親愛なる1へ贈る言葉を集めよう

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239これもそうかなあ?
突然、1は光に飲み込まれた。
気が付くと、1の周りには厳めしい顔の鎧武者が取り囲んでいた。
そう、1は戦場の真っ只中に放り込まれていたのだ。
「お、俺は本当に戦国時代に来たんだ!」
1は将来の輝かしい出世を確信し、胸躍らせた。
鎧武者は1の喉元に刀を突き付け、
「その奇怪なる身なり敵方の細作だな、曲者め!!」
「待ってくれ!俺は未来から来たんだ!俺を軍師にしてくれれば、
必ず天下が取れるんだ!頼むから助けてくれ〜!」
1は大勢の足軽達の嘲笑を全身に浴びながら、その青白い首を刎ね飛ばされた。



後世の歴史学者達は、「信長公記」に記された、一行の記述に頭を
悩ませた。

「羽柴筑前守殿 高松ニ於テ 度奇祖駐坊 壱匹仕留メタリ」

学者は首を傾げて嘆息する。
「うーん、このドキソチュウボウとは何なのだろう?
さっぱり判らん、もう逝くか…」
信長公記をゴミ箱に投げ捨てた。

研究室のゴミ箱に放り込まれた古文書が、悲しそうに揺れた。