1 :
にっく:
宮沢章夫「牛への道」に出てきた一節を戯曲のようなものに
しようというささやかな試み。
2 :
にっく:01/10/04 00:07 ID:nHF33Jnc
(会議室。窓からは日差しが入り込んでいる。中心に円卓があり、それを十人近くの
人々が取り囲んでいる。皆、正装姿で神妙な面持ちである)
議長:えー、それでは、臨時会議を行います。全員起立!
(全員起立とともに一礼。そして着席。その動きは一糸乱れていない)
3 :
にっく:01/10/04 00:10 ID:nHF33Jnc
議長:今日取り上げることになった議案は、昨日発覚した、中山君が女子便所で
自慰行為を行ったことについて、であります。このような破廉恥な行いに対して
どのような制裁を下すべきか、話し合いましょう。
中村:(手を挙げて)議長、よろしいですか。
議長:許可します。
4 :
にっく:01/10/04 00:15 ID:nHF33Jnc
中村:同士、中山君が女子便所で自慰行為を行ったとのことですが、状況について
詳しい説明を求めます。
議長:中原君。
中原:はい。昨日の、午後九時ちょうど、私がトイレに入ったところ、個室内から
明らかに男性と思われる不審な声がしたので、ノックをして確認しました。
中田:議長、質問許可願います。
5 :
にっく:01/10/04 00:18 ID:nHF33Jnc
議長:質問、許可します。
中田:中原さん、念のために確認しますが、ノックの回数は何回でしょうか。
中原:気が動転したので、正確なところは覚えていないのですが、三、四回くらい
ではなかったかと思います。
中田:少なくとも、三回は叩いた、ということでよろしいでしょうか?
6 :
にっく:01/10/04 00:24 ID:nHF33Jnc
中原:はい、恐らく。
中田:議長、この会議が終わった後に「中原さんがトイレノックは二回というマナーを
破った問題」に関する緊急会議を開くことを要求いたします。
議長:同士諸君の反対意見がないのならば中田君の要求を認めます。
中川:反対いたします。中原さんの説明にあったような緊急時において、
トイレノックのマナーは不必要ではないかと考えます。
中田:しかし、もしも個室内に居た人間が正規の用件を行っていたらどうする?
そのような不躾な行為が原因で便秘を始めとする疾病に悩まされないとも
限らんのだぞ。
7 :
にっく:01/10/04 00:30 ID:nHF33Jnc
議長:他にないですか?それでは、緊急会議の開会の是非について多数決を
行います。賛成の方は御起立お願いします。
(中原、中川を除いた全員が起立する)
議長:賛成多数。よって、中田君の要求を認め、この会議の後に、中原君が
トイレノックのマナーを破った問題について、会議を開きます。
(全員に着席を促しつつ)それでは、会議に戻ります。中原くん、続きを。
8 :
にっく:01/10/04 00:39 ID:nHF33Jnc
中原:はい。ええ、ノックをしたところまではお話しましたね。それで、ノックをしたところ、
反応はあったんですが、それでも不審だったので、すぐに昨日の宿直を担当していた
中野さんに携帯電話で連絡して、駆けつけてもらいました。
議長:ここまでで質問はありますか?
中村:一点、よろしいでしょうか?
議長:許可します。
中村:中原さんのお話の中に、九時ちょうどとありましたが、それは何故
確認できたのでしょうか?
9 :
にっく:01/10/04 00:44 ID:nHF33Jnc
議長:中原君。
中原:質問に答える必要性はないと思います。黙秘権を行使します。
議長:正確な時刻を知ることは問題解決の基本です。黙秘権を認めません。
中原:・・・
議長:このまま黙秘を続けると、緊急懲罰会議を開くことになりますが
よろしいですか?
中原:・・・・・・私は、生理中の時は、午前九時、午後三時、午後九時と三回に分けて
汚物処理をする習慣があるのです。これで説明になったでしょうか?
10 :
にっく:01/10/04 00:49 ID:Z7T.J/I6
議長:結構です。
中原:議長、この会議の後に、「女性が性的に憚られる内容を黙秘できない問題」
について緊急会議を開くことを要求します。
議長:反対意見ありますか?(見渡すも皆沈黙)
要求を認めます。ただし、開会は中原君のトイレノックに関する会議が
終わった後となります。それでは、会議に戻ります。中原くん、続きを。
11 :
にっく:01/10/04 00:50 ID:???
連投規制にもひっかかったし、とりあえず、ここまで。
感想等あったらよろしくお願いします。
記念カキコと洒落込もうか。
続き頼むわ
14 :
にっく:01/10/05 07:11 ID:Lv2JIRgY
中原:はい。中野さんに駆けつけてもらい、ドアをノックしてもらいました。
中田:議長、質問許可願います。
議長:質問、許可します。
中田:中野さん、念のために確認しますが、ノックの回数は何回でしょうか。
中野:(断固たる口調で)二回です。
中田:中原さん、それは事実でしょうか。
15 :
にっく:01/10/05 07:13 ID:Lv2JIRgY
中原:恐らく事実ではないかと・・・
中田:恐らく?
中原:事実です。
議長:よろしいですか?それでは会議に戻ります。中原君。
中原:はい。ここから先は中野さんの口からお話された方がよろしいと思います。
議長:中野君。
16 :
にっく:01/10/05 07:30 ID:Lv2JIRgY
中野:はい、まず、九時ほぼちょうどに中原さんから電話があり、
すぐに女子便所へ駆けつけました。時間についてはNHKを見ていたので
間違いありません。
(中原、密かに恨みがましい目で中野を見つめる)
中野:駆けつけると、閉まっている個室を二度ノックしましたが反応はありませんでした。
そこで私は個室内の人間にこう警告を発しました。
『このまま無反応ならば不審人物として警察に通報するぞ!』
すると、トイレットペーパーを回す音がして、それから水が流れる音が
してから中山君が出てきました。
議長:中山君、間違いありませんか?
中山:はい、間違いありません。
17 :
にっく:01/10/05 07:34 ID:Lv2JIRgY
議長:続けます。
中川:議長。
議長:はい。中川君。
中川:ここから先は当事者三名によってその場の会話を再現してもらったほうが
よろしいのではないでしょうか?
議長:異議、ありますか・・・・・・・・・異議無し。認めます。
それでは中山君、中原君、中野君、再現をして下さい。
18 :
にっく:01/10/05 07:43 ID:Lv2JIRgY
(中山、中原、中野、一瞬戸惑いつつもその場に立つ)
中野:『中山君!・・・・・一体何をしていたんだ?』
中山:『いや、まあ、その・・・』
中原:『どういうことなんですか!?』
中山:『いや、急に催して・・・』
19 :
にっく:01/10/05 07:56 ID:Lv2JIRgY
中原:『男子便所が隣にあるじゃないですか!』
中山:『君だって、ほら、あれだ、あるだろ?どうしても我慢できなくなって、
そうしたら男子トイレしかなくて!ね!だろ?』
中原:『意味わかりませんよ』
中野:『別に隣の個室が全部閉まってたわけでもないだろ?』
中山:『いや、そうなんですけど、まあ、ええ、ほら』
20 :
にっく:01/10/05 08:01 ID:Lv2JIRgY
中野:『埒があかないな!なら宿直室に行こう。向こうで聞くよ』
中原:『行きましょう』
中山:『ああ、うんと、そだね、そうですね、行きましょう。』
中野:女子便所内のやり取りは以上です。議長、よろしいですか?
議長:ここまでで質問はありますか?
21 :
にっく:01/10/05 08:02 ID:???
今日はここまで。
22 :
やっち:01/10/12 13:15 ID:???
========ここまで読んだ=========
23 :
やっち:01/10/12 13:16 ID:???
========さっぱり分からなかった=========
俺は分かった。ていうか、狙っている部分が、ね。
25 :
アスパラ:
やべぇ、乗り遅れた。