森鴎外『普請中』知ってますか?

このエントリーをはてなブックマークに追加
1
結局、何が主張したいのでしょうか?

教えてください!!
2吾輩は名無しである:01/09/19 08:38
維新未だならず。
3吾輩は名無しである:01/09/19 09:39
「不審厨」…2ちゃんねるをうろつく挙動不審の厨房のこと。
4吾輩は名無しである:01/09/19 10:44
近代と全近代の間であなたは何を思うの?
5吾輩は名無しである:01/09/19 10:44
建物が建設中だということになぞらえて
明治時代がまだ発展途上だということを
言いたかったんだったと思う。
6吾輩は名無しである:01/09/19 11:16
心の中のあり方もね。
7吾輩は名無しである:01/09/19 20:34
そうそう。日本自体が「普請中」だってことだよね。
8吾輩は名無しである:01/09/19 23:24
ウラジオストック(東洋征服)経由で来日した独女性が
米国に向かうと言うのはなかなか意味深。
9吾輩は名無しである:01/09/19 23:29
はったり林太郎
10吾輩は名無しである:01/09/19 23:32
ドイツの色はアメリカ経由で帰ったの?
11吾輩は名無しである:01/10/09 22:06
森鴎外、やはり2チャンネルでは人気なし。
って、2チャンネルの住人は、森鴎外なんて夏目漱石と張るくらいの
大文豪、知りもしない。作品の良さもわからにー。
玄人なら、夏目よりも芥川よりも森鴎外が好きなんてのは多いんだけど。
平野啓一郎が、新潮への掲載をしてもらったのは、
「鴎外全集」を二回読んだなんて言って、ハッタリかましたからじゃ
ないかな。
12吾輩は名無しである:01/10/09 22:09
みんな読んでるんじゃないんですかねー。
有名どころ以外では「文づかい」とか好きだな。
って、有名か。じゃ、ロダンのやつ(タイトル失念)。
13吾輩は名無しである:01/10/09 22:15
三島由紀夫が挙げた鴎外ベスト3は「百物語」「寒山拾得」「花子」
だって。
1413:01/10/09 22:17
あ、>>12さんが言うロダンのやつって「花子」じゃないかな。
1513:01/10/09 22:30
>>14
そう、それです。
でも、三島由紀夫が推してたのは知りませんでした。
ほんとですよ。
1615:01/10/09 22:30
ごめん、あたしゃ>>12だった。
17 :01/10/10 21:29
青空文庫は現在入力中。
校正が済んでうぷされるのを待とう。
18吾輩は名無しである:01/10/25 01:58
石川淳の「森鴎外」を読んで感動して、
鴎外全集を読破してやろうと思ったけど、
難しくて挫折しちゃった。
岩波から出ている鴎外の歴史小説に注釈をつけてるやつは
便利でいいや。
19吾輩は名無しである:01/10/25 02:22
上林暁が書いてたんだけど、誰かの家に行って、「漱石全集」が
あった場合は、「文学が好きなんだな」程度のありきたりなという印象を
受けるけれども、「鴎外全集」があったら単なる「文学好き」という
以上の強い印象を受ける、みたいな。確かに、と思った。

平野が読んだのは「森鴎外全集」(筑摩から出てる9巻本)で、
「鴎外全集」(岩波から出てる38巻本)じゃないじゃないかな。
っていうか、筑摩のがなんで「全集」と呼べるのかが分からない。
20吾輩は名無しである:01/10/25 02:47
確か三島に「急停車」という題の短編があったと思うけど、
これなんかは鴎外の「普請中」からインスピレーションを得たんじゃないかな。
21名無漁史とは誰ぞ:01/10/25 22:38
 三島由紀夫の「鴎外の短編小説」という評論は面白かった。
「普請中」についても書いてあった。一読をお奨めします。
22吾輩は名無しである:01/11/18 13:13
「心中」もおもしろいね
23吾輩は名無しである:01/11/18 13:22
>>22
ひゆう、ひゆうと云ふのだらう。
24日本@名無史さん:01/11/19 09:59
ヰタ・セクスアリス
なんて読むんでしょうか?
25吾輩は名無しである:01/11/19 10:14
ゐた・せくすありす=いた・せくしゃりす
26日本@名無史さん:01/11/19 10:16
ありがとうございます。
ずーっと探していて、
「まるヰ」
「トリヰ」
「マルヰ」
から「い」だろうと丁度思ったところです。
「い」で変換できましたね。

うちのボロ漢和辞典はのってなかったんです。

ありがとうございました。
27吾輩は名無しである:01/11/19 11:10
ウィタ・セックスアリス
28吾輩は名無しである:01/11/19 11:13
なにげにここは鴎外統一スレッドになってる…。
29渋江チュウサイ:01/12/02 19:39
むかし最初の10ページを読んだ僕は
体に稲妻が走るのを感じた。
「ああ、これは神話の形式だ」
次の瞬間に僕は記紀の時代にいた。
現代(近代)と神話が難なくつながり、
僕はやがて日本の核心に触れた。
30吾輩は名無しである:01/12/03 00:56
「藤棚」だっけ?あれもおもろい
31吾輩は名無しである:01/12/05 05:17
>29
「渋江抽齋」は、すごい。
あれだけ淡々と書きながら、もの凄い内容を孕んでいる。
考証的な一見煩雑な記述をも、難なく読ませてしまう文体、
さりげない中に一個の人間の核心を捉えるような視点、描写の確かさ、
鴎外自身の視覚の端正さ、・・・いったい何人の「人生」が
捉えられているのだろう…と考えると――数えたことはないが――
なにか身の引き締まるような思いがする。あまり遠くない時代、だが
我々が未だ生まれていなかった時に、同じこの地に生まれて生きて
死んだ人々の、日々の生活の細部までが、すぐそこに見えるような感じがする。
名作!
32吾輩は名無しである:01/12/08 22:10
「灰燼」は未完が惜しまれる。「子供時代は女だった男」をもって何を言いた
かったのか。最後の章が突然飛躍しているし。
33吾輩は名無しである:01/12/09 01:23
>>21
所収本の詳細、キボンヌ。
34ポーと鴎外(1):01/12/19 08:02
鴎外が訳したポーの短編の中に、マイナーな「鐘楼の悪魔」
(鴎外はタイトルを「13時」としている)が含まれているのはなぜだろうか?

ポーには二つの寓話があって、一つが「ちんば蛙」残りの一つが「鐘楼の悪魔」
である。寓話の形式をとったのは内容を直接的に書けない事情がポーにあったため
と思われるが、恐らく内容を具体的に表現するだけの情報をポーは持っていなかった
のだろう。

鴎外があえて「鐘楼の悪魔」を訳したのは、ポーが置かれたそのような事情に対して
何か感ずるところがあったのではないだろうか。

http://www.eapoe.org/works/tales/dvlbfyb.htm

「鐘楼の悪魔」抄訳

「世界中で一番素晴らしい場所が”Vondervotteimittiss”であることは誰でも
知っている。しかしこの場所は辺鄙なところにあるので、訪れたことがある人は
ほとんどいないと思われる。私はこの場所で最近起こった不幸な事件の顛末を
これから語るつもりであるが、そのためにもこの場所のことを話しておく必要が
ある。古文書や碑文によると、この場所が発生当時から現在まで全く同じ状態を
保っていることは確かである。しかしその発生の年代に関しては、不確定的確定
という言葉でしか語ることができない。つまりこの場所の起源は、どんなに古く
見積もっても古すぎることはない、と言っていいだろう。」
35ポーと鴎外(2):01/12/19 08:04
「この場所は周囲が四分の一マイルほどの丸い平たい低地で、まわりをなだらかな
丘で囲まれている。低地の全体はタイルが敷き詰められ、その周辺に60件の家が
立ち並んでいる。家は丘を背にして立ち、家の正面は低地の中心に向いており、
家の玄関から低地の中心地までは正確に60ヤードである。どの家にも前庭があり、
そこには曲がりくねった道がつき、日時計が一つと、キャベツが24個植わっている。
家そのものはどれも全く同じ造りで、どれがどれだか区別のつけようがない。
恐ろしく古いので、建築様式はいささか異様だが、それにも関わらず驚くほど
美しい。堅く焼いた小さな赤煉瓦を積み重ねて立ててあるが、赤煉瓦の両端は
黒くしてあるので、壁全体を見ると大きなチェス盤のように見える。木組に
ほどこされた彫刻の模様はほとんど一様で変化がないが、それはこの場所の
彫刻家が遠い昔からたった二つのもの(時計とキャベツ)しか刻まないためだ。
家の内部も外と同じく全く一様で、家具もまた同じ設計で画一的に造られている。
床は四角いタイル張りで、マントルピースには時計とキャベツの模様が彫り込まれ、
その上に置かれた本物の時計の両端にはキャベツが植わった鉢が置いてある。時計と
キャベツの間には瀬戸の人形が一つずつ立っていて、お腹にあいた丸い穴をのぞくと
時計の文字盤が見えるようになっている。」

「家の暖炉の火には大きな鍋がかかり、主婦が塩漬けのキャベツと豚肉の加減を
しょっちゅう気にしている。主婦の靴の紐はキャベツの格好に結んであり、左手には
懐中時計、右手には塩漬けのキャベツと豚肉をかきまぜる杓子を持っている。主婦の
側には太ったぶち猫が一匹いるが、その尻尾には三人の子供たちがいたづらで結わえ
付けた金メッキの玩具の時計がぶら下がっている。庭にはでっぷりと太った豚が
キャベツの落ち葉をひろったり、子供たちが尻尾に結わえ付けた金メッキの時計を
後ろ足で蹴り上げたりしている。玄関の入り口には主が椅子に座っている。肥満した
小柄の老人で、大きな銀の留め金が付いた靴をはき、大きな真珠貝のボタンが付いた
長い外套を羽織っている。目が大きく、顎は大きくくびれている。この老紳士は
懐中時計をポケットの中にしまったまま、低地の中心に立つ尖塔の鐘楼を深刻な
表情で見つめている。」
36ポーと鴎外(3):01/12/19 08:05
「鐘楼の中にはこの場所の誇りであり驚異でもある大時計が大昔から安置されている。
大時計には七つの文字盤があり、尖塔の七つの面に一つずつ向いているので、それは
どの方向からも見えるようになっている。鐘楼には時計の番をする鐘楼守が一人いるが、
古記録が示すかぎりの太古以来、大時計は故障したことがないので、この鐘楼守は
閑職中の閑職である。およそ閑職といのは大なり小なり尊敬されるものであるが、
この鐘楼守は閑職の中でも最も完全な閑職なので、彼は世界中の人から最も完全な
尊敬を与えられている。彼はこの場所一番の高官で、他の老紳士の誰と比べても、
彼の上着の燕尾ははるかに長く、留め金もボタンも目もお腹も彼の方がはるかに大きい。
顎は二重どころか三重にくびれている。」

「以上私はこの場所の幸福な姿を描いてきたのだが、かくまで麗しいこの場所の姿が
逆転の憂き目を見ようとは! この場所には古くから「丘の向こうからは碌なもの
が来ない」という言い習わしがあったが、この格言は予言の力も持っていた。昨日の
正午5分前に、東側の丘の頂上に奇態なものが現れた。丘から下りてきたその奇態なもの
が外国人らしい若い男であることがわかったのは正午の3分前であった。男は正午の
半分前には鐘楼の中に飛び上がり、正午の半秒前に大時計に何かの手出しをした。」

「大時計が鳴り始めた。「1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,
13!?」続いて起こった恐ろしい光景をこと細かくお話する必要があろうか?
まともな人間には想像も及ばぬほどの喧騒と混乱をこの場所全体に引き起こしたのである。
この惨澹たる状態にうんざりして、わたしはこの場所を去った。正確な時計と素敵な
キャベツを愛するすべての人のご助力を乞う次第だが、団結してあの場所におしかけ、
あの男を鐘楼から追放し、あの場所に旧来の秩序を回復しようではないか。」終
37ポーと鴎外(4):01/12/19 08:06
時計やキャベツというのは、「ねじまき鳥の年代記」じゃないけど、言ってみればある種の
曼荼羅のようなものと思われる。

#鳥といえば黄金虫に寓話的な箇所がある。

#「このときジュピターが口を出した。「あの虫はどこからどこまで・・羽だけは別だが・・
#外も中もすっかり、本当の黄金虫でさ。生まれてからあんな重たい虫は持ったことがねえ。」
#「なるほど。としてもだなジャップ! 」とルグランは、その場合としては不必要なほど、
#ちょっと真面目すぎると思われるような調子で答えた。「それがお前の鳥を焦がす理由に
#なるのかな?」」

何にせよ「鐘楼の悪魔」はシェークスピアの「マクベス」と同じようなテーマを扱っているのだろう。
「鐘楼の悪魔」は喜劇、「マクベス」は悲劇という違いはあるが。

#鴎外は「マクベス」も訳してたなあ。
38ポーと鴎外(5):01/12/19 08:30
鳥といえば、「マクベス」の魔女たちが

「今だ今だと化け物鳥!」

と意味のないセリフをはくシーンがあったなあ・・
39吾輩は名無しである:01/12/26 15:40
「ここは日本だ」
40吾輩は名無しである:02/01/04 17:29
ブンガクは越境するだべさ。
41名無漁史とは誰ぞ:02/01/08 23:13
>>33
超おそレス申し訳ありません。久しぶりに立ち寄ったもので。

図書館で三島由紀夫全集の評論編を読んでいた時に目にとまりました。
三島由紀夫全集は、確か最終巻が索引になっていた筈ですので、
それを調べられたら見つかると思います。
42吾輩は名無しである:02/01/19 22:47
鴎外全集安いとこ知ってますか?
43吾輩は名無しである:02/01/19 23:27
>>42
第三書館 『ザ・鴎外 森鴎外全小説全一冊』 \1,600
44吾輩は名無しである:02/01/22 00:48
重複スレ、濫立気味。
統一スレたてないか?
45とぼけた質問:02/01/23 08:51
質問!森鴎外全集30000円は安いのか?
46吾輩は名無しである
>45
とぼけた奴だ。貧乏人は買わんでいい。