりあえず海外文学編です。
「新刊」の定義はゆるーく、考えてくださいね。
3 :
吾輩は名無しである :01/12/08 23:01
「ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹」 (ジェフリー・ユージュニデス著 早川書房 文庫 700円+税) いまいち。テンポのよい第1章(最初の悲劇)は読ませるが、物語 のダイナミックな展開があまりなく、尻つぼみ。 美しい五人姉妹が次々と自殺するつう、題材は面白いんだけどねえ。 古本屋でどうぞ。
4 :
吾輩は名無しである :01/12/08 23:02
5 :
吾輩は名無しである :01/12/08 23:05
「ボトムズ」(早川だっけ? ハードカバー)読んだ人いませんか?
6 :
吾輩は名無しである :01/12/08 23:15
「魔王」(ミシェル・トゥルニエ みすず書房 上下とも2300円) 傑作。1970年に書かれた作品とは信じられない、というか、1970年だから 書けたのか。「ブリキの太鼓」が好きな人にはおすすめの狂った小説。 ナチス第三帝国を舞台にした圧倒的な幻想小説・・・ですよね。 映画も公開された。「ブリキ」と同じ監督。まだ見てないけど。 エリクソンの「黒い時計の旅」とかジョン・ホークス好きにも合う。 これは、買い。
7 :
吾輩は名無しである :01/12/08 23:19
ナイポールは?
8 :
吾輩は名無しである :01/12/09 00:55
>>7 「イスラム紀行」は、品切れ状態だったのを増刷したらしいが、後の作品は絶版では?
新たな翻訳出たのか?
どっかからか「ナイポールコレクション」みたいのが新刊で・・・
10 :
吾輩は名無しである :01/12/09 03:04
ジェイムズ・エルロイの新作は?
11 :
吾輩は名無しである :01/12/09 03:05
馳星周で我慢しなさい。
12 :
吾輩は名無しである :01/12/09 03:06
古ネタですが・・・映画になった「すべての美しい馬」の原作を書いた、 コーマック・マッカーシーという作家はどうでしょうか? しばらく前に「平原の町」という新作を書いたようですが。
13 :
吾輩は名無しである :01/12/09 03:08
馳星周ってどう読むのか? 「はせいあまね」?
>>12 マッカーシー良いけど、「平原の町」はボーダートリロジーの最後の
やつだから、最初から読んだほうがベターだよ。
出来は3作中で一番よくないけどね。
ロカンタンさんに同意。「すべての美しい馬」→「越境」→「平原の町」、すべて 早川書房のハードカヴァー。 「ビリーは狼のそばにしゃがみ毛皮に触れた。冷たい、完璧にそろった歯並に触れた。 火のほうを向いているがまったく光を撥ね返さない眼の上へ親指で瞼をおろしてやり、 地面に座って血にまみれた狼の額に手を当てて自分も目を閉じ、草が濡れていて、 太陽が昇れば消えてしまうあのすべての生き物を生み出す豊かなマトリックスが 鼻先の空気の中にまだ漂っている、星明りに照らされた夜の山を疾駆する狼を 瞼の裏に描こうとした・・・」(「越境」より)てな具合。 文学なんかポストモダン以降はどうたらこうたやらやいのやいの言ってる やつらに読んでほしいね。文章は難解っぽいけど、基本的に西部劇みたいな もんだから、ぐいぐい読めると思うよ。加速感は「すべての美しい馬」が ピカイチだな。絶対に読むべし。至福の読書体験を味わえる。
間違えた、アゲ。
17 :
吾輩は名無しである :01/12/09 11:10
>>14 さん、
>>15 さん、ありがとうございます。さっそく読んでみます。
フォークナーみたいな感じなのでしょうか・・・?
18 :
吾輩は名無しである :01/12/09 11:20
「蝶の舌」(マヌレル・バリス 角川書店 1000円) 買い。映画を見た人も多いとおもう。あの映画はこの短編集のいくつかの 作品を組みあわせたものです。マジック・リアリズムを受け継ぎつつ、 スマートかつ叙情的です。角川のBOOK PLUSという新しい シリーズ。新潮社のあとおいだけどね。そういえば平凡社がつぶれるって、 ほんと?
19 :
吾輩は名無しである :01/12/09 11:23
>>5 読んだけど。
この作家にしては語り口が平板でたるかったような。
アメリカンな話だから賞獲るのはわかるんだけどね。
図書館待ちとかでいいのでは。
20 :
吾輩は名無しである :01/12/09 11:51
高行健の翻訳は?
21 :
吾輩は名無しである :01/12/09 12:12
>>18 平凡社の話はどうもマジらしい。まあ、もう百科辞典の時代は
終わってるからねえ、役割は果たした、つうことでしょう。平凡社
って最近なんか本だした? 話題の。
22 :
吾輩は名無しである :01/12/09 12:23
>>17 フォークナーたしかに入ってるけど、やっぱ現代の作家。
ピンチョンやエリクソンが好きな人にもオーケー。「ナチスの将校に
目玉を吸い出されて盲目になった男」なんつう奇怪な登場人物が
わらわら出てくる。舞台がメキシコやアメリカの僻地だから古臭い
感じがするかもしれないけど。この人がニューヨークなんかを舞台にした
小説を書いたらオースターやらはぶっとんじゃうだろうな。
マッカーシーみたいな作家が一人でも出てきたら、日本の文学も一気に
盛りあがるんだろうけどね。阿部みたいなのがのしているからな、日本は。
欝だ・・・
23 :
吾輩は名無しである :01/12/09 12:25
リチャード・パワーズの「舞踏会へ向かう三人の農夫」を読み終えた人 いますか? えーっと、恥ずかしながら、挫折しました。百ページもいかずに。 読本みたいなのが出ているけど、実際のところ最後まで読む価値あり? 僕の我慢が足りないだけなのでしょうか。
24 :
吾輩は名無しである :01/12/09 21:59
パワーズの新刊出るよ。 カルヴィーノの岩波文庫で出たやつはどうなの? 平凡社の最近の話題『センセイの鞄』
25 :
吾輩は名無しである :01/12/09 23:30
>>20 「ある男の聖書」のこと? 今日の中日新聞の書評でで中国文学研究家の岸陽子っていう
人(詳しく知らない)が、「達意の訳文に敬意を!」って絶賛してました。
26 :
吾輩は名無しである :01/12/09 23:34
>>24 パワーズの新刊ってどれ? 普通に考えると「囚人のジレンマ」
だけど。まさか「黄金虫」ぢゃあ、ないよね。だったらすごいな。
カルヴィーノが岩波から? なんて作品?
27 :
吾輩は名無しである :01/12/10 00:17
カルヴィーノのは「パロマー」 むかし別の出版社で出てたみたい。 おもしろかったですよ。500円だし、買いでしょう。
>>27 ありがと。それまだ読んでなかった。僕のベスト・カルヴィーノは
「冬の夜一人の旅人が」です。あれは面白かった。
仕掛け系の本では今年の新春に出たミヒャエル・エンデの「鏡の中の鏡」
(岩波現代文庫 1000円!)もいいよ。まだ読み終わってないけど。
29 :
吾輩は名無しである :01/12/10 00:36
「素粒子」ってどうですか? 買いに行ったら売り切れてやがった。というかほとんど入荷していなかったみたいだった。 書評みているとケッコウいい感じっぽいんだが。 あとラストが気になる。
30 :
吾輩は名無しである :01/12/10 00:40
「素粒子」? 誰だっけ? 最近やたら海外文学の新しいシリーズ が出版されているから追いつかないYO! 一時期の「エイズネタ」、「虐待ネタ」系のドキュメン流行よりいいけど ね。あのころはもうフィクションは翻訳されないのでは?って思ってしまった。 新潮社のクレスト・ブックスのシリーズがけっこうヒットしたってこと だよね。他の出版社もどんどん出しているもんな。似たようなシリーズを。
31 :
吾輩は名無しである :01/12/10 00:55
「素粒子」はM・ウエルベック箸 野崎歓 訳です。 出版は筑摩書房です。
パワーズは良くも悪くも頭でっかちだからなぁ…。 ウォルター・アビッシュ"How German Is It"(邦題のセンスが 最低なので原題で)の訳書が出ました。翻訳が良いなら なかなか読ませる作品だと思います。政治と文学、戦争と 死者の声、ちょっとお堅いけど面白かった。
33 :
吾輩は名無しである :01/12/10 01:30
>>31 ふうん、野崎さんの訳かあ。サリンジャー・オタのわたしとしては
それだけで読んでみたくなるなあ。
34 :
吾輩は名無しである :01/12/10 01:34
最近のアメリカ系短編集だったら「巡礼者たち」(エリザベス・ギルバート 新潮社 2000円)はよかったな。買い。カス本も多い新潮のクレストシリーズでは なかなかよいほうじゃないかな。「旅の終わりの音楽」なんて村上春樹 が絶賛してたがまあああるでつまらなかったもんな。あんなの読むより ギャビン・ブライヤーズの「The sinking of the Titanic」聴いてる ほうがよっぽどグーだよ。あのレコードは解説もいいんだよな・・・・ でも文学板の住人は知らないだろうなあ。
一応突っ込みを入れておこう>33 「歓」と「孝」
>>35 あ! そうだよね。顔面真っ赤・・・鬱sage
37 :
吾輩は名無しである :01/12/10 13:46
見事な落ちがついてしまいましたが、このスレ続投希望!! 海外文学翻訳新刊本の情報を頼む!!
38 :
吾輩は名無しである :01/12/10 14:34
うむ、なかなか参考になるスレである。 エリクソン好きなわたしはマッカーシーを読んでみようと思う。 ところで先日、エリック・マコーマックの『隠し部屋を査察して』を読んでたいへん面白かったので、 同じ著者の『パラダイス・モーテル』を購おうと思って書店へ行ったのだが見当たらず、 頭に来て店員を殴りつけてしまった。 もう絶版なのであろうか?
39 :
コーマック・マッカーシーを広める会会長 :01/12/10 16:15
>>38 マッカーシーの読者が一人でも増えることは喜ばしい。他の本も翻訳されるしね。
未訳のものを原文で読んでいるけどなかなかきつい英語だ。「すべての美しい馬」は
最初はじれったいだろうけど、我慢して読んでね。エリクソン読んだ人なら大丈夫だと
思うけど。ちなみに「すべての美しい馬」は早川文庫から出ています。最近のこと
だからちゃんとあると思うよ。前レスの「ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹」
のシリーズです。
「彼が馬を進めてゆく砂漠は赤く、彼が巻き上げる埃も乗っている馬と引いていく馬の
脚に付着する微細な埃も赤かった。夕方になると風が吹き目の前の空いちめんが真っ赤になった。
あたりいったいは不毛の土地で家畜はほとんど買われていなかったがそれでも日が暮れる前に
彼は血のように赤い夕日に照らされて苦悶する生贄の動物のように地面の埃のなかで転がり
回っているたった一頭だけの牡牛に出くわした。血のように赤い埃は太陽から
吹き出してくるのだった。彼は馬のわき腹に両足の踵をあてて先に進んだ。太陽が
顔を赤銅色に染め赤い風が西から吹いて夕暮れの風景を渡り砂漠に棲む小さな鳥が乾いた
ワラビの繁みのあいだを囀りながら飛ぶあいだ人と二頭の馬は風景のなかをどんどん通り過ぎて
その長い影はあたかもひとつの生き物の影のように前後に連なっていた。通りすぎてゆく
彼らは淡い色になって、暗くなってゆく土地のなかへ、きたるべき世界のなかへ
消えていった」(「すべての美しい馬」より)
くー、かっこいい!!
そんでもって気に入った人は「越境」と「平原の町」も続けで読んでください。
登場人物が共通しているしね。
さすらいのジョン・グレイディ、ビリー・パーハムの運命やいかに?
血と砂、時間と神話、硝煙の臭いと獣たちの叫びがとろけあう領域の物語です。
お気に入りの作品ならば、
>>39 のように一節をちょこっとでも
紹介してもらうとすごく参考になると思います。
41 :
吾輩は名無しである :01/12/10 19:31
>>38 エリック・マコーマックについて感想を聞かせてください。タイトルが面白そう
だ。
できれば引用も。
>38 同じ著者の『パラダイス・モーテル』を購おうと思って書店へ行っ たのだが見当たらず、頭に来て店員を殴りつけてしまった。 それって比喩ですよね? じゃなかったら具体的にどんな状況なんすか??? パラダイスモーテル古本屋とかじゃないとないんじゃないかな。 >41・ もしも筒井康隆がまともな神経の持ち主であるなら、マコーマックの前で ユーモア小説書いてるなんて一言も言えないでしょう。 とりあえず笑いたいならマコーマックか「おまえはケダモノだ、ヴぃすこ」 のアレッサンドロ・ボッファのどちらかがいいと思います。 確実に笑えるので。
43 :
吾輩は名無しである :01/12/11 18:51
うーん、マコーマック探してみよう。けっこう地方の小さな図書館にあったり するんだよね、海外文学ってさ。区の図書館とか。ねらい目。
マコーマックは嘘つきおじさんの大法螺本ですね。 まあ、つまらなくは無いけど、他のもっとマシな本読んだほうがいいんでないかねぇ。 とりあえず、アメリカのものなら全米図書賞獲った本でも読んでみたら? でも、個人的にはアメリカのものよりイギリスのほうが面白い気がするけどね。
>マコーマックは嘘つきおじさんの大法螺本ですね。 まあ、つまらなくは無いけど、他のもっとマシな本読んだほうがいいんでないかねぇ。 たしかにマコーマックはいわゆる文学的な作家ではないな、まったく。 でもそうかといって読む価値なしってことにはならないけどね。 その手の小説の大半はクスリとも笑えないっていう現状を考えれば 単に「笑い」をとるためだけの小説であったとしても、実際に笑わせてくれる んなら十二分に成立してるんじゃないでしょか。 >全米図書賞獲った本 だれがとったの?
>>45 ん?今年のは当然翻訳されてないから(ジョナサン・フランゼンのザ・コレクショ
ンズだけどね)、過去の翻訳されてる本でも読んで見たら?もちろん、話題のマッ
カーシーも入っているけどね。
マコーマックは別に文学的な作家でないということはないですよ。ただ、なんとな
く漂っている、米・英小説中心主義みたいな見地からすると、ちょこっと地理的に
中心から外れているだけでね。
え、フランゼン(フランツェンって最近まで呼んでた^^;)が全米図書賞 とったんだ。もちろん認められてしかるべき作家だけど。 そういえば、他のところでも書いたけど、『ウルフ・ソレント』の翻訳が でていますね。
48 :
吾輩は名無しである :01/12/13 15:31
借りればいいじゃないか。 最初のうちは買っててもいいんだが貯まってくると困るぞ。 図書館に置いてなかったら頼んで置いてもらえ。 それでも無理なら買えばいい。
>>47 フランゼンのネタを追加するとね、もともと玄人受けするっていわれてた「THE CORRECTIONS」
をオープラが番組で採りあげたのでバカ受けしてベストセラーになったんだが、それをフランゼ
ンがブーたれて、いろいろと揉めたんだとか。
それにしても、TVの影響力はすごいやねぇ。オープラのブッククラブをパクッたのが関口くん
の番組だけど、なんだか片方は幻冬舎の提灯持ちみたいな番組になっているし.....
ここで愚痴ってもしょうがないな (^^;
げー、オープラかぁ…フランゼンの新作って、出版前から話題にはなってた けど、あのブッククラブに取り上げられるとかえって読みたくなくなる からなぁ^^; 邦訳新刊の話:バラード『コカイン・ナイト』が出ます。
51 :
吾輩は名無しである :01/12/14 08:38
今日オースター新作(邦訳ね)出るらしい。 他スレで聞いたんだが。もうでてんのか?
52 :
吾輩は名無しである :01/12/14 09:33
バラードの新作が出ると聞いて、SF板にそれ書いたら無反応で寂しくなった。 まあ、内容的にはもうSFは書かなくなったみたいだから、仕方ないか。 「Rushing to Paradise」も翻訳は進行中みたいだけど。
53 :
吾輩は名無しである :01/12/14 10:54
「すべての美しい馬」は私も今年文庫になったところを初めて読んで すごく面白かった。「越境」と「平原の町」も読みたいんだけど、 間もなく文庫になるんじゃないかと思いつつ、単行本を買うのを躊躇して今に至っています。 文庫になる予定ないのかなあ。単行本高いんだもんな。 「すべての美しい馬」の映画はどうです?見た人いますか? 23番さん同様、私も「舞踏会へ向かう三人の農夫」、挫折した。 もっと頑張ればよかったのかな。 最後まで読んだ人の意見を聞きたいです。 ixionさんは最後まで読んだんですか?
54 :
吾輩は名無しである :01/12/14 21:52
>>26 パワーズは今月『ガラティア2.2』が出るらしいよ。
『舞踏会へ向かう三人の農夫』はそれなりにおもしろく読んだけど、
まあ途中で挫折した人の気持ちもわかるような気がする。
ちなみに『すべての美しい馬』は文庫化されたんで読もうとしたけど、
あの文体が合わなくて序盤で脱落しました。
55 :
コーマック・マッカーシーを広める会会長 :01/12/14 23:21
>>53 「すべての美しい馬」は映画になってので、文庫化されたんじゃないかな?
「越境」も「平原の町」もかなり面白いですよ。「すべての美しい馬」の
世界がぐぐぐっと深化しています。図書館にないかな?
>>54 >ちなみに『すべての美しい馬』は文庫化されたんで読もうとしたけど、
>あの文体が合わなくて序盤で脱落しました。
そういう人多いかもしれないけど、がんばって100ページくらいまで
読んでください。旅に出たジョン・グレイディたちが少年と出会うあたり
から物語は急展開します。がんがん加速度がついてきますよ。
56 :
吾輩は名無しである :01/12/14 23:23
57 :
吾輩は名無しである :01/12/14 23:24
>>51 「ミスター・ヴァーティゴ」ですね。出てるみたいです。まだ買ってないけど。
オースター板では最近のオースターの「風呂敷広げども畳まず」ってのが
不評みたいだけどね。新作どうなんだろう。
58 :
コーマック・マッカーシーを広める会会長 :01/12/14 23:28
>>56 あなたは
>>53 さんですね? それはよかった。冬の夜長を
じっくり楽しんでください。「越境」はすっごくせつないですよ。
泣けます。
オースターとパワーズとバラードか・・・今年の年末は楽しめそうだな。
コタツ時間がながーーーくなりそうだ。
しかし、アメリカ文学強いね。
59 :
吾輩は名無しである :01/12/15 00:53
私は53だけど、56は私じゃないです。私は買ってません。 今日私が買ったのは「ミスターヴァーティゴ」。ちょっと不安を感じつつ買いました。
61 :
バートルシャーグ :01/12/15 10:58
>ちなみに『すべての美しい馬』は文庫化されたんで読もうとしたけど、 >あの文体が合わなくて序盤で脱落しました。 私53、59です。 文庫で読む前に図書館で借りたことがあって、そのときは数ページで挫折しました。 それでも評判がいいのを何度も聞いていたので、文庫出たとき買ったんです。 自腹切って買った本だと思うと、辛抱して読むというところがある。辛抱して読んでよかった。 「舞踏会へ向かう三人の農夫」は自腹切った本だけど挫折しました。
62 :
吾輩は名無しである :01/12/15 11:02
56はわたしです。 わたしが買ったのは『すべての美しい馬』です。 すみませんでした。
63 :
吾輩は名無しである :01/12/15 11:08
あえて晒す! 僕が自腹切って買ったのに挫折した本! 「重力の虹」(ピンチョン) 「舞踏会へ向かう三人の農夫」(パワーズ) 「レターズ」(バース) 「やぎ少年ジャイルズ」(バース) どうだ! どっからでもかかってこい!! 全部で一万円は軽くこえて ますね。鬱だ・・・
64 :
バートルシャーグ :01/12/15 11:28
図書館で借りて読んで面白かったので、所有したくなって買った本。 「ロック・スプリングス」(リチャード・フォード)
65 :
吾輩は名無しである :01/12/15 11:41
>>64 そういうの、あるね。僕はウィリアム・「蝿の王」・ゴールディングの 「後継者たち」。懐かしいな。
>>64 R・フォード好きな人がいてうれしいっす (T-T)
スポーツライターやインディペンデンスデイの翻訳出るの切望してます。
>僕が自腹切って買ったのに挫折した本! >「重力の虹」(ピンチョン) >「舞踏会へ向かう三人の農夫」(パワーズ) >「レターズ」(バース) >「やぎ少年ジャイルズ」(バース) 『レターズ』は…一応読むには読んだけど、飛ばしまくったなぁ^^; なんかこのリスト、すごくよく分かるよ。俺はギャディス『認識』と 『ユリシーズ』の翻訳(3人訳の方)挫折。あとヴォルマンの『君ら 輝ける復活天使たち』は飛ばし読み。 パワーズ、『ガラティア2.2』は面白かった。『3人の農夫』はまだ読んで ないけど、『黄金虫変奏曲』はちとつらい読書だった。凄いのは認めるけど、ね。 フォード面白いんだぁ…何度か古本で素通りしてたので、今度読もうっと!!
68 :
吾輩は名無しである :01/12/17 00:53
ボストン・テランの「神は銃弾」(文春文庫)を読み始めた。「このミス」系だが、 これがなかなか・・・果たして? 「このミス」系といえば、ずいぶん前だけどスコット・スミスだっけか?「シンプルプラン」 なんかもすごく面白かったよなあ。
69 :
吾輩は名無しである :01/12/17 00:56
ちょっと古いけど、アメリカのチャールズ・ダンブロジオの「岬」 (早川書房)もよかった。短編・・・いや、中篇集か。評価はどうなんでしょうか? ご存知の方いますか?
70 :
吾輩は名無しである :01/12/17 01:15
新刊じゃないけど、今日、本棚を整理していたら懐かしや、カリンティ・ フェレンツの「エペペ」が出てきた。 ぱらぱらめくってたら止まらなくなって結局読み返すはめに。ココロの新刊って ことでご勘弁を。って、読んだことある人いるかなあ。 スレ立てたらどうなるんだろう・・・やめておこう。しくしく。 でもって、「屠殺場5号」も出てきた。そう、「スローターハウス5」 ですね。早川のハードカバーではモロのタイトルなのだ。すごいですね。
71 :
吾輩は名無しである :01/12/17 12:59
このミスといえば いつぞやの1位「フリッカー、あるいは映画の魔」がおもしろかったなあ。 その年のベストだった。 ところでジェニファーなんとかって言う人の「アンダー・ザ・スキン」って 読んだ方いらっしゃいませんか? 興味あるんですけど、買うかどうか悩んでるんです。
72 :
吾輩は名無しである :01/12/22 10:15
復刊されたクノーの「はまむぎ」読まれた方いますか? クノーは他のもいいので読もうかと思ってはいるんですが、高いので悩み中。 白水の復刊モノで他に「これは読んどけ!」ってのあったら教えて欲しいです。 ベケットも気になってるんだけど・・・。(まだ読んだこと無い)
73 :
taka ◆WJp3Uzus :01/12/22 10:41
マンゾーニの「いいなずけ」、新刊書店で分厚いのが 置いてありましたが、岩波の訳と比べてどうなのかなあ。
74 :
吾輩は名無しである :01/12/22 10:47
>>72 Uブックス。だっけ? 僕はジョン・バースの第2作の、「旅路の果て」
(”The end of the road” 1958)
がお気に入り。2ch的はこむずかしい議論が続いたりするけど、最後に
ぜんぶひっくり返る。「ノルウェイの森」に近いところも
あるな。生きかたやら何やらでがたがた青臭く議論している男たち、
そしてその男たちを死によって引きうける女たち。ってね。
志村正雄の名訳。
(ちびっと紹介)
ぼくは狂乱状態になった。何通もの手紙を書き始めた。ジョーに、
警察に、ペギーに、もう一度ジョーに。一通も書き終えることはできな
い。だめだ。ドクターにせよ、ぼく自身にせよ、だれにせよ、責めるだ
けのあいだ、一本の考えでいられないし、どういう行動を取るのが正し
い行き方か決めるだけのあいだ、一本の考えでいられない。ぼくは手紙
を放り出して、揺り椅子にじっとすわって苦悩した。この、ひどい未完
成を思うと気が落ち着かない。筋肉は行動を求めて叫ぶ。が、ぼくの
手足はラオコーンのそれのように縛られているのだ(注:主人公はラオ
コーンの石像を持っています)。知識と想像という双生の蛇によって。
蛇は時満ちて大きくなり、いまや誘惑するのでなく、壊滅を志すのだ。
まもなくぼくは服をぬいで、眠ることなぞ考えられもしないが、暗闇
のベッドに横たわり、わが友と無言の対話を始める。
「歩いてきた道はあまりに遠く、学んだことはあまりにも多かったね。
僕たち」とぼくはラオコーンに言った。「この時代まで生き残ってきたぼくたちのうち、だれがこのうえ生きていられるだろう?」
返事はなかった。ぼくの口のなかは灰の味がした。
うーん、こりゃ春樹だなあ、つうか、読んでたろうね、絶対。村上春樹は。
1958年かあ。「ライ麦」が1951年で、「さようならコロンバス」が1965年。ふうむ。
「旅路の果て」の前に「フローティング・オペラ」っていうバースの
処女作があるけどこれは絶版。サンリオ文庫でした。
でも今ごろバース読んでる人、いないだろうなあ。
長カキコスマソ。
旅路の果ていいっすね。ラストの救いようのなさがたまらん。 イコール春樹とは思えないけど。 バースって変な前衛走らないほうがよかったんじゃないの?
76 :
吾輩は名無しである :01/12/22 16:11
>>75 犬さんへ
>バースって変な前衛走らないほうがよかったんじゃないの?
はっげしく、同意!!!!!!
「神の銃弾」読了。うーん、イマイチでした。残念。高かったのにな。 華麗つうか、詩的なアフォリズムが多い文体なんだけど、あんまり効果的じゃない。 エンタメとしては物語が単純だし、純文(あえて、ね)としてはコクが足りないと。 カルト宗教をテーマにしているんだけど、そのカルトの世界観をきちっと描いて ないというか、つめてないからだろうな、芯が通ってない感じ。 こういう「暴力系」の作品多いけど(花村萬月とか。おえ)、極めつきはやぱーり、 ブレット・イーストン・エリスの「アメリカン・サイコ」だな。
『はまむぎ』は『地下鉄のザジ』に較べるとちょっとタルイですが やっぱり面白い。「小説でなければできないこと」をやってくれて いる真面目ながら遊び心もある作品です。 白水の復刊では、『ケンタウロス』『マーフィー』なんかも まあまあですが、クノーの方が面白い、と俺は思います。 ところで、白水復刊するんならデ・フォレやナボコフも復刊 して、みんなが読めるようにして欲しいね。シモン『歴史』も。 『ガラテイア2.2』出ました。
79 :
吾輩は名無しである :01/12/23 00:35
バース『旅路の果て』と春樹の比較ってことなら、「電話」の扱いなんて のは『ノルウェイの森』と結構似ているね。ただ『スプートニクの恋人』 の電話は意味が変わっちまってるけど。 ヘンな前衛、って言っても、多分バースの資質として物語を分析せずには いられなかったんじゃないかな。「言語表現」に対する迷い、みたいなもの が『旅路の果て』のどっかにも出てきたような気がするんだけど。 『水上オペラ』も、やっぱり二重の語りだったし、「自然に」物語ること への違和感はずっと抱えてたんだと思う。
「フローティング・オペラ」ってティポグラフィカの曲名であったね。
TO IXIONさん >ヘンな前衛、って言っても、多分バースの資質として物語を分析せずには いられなかったんじゃないかな。「言語表現」に対する迷い、みたいなもの が『旅路の果て』のどっかにも出てきたような気がするんだけど。 うーん。精読したわけじゃないから細部までは覚えてないけど、 それはたしかに。でも現実問題として「物語の分析」を突き詰めて いっても「自然に物語ることへの違和感」は決して消えないんじゃ ないかな。いずれ作家のための作家になるのがおちだし。 結局は、「自然に」物語ること より効果的な手はないわけで。 オースターなんかは前衛の仮面を脱ぎ捨ててもろにそこに戻った よね。あの潔さは気持ちいい。 バースにももう少しオースター的要素があれば、もっととっつき やすい作家になったんだろうなと思うよ。
83 :
吾輩は名無しである :01/12/23 12:11
ジョン・バースの最大の喜びは、「古い物語詩や古典神話、陳腐な文学的因習といった、 一般に受け入れられているメロディをとりあげ、その時々の目的に合わせて再編成し、 局の持つ制約のなかで、ジャズマンのように心のおもむくままに演奏すること」、 だそうです。これ、最近の発言(「夢見る作家たち」バベル・プレスより)。 「旅路の果て」の二年後に書いた「酔いどれ草の仲買人」からそうなりましたね。 同じ作家とは信じられないほどの変化。 「僕の最初の二つの小説は、どちらもたいへん短くて、比較的リアリスティックな ものだった。ところが、「酔いどれ草」の構想を練っていた頃の僕は、小説を 書き出した頃よりも、文学の歴史に明るくなっていて、自分の手を縛っているものを かなぐりすててしまいたいという思いに駆られていた。おこがましくも僕は、 自分の手が、この小説という文学ジャンルの歴史に縛られているような気がしたのだ。 また、それほどおこがましくないけれど、自分がそれまで書いてきた作品の性格も、 僕の手縛っているように感じたのである。 そこで僕のとった策の一つは作品の性格を、純然たる喜劇風の作品から笑劇 風のものに変えることであった。笑劇の方が喜劇よりも作者の手をいっそう自由に する。しかし、後になってふりかえってみてなおよくわかったのだが、当時の僕は、 もう一つ別の欲求にも動かされていたように思う。いわば小説の根源にまでさかのぼって、 そこから何か新しいものを取ってくることができないか探してみたいという欲求である」 (「酔いどれ草の仲買人」集英社「世界の文学」解説より) 「酔いどれ草」って、野崎さんの訳だったんだ・・・
こうやって、話題にあわせて昔の本をひっぱってきて、いろいろ調べる のは楽しいなあ。いろんな発見がある。
小説じゃないけど、新刊情報。 「夢を見る作家たち」(バベル・プレス ナオミ・エペル箸) アメリカ現代アメリカ文学の作家に「夢」についてインタビューした ものをまとめた本。メジャーなところだと、イザベル・アジェンデ、 クライブ・バーカー、ジョン・バース、スティーブン・キング、 エルモア・レナード、アン・ライス、モーリス・センダック、ウィリアム・ スタイロン、エィミ・タンなど。 個人的にはウィリアム・「ソフィーの選択」・スタイロンがうれしい。 あの作品をどのように書いたかが語られています。 「タイドウォーターの朝」には泣いたなあ。 アメリカ文学好きには堪えられない一品です。紙が異様に薄いのが難点。 風呂で読むとすぐに紙がべにゃべにゃになる。後ろのページの字が透ける し。安くあげようってんだろうけどねえ。2,000円。 買いましょう!!
86 :
吾輩は名無しである :01/12/23 12:32
>>80 「ガラテア2.2」、みすずからだっけか? トゥルニエの
「魔王」もみすず書房だったよな。二つとも素晴らしい企画だ。がんばっている出版社
のためにも、買ってあげたいな・・・高いけどね。
>>78 『はまむぎ』レスありがとうございます。
店頭でぱらぱらめくってみて、ちょっと難解そうだったので躊躇してました。
でも読んでみることにします。
『ガラテイア』出たんですね。こちらも楽しみ。正月がつぶれそう。
>>86 「魔王」は翻訳された日本語がひど過ぎ。もう少しマシな人に訳して欲しかった。
それと、上下二冊本なのに通しでページ打ってるし、訳注が下巻にまとめて出てい
る。何考えてるんだろうねえ。1冊の本を無理やりに上下二冊にしてるのが気に食わん
「ガラテイア」今日買いました。あ、昨日か。渋谷で。 散々迷った挙句。3200円かあ… 1/550のビグ・ザムやっつぶん… …思いのほか安いんじゃないのか? マックのダブチのスーパーバリューセット5食強… …やっぱ高いや。 クリスマスプレゼントと思います。 おめでとう自分。 いいよ僕は業界に貢献したよ。
>89 最後の呟きがいいね。 アニータ・ディアマント『赤い天幕』(epi文庫)はどうでしょうね? 聖書の枠組みを取ったらたいしたことない、とか、聖書の人物を性倒錯者に した冒涜作品だ、とか、なんかいろいろamazonには書かれてたんですが。 立ち読みして、始まりの部分はなかなかいいかな、と思ったんだけど。
>>88 ロカンタンさんへ レスありがとうございます。
訳者のことは詳しくないのですが(フランス語まったくだめです)、たしかに
読みにくい文章でした。うーん、こんなもんかいな、って思いながら読んだ。
トゥルニエのよい読者じゃないもので。「聖女ジャンヌ」と「オリエントの★」
しか読んだことない。不勉強だ。
ページのこと、気づかなかったな。なるほど。こういうのはじめて見ました。
92 :
吾輩は名無しである :01/12/27 16:08
「リトルリターン」って買っていいか?
epi文庫にはびっくりした。文庫オリジナルがでるなんて予想してなかった。 年に一回のサービスなのかな。 なんかこういうスレいいね、でてくる作品の題名見ているだけで 幸福感に包まれてくる。
94 :
吾輩は名無しである :02/01/08 04:22
age
たしかこのスレッドだったと思うけど、誰かパトリック・ジュース金との 「香水」をプッシュしてなか ったっけ? 装丁とかの雰囲気から勝手に読む必要なしと独断下していた んですが、こないだ読んでみたところあまりのおもろさにびびってしまい ました。渾身のおもしろパンチで一撃KO喰らいました。 ホフマンとかあの時代の作品に劣らない読者をひきつける語り口、ガルシア マルケスに迫るような物語のだいなみずむ、奇想。芸術至上主義、完全に芸 術家気質の主人公は「ディフェンス」をはじめナボコフ小説の登場人物を 彷彿とさせる。作中人物の殺し方もナボコフっぽいところがあるし。 とにかくパトリック氏はおいしいとこどりですね。しかもすべて狙い通り こうをそうしている。はやく新しいの出してほしい。
96 :
バートルシャーグ :02/01/09 22:56
オースターの「ミスター・ヴァーティゴ」。読了しました。 「うまく終わってないじゃん!」と叫びたくなる「偶然の音楽」と違って ちゃんと収束していて、語り口もあいかわらずで楽しめましたよ。
>>95 別スレでだけど、「香水」プッシュしたことあるなあ。
面白かったでしょ?
最近読んで面白かったのは "JESUS'S SON" DENIS JOHNSON でした。
クスリやったりしてチンタラ生きてるアメリカのあんちゃんのどってことない
日常を書いた短編集。薄い本なんだから、翻訳出ればいいのになぁ。
ロカンタンさん、 まじで面白いです。 音楽や漫画は受動的スタンスでも享受できるけど、 活字を読むという行為は普通自発的、意識的にならなきゃ できない。 ところが才能ある作家が物語形式をつかうと音楽を聴いてる ときのような生理的な心地よさが生まれる。 香水はそんな小説の一つだと思います。
99 :
バートルシャーグ :02/01/11 22:55
>>97 "JESUS'S SON" の翻訳、激しく希望。
柴田元幸訳のアンソロジー「僕の恋、僕の傘」に
"JESUS'S SON" 中の一編「緊急」が入っていて、すごくいいんだもん。
もう何回も繰り返し読んだ。
でも柴田先生、 "JESUS'S SON" を訳すつもりはないらしい。
誰かやってくれー。
100 :
吾輩は名無しである :02/01/15 02:21
>>96 「ヴァーティゴ」評判いいみたいですね、読んでみます。
フランスの作家で「誰がビリーなんとかを殺したか」ってノワールを書いた作家
の新刊が出たらしいけど、誰か知ってますか? これだけじゃわからないかなあ。
ちなみにこのスレの「日本文学編」ができたようです。素晴らしい。
101 :
吾輩は名無しである :02/01/15 02:28
スティーブン・キングの「スタンド」は? けつのきょくのところ、 面白かった? あと、ロバート・B・パーカーの西部劇モノの新刊も気になるのだが。
102 :
吾輩は名無しである :02/01/15 07:04
>>100 ジャン・ヴォートランのことかな。だいぶ混乱した題名だが…
新刊の『グルーム』もなかなか良かったよ。
この人はもっと文学サイドから評価されてもいいんじゃないかと思う。
ジュースキントの本って、ほかに翻訳されないのかなぁ?>ロカンタンさん 少し前に、すっごくちっこい洋書シリーズ(Bloomsbury Quid)でも "Maitre Mussard's Bequest"ってのが出されてるぐらいだから、 本国以外でもある程度認知されてるはずなんだけど…。 (同シリーズは、ボイル、アトウッド、ゴーディマ、マキナニー、セルフ など、なかなか結構な執筆陣を誇っていましたし) ところで、ムロージェク好きな人います?
104 :
吾輩は名無しである :02/01/15 11:10
>>103 そのシリーズおもしろそう。
ジュースキントとボイルのファンです。
>>102 そうそう、ヴォートランでした。ありがとうございまっす。
フランスの現代文学は地味に翻訳されてますね、著者名忘れたけど、
「チェロキー」とか。これもノワール系だった。ドイツ系の翻訳文学は
いまいちだけど(マキューアンとか)、フランスはよろしいんじゃない
でしょうか。誰か詳しい人いないかな。
お勧め紹介キボンヌ。
106 :
吾輩は名無しである :02/01/15 12:12
『象』と去年未知谷とかいうところから出たのしか知らぬが。
未知谷って、すごく良い出版社ですよ。つーか国枝史郎伝奇集成出したり、 結城信一全集出したり、そこはかとなく「マイナー」だけど^^; ムロージェクは『所長』しか読んでないけど、こないだ『鰐の涙』が 出たので訊いてみました。『所長』は面白かった。 >104さん ボイルは"She Wasn't Soft"って本です(読んでないけど)。 このシリーズは、多分洋書店で300円ぐらいで売ってるんだけど、 まとめて一冊にして訳せばかなり豪華な短編集になるなぁ。
>>108 安吉さんへ
がんばって育ててください。兄弟スレ応援します。
110 :
kausapan :02/01/16 01:10
クッツェー『恥辱』を買って読みました。(古本で1000円くらい) 二度目のブッカー賞 受賞作です。 ただ、あまりピンとこないテーマ。ポストアパルトヘイトの南アフリカ といわれても・・・。むしろ、アパルトヘイトの白人文学のほうが 理解しやすい。 オンダーチェの『あにる』が翻訳されたそうな。 僕が原書は買ったら、すぐに翻訳されて、しかも今は在庫なし。 誰か論評してほしい。
クッツェーは『マイケル・K』や『敵』のほうが面白かったような…。 『恥辱』は、暗くて情けなくてそれでも「日常」っぽいところがいいけど、 『敵』ほど面白くなかった。 オンダーチェ、買っただけでまだ読んでないし^^;<Anil's Ghost 彼の作品、好きなんだけど読むと疲れる。疲れないのは『ビリー…』ぐらい。 ブッカー賞&ギャングつながりで。ピーター・ケアリーの新作はオススメ。 早く邦訳すべき。 でも、日本語にしづらい文体ではある<True History of the Kelly Gang
>>107 イクシオンさん
ありがとう、探してみます。
>>111 ixionさん
さっそくのレスありがとうございます。
クッツェについて、同感であります。
ケアリー。機会があれば、読んでみます。
114 :
なル ◆.tl1lXNs :02/01/20 16:37
モフセン・マルマフバフの書物は、映画並に読む価値はあると思う? 両方みた人感想望む。
115 :
吾輩は名無しである :02/01/21 22:05
『火の記憶 1 誕生』 (エドゥアルド・ガレアーノ 飯島みどり 訳) 四六判・4700円 みすず書房 2000年12月刊 どうしようかと、本屋の棚にあるのを確認しつつ、もう1年になります。 発売直後に新聞で書評を1本見た後は、言及するひとが誰もいないみたい。 続編の2も出る形跡がないし。読んだ方いましたら、コメント下さい。
116 :
ロカンタン :02/01/22 02:34
W.G.SEBALD の「AUSTERLITZ」や「THE EMIGRANTS」読んだ人いないかな? ちと、どんなもんだか感想などを聞いてみたいんだけど。 ixionさん、読んでない?
117 :
ixion :02/01/22 07:16
ゼーバルドは、確か柴田さんが翻訳したのがどっかに載った筈です。 (しかし、何で柴田さんが訳すんだか--;) 印象にあまり残ってない…探してみよっと。 ところで、いまヴィクトル・ペレーヴィン読んでるんですが、良いですね!! やっぱ現代ロシアの作家は面白い。 あと新刊情報、といっても新しくないけど、『不死の怪物』が文庫で訳され ました。これから読んでみまーす。
118 :
なル ◆.tl1lXNs :02/01/22 11:50
119 :
吾輩は名無しである :02/01/22 17:53
リー・ストリンガーはどう? GRAND CENTRAL WINTERっておもしろい?
120 :
吾輩は名無しである :02/01/22 19:51
「素粒子」M・ウエルベック箸 野崎歓 訳 筑摩書房 をやっと購入し読み終えました。各種の書評で絶賛されていたので 期待していましたが、なんだかなぁ〜という感じです。 どなたか読まれましたか?
121 :
ロカンタン :02/01/23 02:33
>>119 う〜ん、NYCのホームレスのことを知りたいならまあまあだけど。
話としては面白い!といえる自信がないな。
この本はホームレスが自分たちで出している、ストリートニュースとい
う新聞の連載をまとめたものだね。ホームレスからくるイメージとは
ちょっとズレた、ちょっと固めの文章が意外な感じを受けた。読んだの
はPBだけどね。ちなみに、この新聞は最近、発行されていないらしい。
NYCに限らず、アメリカではいろんな街でこの手の新聞が発行されて
いるようですよ。
このネタなら、グリシャムの「路上の弁護士」のほうがわしには面白
かったな。まぁ、ストリンガーの本は小説ではないけど。
大体この本が翻訳されること自体すごく意外な気がした。
たぶん翻訳なんてされないだろうと思って、PB探して読んだからね。
122 :
ixion :02/01/23 05:33
ヴォネガットが誉めてる人だ<ストリート作家(?)ストリンガー ところで、マフマルバフの名前が出たところで(残念ながら彼の映画しか 知らない…)。新刊の話ではないのですが、セバスチャン・ジャプリゾって 誰か好きな方います? 彼の近作(映画のほうではなくて)って翻訳され ないんですかね。
123 :
吾輩は名無しである :02/01/23 06:07
>120さん まったく同感です。 野崎訳だし、たまには書評でも信じてみるかと思ったら やっぱり騙された。 なんだかなあ、編集への義理立てとか評者の立場表明とかいう 大人の事情を感じてしょうがないですね、書評って。 ほんまにこれ、おもしろかったんか?とききたい
そういうわけで、ちょっと腰が引けて 白水社から(だっけ?)ずらっと出ているフランス現代文学も、 買う価値あるのか悩んでいます。 読んだ方おすすめあったら教えてください。
125 :
素粒子/ウエルベック :02/01/23 10:10
>>120 >>123 私はすごーく面白かったけどなあ。
フランス人の知人達は、やっぱりみんな知ってて、
エグすぎだとか言っていました。
どんなもんでしょうね?
>125 どういう点を面白いと思いましたか? 時間があればぜひ教えてくださいー。
127 :
我輩は名無しである :02/01/23 10:43
っつーかixion、そうとう負けず嫌いだろ
128 :
吾輩は名無しである :02/01/23 15:32
蓮実の「小説から遠く離れて」と照らし合わせたときに 素粒子/ウエルベック は酷く退屈ではないだろうか?
>NYCに限らず、アメリカではいろんな街でこの手の新聞が発行されて >いるようですよ。 おもしろいね、そういうの。さすがアメリカ(笑) 柴田元幸の「アメリカ文学のレッスン」にも言及されていて 気にはなってたんだけど。 今度、読んでみますね。
>っつーかixion、そうとう負けず嫌いだろ というか、ロカンタンさんがすごいから、つい張り合いたくなってしまう のだ。って、そんなことしても仕方ないから私は撤退^^;
131 :
ロカンタン :02/01/25 02:11
新刊じゃないのだが、グレイス・ペイリーなんて興味ある人いるかなぁ? 今日、恵比寿のPB置いてある古本屋で、彼女のポートレートが表紙の 短編集を思わず衝動買いしてしまった。 ずっと、どんな婆さんなんだか気になってたのだが、表紙の写真が上手 いせいか、気合入った感じの人みたいだな。 変な表現ですまんが、独特のポキポキした感じの文章でサラサラっとパ ワフルな感じで生きてきましたみたいな、自分とその周辺に付いて書いた 短編が、わしにはようわからんのだが妙に引き付けられてしまう。 村上春樹が訳した本があるから、暇な人はお試しを!
132 :
ロカンタン :02/01/25 02:15
>>130 っていうか、たまたま読んだ本の話題が出たからっすよ。
わからないことはixionさんに振ったりするので今後もよろしく m(_ _)m
いや、たしかにロカンタンさん詳しいよね。
134 :
吾輩は名無しである :02/01/25 20:49
そういや『ガラテイア2.2』の感想が出てこないね。 実を言うと途中で止まっているんで、読了した人の 意見もうかがってみたいのだけど。
135 :
吾輩は名無しである :02/01/25 21:21
誰も、素粒子を読んでない??
ファジリ・イスカンデル『チェゲムのサンドロ』(国書刊行会)発売。 ずっと待ってた作品なので嬉しい。
>>126 >>135 テーマが巨大かつ、ある意味切実だと思いました。
確かに露悪的な性描写、そしてその告白は特に後半、かなり冗長です。
フランスで話題になったのも基本的にはその性描写故だったように思います。
まあ、それはそれで良いのですが、基本的には20世紀の諸問題の病理と病状と
葬り方を力業で描ききったSF大作だと思います。
野崎氏によるあとがきから読んでも良いかも。
批判している人は、フランス人も含め、多分全部読んでないように思うんですが、
如何でしょうか。
>125さん、 私一応全部読みましたよ・・・でもおっしゃるとおり、途中でだれちゃったかも。 もっと集中して読めばもっとよかったのかしら。 フランス人で「エグイ」とか批判する人が実はさわりだけしか読んでいない、 というのはアリガチですね(ちなみに私は在パリです。文学畑ではないが) 私はあなたのおっしゃる同じ点がまさにダメダメだと感じました。 ”20世紀の諸問題の病理と病状と葬り方を力業で描ききったSF大作”だったら すごい読みたかったんだけど、力不足、と判断させていただきました。 素粒子などなどのモチーフをあげながら、現代の科学のリアリティと 全然対峙しきれてないのはツライ。かといってそのネタで他の諸問題を 浮き彫りに、とかいうオチもキいていないし、伝えたい空気もわからんし、 要するに最後までぴんときませんでした。 性描写なんて話題にするほどのもんか?ってかんじだし。 あ、ブライアン・ジョーンズに憧れるフランス人ぼんぼんというネタは、 いそうなんで笑ったけど。そういう現代フランス風俗ルポとしてはちょっと おもしろいのかな。いかがなものでしょうね。
>>力不足 なるほどなるほど。 あの程度でヤラれてしまった私のほうがまずかったのか。 時間があれば、どういう点が力不足に感じたというのを お教え頂ければ幸いです。 科学のリアリティという点に関しては、原著の出版自体は 3年前のものということもあるのかな? 風俗ルポ、っていうか、特に60年代以降の風俗/文化に 本気で染まってしまった人間の露悪的なその後ルポ、と読む見方は フランスにもあるみたいですね。 しかし、その程度だったら、たとえば5月革命闘士の反省記や 現状暴露ルポはたくさんあるわけで、その程度だったら 私もここまでヤラれなかったように思います。 西洋理系知の象徴である弟がまさに西の果て、アイルランドの海岸に沈み、 そして200年後のエピローグがその生涯を語る。 確かに単なる小説の造形として見れば陳腐なのかも知れませんが、 一種の、象徴形態としては悪くないように思っちゃったんですが、 ダメダメですかね、わたし。 どんなフランス人に言っても分かってくれなかったんですが、 「1984年」「素晴らしき新世界」「2001年宇宙の旅」 「時計仕掛けのオレンジ」「ニューロマンサー」というような、 あの系列の作品だと思います。
『ガラテイア2.2』…ひとことなら人造の「女」(神話的なネレイスと しての「ガラテイア」、もちろんピグマリオンの彫像や、逆の意味なら ゲーテ『ファウスト』でのホムンクルスと「ガラテイアの光」なんかを 思い起こさせる)の魅力、ってことになるんでしょうが、まぁ「研究」 なるものの歪みの傍から見た面白さも感じられる作品だと思います。 その点(だけ)なら、バースの理系版みたいな感じもある。 ただし、やっぱとっつき辛い、というかかたっくるしい感じがつきまとう のは、他のパワーズの作品(と言っても黄金虫しか読んでないけど)と 同じかな。 しばらく前の読書なので、あいまいな点スマソ>134さん 再び現れてしまった私(恥)
>125 力不足と申し上げたのは138に書いたような点においてで、 作品が3年前のものだからというのは関係ないかもしれないです。 ニューロマンサーなんて、テクノロジーの書き方なんかもちろん 大嘘のでっちあげなんだけど、その触感がいかに当時の先端科学の 刺激(と不安)に拮抗していたか、今読んでもまざまざと 伝わってきますものね。 まあその手のリアリティをわざわざフランス人に求める人も いないと思うのでそれはいいとしても、 ”一種の、象徴形態としては悪くない”んですかね ・・・うーんわかりません。 少なくとも刺激的ではなかった。これは譲れないところですね。 とはいえ、自分の文学鑑賞眼に絶対の自信があるわけでは全くないのですが。 これ以上詳しく書くのもここの趣旨から外れそうなので、私としては このへんにしておこうと存じますが、できれば他の方々の ご意見も拝聴したいところですね。 ロカンタンさん、ixionさんは、仏文学は読まなれないんですか? ロカンタンは名前からして、読んでくれますよね〜〜(^0^)
↑ごめんなさい、今ここ全部読んだのですが、お二方とも フランス現代ものもちゃんとチェックしていらっしゃいますねー。 まあもし素粒子読んでいたら、(おふたり以外の方でも)ご意見求む、 ですね。 買い と どこかで借りる のまんなかへんとして押したいのが ジャック・レダ「パリの廃墟」堀江敏幸訳 訳文がすごくいいと思うのですが。堀江さんという方は、やはり いいですね。装丁とか余白とかのつくりがダサイので まんなかへん。(新刊というにはちと古かったですか)
143 :
ロカンタン :02/01/28 09:45
「素粒子」は買ってはあるけど未読です (^^; 最近のフランスものは、読んでもハズすことが多くて、ちょっと引き気味。 フランス映画も同様の印象っス。 乏しい経験での所感では、フランスの文化もう終わってるかなって感じ。 驚くような新しいものは、少しの間出てこないかもって思ってる。 フランスの小説のダメダメぶりと日本のそれとが妙にだぶってしまうわし。 一般論ではなくて、完全にわし個人の思い込みだけど........ ジャック・レダ「パリの廃墟」は結構よさげなんで、図書館あたりで発掘 したら読みます (^^;
144 :
とおりすがり :02/01/29 12:14
「素粒子」よかったよ。 ヘッセの「荒野のおおかみ」の系譜とみた。というと、 ヒッピームーブメントのその後のお話ととられそうだが、 そうではなく、人間が存在している理由とか、どう生きる べきかの試行錯誤とそれへの答えの提示のように思った。 私のように自己嫌悪ばりばりのヒッキーには最高の本。 よって、そうじゃない人が面白がるとは思えない。 フランスでこれが売れたというのが不思議。よほど 不幸な人の多い国なんだろう。
145 :
吾輩は名無しである :02/02/02 03:52
『ハル−ンとお話の海 』 サルマン・ラシュディ 既出だったらごめん。青山南訳で出たんだけど、誰か読んだ? 感想きぼん。おーいixionよろしく。
ジュースキントの「香水」。読みました。大変面白かったです。 途中で、終わり方が読めてしまいましたが、 収まるところにきちんと収まったような気がして、満足しました。 映画向きの話だと思いました。 ジュネ・キャロで映画化希望って感じですね。 「アンダー・ザ・スキン」は途中でやめちゃった。 「ゾエトロープ」も2編読んでほったらかしている。
147 :
吾輩は名無しである :02/02/04 02:38
>>145 これ、読みました。
ただし、原文のほうです。
感想ねえ、まあ、いいんじゃない、
としか言えない。しいて言えば、「不思議の国のアリス」
を連想した、という漢字かな。
148 :
吾輩は名無しである :02/02/10 07:36
age
149 :
吾輩は名無しである :02/02/10 10:14
V.S.ナイポール「神秘な指圧師」(草思社)は買い! 絶妙に辛辣さとユーモアの混じった、「非標準語」文学のオモシロさ。 あやしいタイトルもまた良し。
150 :
吾輩は名無しである :02/02/13 01:49
age
151 :
なル ◆.tl1lXNs :02/02/20 03:51
152 :
なル ◆.tl1lXNs :02/02/20 13:01
>>151 リンク先にて雑談等を書き込んで頂いた方々ありがとうございました。
引き続き書き込みをお願いします。
153 :
吾輩は名無しである :02/02/23 20:29
age
154 :
吾輩は名無しである :02/02/25 16:17
「ある男の聖書」は非常に面白かった。 従来の傷痕文学とはかなり趣の異なった作品だと思う。 張賢亮の「男人的一半是女人」と(邦訳 男の半分は女…二見書房) 読み比べると、さらに面白いと思う。 性や国家に対する考え方の違いが、如実に表れている。
155 :
ixion :02/03/06 15:02
>>116 ロカンタンさん、W.G.Sebaldの作品取り寄せて今読んでるんですが、この
作家が批評家受けする理由が多少わかったような気がします。
"The Rings of Saturn""Vertigo"における文と挿入されるイメージの融合
の手法は分かりやすいですが、この作家は文章がいい!! なめらかに流れる
ような文体がドイツ語でも同じなのかどうかは分かりませんが、むだに
難解な用語に毒されていなくていいです。
出てくる地名を知っていればもっと楽しいだろうに、という点が残念。
以上、報告までに。
156 :
ロカンタン :02/03/21 02:59
>>155 わざわざありがとう。
わたしも、1冊入手してパラパラ見てますが。
本の作り方がちょっと変わってますよね。
最近、ミステリー系の本ばっかり読んでるのでここにはご無沙汰でした。
ついでに、近頃気になるのは、ピーター・アクロイドっすよ。
あれは、イギリスの荒俣宏かねぇ。
157 :
吾輩は名無しである :02/03/21 17:56
>イギリスの ウォーターランド 新潮クレスト・ブックス グレアム・スウィフト, 真野 泰 (翻訳) はどうYO!!
158 :
吾輩は名無しである :02/03/21 18:14
クレストブックってイマイチだったよなあ・・・どうざんしょ。 とりあえず買うまでにいたったのは僕は「巡礼者たち」(エリザベス・ギルバート) のみ。 他にいいのあった?
>クレストブックってイマイチ 確かにいかにも若い娘受け狙った装幀って感じがあれだけど、 これは '80英国歴史小説的メタフィクション系みたいだYO!! あと、同傾向の 香港の起源〈2〉 ティモシー モー (著), Timothy Mo (原著), 片柳 和子 (翻訳) みすず書房 はどうYO!! これ上巻が出てから下巻出るまで3年ぐらい掛かってるYO!! 地方書店だともう上巻みつからないYO!!〜い、翻訳者ぁ〜!!
160 :
我輩は名無しである :02/03/21 23:00
フラン・オブライエンは? The third policeなどなど読んだ人いないのか。
161 :
吾輩は名無しである :02/03/21 23:10
162 :
我輩は名無しである :02/03/21 23:13
オブライエンの翻訳あったんだ。 どの作品が収録されてんの?
163 :
吾輩は名無しである :02/03/21 23:19
>>162 だから「第三の警官」だYO!!
てゆーか他に幾つか翻訳あります。
てゆーか何十年もむかしの話だYO!!
164 :
ロカンタン :02/03/21 23:37
>>157 あんな前の本が今ごろ翻訳出るのが謎だったよ。
クレストもネタが無くなって苦しんでるのかもね。
はずれとあたりの落差がありすぎ。
まぁ、おいしいところ結構ハヤカワに獲られたりしてるだろうからしょうがないかな。
翻訳ネタだと、sebaldやfranzenどこが出版権とってるんだろう?
165 :
我輩は名無しである :02/03/21 23:51
っつーかこんなとこでオブライエンの名前出すのやめれ。 変な奴らにちゅーとはんぱに語られても腹立つだけだろが。
166 :
我輩は名無しである :02/03/30 00:01
>161 あんがとね。おかげでオブライエン注文できたよ。第三の警官の他にも 別の話が収録されてるらしいよ。6300だが、まあいいか。
>165 まあまあ、いいじゃん。オブライエン話なんてここぐらいでしか できないんだからさ。 というわけでちゅーとはんぱに喋らせてもらいます。 今原書でPOLICEMAN読んでる最中だけど、なんなんですかね、彼は。ガル シアマルケスも真っ青って感じでしょうか。奇想が爆発しまくって て。荒唐無稽ではあるんだけど最近出たラシュディの寓話みたく 滑ってないんだよな。 まだ60ページくらいしか読んでないけど、こんな作家はじめてかも。 主人公が
168 :
我輩は名無しである :02/03/30 00:21
とりあえず復刊希望。
169 :
吾輩は名無しである :02/03/30 00:34
オブライエンは集英社版世界文学全集に収録されていたハズだ。 龍が「何でも知っていると思うのは間違いだ」というキャッチコピーで 売り出したヤツね。
170 :
我輩は名無しである :02/03/30 00:38
それイツごろの話?
171 :
吾輩は名無しである :02/03/30 00:59
)170 バブル期。
「ドーキー古文書」でしょ?集英社世界の文学だね。
173 :
我輩は名無しである :02/03/30 17:51
>171 じゃあ十数年前か。けっこう新しいんだな。 >龍が「何でも知っていると思うのは間違いだ」というキャッチコピーで 売り出したヤツね。 龍アニィが? さすがだね。「何でも知っていると思うのは間違いだ」かぁ。 それは必然的に龍アニィ自身も間違ってるということになるな。 俺もそれ口癖にしよっかな。 ほんっと、龍アニィの舌先にくるまれた言葉はたちまち格言となるよな。
174 :
吾輩は名無しである :02/03/31 03:29
175 :
我輩は名無しである :02/03/31 12:23
>174 またまたお世話になりますね。おかげでドーキー注文できました。 みんな復刊コムでオブライエンに投票しません?
176 :
我輩は名無しである :02/03/31 12:56
復刊コムですが、ウラジミール・ナボコフの「青白い炎」 なんかもあるので、ファンの方、ぜひ。
177 :
吾輩は名無しである :02/03/31 23:03
178 :
我輩は名無しである :02/04/01 00:05
前は2票しかなかったから、とりあえず宣伝効果多少はあったかな。 別のスレッドつくろうか?復刊コムスレみたいの。ナボコフファンは けっこー多いと思うし、オブライエンも認知されればファン増えるでしょう。 ちなみに俺、復刊コムではフランチャイズと名乗ってます。SASAさんに GOODLUCKさん、とりあえずありがとう。
179 :
吾輩は名無しである :02/04/04 00:28
保守
182 :
吾輩は名無しである :02/04/30 00:57
183 :
我輩は名無しである :02/05/03 18:28
afa
184 :
吾輩は名無しである :02/05/04 19:48
>>103 イクシオンさん
ジュースキントの翻訳作品リストです。
香水 文藝春秋社
ゾマーさんのこと 文藝春秋社
コントラバス 同学社
鳩 同学社
同学社ではズュースキントになってるようです。
ズュなんて表記、日本語にありましたっけ?
ざぁじぃずゅぜぇぞぉ あるじゃねーかっ!
東北地方にある。
188 :
吾輩は名無しである :02/05/06 20:15
ル・クレジオの新刊読んだ人いますか? 漏れ的にはごくごく初期のしか好きじゃないけど<「調書」、 「大洪水」。
189 :
Tango :02/05/14 05:38
あげてみる。 『偶然』はね、いちお買ったけど、まだ読んでないや。 最初期ものいいけど、『巨人たち』を挙げない貴殿はツツイストじゃないね?
190 :
吾輩は名無しである :02/05/15 00:15
>>189 >『巨人たち』を挙げない貴殿はツツイストじゃないね?
もち、ツツイストでっす。「涜書ノート」で「巨人たち」を知ったのが厨房のころ。
近くの古本屋で発見! しかし手持ちの金がないのであきらめ、翌日あらためて買いにいったら
もうなかった・・・ふたたび「巨人たち」に出会ったのはそれから15年後。すでに
私の中でブームは終わっていました・・・買ったけど。
191 :
Tango :02/05/15 06:01
>もち、ツツイストでっす。 ははは、これは失礼しました>190さん しかし15年経ってブームが終わってたというのは、何となく解りますね(笑 吉増剛造が、「(ル・クレジオの言葉に触れていると)われわれの慣れ親しんだ 世界が、その姿のまま突如として溶け出す瞬間に立ち会うことができる」なんて ことを書いてるけど、それは鋭敏な感覚を持つ詩人だから言えることで、私などは 歳喰って色々折り合いの付け方を身につけてからダメになった気がします。 歳喰ってといえば、最近、著者近影をたまたま目にしたんですが、もうすっかり おっさんですね。まあ、60歳越えてるはずだから当たり前っちゃ当たり前だけど、 どうも「永遠の青年」というイメージだったんでびっくりするやら、がっかりするやら。。
192 :
吾輩は名無しである :02/05/15 18:57
>>191 >歳喰って色々折り合いの付け方を身につけてからダメになった気がします。
僕はインディアンがどうのこうのって言い出したころからのような気がするなあ。
作家が民俗ネタや心理ネタにはまるようになったら危ないような、最近の村上春樹みたいなw
みょーな分析癖というか、対象化癖がついてしまって。
初期のころ、インタビューで「あなたの信じるものはなんですか?」って聞かれて、
すかさず「太陽です」、と答えていたクレジオ、かっこよかったなー(「ル・クレジオは
語る」より)。都市と自然のぶつかるところから生まれる新しい神秘主義って
感じが好きだったんだよねー。ニースとかね。太陽を見つめることによって自ら盲になる
主人公・・・なんて素晴らしい着想だろう! ああ・・・
>どうも「永遠の青年」というイメージだったんで
ははは、たしかに。フランソワ・ベッソン萌え。
とにかく、若い人に読んでもらいたい、初期のクレジオ。でも入手難しいよねー、
たまああに古本屋でみかけるけど。
193 :
Tango :02/05/16 03:30
あぅ・・折り合いというのは自分のことでして(笑 つまり何と言うか、一度、慣れ親しんだ世界が、ある瞬間に突然余所余所しく 変貌して、それまで思いもかけなかったような全く違う様相を垣間見せたり・・、 というようなことは、もうなくなったなあ、と。 例えば朝の満員電車とかでも、この非現実感は何だろう? って昔はよく感じた ものでしたが。 ル・クレジオの小説には、そうした現実に対する違和感を喚び覚ます力がありま すね。しかも、比喩も抽象語も全くと言っていいほど使わずに、それを可能にした 点が凄いと思います。 で、結局何が言いたいかというと、「とにかく、若い人に読んでもらいたい」これに 尽きます、はい。 >インディアンがどうのこうのって言い出したころから 原因はレヴィ=ストロースでしょうか(笑 「ここではないどこかへ」という希求はずっとあるみたいで、これはもう持病でしょう。 仕方ないです。 カッコイイと思ったのは、「あのような大言壮語に、一体、何の意味があるのか?」 ・・だったかな? ほんとに「あのような」だったのか、もしそうだとしても、それが 何を指して言ったものなのか思い出せないけど。 太陽は至る所に出てきますね。あとは海や大地、それと無数の人工物が無秩序に。
194 :
吾輩は名無しである :
02/05/17 02:04 良スレあげ!