69 :
病弱名無しさん:
C型肝炎ウイルス、どう増える 阪大教授ら仕組み解明
http://www.asahi.com/life/update/1006/004.html 2006年10月06日12時28分(朝日新聞より以下引用)
C型肝炎ウイルス(HCV)が細胞内の特定のたんぱく質と結びついて増殖す
る仕組みを大阪大学微生物病研究所の松浦善治教授(分子ウイルス学)らが解
明した。この結びつきを阻害する化合物を見つければ、ウイルスを直接攻撃し
ないため、薬が効かない耐性ウイルスができにくい薬の開発につながるという。
独科学誌「EMBOジャーナル」(電子版)に5日、発表した。
HCVが体内で増えたり病気を起こしたりする仕組みは、これまでほとんどわ
かっていなかった。ウイルスはふつう感染した細胞内にあるたんぱく質や脂質
などを利用して増殖するため、松浦教授らは、HCVが細胞内でどのようなた
んぱく質と結びついているかを探した。
その結果、FKBP8と呼ばれるたんぱく質を介して「分子シャペロン」と
呼ばれるたんぱく質の一種と結びついていることを見つけた。FKBP8の量
を減らすと、HCVの増殖が抑えられることも確認。HCVの増殖に分子シャ
ペロンとの結合が不可欠であることがわかった。
C型肝炎に対して、ウイルスが持つたんぱく質の働きを阻害する薬の開発が
進んでいるが、ウイルスの変異が激しく、耐性ウイルスの出現が心配される。
HCVと分子シャペロンの結合を阻害する化合物がみつかれば、ウイルスの変
異には影響されにくいため、松浦教授は「耐性の心配の少ない薬剤の開発が可
能になる」としている。
70 :
病弱名無しさん:2007/01/28(日) 22:50:31 ID:bkrLxhVO
71 :
病弱名無しさん:2007/01/28(日) 22:54:23 ID:bkrLxhVO
72 :
病弱名無しさん:2007/01/28(日) 23:00:30 ID:bkrLxhVO
>すみません、質問ですが日常生活での注意事項に「同じ歯ブラシを使用しない」とありますが、
>鍋物を食べる場合や、感染者の跡の風呂でも同じ危険性があるのに何故大丈夫とされているのでしょうか?
これまでチンパンジーをつかった感染実験では、C型肝炎の感染が成立する
には一定量のウィルス(10コピー程度)が血液中にはいらないと感染が成立
しないことがわかっています。風呂の場合は、例えば、10ccの血液が100リッ
トルの風呂にまざると濃度は1万倍に希釈されます。これでは高ウィルス量の
人の場合でも、相当量の風呂のお湯が(被感染者の)血液中にはいらない限り
感染しないので、感染はありえません。
2003年2月22日厚生労働省科研費報告会の吉澤先生の講演から
C形肝炎ウィルスがいったい何個はいれば感染するか?」
NAT(核酸増幅検査)が1999年に日赤に導入されて以降、日本の社会では輸
血後のC型肝炎は絶無というぐらいに激減している。ただ、たまたま偶然に、
感染して早期にウィルスが増殖していくプロセスで、NATの検出限界未満の時
(window期)の血液に遭遇した場合は、感染は避けようがない。
どれくらいのウィルス量で感染するのかをチンパンジーを使って実験した。
担当者は日赤、広島大学、赤十字血液センター、三和化学等からの13名で
1年半かかった、かなり大規模な実験であった。
最初 window期の血液(1b型,10の7乗copy/ml、抗体陰性)をつかった。こ
れはFresh Frozen Plasma (FFP)で、人間に接種可能な使用期限内のもの。当
初の予想はウィルスの総数としては 100 copy から 1000 copyぐらい入れば
感染が成立すると想定して実験を開始した。 最初に用いた血液は、サンプ
ルを得るために、(通常とは異なる)-30度以下で凍結、37度で融解、-80度
で再凍結、37度で融解した血漿を用いた。そのため、感染性の減弱が起きた
ため、1万copyでも感染は不成立だった。(FFPは、通常は採血後、-30度以下
で凍結、それを溶解して患者に接種する)
つぎに、(通常のFFPの使用と同じ条件にするため)、この血液をチンパン
ジーにoverdoseで投与して、感染成立させ、その血液を採血のち、すぐに1cc
ごとに分抽し、それをすぐに液体窒素で瞬間凍結させ、それをそのまま保存
し、ウィルス量を測定し、自己血清で希釈して実験に使用した。
(上の続き)
ウィルス量が10 copy/mlの血液を1ml(ウィルスの総数 10 copy)いれた場合
は、1週間後に血液中にHCV-RNAが見られた。1 copy/mlの血液を1ml (ウィル
スの総数 1 copy)をいれたものは、6-8週後でも感染不成立であった。この感
染不成立のものに、10 copy 相当のものをもう1度いれると、2週後に血液値
中にHCV-RNAがみられた。
これはWindow期のC型肝炎の血液で、まだHCV抗体が存在しない血液を安定な
状態で接種した場合、10 copy相当で感染が成立することを意味している。現
実ではNATの検出限界は100 copy/ml 程度で、この実験でわかった感染成立の
閾値はウィルスの個数で 10 copyで、ここには10倍の差がある。さらにこの
血液が輸血に使われる場合は、通常は200cc以上使われる。(ウィルスの実数
としてはさらに200倍となる)すなわち、たまたまこのような状況に遭遇した
場合、現在のNATの検出限界の 1/1000 以下のところで、感染は起こりえる、
ということを意味している。
これは、NATの検出感度を今後いかに磨いたとしても、(すでにぎりぎりま
で感度を磨いている)現在の感度より10の3乗ないし10の4乗も向上するのは
技術的にどう考えても難しい。勿論現在のNATの感度をさらに向上し、質をあ
げることは大事なことではあるが、万が1のことを考えると、献血者に検査目
的の採血をしない、といった社会教育をあわせてやっていかなければいけなん
ではないかと思う。
ーーーーーーー
ですから、C型肝炎の検査目的で献血してはいけません。
75 :
病弱名無しさん:2007/01/28(日) 23:19:05 ID:bkrLxhVO
>>20 の裏付け情報 (ときどき質問があるので)
飯野四郎著 「C型肝炎のインターフェロン療法」より引用
「C型肝炎の患者さんと、その配偶者をたくさんあつめ、ウィルスに感染した
ことがあるかどうか、また現在ウィルスが体内にいるかどうかの検査をしま
す。すると配偶者の10%ぐらいに、感染した証拠がみつかりました。また感
染経験のある人のうち、実際に現在もウィルスをもつキャリアの人はその60-
70%でした。次に夫婦の間でウィルスの遺伝子型を調べると、もとは同じであ
ろうとところまで一致するのは虎の門病院の熊田医師らの調査報告では、2.8%
にすぎませんでした。しかし、これも感染源が別にあってそこから夫婦そろっ
て感染したという可能性は否定することはできませんでしたので、実際はこれ
(2.8%)より少ない確率になるでしょう。(中略)こうしたデータから計算する
と、感染は性行為数千回に1回もおこらないだろうといわれています。という
ことは普通の夫婦の間では、性行為感染は考えなくてもよいのではないかとい
うことになります。」
2003年2月22日、厚労省科研費公開報告会での 「透析施設による感染」に
関する2つの講演のメモ。
1)「透析施設による感染防止の調査研究」 吉澤先生
2) 「血液透析施設」 山崎先生
「透析施設による感染防止の調査研究」 吉澤先生講演のメモ
●C型肝炎ウィルスの新たな感染は、通常の社会生活をしている日本では10万
人年あたり2から3ぐらいで、感染はほとんど止っているが、特定のところ
では、まだ現在進行形で感染が起っている。
● 全世界でのアンケート調査(定点調査)の集計では、日本の透析現場の
(キャリア率ではなく)抗体陽性率は世界第3位で 19% 。これだけ感染者
がいるところで、週3回、定期的な間欠的処理をするので、感染防御は通常
の院内感染防御と同じでは不十分であると容易に推定される。
●新な感染率を抗体陽転率を世界で比べると、日本は世界で第2位で100人年
あたり3.6で、かなりの頻度で感染が起っているというアンケート調査結果
がある。
●2年半前から実体の把握のため、県内9ヵ所の透析施設で血清学的検査、
ウィルス学的検査を行なってきた。全例の2524例のうち、透析開始時に抗
体陽性であった人は 457名(18.1%)で、日本の平均抗体陽性率とほぼ同じ。
このうちほぼ7割がキャリアだと想定される。
●開始時に抗体が陰性でしかも3ヵ月以上追跡できた 1819例を見ると、あ
らたな感染発生、キャリア化が13例みつかっている。年率に直すと 100人年
あたり0.37で、先のアンケート調査の 1/10で、非常に良く押えられている
が、まだ止っているわけではない。
● このキャリアの人全例について、ウィルス量をコアの抗原蛋白の定量で
追いかけてみると、多くは落ち着いているが、経過中にウィルスの量が変動
するのが見える。男女とも40才を過ぎるあたりから、ウィルス量の変動が
はじまり、この傾向は、通常のC型慢性肝炎、あるいはキャリアと同じ。
(上からのの続き)
●B型肝炎の透析現場のところで肝炎ウィルスの予防を考えるとき、e抗原陽
性の患者とe抗原陰性の患者で予防のシフトの引き方を違えて防御処置が行な
われているのは周知のことだが、C型肝炎の人についても定期的にチェックを
してウィルスの量が多い時と少ない時を認識した上で、防御のシフトを引く
必要があることがわかってきた。
●今後は透析のプロセス全てをチェックし、感染、汚染のおこる可能性のあ
るルートの全てを遮断した上、そこを起点にして1年以上、新たな感染がな
い、ということの確認作業にこの4月から入りたい。それにより、透析現場
でのC型肝炎の感染のあらたに防げると考えている。 (以上)
「血液透析施設」 山崎先生講演のメモ
●現在、医療現場で集団でC型肝炎の感染が発生するのは「透析」以外にない
といわれており、今回の研究を契機にC型肝炎の新規感染を防ぎたい。
●透析患者とHCV抗体の陽性頻度の比較結果は全体的に若干減少傾向だが、平
均として20%ぐらいある。
●さきの吉澤先生の報告に関しては、集団発生した肝炎に関連して過去を振
り返って調査すると年間100人につき2.5件の発生率だが、前向きに調査する
と0.55人に減っている。
●輸血のレピーターの新規発生率にくらべると、透析での発生率は多いが、
(医療機関によって)差がある、というのが個人的な印象で、推測で、「感
染の多い施設」があり、そこで感染率が非常に高いと考えている。
●透析施設でHCV抗体陽性頻度が高い理由
・過去の輸血の問題で、1990年にはじまった輸血のスクリーニングに関連し、
それ以降は減っている。
・繰り返す間歇的な体外循環治療なので、血液に接触しやすい。
・間歇的な治療だが、患者さんは複数、スタップも複数で、同じ場所で同時
に複数の処置を行うので、感染が高くなる可能性がある。
●これまで発生した集団感染の発生の調査の中で、原因が推測されているもの
・(過去に発生したB型肝炎の爆発的な院内発生は)抗凝固材としてもちいた
ヘパリン生食が、共同で作られたものを共有したためではないかと考えてい
る。
・(東京都のB型劇症肝炎については)エリスロコエチン製剤(?)を溶解するた
めに用いられた、薬剤、その溶解のために使われた注射針、注射器が汚染し
ていたためではないだろうかという推測になっている。
・(兵庫県のB型劇症肝炎については)体外循環している血液を最後に回収す
るときに、生理食塩水を共有したことがあったのではないか、と推測してい
る。
・(静岡県のC型肝炎については)共通に使った生理食塩水か抗凝固材のヘパ
リンを解かしたものだと責任者が述べている。
・(福岡県のC型肝炎については)共通に使われたヘパリン生食である、とい
うことになっている。
●集団感染を予防するためには共有薬剤をなくすことだと思っている。ただ、
今日の発表のなかで「手から手へという散発的なものがある」ということに
なっているので、CDCの勧告では透析時にC型肝炎についてはベッドの固定、
隔離は不要になっているが、このようなことも大事ではないかと思っている。
●安全を考えた施設の基準、安全を考えたスタップの配置等を班研究でやって
いくべきことではないかと考えている。できれば地域での取り組みで、新規発
生を警戒しながら、指導できるようなシステムが望ましいと考えている。(以
上)
80 :
病弱名無しさん:2007/01/29(月) 00:00:26 ID:bkrLxhVO
最近は、ウイルスが完全に消滅すれば、 肝硬変も徐々に改善するという報告を
見かけます。肝硬変の進行度も関係するのでしょうけれど。例えば、
「肝硬変でもIFNで完治することがある。その1例を紹介すると、この例は肝硬変で
IFN治療して治った最初の方です。肝生検の組織で非常に強い線維化と細胞浸潤
があった方です。24週のIFN治療で完全に治って、4年後の肝生検で炎症性の細
胞浸潤も全くなく、繊維のかけらが残っています。線維化マーカーも改善し、血小
板も当初12万だったものが今は22万と正常化しています」。
(岡上武・京都府立医科大学消化器病態制御学教室教授)
81 :
病弱名無しさん:2007/01/29(月) 00:08:13 ID:/29fDqAh
http://www.asahi.com/national/update/0123/NGY200701230006.html 薬害C型肝炎、名古屋訴訟が結審 判決は7月 2007年01月23日12時57分
血液製剤「フィブリノゲン」などでC型肝炎ウイルス(HCV)に感染したと
して愛知県内などの患者男女9人が国と製薬3社を相手取り、総額約6億円の
損害賠償を求めている集団訴訟が23日、名古屋地裁で結審した。結審は大
阪、福岡、東京の各地裁に続いて4番目。判決は7月31日に言い渡される。
最終弁論では、フィブリノゲンの投与で、肝がんと肝硬変になった東海地方
の60歳代の女性原告が「国民は、国や製薬会社が安全な薬を開発、承認して
いると信用しているのに根底から覆した。早急に過ちを認め、裁判所には正義
にかなった判決をお願いします」と陳述した。同じく慢性肝炎になった原告の
金田和子さん(53)=愛知県豊橋市=は「何よりも命の尊さを見据えた判決
を切に願います」と訴えた。
原告側弁護団は、「フィブリノゲン製剤には原料や製法の点から、C型肝炎
罹患(りかん)の重大な危険性があった」「製薬会社がずさんな資料で承認申
請し、国がずさんな承認をし、多数の被害者を生み出した」と指摘し「公正な
判決で、肝炎患者に明るい未来を」と訴えた。
国側は「肝炎のリスクを考慮しても客観的に有用性があった」とし、国の承
認などの判断に誤りはなかったと主張した。