【君は】粉雪舞う♪ネニチリン85【宝物】

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11荒らしさん@携帯厨
"性に対する意識の乱れ"

新聞やテレビで氾濫する陳腐な言葉を冷ややかに見ていたものだが、
僕らの時代じゃとても考えられないほどあっけらかんと、
無邪気に話を進めるこの娘を見ていると当事者となった自分が
少し怖くなった。

だが、逆に好都合なのだ。
場慣れした娘であればあるほどリスクは軽減される。むりやり自分を納得させた。
道路に点在する街路灯が時折、彼女の無邪気な横顔を照らす。

なるほど。彼女が言うようにホテルの周りは民家など一軒もなく、
四方を山で囲まれた閑静な田園地帯にポツリと佇んでいた。
悪趣味なネオンとスポットライトが田んぼの水面に妖艶に写りこんでいる。

駐車場には僕の車と2台ほどの大衆車が停まっているだけだ。

「バタンッ」

車のドアを閉める音だけが2回、夜空に響き渡る。
その時ふと、背後に人の気配を感じて振り返った。
そこにはナイフを持った少年が3人、高校生くらいだろうか。
笑みを浮かべてこちらの様子を伺っていた。
彼女に目をやると、相も変わらず無邪気な笑顔を浮かべ一言、
「おじさんごめんね」と呟いた。
なるほど。そういうことだったのか。
落胆とため息の入り混じった声で僕は呟いた。

「び・・・・美人局だったのか・・・・」