甲田式で野菜ジュースのみの食生活を目指す8

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230たま【レス代行】
長寿村・棡原の老人と食生活

数年前、滞在十年のある親日家のアメリカ人が棡原を訪れた。この人は
「今日ここではじめて日本人の本当の顔を見た。銀座を歩いているのはあれはニセモノだ」と言った。
さすがに言い得て妙である。

棡原の老人は皆、驚くほど小柄で活力があり、腰は曲がらず骨組みは近代青年よりはるかにがっちりしている。
顔は明るく、応答は素早く、一日でも長生きして人生を楽しみたいといっている。
一般老人にありがちな死への恐怖はなく、きわめて明朗で人生に対する不安もなく、世をすねたり、
社会に対する不平もない。老いては恍惚とならず、寝たきり老人はいない。
この老人たちをつくり上げたものはなにか。
それは棡原の恵まれた大自然の環境とそこでの重労働と独特の食習慣と良風美俗である。

昭和13年春、18歳の私は甲府中学を卒業したその足で棡原小学校の代用教員として赴任した。
一年間をこの村で過ごした私は村人の生きざまをつぶさに観察した。それは正に重労働と粗食の一語に尽きる。
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