C型肝炎総合スレpart.8

このエントリーをはてなブックマークに追加
699名無しさん@そうだ選挙に行こう
2003年2月22日、厚労省科研費公開報告会での個人メモより一部抜粋

「透析施設による感染防止の調査研究」

●C型肝炎ウィルスの新たな感染は、通常の社会生活をしている日本では10万
人年あたり2から3ぐらいで、感染はほとんど止っているが、特定のところ
では、まだ現在進行形で感染が起っている。

● 全世界でのアンケート調査(定点調査)の集計では、日本の透析現場の
(キャリア率ではなく)抗体陽性率は世界第3位で 19% 。これだけ感染者
がいるところで、週3回、定期的な観血的処理をするので、感染防御は通常
の院内感染防御と同じでは不十分であると容易に推定される。

●新な感染率を抗体陽転率を世界で比べると、日本は世界で第2位で100人年
あたり3.6で、かなりの頻度で感染が起っているというアンケート調査結果
がある。

●2年半前から実体の把握のため、県内9ヵ所の透析施設で血清学的検査、
ウィルス学的検査を行なってきた。全例の2524例のうち、透析開始時に抗
体陽性であった人は 457名(18.1%)で、日本の平均抗体陽性率とほぼ同じ。
このうちほぼ7割がキャリアだと想定される。

●開始時に抗体が陰性でしかも3ヵ月以上追跡できた 1819例を見ると、あ
らたな感染発生、キャリア化が13例みつかっている。年率に直すと 100人年
あたり0.37で、先のアンケート調査の 1/10で、非常に良く押えられている
が、まだ止っているわけではない。

●今後は透析のプロセス全てをチェックし、感染、汚染のおこる可能性のあ
るルートの全てを遮断した上、そこを起点にして1年以上、新たな感染がな
い、ということの確認作業にこの4月から入りたい。それにより、透析現場
でのC型肝炎の感染のあらたに防げると考えている。
700名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 00:15:27 ID:RYDNmHIq
続き 「血液透析施設」

●現在、医療現場で集団でC型肝炎の感染が発生するのは「透析」以外にない
といわれており、今回の研究を契機にC型肝炎の新規感染を防ぎたい。

●透析患者とHCV抗体の陽性頻度の比較結果は全体的に若干減少傾向だが、平
均として20%ぐらいある。

●透析施設でHCV抗体陽性頻度が高い理由
・過去の輸血の問題で、1990年にはじまった輸血のスクリーニングに関連し、
 それ以降は減っている。
・繰り返す観血的な体外循環治療なので、血液に接触しやすい。
・観血的な治療だが、患者さんは複数、スタップも複数で、同じ場所で同時
 に複数の処置を行うので、感染が高くなる可能性がある。

●これまで発生した集団感染の発生の調査の中で、原因が推測されているもの
・(過去に発生したB型肝炎の爆発的な院内発生は)抗凝固材としてもちいた
 ヘパリン生食が、共同で作られたものを共有したためではないかと考えている。
・○○県のB型劇症肝炎については)エリスロコエチン製剤を溶解するために用
 いられた、薬剤、その溶解のために使われた注射針、注射器が汚染していたた
 めではないだろうかという推測になっている。
・(○○県のB型劇症肝炎については)体外循環している血液を最後に回収す
 るときに、生理食塩水を共有したことがあったのではないか、と推測している。
・(○○県のC型肝炎については)共通に使った生理食塩水か抗凝固材のヘパ
 リンを解かしたものだと責任者が述べている。
・(○○県のC型肝炎については)共通に使われたヘパリン生食である、とい
 うことになっている。

●集団感染を予防するためには共有薬剤をなくすことだと思っている。ただ、
今日の発表のなかで「手から手へという散発的なものがある」ということに
なっているので、CDCの勧告では透析時にC型肝炎についてはベッドの固定、
隔離は不要になっているが、このようなことも大事ではないかと思っている。
701名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 00:22:48 ID:RYDNmHIq

2年ちょい前に、 2003年2月22日、厚労省科研費公開報告会 (飯野先生や熊田先生、
吉澤先生ほか著名な先生方が一同にあつまっての報告会、毎年やっており自由参加)

を全部聞いたときのメモの一部を上に書きましたたが、当時は医療現場で透析が
唯一、C型肝炎の集団発生の原因になっていたことが問題で、ようやく対策が行わ
れはじめたような印象でした。(あまり、マスコミでは報道されてませんが)