いいとこ取り健康法(宗教、オカルトを含む考察)

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418たま【レス代行】
ある日、髭をたくわえた45、6歳の紳士が真砂のもとを訪れ、「私は代議士の某です」と言いながら座った。
真砂はじっとその様子を見ていたが、「あなたは大変不純なお気持ちでいらっしゃいましたね」
「ほほう、私が何故、不純な気持ちですか」代議士はいかにも揶揄するように言う。
「そうですね。でもそんな気持ちを起こす前に、結末をつけなければならないことが沢山ありますのに」「ほう、どんなことかね」
「では、申し上げましょうか。群馬県某郡某村何番地の何某氏から借りた5万円はどうなさる御心算です」
「どうしてそんなこと知ってるんですか」「それから赤坂の何番地に囲っている何子さんは妊娠8ヵ月ですよ。どうなさるおつもり」
「どうしてそんなことまで」代議士は真っ青になって震え出した。「あ、あんた、どうしてそんなこと、何処で調べたんです?」
「調べるわけないでしょう。あなたが今日ここに来ることも知りませんもの」「ではどうして判ったんですか」
「あなたの心の中にあるじゃありませんか」「私の心の中に?」「そう読心術といいましてね」
「読心術?本当にそんなことが判るんですか」「わからない人ですね。これほどハッキリしているのに。それとも嘘だと
おっしゃるんですか。何でしたら、もっといろいろ申し上げましょうか」「いや、もう沢山です。では私はこれで失礼を」

代議士はペコリと一礼すると、ほうほうの態で逃げるようにして出ていったという。(油井真砂述・山雅房刊『わが見神記』所収)。
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