先生は「この人は死ぬ病人ではない、きっとよくなる。だまされたと思って私が言う食事療法をやってごらんなさい。
食事は人体の薬だから、一年先、三年先に効果があらわれるのですよ」とおっしゃいました。
私はそれまで、煮つけや魚、卵、豆類が好物でしたが、「やってみよう」と思い立ちました。
しかし買い物がたいへんです。バスで20分も行かないと材料がそろいません。買い物に追われる看護婦や家族。
効果があがらないまま、まもなくやめてしまいました。
その後姉からは再三再四、献立をつづけるように励まされ、他に方法もないままに、こんどはかたい決意で
再び始めました。満二年もたつと、病状もたいへんよくなり、食事も家族といっしょにとれるほどになりました。
いなかに住みながら生野菜を敬遠していた夫や子どもたちも、「自然のおいしさがわかったよ」と言い、
食膳に生野菜がないと、子どもが自分で食卓へ運ぶようになりました。
毎日が楽しく、生の喜びを感じている、現在の私です。