甲田式で野菜ジュースのみの食生活を目指す6

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333たま
ところで、この患者さんは入院以来、毎日玄米粥一杯ずつ二回で辛抱しているうち、いままで、食事時がきても一向におなかが空かず、
食欲がなかったのに、食事の時間が待ち遠しくなってきました。そして、玄米粥に豆腐半丁だけといった粗末な副食をとてもおいしく
食べられるようになりました。しかし、体重は減ってきて、一ヶ月余り経つと、32キロと5キロも減ってしまいました。
いままでずっと、太りたい太りたいと思ってきた人ですから、本当なら大変心配するに違いありませんが、そこは前もって十分説明し、
納得させてから減食療法に入っておりますので、さほど驚くことはありませんでした。ただ、厄介なのは、このように痩せきった時に
来られる見舞客です。なぜなら、皆きまったように、「そんなに痩せて大丈夫ですか、栄養失調になりはしないだろうか」と心配しますので、
本人の気持ちが動揺する恐れがあるのです。

しかし、この患者さんの場合は、痩せてはきましたが自覚症状がずんずん好転しておりましたので、少しも不安がらずに、この時期を
乗り越えることができました。一ヶ月半を過ぎる頃になりますと、「先生あの食事では、もう食べても食べなくてもいっしょですわ。
食べて横向いたら、もう腹が減っております」と少し物足らなそうな顔をしております。もう少し食事の量を増やしてほしいと思っているに
違いありません。しかし、体重の方は32キロから、ちっとも減らないで、そのままコンスタントに続いておりますので、
「まあまあ、もう少し辛抱しなさい。体重は少しも減っておらんでしょう。。断食している人もあるんですからな」と説明して、
そのままの食事量で頑張らせました。
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