いいとこ取り健康法(宗教、オカルトを含む考察)

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410たま【レス代行】
早朝、明るい日差しに目を覚ますと、あれ程の苦しみが消えており、脈拍や体温も正常になっていた。
真砂は、信じられない気持であったが、医者としての冷静な観点から、自分の結核について徹底的に調べてみた。
その結果、間違いなく完治していることが判った。一大奇跡が自分の身に起きたのである。

そしてこの時、真砂に不思議な力が備わった。それは予知能力のようなものであり、また花の蕾に触れると、
にわかにほころび始めるといったものであった。真砂は、家族と共にすっかり健康体を回復したことを喜び合ったが、
突然上京し、中村博士を訪ねた。だがそれは、結核が治癒したことについての報告ではなく、自分の身についた不可解な能力について
回答を求めるためだった。疑いの眼差しを向ける中村は、現在気にしている経済的問題と夫人の病を真砂に言い当てられて、
その霊能を思い知らされたが、もとより彼に満足な回答が出来るはずもなく、再び森田禅師を訪ねるよう勧めた。

泉岳寺に赴くと、禅師は今九州にいるという。早速九州に向かうことにしたが、ひとまず愛宕(あたご)の知人の所で
休もうと思い、愛宕山の階段を登っていた時、白髪の老人と出会う。そしてこの老人と言葉を交わしてから、
プツリと真砂の記憶の糸は切れてしまうのだ。
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