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>>306の続き)
いかさまの別の例が、フランシスコ派の修道士ブロニョーリの著作に出ている。
十七世紀中頃、ヴェルトランからきたカトリーヌは、幻、法悦、十二年間におよぶ(聖体拝領を除いた)断食によって、
聖女としてかなりの尊敬を得ていた。いくつかの町は、その庇護のもとでの繁栄と幸運を期待して、
彼女を招待し滞在させた。この世評による聖女に四旬節の説教をするため、ブロニョーリは上司から派遣された。
彼はカトリーヌの家に二、三日滞在し、まもなく彼女はいかさまだろうと疑った。
ブロニョーリの助言で、その地域の司祭が一、二日のあいだ、彼女に聖体拝領を断ったとき、
彼女はこっそり聖別されていない聖体を盗んだ。
聖体拝領のとき、彼女はこのパンをまわりの者に見せて、これは天使がくれたと言い張って口に入れた。
ただちに審問が行われ、詳しく取り調べられ、これは神聖さをよそおったまったくの詐欺であると結論された。
そして牢獄に十年間はいり、この期間中懺悔するよう宣告された。