そうするうちに戦争になり、子どもが学童疎開をしましたが、その疎開先で腎臓病にかかってしまったのです。
学校から電報がきたので迎えに行くと、自分の子と思えないほど、じゃがいものような顔に
ふくれていました。
私はどうしたらよいかと思案に暮れましたが、そのとき思い出したのが栗山先生のお言葉です。
先生はどこに住んでおられるのかわからないので、思い出しながら実行を始めました。
りんごなら一回に4分の1しか与えず、ゆっくりかんで食べるようにさせ、くだものや生野菜、特に緑色のものは、
欠かさずになるべく自然のものを食べさせるようにしました。
それでも戦時中のことですから、思うような食べ物がなく、苦しい思いをしましたが、できるだけ
気を安らかに持つようにさせ(でも空腹がしょっちゅうあり、心配でのんびりできませんでした)、
先生のお言葉のように、三日ではなおりませんでしたが、終戦を契機にどんどんよくなり、
いつしかすっかり健康な体に戻っていました。
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