甲田式で野菜ジュースのみの食生活を目指す8

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212たま【レス代行】
 自己完成には菜食が大きな役割を果たす

この変革はまた“肉の芸術家”から“霊の芸術家”への変化であるといわれているが、
トルストイ自身は以前を“神を忘れた時代”と呼び、以後を“神を想う時代”だと言っている。
この回心はいったいなぜ起こったのであろうか。その理由は彼のそれまでの行き方のなかにも見てとれる。

トルストイの内では精神と肉体が、あるいは霊と肉が、常に凄絶な戦いを繰り広げていた。
精神的・霊的な希求と、肉体的欲求である。彼は肉を霊の支配下におこうと努力し、
その戦いは肉体的欲求がいかに強かろうとも決して屈することなく続けられた。
自分で自分に規律を課し、それを守ろうと努力し続けたのだ。これはガンジーの自己抑制と同じ行為である。
そしてこれを続けたことで、より高みへと昇る自己変革が起こっているのである。

その結果、菜食主義になっているのは注目すべきことだ。
自己完成に至る道に、菜食主義が大きく関係していることの証であるからだ。
また、トルストイが尊敬してやまなかった作家及び哲学者にヴォルテールとルソーがいる。
この二人がともに菜食主義者であることはすでに述べた。
ここにも時空間を超えてのつながりのおもしろさをみることができる。

これまでに書いてきたことから、みずからを高みへと連れて行くための重要な要素として、菜食と自己抑制が
あげられると思う。しかし、これにあまりにこだわりすぎると狂信的になり、かえって悪い結果を招く。
その代表的な人としてヒトラーがいる。
彼は完全主義的な菜食主義者で、そのための料理人を抱えていたほどであった。(おわり)